豚熱で豚が殺処分。そのとんでもない数と殺処分方法に一石を投じたい。
2022年、各地で猛威を奮った豚熱。
2018年に国内の養豚場で発生して以来終わりの見えない状況です。
豚熱の致死率はウイルスの病原性の強さによって0%から100%と全く違うものになります。
世界で流行していて日本でも流行しているウイルスは急性で致死率はほぼ100%という厄介なウイルスだからこそ養豚場全体を殺処分して他に飛び火しないように対策をしないといけないのが現状ですが、、、
その殺処分方法やこれからの対策が問題になっています。
大量の豚の殺処分
2022年に栃木県那須烏山市の養豚場で発生した時の殺処分数は約56000頭。
鶏の殺処分数もえげつない数字でしたが豚の場合はなんせデカい。
どうやってこんな大量の豚を殺処分するのか。
豚の殺処分は消毒薬の注射や電気で殺す方法、炭酸ガスで窒息死させる方法があります。
消毒薬のパコマという薬はそもそも殺処分用の薬ではなく、国際的に例のない日本だけのやり方で注射されてどういう死に方をするのは不明です。
おそらくこんな数の殺処分をしているので不明なわけはないのですが業界のならわしであり隠している部分もあると思います。
なぜ、殺処分用の麻酔を使わないでパコマを使うのかはおそらくコストが安いからだと言われています。
そして、電気の殺処分。
こちらは電殺器を当てる位置がずれたり電気を流す時間が短ければ死なないどころか苦しめます。
炭酸ガスの殺処分も少ない頭数でしたら専用のコンテナと測定器を使って確実に殺すようにしているのですが実際のところはこれだけ多ければ簡易なやり方でないと不可能なようで死んでないままフレコンバッグに入れられて地面に埋められているというゾッとするような現実があります。
殺処分する時に自衛隊を要請することもあるそうですが、この任務後に精神的に苦しめられてメンタルケアが必要な隊員が続出したそうです。
豚舎に追い込み殺処分し、死体を運び埋めるという作業を5万頭を超える豚を2ヶ月間もし続けなければならない。
おかしくなりますよね。
見直す時が来ている
ウイルスがどこから運ばれまたどこに運ばれるのか見えないから分からないのがこの病気の怖いところです。
そして鳥インフルエンザ同様ここ最近は毎年のように発生しています。
発生しないということが一番良いのですが、日本の場合は猪が感染していてそこから何かしらの接触で豚舎に運ばれてしまうことが多いようです。
鶏は2023年に殺処分が多すぎて卵が足りなくなったということもあり一現場で130万羽というとてつもない数の殺処分をするようなやり方を見直そうということで分割管理という鶏舎ごとに従業員や道具、車などを独立して使うことにより発生した時もその業者の全ての鶏ではなく鶏舎ごとにという方針になりそうです。
ただしそれでも1鶏舎で40万羽の殺処分になるそうですが、、、
そもそも詰め込みすぎだし動物福祉が全く考えられていない工業畜産のやり方だし、そろそろその辺りも含めて見直す時が来ています。
たくさんの頭数を狭いところで育てるということは消費者としては安いというメリットがありますが、動物の立場からしたら地獄でしかありません。
そして、今後どう広がっていくのか分からない感染症。
下手したら今のやり方の方がコストが高くつくようになるかもしれません。
できるだけ分散させて広い場所でストレスなく過ごさせる。
素人の理想論かもしれませんが、動物の免疫力が高まるようなストレスの少ない環境で育つことが最大の感染予防になると思っています。
肉が並んでいるという光景
世界中どこでもスーパーに行けば肉は並んでいます。
私たちはそれを当たり前の光景だと思って幼少期から過ごしていますが、遠い昔はそんなことなかったですよね。
お肉は貴重なものだったし家畜は大切な命だったし。
安くて当たり前に毎日並んでいて、売り切れていると文句を言う消費者。
ないものはないと諦めも肝心なのでは?と個人的に思ってます。
そんなことを書くと反論したくなる人が続出するでしょうが、便利さは私達にとってとても恩恵がありますがその裏で苦しんでいる立場がいます。
令和のこの時代に毎日肉を食べる必要もないし他にも美味しいものがたくさんあります。
畜産業の在り方を見直すと確実に値段は上がり、色々な立場の人がいる中で現状は何も知らずに安い肉を食べている人が多数派なので反対意見の方が多いでしょう。
それでも知った人から少しずつ行動を変え始めなければ。
もうこんなにもたくさんの豚が殺処分されるのは誰にとっても辛いです。
少しずつ肉の消費を減らしていこうという行動がこれから動物福祉を向上するために大事な行動になります。
自分が今できることは?
これを考えて行動に移す人が増えると必ず変わります。
一気には変わりませんがじわじわと少しずつ。
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