乳牛は妊娠していなくても牛乳を出す?歳を取ったらどうなる?
牛乳が毎日当たり前にスーパーに並んでいるので、牛はお乳を常に出す生き物だと思っていた高校生時代の私。
意識して調べてみないとこういうことって疑問に思ったままスルーしていますよね。
妊娠していなくても乳を出すのか調べてみました。
人間と同じ構造
当時はインターネットが家庭に普及して間もない頃なので今のように手のひらですぐに正解を見つけることはできなかったのですが、分からないことがすぐに調べられる便利な世の中になったものです。
牛乳は常に出るものではなく妊娠して出産した後、搾乳を開始します。
妊娠期間は人間と同じくらいの約9ヶ月半。
出産したら2ヶ月後に人工的に次の受精をし、妊娠をし、妊娠中は体調管理のため2〜3ヶ月搾乳しない期間を設けますがまた出産して搾乳し、人工授精して妊娠というサイクルを続けるため一年の多くの期間で乳が出ます。
生まれた牛はというと雌ならば同じように乳牛になることが多く、2歳にならないくらいのタイミングで上記のサイクルに入ります。
雄は肉牛として育てられることが多いです。
一生で大体3回(個体によるので妊娠しなければもっと少ないし妊娠する子はもっと多いです)妊娠出産した牛はお役目を果たし肉用として売られます。
元々肉用として育てられた牛と肉質が違うのでそこまで高価ではなく一頭5〜10万円だそうです。
流通しても味はそこまで美味しくないそうですが安いのがメリットです。
そこまでして飲む必要はあるのか
こんなことを書くとなかなか残酷なことをしているなと感じる人もいるでしょうが、私もそう感じます。
自由に動けない繋ぎっぱなしのフンまみれの不衛生な環境で育つ乳牛は全体の酪農場の72%。
毎日45キロの草を食べ、人間の150倍近くの大量の糞を出す。
常に掃除をしていけるような人員もおらず、2023年は牛乳があまり殺処分すると補助金がもらえるという訳の分からない政策もあり普通にやっていては儲からないので人員を減らすしかないのも事実。
放牧した方が労働コストの削減になるというデータがあり、農林水産省も放牧を勧める指針を出しています。
しかし、放牧するにも場所の問題などがありなかなかそう簡単には進まない現実と、今回の殺処分の件を機に酪農を引退する人が続出しました。
また牛乳が足りなくなって訳のわからない政策をするのでしょうか。
これは消費者も含めて冷静にならないといけませんね。
ないものはない、相手が動物なのだからそう簡単に計算通りにはなりません。
ないなりに知恵を絞らないとまた足りない時にパニックになります。
個人的には少しずつ牛乳から離れる方がいいのでは今回の殺処分政策で強く思いました。
給食の牛乳も選択制にしてほしいしわざわざ令和の時代に昼間に飲む必要もない。
牛乳神話も見直す時ではないでしょうか。
世界はどうなのか
鶏のバタリーケージが廃止されたりと世界はどんどん変わっている中で酪農の分野はどうなのでしょうか。
例えばデンマークは1980年代まではつなぎ飼育が当たり前でしたが、2020年に完全に禁止に。
時間を決めて野外で放牧させないといけないという規制があるのがスウェーデン、スイス、オーストリア。
つなぎ飼育を廃止していく方針でEUが酪農家に助成金を出しています。
ちなみに日本の動物福祉は2020年で世界最低ランクのG評価です。
WAPという機関がそれぞれの国の現状と法律に関して調べて評価したものです。
中国がかなり動物福祉に力を入れ始めているという話を聞いていますがいわゆる先進国と呼ばれる国で最低なのは恥ずかしいことです。
それだけ日本における飼育環境が異常でそれを誰も気づかないのも異常。
テレビを観るとグルメ番組では肉のことばかり紹介していることから分かるように日本のメディアはスポンサーの言いなりなので不都合なことは伝えません。
私たち一人ひとりが知って行動を変えないと、この国はメディアの報道を期待して待っていても変わりません。
私自身、猫の保護活動をし始めて、ペットショップの裏側のことを聞いた時は本当にショックでしたが全くテレビでは触れません。
ようやく最近週刊新潮さんが大手ペットショップのクーアンドリクについて取り上げられましたがテレビでは全然報道されず。
乳牛が妊娠しないと乳を出さないかということを調べていてこの記事に辿り着いた人にはちょっと辛い思いをさせてしまったと思います。
そして、もし可能ならば少し牛乳の量を減らすなど行動で変化してもらえると嬉しいです。
けれど、決めるのは自分自身でその選択を責めるつもりもありません。
豆乳やオーツミルクが代わりになると言われてもやはり味の好みは人それぞれで、私自身豆乳やココナッツミルクでカルボナーラを再現しようと思ったのですが美味しく作れず、、、
なので完璧を目指す必要はないと思います。
コーヒーにミルクを入れて飲むのは続けるけれど、牛乳だけで飲むのはやめるとか。
買うなら放牧されている農家のものを買うとか。
そのあたりはよつ葉乳業さんが力を入れています。
動物福祉が世界中で広まっていて、人間のために工場の機械のように扱われるような動物を減らし、たとえ畜産として育てられて最後は屠殺されることになってもそれまでは幸せに暮らせるような世の中へ。
そうなるとお肉の値段が高くなったりするかもしれません。
本来はとても貴重な食材です。
正常な値段を消費者が受け入れることも大切です。
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