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猫の血液検査で腎臓の数値が少し高いときにまず確認したいこと

猫の血液検査で腎臓の数値が少し高いときにまず確認したいこと

 

 

猫の血液検査で腎臓の数値が高いと言われたら最初に感じる不安

 

健康診断や体調不良で動物病院を受診したとき「腎臓の数値が少し高いですね」と言われると胸がざわつく方は多いのではないでしょうか。

猫は腎臓の病気になりやすい動物だと聞いたことがある飼い主さんも少なくありません。

だからこそ「腎臓の数値が高い」という一言だけで頭が真っ白になってしまうこともあります。

 

しかし数値が基準値より少し高いという結果だけで慢性腎臓病だと決まるわけではありません。

大切なのは数値そのものに一喜一憂することではなく何が原因でその数値になったのかを一つずつ確認していく姿勢です。

 

この記事では猫の血液検査で腎臓の数値が少し高いと言われたときに飼い主さんがまず確認すべきことを獣医療の基本的な考え方に沿って整理しました。

読み終える頃には次に動物病院で何を聞けばよいのか自宅で何を観察すればよいのかがはっきりと見えてくるはずです。

 

腎臓の数値とは何を意味するのか

 

BUN(尿素窒素)とクレアチニンの基本

猫の血液検査で腎臓の状態を示す代表的な項目はBUN(尿素窒素)とクレアチニンの二つです。

BUNはたんぱく質が体内で分解されたあとにできる老廃物で本来は腎臓を通じて尿として排出されます。

クレアチニンは筋肉が活動する過程で生じる老廃物であり同じく腎臓によってろ過されます。

腎臓の機能が低下するとこれらの老廃物をうまく排出できなくなり血液中の濃度が上がっていきます。

 

つまり腎臓の数値が高いというのはろ過機能がどれだけ働けているかを間接的に示す指標だと考えるとわかりやすくなります。

 

SDMAという新しい指標

近年注目されているのがSDMAという比較的新しい検査項目です。

BUNやクレアチニンは腎臓の機能がおよそ75パーセント以上失われないと異常値として現れにくいという特徴があります。

一方でSDMAは腎機能が40パーセント程度低下した段階でも変化が現れやすいとされており早期発見に役立つ指標として動物病院で活用されるケースが増えています。

腎臓の数値が少し高いと言われた際にSDMAも一緒に測定されているかどうかは確認しておきたいポイントの一つです。

 

数値はどこから「高い」とされるのか

血液検査の結果表には基準値の範囲が記載されていますが猫の場合は個体差が大きく年齢や体格によっても正常な範囲が変わってきます。

基準値をわずかに超えただけの状態と基準値の何倍にもなっている状態とでは緊急度がまったく異なります。

数値だけを見て不安になるのではなくどの程度基準値から外れているのかそして過去の検査結果と比べてどう変化しているのかを合わせて確認することが重要です。

 

数値が少し高いだけで慌てなくていい理由

 

一時的な変動を起こす要因

腎臓の数値は必ずしも腎臓病だけが原因で上昇するわけではありません。

以下のような一時的な要因でも数値が上振れすることがあります。

  • 採血前の脱水状態
  • 高たんぱくな食事を直前に摂取した場合
  • 強いストレスや興奮状態での採血
  • 消化管からの出血
  • 特定の薬剤の影響

このように腎臓そのものに病気がなくても数値が一時的に高く出るケースは珍しくありません。

 

検査前の状態が数値に与える影響

特に注意したいのが検査当日の水分摂取量です。

猫はもともと水をあまり飲まない動物として知られており軽い脱水状態でも血液が濃縮されて数値が高く出やすくなります。

移動のストレスで水を飲む量が普段より減っていたキャリーバッグの中で緊張していたといった状況も影響します。

 

一度の検査結果だけで判断せず日を改めて再検査を行うことで一時的な変動なのか継続的な傾向なのかを見極めることができます。

 

動物病院でまず確認すべき5つのポイント

 

腎臓の数値が少し高いと言われたときに動物病院で確認しておきたいことを整理します。

 

再検査のタイミング

一回の数値だけで判断せず一定期間をあけて再検査を行うことで数値の推移を確認できます。

数週間から数か月の間隔で複数回検査を行い数値が安定しているのか上昇傾向にあるのかを見ていく方法が一般的です。

 

