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鶏のバタリーケージ飼育はかわいそう?現状と私たちにできること

鶏 バタリーケージ かわいそう

 

はじめに:鶏のバタリーケージ問題とは 

 
現代の養鶏業界で広く使用されているバタリーケージシステム。多くの消費者は、スーパーで購入する卵がどのような環境で生産されているか知らずにいます。実は、日本で流通する卵の約90%以上が、鶏にとって非常に過酷な環境である「バタリーケージ」で飼育された鶏から産まれているのです。
バタリーケージという言葉で検索した方以外は馴染のない言葉かもしれません。
この記事では、なぜ鶏のバタリーケージがかわいそうなのか、その現状と私たち消費者にできることを詳しく解説します。
 

 
バタリーケージとは何か?基本的な仕組み 

 
バタリーケージの構造 

 
バタリーケージとは、採卵鶏を金網製のケージに閉じ込めて飼育するシステムです。一般的な特徴は以下の通りです:

狭いスペース:1羽あたりのスペースはA4用紙1枚分程度(約400-500平方センチメートル)
多段構造:ケージを何段にも重ねて効率化を図る
金網床:鶏の足に負担をかける金網の床
自動化システム:給餌、給水、集卵が自動化されている

 

身動きの取れない環境で餌を食べ、卵を生むだけの日々。

想像しただけで吐き気がしますが、私達が知らずに買うということはこのシステムを容認しているということです。

知った時にどうするか。

それは人それぞれの価値観でしかないのが現状ですが、変えたいと思う人が増えると必ず法律が変わります。
 

 
なぜバタリーケージが導入されたのか 

 
バタリーケージが普及した理由は主に経済効率です:

1. 省スペース化:限られた土地で多くの鶏を飼育可能
1. コスト削減:人件費や設備投資を抑制
1. 衛生管理:糞尿の処理が比較的容易
1. 生産性向上:効率的な卵の回収が可能

 

石破首相が串田議員のバタリーケージに対する答弁で、衛生の点でメリットがあると発言している動画を観ましたが、確かに日本の卵が生で食べられるのは衛生管理がしっかりされているからかもしれません。

ただ、平飼いで育てている卵ももちろん生で食べられますし、バタリーケージだから衛生の点で優れているというわけではありません。

 

糞尿の問題も、私が実際にバタリーケージの養鶏場に行った時、風向きによっては近所から苦情が来るというくらいの強烈なニオイでした。

平飼いの鶏の養鶏場は密度や掃除の仕方にもよると思いますが、私が行った愛知県豊橋市でスーパーマーケットを展開している株式会社渥美フーズの養鶏場は嫌なニオイがせず、鶏たちも快適そうに過ごしていました。

人間だけでなく他の生き物もニオイを感じます。

人間が不快だと思うニオイは鶏にも同じように感じているだろうし、そのニオイがずっとしている身動きの取れない環境は生き地獄ではないでしょうか。

 
 
鶏にとってバタリーケージがかわいそうな理由 

 
1. 極度に制限された行動空間

  
鶏は本来、以下のような自然な行動を取る動物です:

– 羽ばたき:筋肉を動かし、ストレス発散
– 砂浴び:羽根の手入れと寄生虫の除去
– 止まり木での休息:足の健康維持
– 営巣行動:安全な場所での産卵
– 採餌行動:地面をつついて食べ物を探す

しかし、バタリーケージではこれらの行動がほぼ不可能です。1羽あたりのスペースは翼を広げることもできないほど狭く、鶏たちは一生涯、身動きが取れない状態で過ごします。

かわいそう、かわいそうでないという一般的な感情であれば間違いなくかわいそうですし、卵を生産するためには仕方がないことだという意見ももちろんあってそれも間違いではないです。
 

 
2. 深刻な健康問題
 

・骨の脆弱化

運動不足により骨密度が低下し、骨折しやすくなります。特に産卵により体内のカルシウムが不足することで、この問題は深刻化します。

・足の疾患

金網の床で一生を過ごすため、常にふんばる力が入ることにより足裏に潰瘍ができたり、趾瘤症(しりゅうしょう)という病気を発症することがあります。

・羽根の損傷

狭いスペースで他の鶏と接触し続けることで、羽根が擦り切れたり、抜け落ちたりします。

・呼吸器系の問題

密閉された環境でアンモニアガスなどの有害物質にさらされ、呼吸器系の疾患を患うことがあります。
 

 
3. 精神的ストレスと異常行動
 

・羽根つつき

ストレスや欲求不満から、自分や他の鶏の羽根をむしり取る行動が見られます。

・カニバリズム

極度のストレス状態では、他の鶏を攻撃し、ついばむ行動が発生することがあります。

・無気力状態

長期間の監禁状態により、鶏が無気力になり、動かなくなることがあります。
 

 
4. 社会的欲求の阻害 

 
鶏は実は社会的な動物で、仲間とのコミュニケーションや序列形成などの複雑な社会行動を取ります。しかし、バタリーケージではこうした自然な社会行動が大きく制限されます。
 

