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犬がマムシに咬まれた|顔が腫れてきたときに今すぐすること・やってはいけないこと

日本の犬のマムシ咬症では、咬まれる場所は頭部・顔面が最も多く、犬48例を集計した国内の調査では27例(56%)を占めました。散歩中に草むらのにおいを嗅ぎに行く行動が受傷につながると考えられています。腫れは犬猫52例中49例(94%)に現れており、腫れがあれば毒が入ったと考えてよいとされています。

咬まれた、あるいはその疑いがあるなら、腫れの程度にかかわらず今すぐ動物病院へ電話してください。この記事では、電話の前に確認すること、病院までの運び方、そして現場でやってはいけないことを順にまとめます。

現場での応急処置に時間を使わないでください。獣医学の標準的な教科書は、飼い主が現場で行うべきことは「動物を落ち着かせ、活動を制限する」ことだけで、それ以外の応急処置に時間を費やすべきではないとしています。抱えられる大きさなら抱いて車まで運び、とにかく早く受診してください。

口で吸う・切開する・きつく縛る・氷で冷やすは行わないでください。いずれも同じ教科書が「無効であり、有害となりうる」処置として名指しで挙げているものです。

顔や鼻先を咬まれた場合、腫れが首まで広がることがあります(52例中27例で咬まれた場所の周辺へ波及)。移動中も呼吸の様子と歯ぐきの色を確認してください。

受診したあとも油断できません。症状のピークは受傷1日目(46%)または2日目(42%)で、初診のときに軽く見えても翌日以降に強くなることがあります。

まず確認すること

動物病院に電話する前に、次の点を手元にそろえてください。すべて分からなくても構いません。分からないこと自体が伝えるべき情報です。

  1. 咬まれた(と思われる)時刻。分からなければ「最後に普段どおりだった時刻」と「異変に気づいた時刻」
  2. どこで起きたか(草むら・河原・畑・庭・山道など)と、散歩中か放し飼いかなどの状況
  3. 咬まれた部位と、分かる範囲での牙痕の数
  4. 腫れ始めた時刻と、広がり方(時刻の分かる写真を撮っておくと参考になります)
  5. ヘビを見たかどうか。見た場合は色・模様・太さ・長さ。探しに戻らない・捕まえない
  6. 犬の体重・年齢・犬種、持病、飲んでいる薬
  7. 今の様子(呼吸、歯ぐきの色、元気、嘔吐や下痢、尿の色)

マムシとヤマカガシは、咬まれたあとの経過が違う

自治体が公開している情報では、この2種は見た目も生息場所も異なります。ただし、飼い主がその場で種類を特定する必要はありません。種類が分からないことは、受診しない理由にはなりません。

ニホンマムシヤマカガシ
大きさ45〜80cm。太く短い体つき60〜120cm
見た目頭が三角形。背中に銭型の斑紋赤・黄・黒の鮮やかな斑紋
いる場所低山地の田畑や水辺水田や河川の岸辺の草むら
咬まれたあと犬猫52例中49例(94%)に腫れが現れた咬まれた直後には痛みや腫れが基本的に起こらないとされる

「腫れていないから毒ヘビではなかった」とは判断できません。ヤマカガシは時間が経ってから頭痛・吐き気・血尿・歯ぐきからの出血などが現れうるとされており、マムシでも毒液が入らない咬傷(ドライバイト)があります。

なお、犬がヤマカガシに咬まれた場合の経過を扱った症例報告は見つけられませんでした。この記事で具体的に書けるのはマムシ咬症についてだけです。

ヘビを見ていなくても疑ってよい場面

国内の調査では、受傷場所として最も多かったのは草むら(13例・25%)で、畑・山・庭が各2例、河原とゴミ捨て場が各1例でした。著者は「一般に通常の散歩コースで受傷しているようであった」と述べています。山奥に入らなくても起こりうるということです。

そのため、草むらや河原を歩いたあとに顔や前肢が急に腫れてきた場合は、ヘビを見ていなくても咬傷を疑って相談する理由になります。ただしこの調査は鳥取県の2施設のもので、都市部と地方の発生比率を示したデータではありません。

