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猫のショック状態の見分け方|歯ぐきの色・体の冷たさ・反応の鈍さを組み合わせて判断する

ショックとは、血液のめぐりが体の必要に追いつかず、組織に酸素が届かなくなっている状態のことです。原因は出血だけではありません。ひどい脱水、心臓の病気、感染(敗血症)、体液の分布の異常など、幅広い原因が同じような見え方につながります。

見分ける手がかりは、ひとつの症状ではなく組み合わせです。歯ぐきの色、歯ぐきを押して色が戻るまでの時間、耳や肉球の冷たさ、意識のはっきりしなさ、呼吸の様子。この5つのうち複数が同時に当てはまるなら、今すぐ動物病院に電話してください。

そしてもうひとつ、猫で必ず押さえておきたい点があります。猫は犬と違って、ショックでも脈が速くならないことがあります。むしろ脈が遅くなる(徐脈)ことが知られており、「脈が速くないから大丈夫」という判断は猫では成り立ちません。

歯ぐきが白い・灰色っぽい/体の先が冷たい/呼びかけへの反応が鈍い。このうち2つ以上が同時にあるなら、朝を待つ場面ではありません。すぐに動物病院へ電話してください。夜間・休診日なら夜間・救急動物病院を探してください。

少し落ち着いたように見えても、それは安全の根拠になりません。状態の重い猫は、抱き上げる・押さえるといった取り扱いだけでも代償が破綻することがあると報告されています。無理に触らず、静かにしたまま電話を先にしてください。

家庭でできるのは、体温をこれ以上奪わないことと、静かに運ぶことだけです。水や食べ物を口に流し込む、体をこすって温める、動かない足をもむ、といったことはしないでください。

まず確認すること|5つの所見を組み合わせて見る

「歯ぐきが白い」「体が冷たい」「ぐったりしている」は、それぞれ単独でもいろいろな原因で起こります。ショックを疑うのは、これらが同時に並んだときです。猫の灌流(血のめぐり)を評価するとき、獣医療では意識状態・心拍数・脈の強さ・粘膜の色・毛細血管再充満時間・体温の6つを見ます。家庭でも、そのうちいくつかは確かめられます。

無理はしないでください。口をこじ開ける、押さえつけて何度も測る、といったことは避けてください。分かった範囲だけで十分に受診の理由になります。

  1. 歯ぐきの色(白い・灰色・紫がかっている・逆に泥のようにくすんでいる)
  2. 歯ぐきを押して色が戻るまでの秒数(毛細血管再充満時間・CRT)
  3. 耳・肉球・四肢の先の冷たさ(測れる状況なら体温も)
  4. 意識と反応(呼びかけへの反応、起き上がれるか、瞳孔)
  5. 呼吸(浅く速い、不規則、安静時に口を開けている)

歯ぐきの色と、色が戻るまでの時間(CRT)

上唇をそっとめくり、犬歯の上あたりの歯ぐきを見ます。健康な猫は薄いピンク色です。白い・灰色・紫がかっている場合は異常と考えてください。

次に、その部分を指で軽く押して白くしてから離し、もとの色に戻るまでの秒数を数えます。日本臨床獣医学フォーラム(JBVP)は、押して白くなった歯ぐきが指を離しても2秒以内に赤みが戻らないことを、ショックのサインのひとつとして挙げています。正常はおおむね1〜2秒以内です。

歯ぐきに色素が濃くて色が分かりにくい猫もいます。その場合は無理に確かめようとせず、末端の冷たさ・意識・呼吸といった他の所見で判断してください。

耳・肉球・四肢の先の冷たさと、体温

四肢末端の冷感と低体温は、循環がうまくいっていないときのサインになりえます。臨床の解説では、猫ではわずかな体温低下であっても、ショックを評価するうえで重大な所見とみなすべきとされています。

測れる状況で、猫が嫌がらなければ直腸温を測ってください。獣医療では37.8℃を下回る低体温がショックの所見として扱われます。ただし体温が高いか低いかだけで安心と危険を切り分けないでください。敗血症の判定基準には39.7℃を超える発熱も含まれており、熱があるからショックではない、とは言えません。