尿検査との組み合わせ

腎臓の状態を評価するうえで血液検査だけでなく尿検査も欠かせません。

尿の濃さを示す尿比重やたんぱく尿の有無を調べることで腎臓のろ過機能をより多角的に把握できます。

血液検査の数値が少し高くても尿検査の結果が良好であれば経過観察で様子を見る場合もあります。

 

体重や食欲の変化

体重減少や食欲不振は腎臓の状態を判断するうえで見逃せないサインです。

数か月単位でゆるやかに体重が減っている場合は血液検査の数値と合わせて注意深く見ていく必要があります。

 

飲水量とおしっこの量

飲水量が増えた、おしっこの量が増えたという変化は腎臓の濃縮機能が落ち始めているサインの一つとされています。

普段のトイレの様子や飲水量を記録しておくと診察時に伝えやすくなります。

 

年齢とステージ分類

高齢の猫ほど腎臓の数値が高くなりやすい傾向があります。

国際的な獣医療の枠組みでは腎臓病の進行度をステージ1から4に分類する考え方が広く使われておりクレアチニンやSDMAの数値をもとに現在の状態を把握します。

このステージ分類を踏まえたうえで今後どのくらいの頻度で通院すべきかを相談すると具体的な見通しを立てやすくなります。

 

自宅でできる観察とセルフチェック

 

毎日記録したいチェックリスト

動物病院を受診するまでの間や再検査までの期間に自宅でできる観察は多くあります。

  • 一日に飲む水の量がいつもより増えていないか
  • トイレの回数や尿の量が変化していないか
  • ごはんの食べ方に変化がないか
  • 体重が緩やかに減っていないか
  • 毛づやや元気さに変化がないか

これらを簡単なメモやスマートフォンのアプリで記録しておくと数値だけではわからない体調の流れが見えてきます。

 

水を飲む環境を見直す

猫は流れる水を好む個体が多く自動給水器を取り入れることで飲水量が増えるケースもあります。

食事をウェットフードに切り替える器の位置を複数箇所に増やすといった工夫も水分摂取をサポートする方法として知られています。

腎臓の数値が高めの猫にとって十分な水分摂取は腎臓への負担を減らすうえで基本となる習慣です。

 

早期発見が猫の未来を変える

 

慢性腎臓病の進行を緩やかにする工夫

慢性腎臓病は一度失われた腎機能を元に戻すことが難しい病気とされていますが早期に発見し食事療法や投薬などの管理を始めることで進行を緩やかにできる可能性が高まります。

療法食への切り替えやリンの摂取制限など獣医師と相談しながら猫の状態に合わせたケアを行うことが将来の生活の質を左右します。

 

公的機関やデータが示す腎臓病の実情

環境省が公表している飼育実態に関する調査でも猫の平均寿命は年々延びており高齢化にともなって腎臓をはじめとする慢性疾患への関心が高まっていることがうかがえます。

 

一般社団法人ペットフード協会が毎年実施している全国犬猫飼育実態調査でも猫の高齢化が進んでいる傾向が示されており年齢を重ねた猫の健康管理の重要性が広く認識されるようになっています。

 

公益社団法人日本獣医師会が発信する情報でも定期的な健康診断の重要性が繰り返し強調されており腎臓の数値を含めた血液検査は早期発見のための有効な手段として位置づけられています。

 

こうした情報からもわかるように腎臓の数値が少し高いという結果は病気の終わりではなくケアを始めるための出発点だととらえることができます。

 

動物福祉の視点から見た「数値」との向き合い方

 

動物福祉の考え方では動物が痛みや苦痛から自由であることそして適切な健康管理を受けられることが基本原則の一つとされています。

腎臓の数値が高いという結果に不安を感じるのは猫を大切に思う気持ちがあるからこそです。

その気持ちを数値への恐怖で終わらせるのではなく猫がこれからも快適に過ごせる環境を整えるための行動につなげていくことが動物福祉の視点からも望ましい向き合い方だといえます。

 

数値を正しく理解し獣医師と二人三脚で経過を見守っていくこと自体が猫の福祉を守る第一歩になります。

飼い主一人だけで抱え込まず動物病院という専門家の力を借りながら猫にとって無理のないペースでケアを続けていく姿勢が長い目で見た信頼関係を育てていきます。

 

年代別に見る腎臓の数値との付き合い方

 