すぐ動物病院へ相談すべきサイン

次のどれか一つでも当てはまれば、時間帯にかかわらず動物病院へ電話してください。「明日の朝いちばんで」と決めてよい材料はありません。

  • 顔・鼻先・口のまわりが急に腫れてきた。腫れが首まで広がっている
  • 呼吸が速い・苦しそう、いびきのような音や高い音がする
  • 歯ぐきや舌が白い・紫っぽい
  • ぐったりして立てない、ふらつく、呼びかけへの反応が鈍い
  • 嘔吐や下痢がある
  • 尿が赤い・茶色い
  • 咬まれた部位以外からも出血している(歯ぐき、目の中、鼻)
  • 皮膚の色が変わってきた・黒ずんできた(末端の血流障害のサイン)
  • 腫れが関節を越えて、あるいは体幹側へ広がってきた
  • 小型犬・子犬・高齢犬・持病のある犬(症状が軽く見えても、該当するだけで受診の理由になります)
  • ヘビを見ていなくても、草むらや河原の散歩のあとに顔や前肢が急に腫れた
  • 一度受診して帰宅したあと、翌日から3日目にかけて腫れや元気のなさが強くなった

犬のマムシ咬症は「顔」と「夜」と「夏の終わり」に集中する

1997年から2006年までの10年間に鳥取県の2施設へ来院した犬48例・猫4例をまとめた調査があります。ここから分かるのは、犬の受傷のしかたが人とはまったく違うということです。

咬まれるのは頭と顔

咬まれた部位件数(犬48例)
頭部・顔面27例(56%)
前肢10例(21%)
後肢9例(19%)
不明2例(4%)

著者は、顔面の受傷は散歩中ににおいを嗅ぐなどの探索行動で起き、四肢の受傷は草むらに踏み込んだことで起きたと推察しています。純血種ではレトリバー・ミニチュアダックスフンド・ビーグルなど、狩猟犬の歴史を持つ犬種で頭部・顔面の受傷が目立ちました。

顔を咬まれた場合、腫れは咬まれた場所にとどまりません。52例中27例(52%)で周辺へ波及し、顔面は頸部まで、四肢は関節をまたいで広がっています。顔・首が腫れているときは、呼吸の様子を必ず見ながら移動してください。(なお、実際に気道が閉塞した犬の割合を示すデータは見つかりませんでした。)

半数以上が夜間に起きている

発生した時間帯件数(犬猫52例)
夜(17時〜3時)28例(54%)
2例(4%)
2例(4%)
不明20例(38%)

人のマムシ咬症は昼の農作業中が多いのに対し、犬は夜に活動しているマムシの側へ入り込んで咬まれています。つまり、犬のマムシ咬症は最初から「夜間救急を使う場面」として考えておく必要があります。

発生は5月から始まり、8〜9月をピークに11月まで見られました。マムシが多い地域では、この時期の夜の散歩や草むらへの立ち入りを控えるよう、論文の考察でも飼い主への注意喚起が必要だとされています。

重症化しやすいのは小型犬

「体が大きいほうが危ない」と思われがちですが、この調査では逆でした。入院した3例はすべて小型犬で、血液検査を行った小型犬6例のうち5例に異常値が出ています。

最も重篤だった1例は体重6.65kgのミニチュアダックスフンドで、溶血、貧血、低アルブミン血症、電解質異常、凝固系の異常、白血球増多、CKの著明な高値、BUNの上昇などを示しました。嘔吐・下痢・皮膚の脱落・赤色尿・前眼房出血といった症状も、小型犬に多く見られています。

著者は、小型犬で全身症状や血液検査の異常がみられる症例では注意深いモニタリングが必要だと結論しています。体が小さいほど慎重に扱ってください。

症状はこう進む|ピークは1〜2日目、通院は1回で終わらない

同じ調査で、症状のピークは受傷1日目が24例(46%)、2日目が22例(42%)でした。重篤化した1例だけが3日目にピークを迎えています。つまり、来院したときに軽く見えても、翌日以降に強くなることがあるということです。

