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猫が太りすぎている理由と健康リスク|獣医師も警告する肥満問題

猫 太り過ぎ 病気

 

 

愛する猫ちゃんの体が最近ぽっちゃりしてきた…そう感じている飼い主さんは少なくありません。実は、日本国内でも猫の肥満は深刻な問題となっており、動物病院でも相談件数が増加しています。しかし、安心してください。猫の太りすぎは実は病気ではなく、多くの場合が飼い主さんの習慣や行動に由来しているのです。つまり、原因さえ理解して対策を講じれば、改善することは十分可能なのです。

このブログでは、猫が太りすぎる理由から、太り過ぎによる深刻な病気のリスク、そして実践的な予防方法まで、猫の肥満問題について徹底解説します。あなたの愛猫の健康を守るために、ぜひ最後までお付き合いください。

 

 

猫の肥満は病気ではなく習慣からきていることがほとんど

 

多くの飼い主さんが勘違いしていることとして「猫が太っているのは遺伝や病気のせい」という認識があります。しかし、実際のところは異なります。獣医師の統計によると、猫の肥満の90%以上は飼い主さんの生活習慣や食事管理に起因しているとされています。

つまり、猫自体に問題があるのではなく、その猫をどのような環境で、どのような食事で育てているかという飼育環境が大きく影響しているということです。これは一見すると飼い主さんの責任を問うような言い方に聞こえるかもしれませんが、見方を変えればとても朗報なのです。なぜなら、飼い主さんが行動を変えれば、猫の体重は改善される可能性が高いということだからです。

実際に、多くの動物病院では、食事管理と生活習慣の改善だけで、太った猫を適正体重に戻すことに成功しています。その成功例は数え切れないほどあります。

 

 

猫が太りすぎてしまう主な習慣とは

 

では、具体的に猫がなぜ太ってしまうのか、その習慣を見ていきましょう。飼い主さんが無意識に行っていることが、知らず知らずのうちに猫の体重増加につながっているかもしれません。

 

 

1. 過剰な食事の量と回数

 

猫が太る最大の原因は、やはり食事の量です。多くの飼い主さんは「猫が食べたいだけ食べさせるのが愛情」と考えているかもしれません。確かに、愛する猫のために良いものをあげたいという気持ちはわかります。しかし、猫には人間と同じように「摂取カロリーと消費カロリーの収支」という基本原則が存在するのです。

一般的に、成猫の1日の必要カロリーは200~250kcal程度とされています。これは体重や活動量によって異なりますが、缶詰めやウェットフードを与える場合、知らず知らずのうちにこの量を大きく超えてしまうことが多いのです。

さらに、以下のようなケースも非常に多く見られます。

朝に食事をあげて、夜中も「かわいそう」とばかりに追加で食事やおやつをあげてしまう。こうした行動が繰り返されると、猫の摂取カロリーは日々増加し続けるのです。また、複数の猫を飼育している場合、他の猫の食事まで食べてしまう「異食」という問題もあります。

 

 

2. 間食やおやつの常時供給

 

現代は「猫用おやつ」が非常に充実しており、ペットショップに行くと、様々な種類のおやつが並んでいます。猫ちゃんが喜ぶ姿を見ると、ついついおやつを与えてしまいたくなるのが人情というものです。

しかし、これが肥満の大きな原因となっているケースが非常に多いのです。例えば、一般的なネコ用おやつ1個は10~30kcal程度ありますが、1日に3~4回与えていれば、それだけで100kcalを超えることになります。これは成猫の1日必要カロリーの40%以上に相当するのです。

さらに問題なのは、人間の食事を与える習慣です。焼き魚、唐揚げ、ハムなどを「一口だけ」と与える飼い主さんは多いと思いますが、これらの食べ物は高カロリーかつ高塩分であり、猫の健康にとって百害あって一利なしなのです。

 

 

3. 運動不足

 

猫は本来、活動的な生き物です。野生の猫は1日に数時間狩りをして生活しており、その過程で大量のカロリーを消費しています。しかし、室内飼いの猫は、このような運動の機会に恵まれていません。

多くの室内飼い猫は、1日のほとんどを寝て過ごします。これは猫の習性ではありますが、十分な遊びやスペースがない環境では、運動量が極度に低下してしまうのです。結果として、消費カロリーが大幅に減少し、摂取したカロリーが全て脂肪として蓄積されることになるのです。

 

 

4. 不適切なフード選択

 

市販されているキャットフードの中には、穀物を多く含み、タンパク質の含有量が少ないものが多く存在します。このようなフードは相対的に安価であり、多くの飼い主さんに選ばれていますが、実は猫の満腹感を得られにくいため、食べる量がどんどん増えていく傾向があるのです。

