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環境問題 日本 できること – 今日から始める持続可能な暮らし

環境問題 日本 できること

 

 

はじめに:私たち一人ひとりができる環境保護

 

地球温暖化、海洋汚染、生物多様性の喪失——環境問題は今や世界共通の課題となっています。日本でも猛暑日の増加、台風の大型化、海洋プラスチックごみの問題など、環境問題は私たちの生活に直接影響を及ぼすようになってきました。

 

「でも、個人ができることなんて限られているのでは?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、実は私たち一人ひとりの日々の選択が、環境に大きな影響を与えています。この記事では、日本が直面している環境問題と、誰でも今日から実践できる具体的なアクションをご紹介します。

 

 

日本が直面する主な環境問題

 

1. 温室効果ガスの排出と気候変動

日本は世界第5位のCO2排出国であり、気候変動への対応が急務となっています。パリ協定に基づき、2030年までに温室効果ガスを46%削減(2013年比)、2050年までにカーボンニュートラルを目指していますが、私たち国民一人ひとりの行動変容も不可欠です。

 

2. プラスチックごみと海洋汚染

日本の一人当たりのプラスチック容器包装の廃棄量は、アメリカに次いで世界第2位です。海洋プラスチックごみは海洋生態系を破壊し、魚介類を通じて私たちの食卓にも影響を与えています。

 

3. 食品ロス問題

日本では年間約523万トン(2021年度)の食品ロスが発生しており、これは国民一人当たり毎日約113グラム、お茶碗一杯分の食べ物を捨てている計算になります。食品ロスは温室効果ガスの排出にもつながっています。

 

4. 生物多様性の減少

森林伐採、都市開発、気候変動により、日本固有の動植物の生息地が失われています。レッドリストに記載される絶滅危惧種も年々増加しています。

 

5. 水資源とエネルギー問題

日本は水資源に恵まれているように見えますが、地域によっては水不足が深刻化しています。また、エネルギー自給率が低いため、省エネルギーの取り組みが重要です。

 

 

今日から始められる環境アクション

 

節水:毎日の小さな工夫で大きな変化を

水は限りある貴重な資源です。日常生活で実践できる節水方法をご紹介します。

 

すぐにできる節水テクニック:

  • シャワーを1分短くすることで、約12リットルの節水が可能です
  • 歯磨き中は水を止める(コップを使うことで1回あたり約6リットル節約)
  • 洗濯は満水時に行い、すすぎの回数を減らせる洗剤を使用
  • 食器洗いはため洗いを活用し、流水の時間を短縮
  • お風呂の残り湯を洗濯や庭の水やりに再利用

日本全国で一人ひとりがこれらを実践すれば、膨大な水資源の節約につながります。

 

 

節電:エネルギー消費を賢く削減

電気の使用量を減らすことは、CO2排出削減に直結します。

 

効果的な節電方法:

  • LED電球への切り替え(従来の白熱電球より約86%省エネ)
  • エアコンのフィルター掃除を月2回行う(約5%の節電効果)
  • 冷蔵庫に物を詰め込みすぎない(冷気の循環が良くなり節電に)
  • 待機電力のカット(コンセントから抜くか、スイッチ付きタップを使用)
  • 夏は28度、冬は20度を目安に室温を設定
  • 自然光を活用し、不要な照明は消す

これらの取り組みで、家庭の電気代が年間数万円削減できるだけでなく、環境負荷も大幅に軽減できます。

 

 

フードロスを減らす:食べ物を大切にする文化を

食品ロスは環境問題だけでなく、世界の食料問題とも密接に関わっています。

 

フードロス削減のための実践:

  • 買い物前に冷蔵庫をチェックし、必要なものだけを購入
  • 「賞味期限」と「消費期限」の違いを理解する(賞味期限は美味しく食べられる期限で、過ぎても食べられることが多い)
  • 野菜の皮や茎も工夫して使い切る(栄養も豊富)
  • 残り物を活用したレシピを習慣化
  • 外食時は食べきれる量を注文し、持ち帰りを活用
  • フードシェアリングアプリを利用(売れ残り食品を割引価格で購入)
  • 地域のフードバンクへの寄付を検討