意識・呼吸・脈

呼びかけへの反応が鈍い、名前を呼んでも顔を上げない、うずくまったまま起き上がらない、瞳孔が開いたまま戻らない。こうした意識の変化は、循環が保てていないことの表れであることがあります。

呼吸は、浅く速い、不規則、あるいは安静時に口を開けている状態が問題になります。猫が安静時に口で呼吸しているのは異常です。

脈については、家庭で1分あたりの回数を正確に数えるのは難しいものです。数字を無理に出そうとせず、「いつもより明らかに遅い」「弱い」「触れにくい」という感覚で十分に受診の理由になります。

すぐ動物病院へ相談すべきサイン

次のどれかに当てはまるなら、電話をしてください。複数が重なっているときは、なおさら急ぎます。

  • 歯ぐきや舌が白い・灰色っぽい・紫がかっている(いつもの薄いピンクでない)
  • 歯ぐきを押して離しても2秒以内に赤みが戻らない
  • 耳・肉球・四肢の先が明らかに冷たい
  • 測れる状況で、直腸温が37.8℃を下回っている
  • 呼びかけへの反応が鈍い、ぐったりして起き上がらない、意識がない
  • 呼吸が浅く速い、不規則、安静時に口を開けて呼吸している
  • 胸に手を当てても心拍がいつもより明らかに遅い・弱い・触れにくい
  • 急に後ろ足(または片方の後ろ足)が動かなくなり、大声で鳴く。その足が冷たい
  • オス猫がトイレに何度も行くのに尿が出ない、うずくまって鳴いている
  • 交通事故・落下・咬傷などのあと、見た目の傷が軽くてもぐったりしている
  • けいれんしている、瞳孔が開いたまま戻らない
  • 嘔吐や下痢が続いたあとに急に動かなくなった

猫のショックは犬と同じようには見えない|脈が遅くなることがある

犬では、ショックの初期に心拍数が上がり、脈が強くなり、毛細血管再充満時間が短くなるという「代償期(ハイパーダイナミック期)」が観察されます。多くの解説にある「脈は弱く、速い」という説明も、この段階を念頭に置いたものです。

ところが猫の救急を扱ったレビューは、猫では代償期のハイパーダイナミック期を示さないことが多いと明記しています。そのかわりに前面に出るのが、徐脈(1分あたり160回未満)、低体温(37.8℃未満)、低血圧(収縮期血圧90mmHg未満)です。あわせて意識の鈍麻、粘膜の蒼白、毛細血管再充満時間の延長を伴います。

理由としては、猫では交感神経が優位になっても副交感(迷走)神経の活動が抑えられないこと、あるいは圧受容器反射のときに迷走神経が交感神経と同時に刺激されることが挙げられています。臨床誌の解説は、猫では軽度から中等度のショックでも徐脈がしばしば見られるとも述べています。

「脈が速くないから大丈夫」は、猫では成り立ちません。歯ぐきの色、毛細血管再充満時間、末端の冷たさ、意識、呼吸のほうが、猫では拾いやすい手がかりです。

見るところ
ショック初期の心拍速くなる(頻脈)ことが多い速くならないことが多い。軽度〜中等度でも徐脈になりうる
徐脈として扱われる目安1分あたり160回未満
体温低下は進行を示す所見わずかな低下でも重大な所見として扱う(37.8℃未満)
ショック指数(心拍数÷収縮期血圧)の閾値1より大きい1.54より大きい

これらの数値は動物病院で使う目安であって、家庭で心拍数や血圧を測って判断するためのものではありません。ここで覚えておいてほしいのは、「脈が速い=ショック、遅い=まだ平気」という考え方が猫には当てはまらない、ということだけです。

何が起きているのか|ショックは1つの病気ではない

ショックは、酸素の供給と組織での消費のバランスが崩れて組織が低酸素になった状態を指します。原因は、循環血液量が減るもの(出血・重い脱水)、心臓が原因のもの、血流が物理的に妨げられるもの、体液の分布が異常になるもの(敗血症を含む)、代謝や酸素化の問題によるものに分類されます。アナフィラキシーもこの分類のなかに含まれます。