猫は本来、肉食動物です。タンパク質をしっかり摂取することで初めて満腹感を得られるのです。不適切なフードを与え続けると、猫は常に「足りない」という感覚を持ち続け、更に食事を求めるようになるのです。

 

 

5. 加齢に伴う代謝低下への対応不足

 

猫も人間と同じように、加齢とともに基礎代謝が低下します。若い時期と同じ量の食事を与え続けていると、自動的に肥満へと向かうのです。にもかかわらず、多くの飼い主さんは年齢に応じた食事量の調整を行っていません。

特に、7歳を超えた猫の場合、若い時期よりも20~30%食事量を減らす必要があるとされていますが、この事実を知らない飼い主さんは非常に多いのです。

 

 

猫の太り過ぎによる深刻な病気のリスク

 

猫が太りすぎることは、単に見た目の問題ではなく、様々な深刻な病気を引き起こすリスクとなります。獣医学の研究でも、肥満と関連する疾患は数多く報告されており、猫の寿命を大きく縮める可能性さえあるのです。

 

1. 糖尿病

 

猫の肥満に伴う最も一般的な疾患が、2型糖尿病です。肥満状態では、膵臓がインスリンを過剰に分泌する必要が生じ、やがて膵臓が疲弊してインスリン分泌能が低下してしまいます。結果として、血糖値が上昇し続け、糖尿病へと進行するのです。

恐ろしいことに、一度糖尿病を発症した猫でも、体重を適正レベルに落とせば、寛解する可能性があります。しかし、血糖管理が必要になり、飼い主さんと猫の双方に大きな負担がかかることになるのです。

 

2. 関節疾患と骨関節炎

 

猫が太ると、その重い体を支えるために関節に過剰な負荷がかかります。これにより、関節軟骨が摩耗し、骨関節炎を発症することがあります。症状としては、歩行困難、跳躍時の痛み、階段の上り下りを避けるようになるなどが挙げられます。

特に腰椎と膝関節に負担がかかりやすく、重篤な場合は歩行不能に陥ることさえあります。肥満による関節疾患は、一度発症すると治療が困難であり、予防が最も重要なのです。

 

3. 心臓疾患

 

肥満により、心臓に負担がかかります。脂肪が心臓周辺に蓄積すると、心臓の機能が低下し、様々な心臓疾患の原因となります。肥満猫は、正常体重の猫と比べ、心臓疾患の発症率が大幅に高いことが研究で報告されています。

症状としては、呼吸困難、運動時の疲れやすさ、咳などが挙げられ、最悪の場合、心臓発作により突然死に至ることもあるのです。

 

4. 肝臓疾患

 

肥満により、肝臓に脂肪が蓄積する脂肪肝が発症します。初期段階では症状がほとんどありませんが、進行すると肝機能の低下を招き、やがて肝炎や肝硬変へと進展する可能性があります。

特に急速な体重減少を伴う場合、劇症肝炎(肝リピドーシス)という生命に関わる疾患を引き起こすことがあります。これは、絶食や急激なダイエットにより、肝臓への脂肪の流入が加速することで発症するのです。

 

5. 泌尿器疾患

 

肥満により、猫の泌尿器の機能が低下し、尿路結石や膀胱炎などの疾患が増加することが知られています。これらの疾患は、猫にとって非常に苦痛であり、治療に高額な費用がかかることもあります。

 

6. 呼吸器疾患と睡眠時無呼吸症候群

 

著しく肥満した猫では、呼吸器疾患が増加します。重度の肥満により、気道が圧迫され、呼吸が浅くなったり、睡眠時に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群が発症することさえあります。

これは、猫の睡眠の質を著しく低下させ、疲労や免疫機能の低下につながるのです。

 

7. 寿命の短縮

 

最も重大な問題は、肥満猫の寿命が正常体重の猫と比べて、平均で2~5年短いということです。これは、上記に挙げた各種疾患が連鎖的に発症し、全身の健康状態が悪化することに起因しています。

愛する猫と少しでも長くいっしょにいたいという思いがあるのであれば、今この瞬間から体重管理を開始することが極めて重要なのです。

 

 

猫を太らないようにするための実践的対策

 

それでは、猫を太らないようにするために、飼い主さんが実践すべき対策を具体的に見ていきましょう。これらの方法は、すぐに実践可能であり、多くの飼い主さんが成功している手法ばかりです。

 

 

1. 科学的根拠に基づいた食事管理

 

まず最初に実施すべきは、猫の体重と年齢に応じた適正な食事量の決定です。動物病院で栄養士に相談するか、キャットフードのパッケージに記載されている給与量ガイドを確認しましょう。