腫れがどのくらいの速さで広がるかについては、「咬まれてから20〜30分で腫れが出る」といった時間の目安が紹介されることがあります。ただし、この数字の根拠となる原著を確認できませんでした。この記事では時間を断定せず、「腫れは早い段階から出はじめることがあり、腫れがあれば毒が入ったと考える」という扱いにとどめます。

回復には時間がかかります。経過を追えた症例の完治までの日数は4〜23日(平均11日)でした。一方で、最終診察のときに正常まで回復していたのは52例中10例(19%)にとどまり、33例(64%)は傷や腫れを残したまま通院が終わっています。元気や食欲が戻ると来院しなくなる飼い主が多いためです。

咬傷部からは緑膿菌などの細菌が検出されており、二次感染の管理が必要になります。重篤だった症例では多剤耐性の緑膿菌が分離されました。指示された再診には行ってください。

今、自宅でできること

ここに書くのは治療ではありません。病院に着くまでに、これ以上悪くしないことと、診察に必要な情報をそろえることが目的です。

  1. 動物病院へ電話する。最初に「マムシに咬まれた疑い」と伝え、犬の体重と受傷時刻を伝えて受け入れを確認する。夜間ならこのあとの案内を見てください
  2. 抱えられる大きさなら抱いて車まで運ぶ。歩かせる距離を短くし、興奮させないようにする
  3. 腫れの範囲を、時刻の分かる形で写真に撮っておく(進行の速さが診療の参考になります)
  4. 咬まれた時刻・場所(草むら・河原・庭など)をメモする
  5. 見えた範囲でのヘビの色・模様・大きさを記録する。ヘビを捕まえようとしない・追わない
  6. 顔や首が腫れているときは、首輪やハーネスを外す(引っ張らないでください)
  7. キャリーやタオルを用意し、移動中は静かに保つ。強い保定や、興奮させることは避ける
  8. 呼吸の様子と歯ぐきの色を、ときどき確認する
  9. 意識がはっきりしないときは、水や食べ物を与えない

「走らせると毒がまわる」という言い方をよく見かけますが、この点は資料によって書かれていることが違います。獣医学の教科書は動物を落ち着かせて活動を制限することをすすめており、一方で人のマムシ咬症を調べた国内の報告には、走ってでも早く受診するほうがよいとするものもあります。犬で検証した研究は見当たりません。

食い違っていない部分だけを取ると、「抱いて運べるなら抱いて運ぶ。とにかく早く受診する」になります。この記事はそれ以上のことを断定しません。

やってはいけないこと

以下は犬を危険にさらすか、受診を遅らせる行為です。ひとつも行わないでください。

  • 傷口を口で吸って毒を出そうとする。無効であり有害となりうる処置として明記されています。口の中に傷があれば、吸った人の側の感染リスクにもなります
  • 傷口を切開する・十字に切る。切開と吸引は「無効で有害となりうる」処置に分類されています。犬では新しい傷と感染源をつくるだけです
  • ひもやタオルできつく縛る(緊縛止血)。血流が止まって組織が壊死する危険があります。人向けの案内に「軽く縛る」と書かれていることがありますが、飼い主が犬に行う処置としてはすすめられません。そもそも犬は顔面を咬まれることが最も多く、縛れません
  • 氷やアイスパック、冷却スプレーで冷やす。局所の血流を落とすことは組織の障害を悪化させうるとされ、無効で有害となりうる処置に挙げられています
  • 傷口を強くもむ・絞る
  • 人用の鎮痛薬(ロキソプロフェン、イブプロフェンなど)やステロイド、抗ヒスタミン薬を自己判断で与える。犬に重い中毒を起こす危険があります
  • ヘビを捕まえて持参しようとする。二次被害の危険があります。写真が撮れる状況でなければ、記憶だけで構いません
  • そのまま散歩を続ける、興奮させたまま長い距離を歩かせる
  • 腫れが引くまで自宅で経過をみる(症状のピークは1〜2日目です)
  • ネットで見た「マムシに効く」民間療法を試して、受診の時間を削る

