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保護猫トライアル中にシャーと威嚇する理由と対応方法|初日から安心させるコツ

保護猫トライアル シャー

 

 

保護猫のトライアルを迎えるのは、とても素敵な決断です。しかし、いざ猫ちゃんをお迎えしてみると、予想外の行動に戸惑うことも多いでしょう。特に、初日や2日目に「シャー」と威嚇されてしまうと、「この子との相性は大丈夫かな?」「何か怖い思いをさせてしまったのでは?」と不安になってしまうかもしれません。

実は、保護猫が新しい環境でシャーと威嚇するのは、ごく自然な行動です。この記事では、保護猫トライアル中のシャーについて、その理由と適切な対応方法をくわしく解説します。保護猫との素敵な関係を築くための知識を身につけて、安心してトライアルを進めていきましょう。

 

 

保護猫がシャーと威嚇する理由|環境の変化への反応

 

猫は環境の変化に非常に敏感な生き物

 

猫という生き物は、環境の変化にとても弱い動物です。人間にとっては「新しい家に引っ越す」ことは大きなイベントかもしれませんが、猫にとっては大きなストレスになります。すべてが初めての環境、初めての匂い、初めての音。このような刺激に対して、猫は本能的に警戒態勢を取るのです。

特に保護猫の場合、元々の飼い主さんとの別れや保護施設での生活など、既に複数の環境変化を経験しています。その上で、新たにあなたの家にやってくるわけですから、ストレスは計り知れません。

 

 

人慣れしている猫でもシャーと威嚇することがある

 

「この子は人慣れしているって聞いてたのに、なぜシャーなんて…」と驚くかもしれません。しかし、人慣れしている猫だからこそ、初日にシャーと威嚇することがあるのです。

保護主さんの家では安心していたとしても、新しい環境では全く別の話。人間関係が良好であっても、その信頼関係は前の環境に結びついているものです。新しい環境では、その信頼を一からやり直す必要があります。ですから、人慣れしている猫でも、初日は防衛本能が優先され、シャーと威嚇してしまう場合が多いのです。

 

 

保護猫トライアル前の準備|心の準備が大切

 

保護主からの情報収集が最初のステップ

 

保護猫をお迎えする前に、保護主さんとしっかりコミュニケーションを取ることが非常に重要です。ただ「猫ちゃんをください」ではなく、その子がどんな性格なのか、トライアル期間中にどのくらいの期間で落ち着きそうなのか、前の飼い主さんからどのような経歴を持つ猫なのか、などの情報を事前に聞いておきましょう。

特に重要な情報は以下の通りです。

 

この子の基本的な性格について。臆病な性格なのか、それとも元々積極的な性格なのか。また、人間関係では特に誰と仲が良かったのか、などです。

 

ストレスを感じた時の行動パターン。怖いと感じた時に隠れてしまうのか、それとも威嚇してくるのか。また、その時間の長さはどのくらいなのか、という情報も大切です。

 

前の環境でのルーチン。トイレの場所、寝床の場所、ご飯の時間など、前の生活習慣を知ることで、新しい環境での適応がスムーズになります。

 

特に注意すべき点。病気の有無、薬の投与が必要ですか、特定の音や臭いに敏感ですか、など、注意が必要な情報です。

このような事前情報があるだけで、新しい家での対応が大きく変わります。そして何より、「この子はこういう子なんだ」という心の準備ができるのです。

 

 

トライアル期間中にシャーが出ることを想定する

 

保護主さんからの情報を基に、「この子は初日はシャーと威嚇するかもしれない」「3日目くらいまでは落ち着かないかもしれない」という心の準備をしておくことが大切です。

もし予想通りシャーと威嚇されたら、それは正常な反応であり、この子があなたのことを嫌いな訳ではなく、単に環境に適応するための防衛反応なのだと理解することができます。心の準備があれば、パニックになることなく冷静に対応できるのです。

 