 
世界の動向:バタリーケージ禁止の流れ 

 
ヨーロッパの取り組み 

 
ヨーロッパでは動物福祉の観点から、バタリーケージの段階的廃止が進んでいます:

– EU:2012年に従来型バタリーケージを全面禁止
– ドイツ:2025年までにエンリッチドケージも禁止予定
– フランス:2022年にバタリーケージ禁止を決定
– イギリス:2025年までに段階的廃止予定
 

 
アメリカの動き 

 
– カリフォルニア州:2015年にバタリーケージを禁止
– マサチューセッツ州:2022年から禁止
– 複数の州で同様の法案が検討中
 

 
アジア・オセアニア 

 
– ニュージーランド:2022年にバタリーケージを禁止
– オーストラリア:州によって異なるが、段階的廃止が進行
– 韓国:動物福祉法の強化により改善が進む

 

こちらの動画をぜひ御覧ください。

 

 
日本の現状:遅れる動物福祉への取り組み 

 
日本の養鶏業界の現状 

 
日本では残念ながら、バタリーケージからの脱却が大幅に遅れています:

– 採用率:約90%以上の養鶏場でバタリーケージを使用
– 法規制:明確な動物福祉法がない
– 業界の抵抗:コスト増を理由とした変革への消極性
– 消費者意識:動物福祉への関心の低さ

 

また、政治とカネの問題で、吉川貴盛元農相がアキタフーズという養鶏大手会社から2018年11月から19年8月にかけ、計500万円の賄賂を受け取ったとされる贈収賄事件。

どんなやり取りがあったのか分かりませんが、バタリーケージ廃止の動きへの圧力はかけていることは予想されます。

 

私達では何も変えられないかもしれませんが、コストが安いものを優先してしまうことで目に見えてこない存在が苦しんでいることがあります。

消費者の行動が変わることで社会が少しずつ変わります。

 

  
日本で進む取り組み 

 
それでも少しずつ変化の兆しが見えています:

・企業の取り組み

– 食品メーカー:マヨネーズのキユーピーなど一部企業がケージフリー卵の調達を開始
– 外食チェーン:国際的な企業を中心にケージフリー宣言
– 小売業:スーパーマーケットでの平飼い卵の販売など動物福祉に配慮した商品の取り扱い拡大

・法整備の動き

– 動物愛護管理法:改正により産業動物の福祉向上を明記
– 自治体条例:一部自治体で独自の動物福祉基準を設定
 

 
バタリーケージの代替案:より人道的な飼育方法 

 
 1. エンリッチドケージ(拡張ケージ) 

 
従来のバタリーケージを改良し、鶏の基本的な行動欲求に配慮したシステム:

– 広いスペース:1羽あたり750平方センチメートル以上
– 止まり木:休息のための設備
– 営巣箱:産卵のためのプライベート空間
– 砂浴び場:羽根の手入れができる設備
 

 
2. 鶏舎飼い(平飼い) 

 
地面に直接鶏を放し、鶏舎内で自由に動き回れるシステム:

– 自由な移動:鶏舎内での制限のない移動
– 自然な行動:砂浴び、採餌行動が可能
– 社会的行動:群れでの自然な行動
– 健康改善:運動による骨格の強化
 

 
3. 放牧飼い(フリーレンジ) 

 
屋外の牧草地で鶏を飼育するシステム:

– 屋外アクセス:日光浴と新鮮な空気
– 自然な採餌:昆虫や草の摂取
– 運動機会:広い空間での自由な運動
– ストレス軽減:最も自然に近い環境
 

 
私たち消費者にできること

  
1. 意識的な商品選択
 

・ケージフリー卵の選択

– 平飼い卵:「平飼い」と表示された商品を選ぶ
– 放牧卵:「放牧」や「放し飼い」と表示された商品
– 有機卵:有機JAS認証の卵(ケージフリーが条件)