一般的には、成猫で1日200~250kcal、活動量が少ない猫ではやや少なめにすることが推奨されています。重要なのは、その量を厳密に守るということです。「ちょっと多め」という心持ちが、やがて大きな体重増加につながるのです。

また、計量スプーンを使用して、毎回同じ量を与える習慣をつけることが大切です。感覚で与えていると、知らず知らずのうちに量が増えていくのです。

 

 

2. 高タンパク・低炭水化物フードへの切り替え

 

猫は本来の肉食性を尊重し、高タンパク・低炭水化物のフードを選択することが重要です。このようなフードは、猫の満腹感を得やすくし、食べ過ぎを自動的に抑制します。

また、穀物を含まないグレインフリーのフードは、猫の消化をスムーズにし、より健康的な体重管理を実現します。ただし、フード変更は急激に行わず、1~2週間かけて段階的に行うことが重要です。

 

 

3. 間食とおやつの厳格な制限

 

猫への間食やおやつは、1日のカロリー摂取量の10%以下に抑えることが推奨されています。これは、1日200kcalの猫であれば、おやつは20kcal以下に限定すべきということです。

可能であれば、おやつは完全に廃止することをお勧めします。どうしても与えたい場合は、低カロリーのおやつを選択し、その回数を厳格に制限しましょう。人間の食事は、絶対に与えてはいけません。

 

 

4. 積極的な運動の促進

 

猫の肥満解消には、運動が不可欠です。1日最低2回、各20~30分程度の遊び時間を設けることが理想的です。

遊びの内容としては、猫じゃらしを使った遊び、レーザーポインター、ボール投げなど、猫が本能的に狩りをしようとするような動きを引き出す遊びが効果的です。これらの遊びにより、猫の心身ともに活性化し、自然と運動量が増加するのです。

また、キャットタワーやキャットステップを設置し、上下運動を促進することも重要です。猫が多様な動きをできる環境作りが、結果として太り過ぎを防ぐのです。

 

 

5. 食事の時間と場所の工夫

 

猫に対して、決まった時間に決まった場所で食事を与える習慣をつけることが重要です。このようにすることで、猫の体内時計が正常化し、適切な食欲コントロールが可能になります。

また、自動給餌機を使用するのではなく、飼い主さんが手で与えることで、給与量をより厳格に管理することができます。さらに、食事と遊びの時間を分けることで、食事以外の時間での過剰な食べ物要求を防ぐことができるのです。

 

 

6. 定期的な体重測定と獣医師への相談

 

最低月1回、できれば2週間に1回、猫の体重を測定することが重要です。多くの動物病院では、体重測定を無料で行ってくれるため、気軽に立ち寄って測定してもらうことができます。

体重の推移を記録することで、ダイエットが成功しているかどうかを客観的に把握することができます。また、予期しない体重増加が見られた場合は、すぐに原因を特定し、対策を講じることができるのです。

さらに、肥満が進行している猫の場合は、獣医師に相談し、専門的なダイエットプログラムを立案してもらうことをお勧めします。医学的根拠に基づいたプログラムなら、より確実で安全な体重減少を実現できるのです。

 

 

7. 段階的で持続可能なアプローチ

 

最後に最も重要なポイントとして、猫のダイエットは「短期的な集中力」ではなく、「長期的で持続可能なアプローチ」が必要だということです。

急激な体重減少は、前述した肝リピドーシスなどの重篤な疾患を引き起こす可能性があります。理想的な体重減少速度は、1ヶ月に体重の1~2%程度とされています。つまり、5kgの肥満猫なら、1ヶ月に50~100g程度の減量が目安となるのです。

焦らず、着実に、その猫のライフスタイルに合わせた継続可能なアプローチを取ることが、最終的に成功につながるのです。

 

 

まとめ

 

猫が太り過ぎている状態は、病気ではなく、飼い主さんの習慣や環境に起因していることがほとんどです。しかし、だからこそ、対策を講じることで改善が十分可能なのです。

太り過ぎた猫は、糖尿病、心臓疾患、関節疾患など、多くの深刻な病気のリスクにさらされています。愛する猫の健康を守り、長く一緒にいるためには、今この瞬間から行動を開始することが極めて重要なのです。

食事管理、運動促進、定期的な体重測定、獣医師への相談など、実践可能な対策は数多くあります。これらを組み合わせることで、あなたの愛猫は必ず適正体重を取り戻し、より健康で幸福な人生を送ることができるようになるのです。

今、猫の太り過ぎについて悩んでいるのであれば、このブログで紹介した対策を、ぜひ実践してみてください。3ヶ月後、6ヶ月後、あなたの愛猫の姿が大きく変わっていることを願っています。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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