 

保護猫トライアル初日・2日目の見分け方|シャーの理由を理解する

 

瞳孔が開いている、イカ耳になっている場合は触らない

 

保護猫がシャーと威嚇している時に特に注意すべき猫の状態があります。それは瞳孔が開いている状態と、イカ耳(耳が後ろに伏せている状態)です。

瞳孔が開いているというのは、猫が非常に強いストレスや恐怖を感じている証拠です。また、イカ耳は警戒や恐怖の感情を表す身体言語です。このような状態の猫に無理に触ったり、構ったりすることは厳禁です。

これは猫虐待ではなく、猫自身を守るための行動です。逆に言えば、このような状態を見分けられることが、保護猫との関係を築く上で非常に重要なのです。

 

 

特に初日、2日目に多い警戒信号

 

初日と2日目は、最も警戒心が強い時期です。この時期に見られる警戒信号は以下の通りです。

 

瞳孔が大きく開いている。通常、猫の瞳孔は細くなっていますが、恐怖を感じると瞳孔が大きく開きます。

 

耳が後ろに伏せている(イカ耳)。これは「今すぐに逃げたい、でも身動きが取れない」という状態です。

 

毛が逆立っている。体を大きく見せようとしている防衛姿勢です。

 

シャーと音を出している。これは猫の最後の警告信号です。これ以上近づくなというメッセージです。

 

このような警戒信号が出ている時は、そっと猫を放っておくことが正解です。決して無理に構わないでください。

 

 

シャーと威嚇された時の対応

 

もし保護猫がシャーと威嚇してきた場合、以下のように対応しましょう。

 

その場から離れる。最優先です。猫が安全を感じられるように、さっと距離を取ってください。

 

大きな音を立てない。猫はさらに警戒を強めてしまいます。静かに、そっと対応してください。

 

目を合わせない。猫にとって目を合わせることは挑戦のサインです。横目で見るなど、直視を避けましょう。

 

無理に触ろうとしない。この状態では猫は咬んだり、引っ掻いたりする可能性があります。安全のためにも接触は避けてください。

 

 

保護猫が落ち着くまでのプロセス|時間が解決する

 

ご飯を食べ、トイレをして、ぐっすり寝るようになったら安心のサイン

 

保護猫がシャーと威嚇するのは、ストレスと恐怖の表れです。では、どのようになったら安心の証拠なのでしょうか。それは、至ってシンプルです。

 

ご飯をしっかり食べるようになる。猫は不安な時、ご飯を食べません。しっかり食べるようになるのは、環境に少しずつ適応しているサインです。

 

トイレを使用するようになる。猫はトイレの場所を把握すると、そこを利用します。トイレを使用できるというのは、家の中の空間を理解し始めたという証拠です。

 

ぐっすり寝るようになる。一番重要なサインが「ぐっすり寝ること」です。猫が熟睡するというのは、その場所を完全に安全だと認識している証拠です。警戒心が強い時は、猫は薄目を開けて寝たり、ちょっとした物音で目が覚めたりします。

これら三つが揃ったら、猫は確実に落ち着いてきており、シャーと威嚇することが減っていくタイミングです。

 

 

段階的に安心の度合いが高まる

 

保護猫の落ち着きは、段階的に進みます。以下のような流れが一般的です。

初日から2日目。最も警戒心が強い時期。隠れたり、シャーと威嚇したりすることが多いです。

3日目から4日目。少し大胆になり始め、隠れ場所から出てきて周囲を探索し始める時期。まだシャーと威嚇することがありますが、頻度は減ります。

5日目から7日目。かなり落ち着いてきて、人間の近くにいても平気になる時期。シャーと威嚇することはほぼなくなります。

1週間から2週間。食事、トイレ、睡眠のルーチンが確立され、家の中での行動パターンが安定する時期。人間との関係もぐっと深まります。

もちろん、個体差がありますので、このタイムラインが全ての猫に当てはまるわけではありません。中には1日で落ち着く猫もいれば、2週間かかる猫もいます。

 