この記事では原因ごとの病気の解説はしません。家庭で必要なのは、原因を突き止めることではなく、「循環が保てていないかもしれない」と気づいて電話することだからです。ただし、猫で比重が大きく、しかも家庭から見て手がかりが分かりやすいものが2つあるので、それだけ挙げておきます。

尿が出ていない(尿道閉塞)

トイレに何度も行くのに尿が出ない、うずくまって鳴く、という状態は、尿道が詰まっている可能性があります。尿道閉塞の猫33頭を調べた研究では、来院時に6頭(18.18%)が徐脈を示し、そのすべてが重度の高カリウム血症でした。来院時の体温と血清カリウム濃度には強い負の相関があり、カリウムが高い猫ほど体温が低いという関係が報告されています。

つまり、「尿が出ない+ぐったり+体が冷たい」は待てない組み合わせです。電話のときに「尿が出ていない」と最初に伝えてください。

急に後ろ足が動かなくなった(動脈血栓塞栓症)

猫の心筋症に伴う急変として、動脈血栓塞栓症があります。ACVIM(米国獣医内科学会)のコンセンサスステートメントは、急性の不全麻痺・麻痺、大腿動脈の拍動の消失を心臓の精査が必要な所見として挙げ、四肢の冷感、肉球や爪床の蒼白・チアノーゼにも触れています。急性期の管理では強力な鎮痛が最優先とされており、それだけ強い痛みを伴います。

寝違えや腰痛と考えて、もんだり温めたりしないでください。予後を左右する因子として「患肢が1本だけであること」「体温が正常であること」が挙げられており、体が冷えていることは良い所見ではありません。

呼吸が速い・苦しそう(うっ血性心不全)

同じACVIMのコンセンサスは、猫のうっ血性心不全では頻呼吸・努力性呼吸、あるいはその両方が典型的な所見だとしています。来院理由として努力性呼吸や労作時の開口呼吸が挙げられ、直腸温37.5℃未満が心不全の診断と相関するとも記載されています。

呼吸が苦しい猫は不安が強く、心肺停止に陥りやすいとされています。押さえつけて口を開けさせるようなことはせず、静かにしたまま連絡してください。

今、自宅でできること

ここに書くのは治療ではありません。病院に着くまでに、これ以上悪くしないことと、診察に必要な情報をそろえることが目的です。

  1. 動物病院へ電話する。「歯ぐきが白い」「体が冷たい」「反応が鈍い」と、見たままの言葉で伝える
  2. 猫を静かで暗い場所に移し、人の出入りや音を減らす(刺激で状態が悪くなることがあります)
  3. 冷たい床の上から離し、タオルや毛布でくるんで体温をこれ以上奪わないようにする
  4. 湯たんぽを使う場合は熱くない温度にして、タオルで包み、直接あてない
  5. 歯ぐきの色を見て、押してから色が戻る秒数を数える(無理にこじ開けない)
  6. 呼吸の速さと様子、意識の状態、四肢の冷たさをメモする
  7. 測れる状況で、猫が嫌がらなければ直腸温を測る
  8. 発症した時刻と、直前に何をしていたか(外出・落下・けんか・誤食の可能性)を記録する
  9. 最後に排尿・排便した時刻、最後に食べた時刻を確認する
  10. キャリーを用意し、頭・首・背中が大きく動かないようタオルで支えて入れる
  11. 興奮している猫はタオルでくるみ、空気穴のあるキャリーや箱に入れて暗くする
  12. 移動中は静かに、揺れを抑えて運ぶ