食品ロスを減らすことは、生産・輸送・廃棄に関わるすべての環境負荷を削減することにつながります。

 

 

ごみを減らす:3R+リフューズの実践

ごみの削減は、資源の節約と環境汚染の防止に直結します。

 

ごみ削減のポイント:

  • Refuse(断る): 不要なレジ袋、過剰な包装、試供品を断る
  • Reduce(減らす): そもそも物を買いすぎない、必要最小限の消費を心がける
  • Reuse(再利用): 繰り返し使えるものを選ぶ(マイボトル、エコバッグ、布製品)
  • Recycle(リサイクル): 正しく分別し、リサイクル可能な資源を循環させる

特にプラスチックごみの削減は重要です。マイボトルやマイバッグの持参、量り売りの店の利用、詰め替え製品の選択など、プラスチック使用を減らす工夫を日常に取り入れましょう。

 

 

無駄な消費を避ける:必要なものだけを選ぶ暮らし

現代社会は「買うこと」が美徳のように扱われがちですが、本当に必要なものだけを購入することが、最も効果的な環境保護です。

 

意識的な消費のための質問:

  • これは本当に必要か?
  • すでに持っているもので代用できないか?
  • 長く使えるものか?
  • 修理やメンテナンスは可能か?
  • 環境に配慮した製品か?

ファストファッションを避け、長く着られる質の良い服を選ぶ、修理して使い続ける、中古品やシェアリングサービスを活用するなど、「所有」から「適正な利用」へと価値観をシフトすることが求められています。

 

 

意外と知られていない畜産と環境問題の関係

 

畜産業が環境に与える影響

実は、畜産業は環境問題において非常に大きな要因の一つですが、このことはまだ広く認識されていません。国連食糧農業機関(FAO)の報告によれば、畜産業は全世界の温室効果ガス排出量の約14.5%を占めており、これは交通機関全体とほぼ同等の排出量です。

 

畜産業が環境に与える主な影響:

  1. 温室効果ガスの排出: 牛などの反芻動物はメタンガスを排出します。メタンの温室効果はCO2の約25倍にもなります。

  2. 森林伐採: 牧草地や飼料用作物の農地確保のため、世界中で森林が伐採されています。特にアマゾンの熱帯雨林の破壊の主要因の一つが畜産です。

  3. 大量の水使用: 牛肉1kgを生産するのに約15,000リットルもの水が必要とされています。これは野菜や穀物と比較して圧倒的に多い量です。

  4. 土地利用: 地球上の農地の約80%が畜産に使われていますが、これが供給する食料は全世界のカロリーのわずか18%程度です。

  5. 水質汚染: 家畜の排泄物や飼料生産に使われる農薬・化学肥料が河川や地下水を汚染しています。

 

肉食と環境負荷:特に牛肉のインパクト

すべての肉が同じ環境負荷を持つわけではありませんが、特に牛肉は突出して環境への影響が大きい食品です。

 

各肉類の環境負荷(CO2換算、1kgあたり):

  • 牛肉:約27kg
  • 豚肉:約12kg
  • 鶏肉:約6.9kg
  • 野菜類:約2kg以下

牛肉は鶏肉の約4倍、野菜と比べると10倍以上の温室効果ガスを排出します。

 

 

霜降り肉と環境・動物福祉の問題

日本で珍重される霜降り肉(サシの入った高級和牛)は、環境面だけでなく、動物福祉の観点からも問題があります。

霜降り肉を作るために、牛は以下のような環境で飼育されることが多いです:

  • 運動を制限された狭い空間での飼育
  • 太らせるための高カロリー・高穀物飼料の給餌
  • 自然な行動が制限された生活
  • 通常より長い肥育期間(環境負荷がさらに増加)

こうした生産方法は、牛に過度なストレスを与えるだけでなく、環境負荷もより一層高めることになります。私自身、こうした背景を知ってから、霜降り肉はほとんど食べないようになりました。

