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つなぎ飼いをやめたい方へ|横浜市・大阪府の動物愛護推進計画から学ぶ改善の具体策と犬の幸福度を高める方法

犬のつなぎ飼い改善の取り組み 横浜市

 

 

この記事でわかること

  • なぜ「つなぎ飼い」が問題視されているのか、データと事実で理解できる
  • 横浜市・大阪府が推進する動物愛護の具体的な取り組みを知れる
  • つなぎ飼いを改善するための実践的な手順がわかる
  • 愛犬にとっても飼い主にとっても「より良い関係」を築くヒントが得られる

はじめに:「つなぎ飼いが当たり前」だった時代は終わりつつあります

 

「うちの犬はずっと外につないで飼っている。昔からそうだから、特に問題はないはず」

そう思っている飼い主さんは、今でも少なくありません。

 

しかし今、つなぎ飼いの見直しは、全国の自治体が動物愛護推進計画の中核に据えるほど重要なテーマになっています。

神奈川県横浜市は動物愛護推進計画の中でつなぎ飼い改善の啓発活動を明確に打ち出し、大阪府では動物愛護センターが個別相談・個別指導を強化しています。

 

これは単なる「かわいそう論」ではありません。

犬のストレス・行動問題・近隣トラブル・人獣共通感染症リスク、そして飼い主自身の生活の質にも深く関わる、科学的・社会的な問題です。

この記事では、公的機関のデータや自治体の取り組みをもとに、つなぎ飼い改善の「なぜ」と「どうすれば」を徹底解説します。

 

つなぎ飼いとは何か?現状と問題の実態

 

つなぎ飼いの定義と現状

 

「つなぎ飼い」とは、犬をリードやチェーンで固定した状態で長時間または常時拘束する飼育方法を指します。

環境省の「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(最終改正2019年)では、動物の習性や生理に合った適切な飼育環境の提供が求められており、常時のつなぎ飼いは動物福祉の観点から問題があるとされています。

 

国内の犬の飼育数と飼育環境に関するデータ:

  • ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査(2023年)」によると、国内の犬の飼育頭数は約684万頭
  • そのうち屋外での係留飼育(つなぎ飼い・小屋飼い含む)の割合は依然として一定数存在
  • 動物愛護センターへの相談件数のうち、係留・飼育環境に関するものは各都道府県で毎年数百件以上に上る

 

つなぎ飼いが引き起こす主な問題

 

つなぎ飼いには、犬・飼い主・社会それぞれに対する複合的な問題があります。

 

【犬への影響】

  • 運動不足による肥満・関節疾患のリスク上昇
  • 社会化不足による攻撃性・過剰吠えの発現
  • 繰り返しの拘束ストレスによる異常行動(常同行動、自傷など)
  • チェーン・リードによる首や皮膚の損傷

【飼い主・近隣への影響】

  • 過剰吠えによる近隣トラブル
  • 脱走・噛みつき事故のリスク
  • 犬の管理コスト・精神的負担の増加

【社会的影響】

  • 動物愛護法違反となるケースの増加
  • 行政への苦情・通報対応コストの増加
  • 動物福祉後進国というイメージの固定化

 

横浜市と大阪府の動物愛護推進計画:自治体はどう動いているか

 

横浜市:啓発活動と地域ぐるみの意識改革

 

横浜市は「横浜市動物愛護推進計画」のもと、つなぎ飼い改善を重要施策のひとつとして位置づけています。

具体的な取り組みとしては、以下のような活動が展開されています。

  • 啓発リーフレットの配布:動物愛護センター窓口・獣医師会・ペットショップ等を通じた情報提供
  • 地域の動物愛護推進員との連携:神奈川県・横浜市が委嘱した推進員が地域ごとに飼い主へ直接働きかけ
  • 譲渡・飼育セミナーの開催:適正飼育の知識普及を目的とした定期セミナー
  • 動物愛護相談窓口の強化:電話・来所・オンラインでの相談対応体制の整備

横浜市のアプローチの特徴は、「罰則・指導」ではなく「啓発・支援」を軸にした対話型であることです。

飼い主を責めるのではなく、「より良い飼い方」を一緒に考えるスタンスが、市民の信頼を得るうえで重要な役割を果たしています。

 

大阪府:個別指導で一件一件に寄り添うアプローチ

 

大阪府の動物愛護センター(大阪府動物愛護管理センター)は、つなぎ飼い改善に向けた個別飼育相談・個別指導の強化を推進しています。

大阪府の取り組みの特徴は、次の点にあります。

  • 訪問指導の実施:苦情・通報があった場合、センター職員や動物愛護推進員が直接訪問し、飼い主の状況を確認しながら改善策を提案
  • 飼育相談窓口の充実:「どうすれば改善できるか」を具体的にアドバイスする専門相談員を配置
  • 行政処分前の段階的アプローチ:いきなり処分・指導ではなく、まず「相談・改善提案→経過観察→指導」という段階を踏む
  • 地域の獣医師・ペット事業者との協力体制:専門家ネットワークを活用した情報共有と支援

大阪府のデータでは、個別指導を受けた飼い主のうち一定割合がつなぎ飼いの改善に取り組むなど、個別アプローチの有効性が示されています。

 

よくある疑問に答えます:Q&A形式で解決

 

Q1. つなぎ飼いは法律違反になりますか?