「毒を吸い出す」「切って出す」「縛って止める」は、いずれも人の応急手当として古くから語られてきた方法です。現在は推奨されていません。獣医学の標準的な教科書は、氷やコールドパック、スプレー、切開・吸引、駆血、電気ショック、温罨法をまとめて「無効であり、有害となりうる」処置として列挙しています。

動物病院へ伝える情報

  • 咬まれた(と思われる)時刻と、症状に気づいた時刻
  • 場所(草むら・河原・畑・庭・山道など)と状況(散歩中か、放し飼いか、夜間か)
  • ヘビを見たか。色・模様・太さ・長さ(安全に撮れた写真があれば)
  • 咬まれた部位と、分かる範囲での牙痕の数
  • 腫れ始めた時刻と、その後どのくらいの速さで広がっているか(撮った写真の時刻)
  • 犬の体重・年齢・犬種
  • 持病、飲んでいる薬、過去のアレルギーや薬の副作用
  • 嘔吐・下痢の有無、尿の色、歯ぐきの色
  • 自宅で行ったことは正直に伝える(何かを与えた、洗った、冷やしたなど。治療の判断が変わります)
  • 病院までの移動にかかる時間

病院での治療と、抗毒素(血清)について

国内の犬48例・猫4例の報告では、抗毒素血清は使われていません。治療は創部の洗浄・消毒、抗生剤、短期間のステロイド、輸液などの対症療法が中心で、必要に応じて制酸制吐剤、止血剤、強肝剤、抗ヒスタミン剤が使われました。入院例では静脈内点滴が行われ、最も重篤だった1例では輸血や凝固に対する治療が加えられています。経過が明らかな症例では症状は回復し、死亡例はありませんでした。

ただしこれは動物病院に来院した症例だけを集めた数字です。ここから致死率を読み取ることはできないので、この記事では致死率の数字を書きません。

抗毒素について、飼い主向けに正確に言えることは限られています。日本で承認されているマムシ抗毒素は人用の医薬品で、犬に使えるのか、どの程度の動物病院が持っているのかを示す資料を確認できませんでした。上の報告の考察でも、多価抗毒素血清については「賛否両論があり確定的な治療法ではない」と書かれています。

したがって、「抗毒素のある病院を探して遠くまで走る」よりも、まず最寄りの受け入れ可能な病院へ早く着くことを優先してください。気になる場合は、電話をするときに確認すれば十分です。

夜間・休日でかかりつけの動物病院が閉まっている場合

夜間や休診日にかかりつけの病院が閉まっているときは、近くの夜間・救急動物病院を確認してください。向かう前に必ず電話をしてください。夜間は予約制のところや、受け入れられる状態かどうかがその時々で変わるところがあります。

電話では、「何が起きたか」「いつからか」「犬の年齢と体重」「今の様子」を伝えてください。その場でできることを教えてもらえたり、より適した病院を案内してもらえることがあります。

犬のマムシ咬症は半数以上が夜間(17時〜3時)に起きています。「朝まで待つ」という選択肢を前提にしないでください。

電話の最初に「マムシに咬まれた疑い」と伝えてください。そのひと言で、受け入れの可否や準備の判断が早くなります。

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よくある質問

咬まれたのがマムシかどうか分かりません。それでも病院に行くべきですか?

行ってください。飼い主がその場でヘビの種類を特定する必要はありません。犬の受傷は頭部・顔面が最も多く、草むらのにおいを嗅いだ直後に顔が腫れてきたなら、まず疑う場面です。

腫れがない場合も同じです。ヤマカガシのように咬まれた直後には腫れないヘビがあり、マムシでも毒液が入らない咬傷があります。腫れの有無で受診を決めないでください。

ヘビを探しに戻る・捕まえるのは、二次被害につながるのでやめてください。

夜に咬まれました。朝まで待てますか?

待てる材料がありません。国内の調査では犬のマムシ咬症の54%が夜間(17時〜3時)に起きており、そもそも夜間救急を使う場面が多い咬傷です。

症状のピークは受傷1日目(46%)または2日目(42%)で、咬まれた直後が軽くても翌日に強くなることがあります。まず電話をして、受け入れの可否と到着予定を伝えてください。

抗毒素(血清)を置いている病院を探したほうがいいですか?