保温は、搬送のあいだに体温をさらに奪われないための補助です。温めれば回復する、という性質のものではありません。温まったから安心、とも考えないでください。

やってはいけないこと

以下は猫を危険にさらすか、受診を遅らせる行為です。ひとつも行わないでください。

  • 水や食べ物、ミルクを与える。ぐったりしている猫や意識がはっきりしない猫の口に流し込むのは誤嚥の危険があり、飲ませても脱水は改善しません
  • 獣医師の指示なく人用の薬(解熱鎮痛薬など)を与える。猫では中毒を起こします
  • 無理に押さえつけて長く処置しようとする、口をこじ開ける(呼吸や循環が悪い猫は取り扱いだけで急変することがあります)
  • 急に強い熱源で温める。熱い湯たんぽを直接あてる、ドライヤーを近くから当てる、電気毛布を高温設定のまま放置するといったことは避けてください
  • 体をこすって温めようとする
  • 急に動かなくなった後ろ足をもむ、無理に立たせて歩かせる(強い痛みを伴う状態のことがあり、危険です)
  • 傷口の消毒や処置を優先して受診を遅らせる
  • 出血しているところを紐やゴムできつく縛る。組織を傷つけるため行わないでください
  • 「少し落ち着いたから」と受診をやめる、翌朝まで待つ
  • 自己判断で吐かせようとしない。オキシドール(過酸化水素水)や食塩水を飲ませる、指を入れるといった方法は行わないでください

落ち着いて見えることが安全を意味しないのは、原因が続いているからです。尿道閉塞、動脈血栓塞栓症、内出血、敗血症といった背景があれば、休ませているあいだにも進みます。「様子を見る」という選択肢は、この場面では取れません。

動物病院へ伝える情報

  • いつから、どんな順番で症状が出たか(発症時刻)
  • 直前に何をしていたか(外出・脱走・落下・同居動物とのけんか・誤食の可能性)
  • 歯ぐきの色と、押してから色が戻るまでの秒数
  • 測れた場合の体温、呼吸数、心拍のおおよその速さ(速いか遅いか、触れにくいか)
  • 最後に排尿した時刻と量、トイレに行っても出ていないか、血尿の有無
  • 最後に食べた・飲んだ時刻と量
  • 嘔吐・下痢の有無と回数、内容(写真があると役に立ちます)
  • 既往歴(心筋症などの心疾患、腎臓病、甲状腺機能亢進症、糖尿病、尿石症の既往)
  • 現在飲ませている薬・サプリメント(現物か写真)
  • 体重と年齢、避妊去勢の有無
  • 誤食の可能性があるときは製品のパッケージそのもの
  • 多頭飼育かどうか、他の猫にも同じ症状が出ていないか

動物病院では何を見るのか

動物病院ではまず灌流の評価が行われます。意識状態、心拍数、脈の強さ、粘膜の色、毛細血管再充満時間、体温という6項目です。猫では心拍数÷収縮期血圧で計算するショック指数の閾値が犬と異なり、1.54より大きい場合が問題とされます。

そのうえで、原因を絞り込むための検査(血液検査や電解質、画像検査など)と、酸素の供給や静脈からの輸液といった支持が並行して進みます。尿道閉塞が疑われる場合はカリウム値の確認が急がれますし、心臓が原因と考えられる場合は輸液の入れ方そのものが変わります。家庭で原因を判断できないからこそ、電話で状況を伝えて指示を受ける意味があります。

重い状態の猫は、身体検査すら分割して行い、その合間に酸素を吸わせるべきだとされています。病院に着いてすぐ検査が始まらないように見えても、それは必要な進め方です。

夜間・休日でかかりつけの動物病院が閉まっている場合

夜間や休診日にかかりつけの病院が閉まっているときは、近くの夜間・救急動物病院を確認してください。向かう前に必ず電話をしてください。夜間は予約制のところや、受け入れられる状態かどうかがその時々で変わるところがあります。

電話では、「何が起きたか」「いつからか」「猫の年齢と体重」「今の様子」を伝えてください。その場でできることを教えてもらえたり、より適した病院を案内してもらえることがあります。

電話では、「歯ぐきが白い」「体が冷たい」「反応が鈍い」という言葉をそのまま伝えてください。この3語がそろうと、受け入れの可否や準備の判断が早くなります。

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よくある質問

歯ぐきの色はどう見ればいいですか?

上唇をそっとめくり、犬歯の上あたりの歯ぐきを見てください。健康な猫は薄いピンク色です。白い・灰色・紫・レンガのように赤い、といった色は異常と考えます。

続けて、その部分を指で軽く押して白くしてから離し、色が戻るまでの秒数を数えます。JBVPは、2秒以内に赤みが戻らないことをショックのサインとして挙げています。

歯ぐきの色素が濃くて分かりにくい猫もいます。無理に口をこじ開けないでください。末端の冷たさ、意識、呼吸だけでも判断の材料になります。

猫のショックでは脈が速くなるのではないのですか?