 

A. 直ちに違法というわけではありませんが、状況によっては動物愛護管理法の「不適切飼養」に該当する可能性があります。

環境省の「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」では、動物が「身体的・心理的に適切な状態」で飼育されることが求められています。常時チェーンで拘束し、十分な運動・社会化の機会を与えない場合は、行政指導の対象となりうるケースもあります。

 

Q2. 室内飼育に切り替えるのは難しいですか?

 

A. 確かにハードルはありますが、段階的なアプローチで多くの犬が室内に慣れています。

特に大型犬や長年屋外で育った犬は、いきなりの室内移動より「まずサークルを使った部分的な室内体験」から始めることが有効です。動物愛護センターの相談窓口でも、個別の状況に応じたアドバイスが受けられます。

 

Q3. 近所からの苦情でつなぎ飼いを指摘されました。どうすれば?

 

A. まずは行政の相談窓口に問い合わせることをおすすめします。

横浜市・大阪府ともに、苦情があった場合も「指導・処分」より先に「相談・支援」を優先するアプローチを取っています。一人で抱え込まず、専門家に相談することが改善への最短ルートです。

 

Q4. つなぎ飼い改善に費用はかかりますか?

 

A. ゼロではありませんが、自治体の支援や段階的な取り組みでコストを抑えられます。

サークル・ケージの設置、室内環境の整備などに一定の費用はかかります。ただし、動物愛護センターによっては用品の貸し出しや情報提供を行っているケースもあります。長期的には、犬の健康維持・獣医療費の抑制につながるとも言えます。

 

実践パート:つなぎ飼いを改善するための具体的な手順

 

ステップ1:現状を正直に把握する

 

まず、現在の飼育環境を客観的に確認しましょう。

チェックリスト:

  • 1日何時間つないでいるか
  • 1日の運動量(散歩時間・回数)は十分か
  • 犬のストレスサイン(過剰吠え・自傷・無気力)は見られるか
  • 近隣からの苦情はあるか
  • 獣医師の定期受診はできているか

 

ステップ2:改善の目標を設定する

 

「完全室内飼育」が理想ですが、まずは「つなぎ時間を減らすこと」から始めても構いません。

 

目標例:

  • 「現在:1日18時間つなぎ」→「3ヶ月後:1日10時間以下に」
  • 「散歩:週2回」→「散歩:毎日1回以上に」
  • 「室内サークルを導入し、1日2時間の室内体験を始める」

 

ステップ3:環境整備を行う

 

屋外環境の改善:

  • リードをより長いもの・可動式に変更し行動範囲を拡大
  • 日陰・雨避けシェルターの設置
  • 清潔な水と食事の確保

室内導入の準備:

  • 犬用サークル・ケージの設置(3〜4畳程度のスペースから)
  • トイレトレーニングの開始
  • 犬が安心できる「自分の場所」づくり

 

ステップ4:専門家・行政の支援を活用する

 

一人で抱え込まず、積極的に外部リソースを使いましょう。

 

活用できる窓口:

  • 動物愛護センター(各都道府県・政令市):無料相談・個別指導
  • 動物病院:健康状態の確認・行動問題の相談
  • ドッグトレーナー:室内移行時のしつけサポート
  • 動物愛護推進員:地域密着型の相談・情報提供

横浜市や大阪府のように、行政が積極的に相談・支援の窓口を開いています。「指導される前に相談する」姿勢が、スムーズな改善への鍵です。

 

ステップ5:継続的に振り返る

 

改善は一度で完了するものではありません。月1回、犬の状態・生活環境・近隣との関係を振り返り、必要であれば再度相談窓口を活用しましょう。

 

つなぎ飼い改善のメリット・デメリットを正直に伝えます

 

メリット

  • 犬の行動問題が減少する:社会化・運動量の増加で攻撃性・過剰吠えが改善されるケースが多い
  • 飼い主とのコミュニケーションが深まる:室内での生活共有が絆を強化する
  • 近隣トラブルのリスクが下がる:苦情・通報の件数減少につながる
  • 長期的な医療費の削減:ストレス関連疾患・肥満・怪我の減少

デメリット・課題

  • 初期コストがかかる:サークル・室内設備への投資が必要
  • 生活の変化への適応が必要:犬・飼い主ともにライフスタイルの変化を伴う
  • 大型犬や高齢犬の移行は時間がかかる:焦らず段階的なアプローチが不可欠
  • 賃貸・住居の制約がある場合も:大家・管理組合との調整が必要なケースも

 

エピソード:ある飼い主の「改善の記録」

 