 

 

肉を減らすことで環境貢献ができる

「肉を完全にやめなければならない」ということではありません。週に1〜2日だけ肉を食べない日を作る「ミートフリーマンデー」や「フレキシタリアン(柔軟な菜食主義者)」という考え方が、世界中で広がっています。

 

肉食を減らすメリット:

  • 個人のCO2排出量を大幅に削減(週1日の実践で年間約200kgのCO2削減)
  • 水資源の節約
  • 森林保護への貢献
  • 健康面でのメリット(適度な肉食量は生活習慣病のリスクを下げる)
  • 食費の節約にもつながる

実践しやすい方法:

  • 週に1日は「肉なしデー」を設定
  • 肉の量を減らし、野菜を多くする
  • 牛肉から鶏肉や魚への置き換え
  • 豆腐、納豆、豆類などの植物性タンパク質を活用
  • 肉を食べるときは、質の良いものを少量楽しむ

豆腐ハンバーグ、大豆ミートのカレー、レンズ豆のスープなど、植物性タンパク質を使った美味しいレシピはたくさんあります。環境に優しい選択は、味気ないものではありません。

 

 

その他の効果的な環境アクション

 

移動手段の見直し

可能な範囲で、徒歩、自転車、公共交通機関を利用することで、CO2排出を削減できます。自動車を使う場合は、相乗りやカーシェアリング、エコドライブを心がけましょう。

 

グリーンな製品の選択

  • FSC認証の紙製品(持続可能な森林管理)
  • 有機栽培・地産地消の食品
  • 環境配慮型の洗剤や日用品
  • 省エネ家電への買い替え(長期的にはコスト削減にも)

 

企業の環境活動を支持する

購入や投資を通じて、環境に配慮した企業を応援することも重要です。ESG投資やエシカル消費という考え方が広がっています。

 

情報を得て、周りに伝える

環境問題について学び続け、家族や友人と情報を共有することも大切なアクションです。一人の変化が周りに波及し、社会全体の意識変革につながります。

 

 

まとめ:小さな行動が大きな変化を生む

 

環境問題は確かに深刻ですが、決して絶望する必要はありません。私たち一人ひとりができることは思っている以上にたくさんあります。

 

今日から始められることのチェックリスト:

  • ☑ 節水を意識する(シャワー時間の短縮、水の出しっぱなしをやめる)
  • ☑ 節電を実践する(LED電球、待機電力カット、適切な温度設定)
  • ☑ 食品ロスを減らす(買いすぎない、使い切る工夫)
  • ☑ ごみを減らす(マイバッグ、マイボトル、過剰包装を断る)
  • ☑ 無駄な消費を避ける(本当に必要かを考えてから購入)
  • ☑ 肉食を減らす(週1日の肉なしデー、牛肉から鶏肉へ)
  • ☑ 環境に優しい移動手段を選ぶ
  • ☑ グリーンな製品を選ぶ

 

 すべてを一度に完璧に実践する必要はありません。できることから一つずつ、自分のペースで始めることが大切です。

特に、まだ広く認識されていない「食の選択」、なかでも肉食を減らすことは、個人ができる環境アクションの中で最も効果が大きいものの一つです。牛肉、特に霜降り肉の環境負荷と生産過程を知れば、私たちの食の選択が地球の未来に直結していることが理解できるでしょう。

 

完璧である必要はありません。週に一度、肉を食べない日を作る。買い物でマイバッグを使う。シャワーの時間を少し短くする。こうした小さな行動の積み重ねが、やがて大きな変化を生み出します。

 

地球環境を守ることは、未来の世代へのギフトです。一人ひとりの意識と行動が、持続可能な社会を作る力になります。今日から、できることを一つずつ始めてみませんか。

 


参考情報:

  • 環境省「COOL CHOICE」
  • 農林水産省「食品ロス削減」
  • 国連環境計画(UNEP)
  • 国連食糧農業機関(FAO)「Livestock’s Long Shadow」

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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