犬では初期に頻脈になりますが、猫では代償期のハイパーダイナミック期が出ないことが多いとされています。猫は軽度から中等度のショックでも徐脈(1分あたり160回未満)になることがあります。

理由として、交感神経が優位になっても副交感神経の活動が抑えられないこと、圧受容器反射で迷走神経が同時に刺激されることが挙げられています。

家庭で心拍数を正確に数えるのは難しいので、「いつもより明らかに遅い・弱い」という感覚で十分に受診の理由になります。

体が冷たいので温めてもいいですか?

冷たい床から離し、タオルや毛布でくるんで体温をこれ以上奪わないようにすることは安全です。湯たんぽを使うなら熱くない温度にし、タオルで包んで直接あてないでください。

こする、ドライヤーを近くから当てる、電気毛布を高温設定にするといった急な加温は避けてください。

保温は搬送までの補助であって、治療ではありません。温まったから安心、という判断はしないでください。

水や食べ物を与えたほうがいいですか?

ぐったりしている猫や意識がはっきりしない猫には与えないでください。飲ませようとして口に水を流し込むと誤嚥の危険があります。

自分から進んで飲む場合を除いて、無理に飲ませないでください。水を飲ませても脱水そのものは改善しませんし、点滴が必要な状態かどうかは病院で判断されます。

少し落ち着いたようです。朝まで待てますか?

落ち着いて見えることは安全を意味しません。尿道閉塞、動脈血栓塞栓症、内出血、敗血症などは、原因が続いている限り再び悪くなります。

重い状態の猫は取り扱いや刺激だけでも代償が破綻すると報告されています。夜間でも、まず電話をして指示を仰いでください。

猫が触らせてくれません。どうすればいいですか?

無理に押さえつけないでください。呼吸や循環が悪い猫は、取り扱いそのもので急変することがあります。

離れたところからできる観察(呼吸の様子、姿勢、意識)だけでも情報になります。洗濯ネットやタオルでくるんでからキャリーに入れると、安全に運びやすくなります。

動かし方に迷うときは、病院に電話してその場で相談してください。

オス猫がトイレで鳴いています。ショックと関係ありますか?

尿道閉塞は、猫のショックの重要な背景のひとつです。高カリウム血症によって徐脈や低体温が起こります。

尿道閉塞の猫を調べた研究では、徐脈を示した猫はすべて重度の高カリウム血症でした。また、カリウムが高い猫ほど来院時の体温が低いという相関も報告されています。

「尿が出ない+ぐったり+体が冷たい」は待てない組み合わせです。すぐに受診してください。

犬と同じ見分け方ではいけないのですか?

犬向けの説明にある「脈は弱く、速い」をそのまま猫に当てはめると、判断を誤ることがあります。猫ではこの段階が出ないことが多いためです。

猫で拾いやすいのは、粘膜の蒼白、毛細血管再充満時間の延長、四肢末端の冷感、意識の鈍麻です。ショック指数の閾値も、犬は1より大きい場合、猫は1.54より大きい場合と異なります。

まとめ

  • ショックは組織に酸素が届かなくなっている状態で、出血だけでなく脱水・心疾患・敗血症など幅広い原因で起こる
  • 見分けるのは単独の症状ではなく組み合わせ。歯ぐきの色、色が戻るまでの秒数、末端の冷たさ、意識、呼吸を並べて見る
  • 歯ぐきを押して離し、2秒以内に赤みが戻らなければ異常
  • 猫は犬と違い、ショックでも脈が速くならないことがある。徐脈・低体温・低血圧が前面に出る
  • 「尿が出ない」「急に後ろ足が動かない」は、猫では特に急ぐ組み合わせ
  • 家庭でできるのは、静かにすること・体温をこれ以上奪わないこと・記録すること・安全に運ぶことまで
  • 落ち着いて見えても原因は続いている。受診をやめる理由にはならない

参考資料

この記事は次の資料を参照して作成しました(2026年9月9日確認)。記載内容は一般的な情報であり、個々の症例の診断・治療に代わるものではありません。判断に迷うときは、自己判断せず動物病院に相談してください。

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