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猫が発情期で叫ぶように鳴き、うるさくて寝れない夜の対処法

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夜中に突然響き渡る、猫の鳴き声。まるで赤ちゃんが泣いているような、時には叫ぶような声に驚いたことはありませんか。特に春先や秋口になると、飼い猫も野良猫も激しく鳴き続け、眠れない夜を過ごす方も少なくありません。

この記事では、猫の発情期の鳴き声がなぜこんなにもうるさいのか、そして効果的な対処法について詳しく解説します。

 

なぜ猫は発情期に叫ぶように鳴くのか

 

猫の発情期の鳴き声は、人間の会話レベルをはるかに超える音量になることがあります。これは猫にとって本能的な行動であり、繁殖のための重要なコミュニケーション手段なのです。

 

メス猫の発情期の特徴

メス猫は生後6〜10ヶ月頃に最初の発情期を迎えます。発情期のメス猫は、オス猫を引き寄せるために大きな声で鳴き続けます。この鳴き声は「コーリング」と呼ばれ、遠くにいるオス猫にも届くように、かなり大きく、独特な声質になります。

メス猫の発情期は通常5〜10日間続き、この間ほぼ絶え間なく鳴き続けることもあります。特に夜間から早朝にかけて活発になるため、飼い主さんや近隣住民の睡眠を妨げる大きな問題となります。

発情期のメス猫は鳴き声以外にも、以下のような行動を見せます。

  • お尻を高く上げる独特の姿勢をとる
  • 床や家具に体をこすりつける
  • 落ち着きがなく、部屋中を歩き回る
  • 食欲が減退する
  • 普段より甘えたり、攻撃的になったりする

 

オス猫の発情期の特徴

オス猫には明確な発情期はありませんが、発情期のメス猫の鳴き声やフェロモンに反応して発情状態になります。発情したオス猫も大きな声で鳴き、メス猫を探し求めます。

オス猫の発情時の行動は、メス猫とは少し異なります。

  • 大声で鳴き続ける
  • スプレー行為(尿をかける)が増える
  • 攻撃的になり、他のオス猫と喧嘩をする
  • 脱走しようとする
  • 食欲が減退する

 

発情期の鳴き声がもたらす問題

 

猫の発情期の鳴き声は、想像以上に大きな問題を引き起こします。

 

睡眠不足による健康への影響

夜中に何時間も続く猫の鳴き声は、深刻な睡眠不足を引き起こします。慢性的な睡眠不足は、集中力の低下、免疫力の低下、精神的なストレス、生活の質の低下など、さまざまな健康問題につながります。

特に小さなお子さんがいる家庭や、仕事で毎日の睡眠が重要な方にとって、これは深刻な問題です。

 

近隣トラブルの原因に

マンションやアパートなど集合住宅で猫を飼っている場合、発情期の鳴き声は近隣トラブルの原因になることがあります。特に壁が薄い物件では、隣の部屋や上下階にまで響き渡ることもあります。

野良猫の場合も、自宅周辺で夜通し鳴き続けることで、地域住民とのトラブルに発展するケースがあります。

 

猫自身のストレス

発情期の猫は、繁殖の本能に突き動かされながらも、その欲求を満たせないことで大きなストレスを感じています。絶え間なく鳴き続け、落ち着きがなく、食欲も減退するため、猫の健康面でも心配が生じます。

 

飼い猫の発情期対策:避妊・去勢手術が最も効果的

 

飼い猫の発情期の鳴き声に悩んでいる場合、最も効果的で根本的な解決策は避妊・去勢手術です。

 

避妊・去勢手術とは

避妊手術(メス猫)は、卵巣と子宮を摘出する手術です。去勢手術(オス猫)は、睾丸を摘出する手術です。どちらも全身麻酔下で行われる外科手術ですが、現在では一般的な手術として確立されており、多くの動物病院で実施されています。

手術の適切な時期は、生後6ヶ月前後とされています。最初の発情期を迎える前に手術を行うことで、発情期の鳴き声の問題を未然に防ぐことができます。

 

避妊・去勢手術のメリット

避妊・去勢手術には、発情期の鳴き声を抑える以外にも多くのメリットがあります。

 

1. 発情期の問題行動がなくなる

手術後は発情期がなくなるため、大声で鳴き続ける、スプレー行為をする、攻撃的になる、脱走しようとするなどの問題行動がほぼなくなります。猫も落ち着いた生活を送れるようになります。

 

2. 病気の予防

メス猫の場合、避妊手術により子宮蓄膿症や卵巣腫瘍、乳腺腫瘍のリスクが大幅に減少します。特に最初の発情期前に手術を行うと、乳腺腫瘍の発生率が大きく低下すると言われています。