 

このような卵がお店で販売されていない時、お客様の声に書き込むなどして要望を伝えることにより、商品が棚に並ぶことがあります。

そして、実際に買うということが何よりも効果的な行動です。

 

 
・表示の確認方法
 

– パッケージの表示:飼育方法の明記を確認
– 生産者情報:ウェブサイトで飼育環境を調べる
– 認証マーク:動物福祉に配慮した認証の確認
 

 
2. 価格差への理解 

 
ケージフリー卵は通常の卵より価格が高くなりがちですが、その理由を理解することが重要です:

– 飼育コスト:より広い土地と設備が必要
– 管理費用:手間のかかる飼育管理
– 生産効率:1羽あたりの産卵数の減少
– 品質向上:より健康で品質の高い卵の生産
 

 
3. 情報発信と啓発活動
 

・SNSでの情報共有

– 事実の共有:バタリーケージの現状を正確に伝える
– 代替商品の紹介:ケージフリー商品の情報共有
– 体験談の投稿:実際に購入した商品のレビュー
 

 
・周りの人への啓発 

– 家族や友人:動物福祉について話し合う
– 購買行動の説明:なぜケージフリー商品を選ぶのかを説明
– 教育機会の提供:子どもたちに命の大切さを教える
 

 
4. 企業への働きかけ 

 
・要望の伝達

– メーカーへの問い合わせ:ケージフリー卵の導入要望
– 小売店への要求:ケージフリー商品の取り扱い拡大
– 外食産業への働きかけ:使用する卵の改善要求
 

 
・投資家としての行動

– ESG投資:環境・社会・ガバナンスを重視した投資
– 株主としての発言:株主総会での動物福祉への質問
– 企業評価:動物福祉への取り組みを企業評価に反映

 

夢のような話ですが、上場企業の株の過半数を買い取って、使う卵を変えるように方針を変えられたらものすごく面白いですね。

そういう社会活動のためにみんなでお金を出し合って株を買い取るというコミュニティができたら…、いや、私には手の届かなさすぎる金額なので大金持ちが動いてくれればなぁと妄想してみます。
 

 
よくある質問と回答 

 
Q: ケージフリー卵は本当に安全なの? 

 
A: 適切に管理されたケージフリー飼育では、衛生面でも問題ありません。むしろ、鶏のストレスが少ないため、より健康的な卵が期待できます。ただし、生産者の管理技術が重要になります。
 

 
Q: 価格が高いケージフリー卵を買う価値はある? 

 
A: 動物福祉の観点だけでなく、以下の価値があります:

– より自然な環境で育った鶏の卵
– 持続可能な畜産業への投資
– 将来世代への責任ある選択
– 味や栄養面での品質向上の可能性
 

 
Q: バタリーケージを完全になくすのは現実的? 

 
A: ヨーロッパの事例を見れば十分可能です。移行期間を設けて段階的に進めることで、生産者も対応できます。消費者の意識変化と政策的支援が鍵となります。
 

 
Q: 日本でケージフリー卵はどこで買える? 

 
A: 以下の場所で購入できます:

– 自然食品店
– 一部のスーパーマーケット
– オンラインショップ
– 農場直売所
– 生協などの宅配サービス
 

 
まとめ:私たちの選択が未来を変える 

 
鶏のバタリーケージ問題は、単なる動物愛護の問題ではありません。私たちの食生活と密接に関わる重要な社会問題です。毎日食べる卵がどのような環境で生産されているかを知り、より良い選択をすることは、動物の福祉向上だけでなく、持続可能な社会の実現にもつながります。

確かに、ケージフリー卵は従来の卵より価格が高く、入手も限られています。しかし、私たち一人ひとりの小さな選択の積み重ねが、大きな変化を生み出します。ヨーロッパの国々がバタリーケージを禁止できたのも、市民の声と選択があったからです。

今日から始められることは簡単です。次に卵を買う時、少し立ち止まってパッケージを見てみてください。そして可能であれば、動物福祉に配慮した商品を選んでください。その小さな一歩が、かわいそうな状況にある鶏たちの未来を変える力になるのです。

私たちの食卓と鶏たちの生活、そして地球の未来のために、今こそ行動を起こす時です。一人ひとりの意識ある選択が、より人道的で持続可能な畜産業を築いていくのです。
 

 

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