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猫がしっぽをぶんぶん振る本当の意味|嬉しいだけじゃない感情のサイン

猫 しっぽ ぶんぶん 嬉しい

 

 

猫を飼っている方なら、愛猫がしっぽをぶんぶんと激しく振る姿を見たことがあるでしょう。犬の場合、尻尾を激しく振るのは喜んでいるサインとして分かりやすいですが、猫の場合は少し事情が異なります。実は、猫がしっぽをぶんぶん振るときは、必ずしも嬉しいわけではないのです。

 

この記事では、猫がしっぽをぶんぶん振る本当の意味と、その時の感情、そして飼い主としてどのように対応すればよいかについて詳しく解説します。猫の気持ちを正しく理解することで、より良い関係を築くことができるでしょう。

 

犬と猫の尻尾の振り方の違い

 

まず理解しておきたいのは、犬と猫では尻尾を振る意味がまったく異なるという点です。

 

犬の尻尾の振り方

犬が尻尾を激しく左右に振るときは、ほとんどの場合において喜びや興奮を表現しています。飼い主が帰宅したとき、散歩に行けると分かったとき、おやつをもらえるときなど、ポジティブな感情の現れとして尻尾を振ります。犬の尻尾の動きは比較的分かりやすく、振り方のスピードや振り幅で感情の強さを推測することができます。

 

猫の尻尾の振り方の特徴

一方、猫がしっぽをぶんぶん振るときは、犬とは正反対の意味を持つことが多いのです。猫のしっぽの動きは非常に繊細で、振り方によってさまざまな感情を表現しています。ゆっくりとした動き、素早い動き、大きな振り幅、小刻みな動きなど、それぞれに異なる意味があります。

 

猫は犬に比べて感情表現が控えめで読み取りにくいと言われますが、実はしっぽを通じて豊かなコミュニケーションを取っているのです。

 

猫がしっぽをぶんぶん振るときの感情

 

それでは、猫がしっぽをぶんぶんと激しく振るときは、どのような感情を表現しているのでしょうか。主なパターンをご紹介します。

 

イライラ・不快感の表現

猫がしっぽを大きく左右にぶんぶん振っているときは、多くの場合イライラしていたり、不快に感じていたりするサインです。これは犬の喜びの表現とは真逆の意味になります。

 

例えば、以下のような状況で見られます。

  • 撫でられ過ぎて「もうやめて」と思っているとき
  • 遊びたいのに相手にしてもらえないとき
  • 何かに集中しているときに邪魔をされたとき
  • 他の猫や動物が縄張りに入ってきたとき
  • 爪切りや歯磨きなど、嫌なことをされそうになっているとき

このとき、しっぽは左右に大きく振られ、振り幅が広く、スピードも速いのが特徴です。まるで鞭のように床を叩くような動きをすることもあります。

 

興奮・集中状態

猫が獲物を見つけたときや、何かに強く興味を引かれているときにも、しっぽをぶんぶん振ることがあります。この場合は、狩猟本能が刺激されている状態です。

 

窓の外に鳥や虫を見つけたとき、おもちゃで遊んでいるとき、動くものを追いかけているときなどに見られます。この時の猫は瞳孔が開き、耳が前を向き、低い姿勢を取っていることが多いです。

しっぽの動きは素早く、左右だけでなく上下にも動くことがあります。

 

葛藤・迷いの状態

猫が何かを決めかねているとき、葛藤している状態でもしっぽをぶんぶん振ることがあります。

例えば、外に出たいけど雨が降っている、高いところに登りたいけど怖い、近づきたいけど警戒している、といった「やりたいけどできない」「どうしようか迷っている」という心理状態です。

 

この場合、しっぽの振り方は不規則になることが多く、他のボディランゲージと合わせて観察することで、猫が何に迷っているのかを理解する手がかりになります。

 

攻撃の予兆

最も注意が必要なのは、攻撃の前兆としてしっぽをぶんぶん振っているケースです。猫が非常に不快に感じていたり、恐怖を感じていたりして、攻撃的になっている状態です。

 

この時は、しっぽを激しく振るだけでなく、以下のようなサインも同時に見られます。

  • 耳が後ろに倒れている(イカ耳)
  • 瞳孔が開いている
  • 体が緊張している
  • 低い声でうなっている
  • ひげが後ろを向いている

このような状態の猫には、決して無理に触ろうとせず、距離を置いて落ち着かせることが重要です。

 