オス猫の場合も、去勢手術により精巣腫瘍のリスクがなくなり、前立腺の病気のリスクも減少します。

 

3. 望まない繁殖を防ぐ

室内飼いであっても、発情期に脱走してしまい、望まない妊娠や繁殖につながるケースは少なくありません。避妊・去勢手術により、こうしたリスクを完全に防ぐことができます。

 

4. 穏やかな性格になる

発情期のストレスや繁殖に関する本能的な衝動から解放されることで、多くの猫がより穏やかで人懐っこい性格になります。攻撃性が減少し、家族との絆も深まります。

 

5. 寿命が延びる可能性

避妊・去勢手術を受けた猫は、手術を受けていない猫に比べて平均寿命が長いという調査結果もあります。これは病気のリスク減少や、脱走や喧嘩によるケガのリスク減少などが関係していると考えられています。

 

手術の費用とリスク

避妊・去勢手術の費用は動物病院によって異なりますが、一般的にメス猫の避妊手術は2〜4万円程度、オス猫の去勢手術は1〜2万円程度が相場です。

 

手術自体は全身麻酔を使用するため、わずかながらリスクは存在します。しかし、現代の獣医療技術の向上により、健康な猫であれば非常に安全な手術となっています。術前の検査で健康状態を確認し、適切な麻酔管理のもとで行われます。

手術後は1〜2日の入院が必要な場合もありますが、日帰りで対応する病院も増えています。術後1〜2週間で抜糸し、完全に回復します。

 

手術をしない場合のデメリット

 

避妊・去勢手術をしない場合、発情期の問題は繰り返し発生します。

 

継続的な鳴き声と問題行動

メス猫は年に2〜3回、場合によってはそれ以上発情期を迎えます。その度に数日間から1週間以上、激しく鳴き続けることになります。これが猫の生涯にわたって繰り返されるため、飼い主さんの負担は計り知れません。

オス猫も周囲にメス猫がいる限り、頻繁に発情状態になり、鳴き声やスプレー行為、攻撃性などの問題が続きます。

 

深刻な健康リスク

前述の通り、避妊・去勢手術をしない猫は、生殖器系の病気のリスクが高くなります。

特にメス猫の子宮蓄膿症は命に関わる緊急疾患です。発情期を繰り返すことで子宮内に細菌が侵入し、膿が溜まってしまう病気で、治療には緊急手術が必要になります。高齢になってからの手術は若い時期の手術よりもリスクが高くなります。

 

乳腺腫瘍も、猫の場合は悪性であることが多く、転移のリスクも高い病気です。避妊手術により、このリスクを大幅に減らすことができます。

 

脱走と事故のリスク

発情期の猫は強い本能に駆られて脱走しようとします。普段は大人しい猫でも、発情期には予想外の行動を取ることがあります。

 

脱走した猫は交通事故に遭うリスクや、他の猫との喧嘩でケガをするリスク、病気をもらってくるリスクなどに晒されます。また、一度外の世界を知ってしまうと、その後も脱走を繰り返す可能性が高くなります。

 

望まない繁殖による問題

もし飼い猫が妊娠してしまった場合、子猫の世話や里親探しなど、大きな責任が生じます。子猫全てに良い飼い主が見つかるとは限らず、結果的に不幸な猫を増やすことにもつながりかねません。

 

現在、日本では多くの猫が保護施設や動物愛護センターで新しい飼い主を待っています。無責任な繁殖は、こうした問題をさらに悪化させることになります。

 

野良猫の発情期で寝れない時の対処法

 

自宅周辺の野良猫の鳴き声で眠れない場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。

 

一時的な対策

 

窓を閉める・防音対策 二重窓や防音カーテンの使用、耳栓の利用などで、一時的に騒音を軽減できます。ただし、これは根本的な解決にはなりません。

 

猫を近づけない 庭や敷地内に猫が入ってこないよう、猫が嫌がる忌避剤を使用したり、超音波装置を設置したりする方法もあります。ただし、これも一時的な効果しかなく、猫は場所を移動するだけで、別の場所で鳴き続けることになります。

 

根本的な解決:TNR活動

野良猫の発情期の鳴き声を根本的に解決する最も効果的な方法が、TNR活動です。

 

TNRとは

TNRとは、Trap(捕獲)、Neuter(不妊手術)、Return(元の場所に戻す)の頭文字を取ったもので、野良猫の繁殖を抑制し、地域猫として管理していく活動です。