遠くまで探しに行くより、まず最寄りの受け入れ可能な病院へ早く着くことを優先してください。

日本で承認されているマムシ抗毒素は人用の医薬品で、犬への使用実態や動物病院での常備状況を示す資料は確認できませんでした。国内の犬48例・猫4例の報告でも抗毒素は使われておらず、洗浄・抗生剤・短期間のステロイド・輸液といった対症療法で回復しています。

気になる場合は、電話のときに「抗毒素はありますか」と確認すれば十分です。

毒を吸い出したり、傷を切ったりしてはいけないのはなぜですか?

獣医学の標準的な教科書が、切開・吸引・駆血・冷却をまとめて「無効であり、有害となりうる」処置として明記しているためです。

口で吸えば、吸った人の側の感染リスクにもなります。痛がって暴れる犬を押さえて処置しようとすれば、咬傷事故にもつながります。

その時間を移動にあてるほうが、犬にとって有利です。

走らせるとよくない、と聞きました。本当ですか?

この点は資料によって書かれていることが違います。獣医学の教科書は「動物を落ち着かせ、活動を制限する」ことをすすめており、一方で人のマムシ咬症を調べた国内の報告には、走ってでも早く受診するほうがよいとするものもあります。犬で検証した研究は見当たりません。

どちらの資料も一致しているのは、受診を遅らせないことです。抱えられる大きさなら抱いて運び、無理なら興奮させないようにしながら、できるだけ早く病院へ向かってください。

治るまでどのくらいかかりますか?

国内の報告で経過を追えた症例では、完治までが4〜23日(平均11日)でした。来院回数は1〜4回が中心です。

一方で、最終診察のときに正常まで回復していたのは19%にとどまり、64%は傷や腫れを残したまま通院が終わっていました。元気や食欲が戻ると通院をやめてしまうためです。指示された再診には行ってください。

咬傷部からは緑膿菌などが検出されており、二次感染の管理が必要になります。腫れが強かった部位に脱毛や皮膚の変色が残ることもあります。

散歩でどう予防すればいいですか?

国内の調査では、発生は8〜9月をピークに5月から11月まで見られ、半数以上が夜間でした。受傷場所で最も多いのは草むらで、畑・山・庭・河原での例もあります。

マムシが多い地域では、この時期の夜の散歩や草むらへの立ち入りを控えてください。リードを短く持ち、草むらに顔を突っ込ませないことが、顔面の受傷を減らすことにつながります。

ヘビを見つけても、近づかない・触らない・捕まえないでください。

猫も同じように危ないですか?

同じ調査に含まれた猫は4例だけで、うち3例が前肢の受傷でした。自分から手を出したと推察されており、症状はいずれも軽度で、来院も初回のみでした。

臨床上の問題は犬に強く偏っています。犬は散歩中ににおいを嗅ぐ行動で鼻先を草むらに入れるため、顔面を咬まれやすいというのが理由です。

まとめ

  • 犬のマムシ咬症で最も多い受傷部位は頭部・顔面(犬48例中27例・56%)。散歩中の探索行動で起きる
  • 発生は8〜10月に集中し、半数以上(54%)が夜間(17時〜3時)。最初から夜間救急を使う場面として考えておく
  • 腫れはほぼ全例(52例中49例・94%)に出る。腫れがあれば毒が入ったと考えるが、腫れがないことは受診しない理由にならない
  • 重症化しやすいのは小型犬。入院した3例はすべて小型犬で、「大型犬のほうが危ない」は逆
  • 症状のピークは受傷1〜2日目。初診で軽く見えても翌日以降に強くなることがあり、再診の指示には従う
  • 口で吸う・切開する・きつく縛る・氷で冷やすは、無効で有害となりうる処置として明記されている。行わない
  • 抗毒素が犬に使えるかを示す資料は確認できなかった。抗毒素を探して遠くへ行くより、最寄りの受け入れ可能な病院へ早く着くことを優先する

参考資料

この記事は次の資料を参照して作成しました(2026年9月9日確認)。記載内容は一般的な情報であり、個々の症例の診断・治療に代わるものではありません。判断に迷うときは、自己判断せず動物病院に相談してください。

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