稀なケース:本当に嬉しいとき

例外的に、猫が本当に嬉しくて興奮しているときにも、しっぽをぶんぶん振ることがあります。ただし、これは犬のような分かりやすい喜びの表現ではありません。

 

特に若い猫や活発な性格の猫が、大好きな遊びや食事の時間に興奮して、しっぽを振りながら飛び跳ねることがあります。この場合は、他のポジティブなサイン(喉を鳴らす、すり寄ってくる、リラックスした表情)と組み合わさって表れます。

 

しっぽの振り方のパターン別解説

 

猫のしっぽの動きは、振り方によってさらに細かく感情を読み取ることができます。

 

大きく左右にぶんぶん振る

これは最も強い不快感やイライラを示しています。「本気で嫌だ」「怒っているぞ」というメッセージです。この状態が続くと攻撃行動に移る可能性があるため、早めに原因を取り除く必要があります。

 

小刻みに素早く振る

興奮状態や高い集中力を示しています。狩りのモードに入っているとき、何かに強い興味を持っているときに見られます。この状態の猫は予測不能な動きをすることがあるので、注意が必要です。

 

先端部分だけをピクピク動かす

軽い不満やちょっとした興味を示しています。「ちょっと気になるな」「少し邪魔だな」くらいの軽い感情表現です。

 

ゆっくりと大きく振る

リラックスしながらも何かを考えている状態です。完全にくつろいでいるわけではなく、周囲に注意を払いながら休んでいるときなどに見られます。

 

床や地面を叩くように振る

非常に強いイライラや怒りを表現しています。「これ以上近づくな」「本当に怒っているぞ」という強い警告のサインです。

 

他のボディランゲージとの組み合わせ

 

猫の感情を正確に読み取るには、しっぽの動きだけでなく、他のボディランゲージも一緒に観察することが重要です。

 

耳の向きと形

  • 前を向いている:興味、警戒
  • 横を向いている:リラックス
  • 後ろに倒れている(イカ耳):恐怖、攻撃態勢

瞳孔の大きさ

  • 細くなっている:リラックス、満足
  • 開いている:興奮、恐怖、攻撃態勢

体の姿勢

  • リラックスして伸びている:安心
  • 低い姿勢:狩りモード、警戒
  • 背中を丸めて毛を逆立てている:恐怖、威嚇

  • ゴロゴロ喉を鳴らす:満足、リラックス(稀にストレス)
  • ニャーと鳴く:要求、コミュニケーション
  • シャーッと威嚇音:恐怖、警告
  • 低くうなる:攻撃の警告

これらを総合的に観察することで、猫がしっぽをぶんぶん振っているときの本当の感情を理解できるようになります。

 

飼い主はどのように対応すればよいか

 

猫がしっぽをぶんぶん振っているのを見たとき、飼い主としてどう対応すればよいのでしょうか。状況別に解説します。

 

基本的な対応:距離を取る

猫がしっぽを大きく振っているときは、まず「今は触らないでほしいのだな」と理解して、適切な距離を取ることが大切です。無理に触ろうとすると、引っかかれたり噛まれたりする可能性があります。

 

特に、撫でている最中にしっぽをぶんぶん振り始めたら、すぐに手を離してください。これは「もう十分」「やめてほしい」というサインです。猫には「撫でられ過ぎ症候群」というものがあり、最初は気持ち良くても、刺激が過剰になると不快に感じるのです。

 

原因を特定して取り除く

なぜ猫がイライラしているのか、原因を探ることも重要です。

  • 大きな音がしていませんか?
  • 他のペットが近くにいませんか?
  • トイレが汚れていませんか?
  • お腹が空いていませんか?
  • 遊びが足りていませんか?

原因が分かれば、それを取り除いたり改善したりすることで、猫のストレスを軽減できます。

 

狩りモードの場合の対応

窓の外を見てしっぽをぶんぶん振っている場合は、獲物を見つけて興奮している可能性が高いです。このときは危険ではありませんが、猫が欲求不満にならないよう、適度な遊びの時間を確保してあげましょう。

猫じゃらしや羽根のおもちゃなどを使って、狩猟本能を満たす遊びをすることで、ストレス解消になります。

 

攻撃の予兆が見られる場合

しっぽを激しく振り、イカ耳になり、うなり声を上げているような場合は、攻撃の一歩手前です。このときは以下のように対応しましょう。

  1. 静かにゆっくりと離れる(急な動きは逆効果)
  2. 目を合わせ続けない(凝視は威嚇と受け取られる)
  3. 猫が隠れられる場所を確保する
  4. 落ち着くまで放っておく
  5. 原因となったものを取り除く