具体的には、以下のような流れで行われます。

  1. 捕獲(Trap): 専用の捕獲器を使って、野良猫を安全に捕獲します
  2. 不妊手術(Neuter): 動物病院で避妊・去勢手術を行います。同時に健康チェックも実施されます
  3. 耳カット: 手術済みの印として、耳の先端を少しカットします(さくら耳)
  4. 元の場所に戻す(Return): 回復後、捕獲した場所に戻します

 

TNR活動のメリット

TNR活動には、猫が嫌いな人にとってもメリットがあります。

 

1. 夜鳴きがなくなる

最も大きなメリットは、発情期の鳴き声がなくなることです。手術を受けた猫は発情しなくなるため、あの激しい夜鳴きが解消されます。これにより、地域住民の睡眠不足の問題が解決されます。

 

2. 野良猫の数が減少する

不妊手術により新たな子猫が生まれなくなるため、長期的には野良猫の数が減少します。猫が増えすぎることによるゴミ荒らしや糞尿被害などの問題も軽減されます。

 

3. 猫の健康状態が改善する

TNR活動では手術時に健康チェックも行われるため、病気の早期発見につながります。また、繁殖に関するストレスから解放された猫は、より健康的な生活を送れるようになります。

 

4. 喧嘩や騒音が減る

発情期のオス猫同士の激しい喧嘩がなくなり、その際の鳴き声や唸り声も減少します。また、縄張り争いも穏やかになります。

 

5. 地域コミュニティの改善

TNR活動を通じて、地域住民が協力して問題解決に取り組むことで、コミュニティの絆が強まります。猫を巡る対立ではなく、共生を目指す姿勢が育まれます。

 

TNR活動への参加方法

TNR活動に興味がある場合、まずは地域の動物愛護団体やボランティア団体に連絡してみましょう。多くの自治体でもTNR活動を支援しており、手術費用の助成制度を設けているところもあります。

個人でTNRを行う場合は、以下の点に注意が必要です。

  • 捕獲器の使用方法を学ぶ
  • 協力してくれる動物病院を見つける
  • 手術費用の確保(自治体の助成制度を確認)
  • 捕獲から手術、リリースまでのスケジュール管理
  • 近隣住民への説明と理解の獲得

TNR活動は一人で行うには大変なこともありますが、地域のボランティア団体と協力することで、より効果的に実施できます。

 

その他の対処法

 

手術以外にも、発情期の猫に対するいくつかの対処法があります。ただし、これらは一時的な緩和策であり、根本的な解決にはなりません。

 

飼い猫の場合の一時的対策

 

1. 環境を整える 発情期の猫は不安やストレスを感じやすいため、落ち着ける環境を整えてあげましょう。静かで安心できる場所を用意し、できるだけそばにいてあげることで、多少は鳴き声が軽減される場合があります。

 

2. 遊びで気を紛らわす 日中にたっぷり遊ばせて疲れさせることで、夜間の活動を抑えられる可能性があります。ただし、これも完全な解決策ではありません。

 

3. ホルモン剤の使用 獣医師の処方により、発情を抑制するホルモン剤を使用することもできます。ただし、長期使用は子宮の病気のリスクを高めるため、あくまで一時的な対策として考えるべきです。

 

最終的には手術が最善

これらの一時的な対策は、根本的な解決にはなりません。猫の健康と飼い主さんの生活の質、そして近隣住民との関係を考えると、やはり避妊・去勢手術が最も効果的で人道的な解決策です。

 

まとめ:猫の発情期の鳴き声は適切な対処で解決できる

 

猫が叫ぶように鳴く発情期の問題は、多くの飼い主さんや地域住民を悩ませています。特にメス猫の発情期の鳴き声は想像以上に大きく、連日の睡眠不足は深刻な問題です。

しかし、この問題は適切な対処により解決できます。

 

飼い猫の場合は避妊・去勢手術が最も効果的で根本的な解決策です。手術には発情期の問題行動を抑えるだけでなく、病気の予防、寿命の延長など、多くのメリットがあります。手術をしない場合、発情期の問題は生涯にわたって繰り返され、猫の健康リスクも高まります。

 

野良猫の場合はTNR活動が効果的です。TNRは野良猫の夜鳴きをなくし、長期的には野良猫の数も減少させる、地域にとってメリットの大きい活動です。猫が好きな人も嫌いな人も、共に暮らしやすい地域づくりにつながります。

 

発情期の鳴き声で眠れない夜を過ごしている方は、ぜひこの記事を参考に、適切な対処法を検討してみてください。猫にとっても人間にとっても、より良い共生の道が必ずあります。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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