猫の腎臓は年齢によって抱えやすいリスクが変わってきます。

腎臓の数値が高いと言われたときはその猫が今どの年代にいるのかを踏まえて対応を考えることも大切です。

 

若齢期(1歳〜6歳)の場合

先天的な腎臓の形成異常や多発性のう胞腎など生まれつきの要因が背景にあることがあります。

若いうちから腎臓の数値に異常が見られる場合は遺伝的な要因を含めた詳しい検査を検討する価値があります。

 

中年期(7歳〜10歳)の場合

この時期は歯周病や慢性的な炎症尿路結石など他の病気が腎臓に負担をかけているケースが目立ちます。

腎臓の数値だけでなく口腔内の状態や膀胱まわりのトラブルも合わせてチェックしておくと原因を絞り込みやすくなります。

 

高齢期(11歳以上)の場合

加齢にともなうろ過機能の自然な低下がもっとも一般的な背景となります。

高齢の猫では半年に一度程度の定期的な血液検査を行い数値の推移をグラフのように追っていくことで小さな変化にも早く気づける体制を整えられます。

 

食事療法とサプリメントについて知っておきたいこと

 

療法食が果たす役割

腎臓の数値が継続的に高い場合に獣医師から提案されることが多いのが腎臓ケア用の療法食です。

療法食はたんぱく質やリンの含有量を調整することで腎臓にかかる負担を減らすように設計されています。

ただし療法食への切り替えは猫の状態やステージによって適切なタイミングが異なるため自己判断で始めるのではなく必ず獣医師の指示のもとで進めることが望ましいです。

 

急な食事変更は避ける

猫は食事の急な変化を嫌う傾向がある動物です。

療法食に切り替える際は今までのフードに少しずつ混ぜながら数日から数週間かけて移行することでスムーズに慣れてもらいやすくなります。

食べムラが出た場合は無理に切り替えを急がず獣医師に相談しながら猫のペースに合わせて進めていくことが結果的に長続きするコツになります。

 

サプリメントとの向き合い方

腎臓の健康をサポートするサプリメントも数多く市販されていますがすべての猫に同じ効果が出るわけではありません。

サプリメントを取り入れる場合も現在の腎臓の数値や併用している薬との相性を踏まえて獣医師に相談してから始めると安心です。

 

よくある質問

 

Q1 腎臓の数値が一度だけ高くてもすぐに病気だと考えるべきですか

一度の検査結果だけで慢性腎臓病と判断されることは基本的にありません。

脱水やストレスなど一時的な要因で数値が上振れすることもあるため日を改めての再検査や尿検査の結果と合わせて総合的に判断することが一般的です。

 

Q2 腎臓の数値が高いと言われたら食事をすぐに変えるべきですか

数値が少し高い程度の段階では必ずしもすぐに療法食へ切り替える必要があるとは限りません。

まずは水分摂取量を増やす工夫や定期的な検査を行いながら獣医師と相談したうえで食事内容を検討していくことが望ましい進め方です。

 

Q3 若い猫でも腎臓の数値が高くなることはありますか

年齢に関係なく先天的な要因や急性の腎障害脱水などによって若い猫でも腎臓の数値が上昇することがあります。

年齢が若いから安心と決めつけず気になる数値が出た場合は原因をしっかり確認することが大切です。

 

Q4 自宅でできる予防的なケアはありますか

新鮮な水をいつでも飲める環境を整えることウェットフードを取り入れて水分摂取量を増やすこと定期的な健康診断を受けることなどが基本的な予防的ケアとして挙げられます。

日々の小さな積み重ねが将来の腎臓の健康を左右すると考え無理のない範囲で習慣化していくことをおすすめします。

 

まとめ

 

猫の血液検査で腎臓の数値が少し高いと言われたときにまず確認したいことを整理してきました。

一回の数値だけで判断せず再検査のタイミング尿検査との組み合わせ体重や飲水量の変化年齢に応じたステージ分類など複数の視点から総合的に状態を見ていくことが欠かせません。

自宅での観察や水を飲む環境の工夫も腎臓への負担を減らすうえで大きな助けになります。

 

腎臓の数値が高めだとわかった今だからこそ猫の毎日をより丁寧に見守るきっかけにしてみてください。

気になる症状や数値の変化がある場合は自己判断せず早めにかかりつけの動物病院に相談しましょう。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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