神奈川県在住のAさん(50代・男性)は、10年以上、柴犬の「ハチ」を庭でつないで飼っていました。

「昔からそうしてきたし、ハチも元気そうだったので問題ないと思っていた」とAさんは言います。

 

ところが、近隣から「吠え声がうるさい」との苦情が届き、横浜市の動物愛護センターに相談することになりました。

相談員からは、「ハチくんが吠えるのは、長時間のつなぎによるストレスが原因のひとつかもしれない」と説明を受けました。

 

Aさんはまず、散歩の回数を週2回から毎日に増やし、夜間のつなぎ時間を減らすことから始めました。その後、室内にサークルを設置し、少しずつ「室内の時間」を増やしていきました。

 

3ヶ月後、ハチの吠えは目に見えて減り、近隣からの苦情もなくなりました。

「相談してよかった。最初は怒られると思って怖かったけど、一緒に考えてくれた」とAさんは話しています。

 

注意点:改善を急ぐあまりやってしまいがちなミス

 

急激な環境変化はNG

 

長年屋外でつないで育った犬を、突然完全室内飼育に切り替えると、犬自身が強いストレスを感じる場合があります。段階的・計画的な移行が基本です。

 

罰則的な対応は逆効果

 

「吠えるから」と鳴き声を叱ったり、さらに制限を加えたりすることは、問題の根本を解決しません。行動問題の背景にあるストレスや欲求不満を理解することが先決です。

 

自己流のしつけに頼りすぎない

 

インターネット上のしつけ情報は玉石混淆です。特に成犬・高齢犬の室内移行は、専門のトレーナーや動物病院に相談することを強くおすすめします。

 

行政の相談窓口をためらわない

 

「通報されると取り上げられる」と思い込み、相談を避ける飼い主もいます。しかし横浜市・大阪府のような先進的な自治体では、まず「一緒に改善する」ことを目的とした相談体制を整えています。問題が大きくなる前に相談することが、犬にとっても飼い主にとっても最善です。

 

今後の社会的視点:動物福祉は「義務」から「文化」へ

 

世界の動物福祉の潮流

 

欧州では、犬の常時係留を禁止・厳しく制限する法律が整備されている国が増えています。ドイツでは犬の係留に関する厳格な規制があり、スウェーデンでは動物福祉法で長時間の係留を原則として禁じています。

 

日本は動物愛護管理法を2019年に改正し、虐待の罰則強化・適正飼育の基準明確化が進みましたが、つなぎ飼いの規制についてはまだ改善の余地があるというのが専門家の見解です。

 

自治体主導の変化が全国へ広がる

 

横浜市・大阪府のような都市部の先進的な取り組みは、全国の自治体に波及しつつあります。

環境省は「動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針」を定期的に改定し、地方自治体が動物愛護推進計画を策定・実施することを促進しています。

現在、全都道府県が動物愛護推進計画を策定済みであり、多くの市区町村でも独自計画の策定が進んでいます。

 

「つなぎ飼い改善」は社会全体の課題

 

つなぎ飼いの問題は、個々の飼い主だけが取り組むべき課題ではありません。

  • 行政:相談・支援・啓発体制の整備
  • 獣医師・専門家:適正飼育の情報提供と個別サポート
  • 地域社会:飼い主を孤立させない温かい目と連携
  • 飼い主自身:情報を得て、一歩踏み出す勇気

この四者が協力することで、初めて「動物福祉先進社会」への道が開けます。

犬は「財産」ではなく、「感情と欲求を持つ生命」です。それを社会が本気で認識し始めたこと自体、大きな変化の始まりと言えます。

 

まとめ:つなぎ飼い改善は「罰」ではなく「ともに生きるための一歩」

 

この記事で伝えたかったことを整理します。

  • つなぎ飼いは犬にとって深刻なストレス要因であり、行動問題・健康問題の一因になりうる
  • 横浜市・大阪府など先進自治体は、相談・支援・啓発を中心としたアプローチでつなぎ飼い改善を推進している
  • 改善は段階的に行うことができ、行政・専門家の支援を活用すれば決して難しくない
  • 動物福祉の向上は、飼い主自身の生活の質・地域の安全・社会全体の成熟にもつながる

「昔からそうしてきたから」は、改善しない理由にはなりません。でも同時に、「今すぐすべてを変えなければ」と焦る必要もありません。

 

まず一歩。散歩を1回増やすことでも、動物愛護センターに電話を一本かけることでも、それが「つなぎ飼い改善」の始まりです。


あなたの愛犬は、今日もあなたを信頼して待っています。まずは最寄りの動物愛護センターに相談してみましょう。


関連情報・相談窓口

機関名 連絡先
横浜市動物愛護センター 045-471-2111
大阪府動物愛護管理センター 072-957-0238
環境省(動物愛護管理) https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/
ペットフード協会 https://www.petfood.or.jp

この記事は動物福祉の普及・啓発を目的として作成しています。個別の飼育相談は、最寄りの動物愛護センターまたは動物病院にご相談ください。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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