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野良猫は冬どこで寝る?寒さをしのぐ場所と私たちにできる対策

野良猫 冬 どこで寝ている

 

 

はじめに:冬の夜、野良猫は大丈夫?

 

冬の寒い夜、外で暮らす野良猫たちはどこで寝ているのでしょうか。氷点下になる夜もある中、「あの猫ちゃん、寒くないのかな」「ちゃんと寝られているのかな」と心配になったことはありませんか。

実は、野良猫にとって冬の夜は生死に関わる過酷な環境です。適切な寝床を見つけられなかった猫が、残念ながら凍死してしまうケースも少なくありません。この記事では、野良猫が冬をどう過ごしているのか、そして私たちにできる支援について詳しく解説します。

 

 

野良猫が冬に寝る場所とは

 

1. 車のエンジンルームやタイヤの間

冬の野良猫が最もよく利用する場所の一つが、駐車中の車です。特に走行直後の車はエンジンの余熱が残っており、猫にとって格好の暖房設備となります。

 

車の下や周辺で寝る理由:

  • エンジンルームの余熱で暖かい
  • 風や雨雪を防げる
  • 狭い空間で体温を保ちやすい

ただし、これは猫にとって非常に危険な場所でもあります。朝、車を発進させる際に猫が巻き込まれる事故が毎年発生しています。冬の朝は車に乗る前にボンネットを軽く叩く「猫バンバン」を習慣にしましょう。

 

2. マンションの駐輪場や物置

集合住宅の共用部分も、野良猫が好んで利用する寝床です。

 

駐輪場が選ばれる理由:

  • 屋根があり雨風をしのげる
  • 人の出入りが夜間は少ない
  • 自転車の間に隠れられる安心感

マンションの管理人の方は、冬の間だけでも段ボールや発泡スチロールの箱を置いて、猫の避難場所を作ってあげることを検討してみてください。

 

3. 神社やお寺の境内

昔から神社仏閣は野良猫の聖域とされてきました。

 

境内が安全な理由:

  • 本堂や社務所の床下が暖かい
  • 樹木が風を防いでくれる
  • 参拝者から食べ物をもらえることも
  • 比較的人に慣れている猫が多い

お参りの際に野良猫を見かけたら、そっと見守ってあげましょう。神社によっては地域猫として餌やりや管理をしている場所もあります。

 

4. 商店街のアーケードや店舗の軒下

人通りの多い商店街も、夜になると野良猫の寝床になります。

 

商店街が選ばれる理由:

  • 深夜は人通りが少なく静か
  • 店舗からの熱が残っている
  • 屋根があり雪を防げる
  • 飲食店が多く食べ物を得やすい

ただし、朝早くから人の往来が始まるため、猫たちは明け方には別の場所へ移動することが多いです。

 

5. 建物の隙間や床下

民家や店舗の床下、建物の隙間も重要な避難場所です。

 

床下が暖かい理由:

  • 建物からの熱が伝わる
  • 完全に風を遮断できる
  • 外敵から身を守れる
  • 狭い空間で体温を保持しやすい

古い家屋や倉庫は特に、床下への出入り口が多く、猫の格好の寝床となります。

 

6. 段ボールや発泡スチロールの中

心優しい人が用意してくれた簡易シェルターも、野良猫の命を救っています。

 

段ボールハウスの効果:

  • 断熱効果が高い
  • 簡単に設置できる
  • 雨をある程度防げる
  • 複数の猫が身を寄せ合える

特に発泡スチロールの箱は保温性が非常に高く、冬の野良猫支援で最も効果的なアイテムの一つです。

 

 

野良猫は冬の夜、寝られているのか?

 

冬の夜は過酷な環境

正直に言えば、野良猫にとって冬の夜は「ぐっすり眠る」という状態ではありません。氷点下になる夜、適切な寝床がない猫は、以下のような状態で夜を過ごしています。

 

冬の夜の野良猫の実態:

  • 常に寒さで体が震えている
  • 体温を保つため丸くなって動けない
  • わずかな物音にも警戒して目を覚ます
  • カロリーを消費しすぎて衰弱していく

特に子猫や高齢猫、病気や怪我をしている猫は、厳しい寒さに耐えられず、残念ながら凍死してしまうこともあります。

 

実際に凍死してしまう野良猫も

動物愛護団体の報告によると、毎年冬になると凍死した野良猫が発見されるケースが報告されています。

 

凍死のリスクが高い猫:

  • 生後間もない子猫
  • 10歳以上の高齢猫
  • 病気や怪我で体力が低下している猫
  • 縄張り争いに負けて良い寝床を確保できない猫

寒波が到来する夜や雪が降る日は、特に危険です。私たちが暖かい部屋で眠っている間に、外では命を落としている猫がいるという現実を知っておく必要があります。

 

 

野良猫は日中どう過ごしているのか

 

日当たりの良い場所で体力回復

野良猫が冬を乗り越えるための重要な戦略が、日中の日光浴です。

 

日中の過ごし方:

  • 日当たりの良い場所でたくさん寝る
  • 太陽の熱で体温を回復させる
  • 夜に消費したカロリーを補うため体を休める
  • 日光を浴びてビタミンDを生成する

日当たりの良い塀の上、駐車場のアスファルト、南向きの軒下などで、気持ちよさそうに眠っている野良猫を見かけたことがあるでしょう。これは単なる昼寝ではなく、過酷な夜を生き延びるための必死の体力回復なのです。

 

日中のエネルギー蓄積が生死を分ける

野良猫にとって、日中にどれだけ体を温め、エネルギーを蓄えられるかが、その夜を乗り越えられるかどうかの分かれ道になります。

 

日光浴の重要性:

  • 体温を維持するためのエネルギー節約
  • 免疫力の維持
  • 精神的なストレス軽減
  • 次の食事を探すための体力温存

曇りや雨の日が続くと、猫は十分に体を温められず、夜の寒さに耐える体力が失われていきます。

 

 

私たちにできる野良猫の冬対策

 

1. 簡易シェルターの設置

最も効果的な支援は、野良猫が暖かく過ごせる簡易シェルターを用意することです。

 

簡単にできるシェルターの作り方:

発泡スチロール箱を使った方法:

  • 大きめの発泡スチロール箱を用意
  • 猫が出入りできる穴を開ける(直径15cm程度)
  • 中に古毛布や新聞紙を敷く
  • 雨が入らないよう蓋を少しずらして重しを置く
  • 風が直接入らない場所に設置

段ボールを使った方法:

  • 丈夫な段ボール箱を二重にする
  • 間に新聞紙を詰めて断熱性を高める
  • 入口以外をガムテープで補強
  • ビニールシートで雨対策

これらのシェルターは、猫の体温を外に逃がさず、外気をシャットアウトする効果があります。設置する場合は、近隣住民の理解を得ることも大切です。

 

2. 給餌の支援

寒い冬、野良猫は体温を維持するために普段の1.5倍以上のカロリーが必要です。

 

冬の給餌のポイント:

  • 高カロリーのキャットフードを選ぶ
  • 決まった時間に与える(猫が待機できるように)
  • 食べ終わったらすぐに片付ける
  • 水は凍らないよう温水を用意
  • 地域のルールを守って給餌する

ただし、無秩序な餌やりは近隣トラブルの原因になります。可能であれば地域猫活動に参加し、適切な給餌を心がけましょう。

 

3. TNR活動への参加・支援

根本的な解決には、野良猫を増やさないことが重要です。

 

TNR活動とは:

  • Trap(捕獲)
  • Neuter(不妊手術)
  • Return(元の場所に戻す)

不妊手術を受けた猫は耳先をV字カットされており、「さくら猫」と呼ばれます。この活動により、不幸な野良猫を増やさないことができます。

 

私たちにできる支援:

  • 地域のTNR活動に参加する
  • 動物愛護団体に寄付する
  • 捕獲器の貸し出しに協力する
  • 手術費用の援助をする

4. 「猫バンバン」の習慣化

車を利用する方は、エンジンをかける前の「猫バンバン」を習慣にしましょう。

 

猫バンバンのやり方:

  1. 車のボンネットを軽く叩く
  2. クラクションを軽く鳴らす
  3. 少し待ってから車に乗り込む
  4. エンジンをかける

この簡単な行動が、多くの猫の命を救っています。特に寒い朝は必ず実践しましょう。

 

5. 保護活動への協力

もし余裕があれば、野良猫の保護活動に協力することも検討してください。

 

保護活動の選択肢:

  • 一時預かりボランティアに登録
  • 譲渡会の手伝い
  • 保護猫カフェの利用
  • 猫の里親になる
  • 保護団体への物資支援

特に子猫や病気の猫、高齢猫は、冬を外で過ごすことが困難です。可能な範囲で保護し、新しい家族を見つけてあげることも大切な支援です。

 

6. 地域猫活動への理解と協力

野良猫問題の解決には、地域全体での取り組みが不可欠です。

 

地域猫活動とは:

  • 地域住民が協力して野良猫を管理
  • 不妊手術を実施して数を制限
  • 決められた場所・時間に給餌
  • トイレの設置と清掃
  • 健康管理と見守り

自治体によっては、地域猫活動に対する助成金制度があります。お住まいの地域で活動がないか、市区町村の窓口に問い合わせてみましょう。

 

 

野良猫と人間が共存するために

 

野良猫を取り巻く現状

日本には推定で70万頭以上の野良猫がいると言われています。その多くが元々は飼い猫だったり、飼い猫の子孫だったりします。

 

野良猫が増える原因:

  • 無責任な飼育放棄
  • 不妊手術をせずに外飼い
  • 安易な餌やり
  • 捨て猫

これらは全て人間側の問題です。野良猫たちに罪はありません。

 

冬を越せない猫をゼロに

理想は、全ての猫が暖かい家庭で愛情を受けながら暮らせることです。しかし、現実にはまだ多くの猫が外で厳しい冬を耐えています。

 

目指すべき方向:

  • 新たな野良猫を生まない(不妊手術の徹底)
  • 今いる野良猫を適切に管理する(地域猫活動)
  • 保護できる猫は保護し、里親を探す
  • 冬を越せる環境を整備する(シェルター設置)

一人一人ができることは小さくても、多くの人が少しずつ行動すれば、大きな変化を生むことができます。

 

 

まとめ:小さな優しさが命を救う

 

野良猫は冬、車のエンジンルーム、建物の隙間、神社の境内、商店街の軒下など、わずかでも暖かい場所を求めて必死に寝床を探しています。しかし、適切な場所を見つけられず、凍死してしまう猫も少なくありません。

日中は日当たりの良い場所でたくさん寝て体力を回復していますが、それでも過酷な冬の夜を乗り越えるには十分ではありません。

私たちにできることは:

  • 簡易シェルターを設置する
  • 冬の給餌を支援する
  • 車に乗る前の「猫バンバン」
  • TNR活動への参加・支援
  • 地域猫活動への理解と協力

小さな優しさの積み重ねが、多くの野良猫の命を救います。この冬、あなたも何かできることから始めてみませんか。野良猫たちが少しでも暖かく、安全に過ごせるよう、一緒に見守っていきましょう。

寒い冬の夜、外で震えている猫がいることを忘れずに。あなたの小さな行動が、一つの命を救うかもしれません。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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