 

無理に構いすぎないことの重要性

 

多くの新しい飼い主さんが陥りやすい落とし穴が、「無理に構いすぎること」です。

新しく家族の一員になった猫ちゃんを可愛いからとすぐに抱き上げたい、撫でたい、一緒に遊びたい、という気持ちはよく分かります。しかし、その気持ちは一度グッと抑えてください。

猫が自分のペースで適応するのを待つことが、結果的に関係を深める最短ルートなのです。

無理に構うと、猫はさらにストレスを感じ、シャーと威嚇する期間が長くなってしまいます。最悪の場合、その後何週間も猫が人間を避けるようになってしまうこともあります。

逆に、最初の数日間を「猫のペースを尊重する期間」として過ごせば、その後のトライアルがスムーズに進みます。一度信頼を損なうと、それを取り戻すのには相当な時間がかかるのです。

 

 

保護猫トライアル中のコミュニケーション|保護主さんとの連携が鍵

 

保護主とのコミュニケーションが不安払拭の第一歩

 

保護猫のトライアルを成功させるために、保護主さんとのコミュニケーションは欠かせません。シャーと威嚇している姿を見ると、一人で不安を抱え込んでしまう方も多いのですが、そこは保護主さんに頼りましょう。

保護主さんも、その子がシャーと威嚇する可能性は十分に承知しています。むしろ、「うちでもそうでした」「大丈夫ですよ」というアドバイスをくれるはずです。このような返答をもらうことで、自分の対応が間違っていないのだという確認ができます。

 

 

具体的な相談内容と報告

 

保護主さんとの連携を円滑にするために、以下のような内容を報告・相談するとよいでしょう。

 

初日の様子。どのくらいの時間隠れていたのか、ご飯を食べたか、トイレを使用したか。

猫の行動の変化。シャーと威嚇した時の状況、瞳孔やイカ耳の状態について。

自分の心配な点。「この行動は正常ですか」「いつまで続きますか」という質問。

今後の対応についての質問。「この状態ではどうしたらいいですか」「どの段階で構い始めるべきですか」という具体的な相談。

保護主さんはその猫のことをよく知っています。彼らのアドバイスを積極的に求めることで、トライアルの成功率は大きく高まるのです。

 

 

定期的な報告で信頼関係を構築

 

保護猫のトライアルは、飼い主さんと保護主さんの信頼関係の上に成り立っています。定期的に猫の様子を報告することで、保護主さんも安心できますし、飼い主さん側も相談しやすい雰囲気が作られます。

毎日の細かい報告は必要ありませんが、初日、3日目、1週間、という節目で連絡を取ることをお勧めします。

 

 

保護猫トライアル成功のポイント|まとめ

 

保護猫のトライアル中にシャーと威嚇されるのは、決して珍しいことではありません。むしろ、ごく自然な反応なのです。大切なのは、その反応を理解し、猫のペースを尊重することです。

 

事前準備が全て。保護主さんから猫の情報をしっかり聞いて、心の準備をしておくこと。

猫の警戒信号を読む。瞳孔、イカ耳、毛の状態などから、猫の気持ちを察すること。

無理に構わない。時間が解決してくれるので、猫のペースを尊重すること。

保護主さんとの連携。不安を感じたら、積極的に保護主さんに相談すること。

 

これら四つのポイントを押さえることで、保護猫のトライアルはうまくいくのです。

シャーと威嚇されても、それは警告ではなく、猫からの「もう少し時間をください」というメッセージだと受け取ってください。その声に耳を傾けることで、やがて猫は心を開き、あなたを家族として受け入れるようになります。

保護猫との素敵な関係は、最初の数日間の忍耐強さから始まるのです。その先にある、猫との充実した日々を思い描きながら、今は猫のペースに合わせてあげてください。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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