決して叱ったり、無理に触ろうとしたりしないでください。猫にとってさらなるストレスとなり、攻撃行動を誘発する可能性があります。

 

日常的な観察と記録

愛猫がどんなときにしっぽをぶんぶん振るのか、日頃から観察して記録しておくと、その子特有のパターンが見えてきます。猫にも個体差があり、同じ行動でも猫によって意味が少し異なることがあります。

愛猫の「しっぽ語」を理解することで、より深いコミュニケーションが可能になります。

 

猫のしっぽが伝える他の感情

 

しっぽをぶんぶん振る以外にも、猫はしっぽでさまざまな感情を表現しています。

 

まっすぐ立てている

これは猫の「こんにちは」や「嬉しい」のサインです。飼い主に近づいてくるときに、しっぽをピンと立てているのは、友好的な気持ちの表れです。子猫が母猫に近づくときの名残とも言われています。

 

ふわっと膨らませている

恐怖や驚きを感じているときに、しっぽを太く膨らませます。自分を大きく見せて相手を威嚇する防衛本能です。

 

足の間に巻き込んでいる

強い恐怖や不安を感じているときのサインです。自分を小さく見せて、攻撃の意思がないことを示しています。

 

だらんと下げている

体調が悪い、元気がない、落ち込んでいるときのサインです。普段と様子が違う場合は、健康面のチェックが必要かもしれません。

 

体に巻きつけている

リラックスして座っているときや眠っているときによく見られます。体温を保つ意味もあります。

 

よくある誤解と注意点

 

猫のしっぽについて、よくある誤解や注意点をまとめます。

 

誤解1:しっぽを振る=嬉しい

前述の通り、これは犬の行動と混同した誤解です。猫の場合、しっぽをぶんぶん振るのは不快感の表れであることがほとんどです。

 

誤解2:すべての猫が同じ意味でしっぽを使う

基本的なパターンは共通していますが、個体差もあります。愛猫特有のサインを見逃さないようにしましょう。

 

注意点:しっぽを引っ張らない

特に小さなお子さんがいる家庭では注意が必要ですが、猫のしっぽを引っ張ったり踏んだりしないよう気をつけてください。しっぽには多くの神経が通っており、痛みを感じるだけでなく、排泄に問題が出るなど健康被害につながることもあり ます。

 

注意点:急に動かなくなったら

いつもしっぽを動かしている猫が急に動かさなくなった、だらんと下がったままになった場合は、怪我や病気の可能性があります。早めに獣医師に相談しましょう。

 

猫との信頼関係を深めるために

 

猫のしっぽの動きを理解することは、単に感情を読み取るだけでなく、猫との信頼関係を深めることにもつながります。

 

猫のペースを尊重する

猫は自立心が強く、自分のペースで行動したい動物です。しっぽのサインを見て「今は触ってほしくないんだな」と理解し、猫のペースを尊重することで、猫はあなたを信頼できる相手だと認識します。

 

無理強いをしない

イライラのサインが出ているときに無理に抱っこしたり、遊ばせようとしたりするのは逆効果です。猫が自分から近づいてくるまで待つ姿勢も大切です。

 

適度な距離感を保つ

猫は愛情深い動物ですが、犬ほどべったりした関係を好まないことが多いです。しっぽのサインを読み取りながら、適度な距離感を保つことで、心地よい関係を築けます。

 

ポジティブな経験を増やす

猫がリラックスしているとき、機嫌が良いときに優しく接することで、飼い主との時間がポジティブなものだと学習します。無理に構うのではなく、猫が求めてきたときに応えることが大切です。

 

まとめ:猫のしっぽは感情の表れ

 

猫がしっぽをぶんぶん振るのは、多くの場合イライラや不快感の表現です。犬の喜びのサインとは真逆の意味を持つため、この違いを理解することが重要です。

 

しっぽの振り方、振り幅、スピード、そして耳や目、体の姿勢などを総合的に観察することで、猫の感情をより正確に読み取ることができます。そして、そのサインに適切に対応することで、猫との信頼関係は深まっていきます。

愛猫のしっぽが「何を伝えようとしているのか」に耳を傾け、猫のペースを尊重した関わり方を心がけましょう。それが、猫との幸せな共同生活の鍵となります。

 

猫のしっぽは、まさに感情を映し出す鏡のようなもの。その繊細な動きを理解することで、言葉を話さない猫との深いコミュニケーションが可能になるのです。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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