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和歌山のイルカ漁が批判されているけれど、世界のイルカも残酷な世界で生きている

和歌山のイルカ漁も世界のイルカの状況も残酷だった

 
毎年9月から3月まで和歌山県太地町で行われているイルカの追い込み漁。
映像を見ている限りでは残酷で、なぜイルカが殺されないといけないのかと世界中から批判されています。

私自身、イルカ漁には反対でイルカを食べるつもりもないしイルカショーを観たいとも思いませんが、はたして批判されるのは和歌山だけでいいのかということが疑問です。

 

 
多くの人が知らないイルカの死因があります。

 

 
そもそも太地町はなぜイルカ漁をするのか

 
太地町の伝統?となっているイルカ漁。
その目的や大義名分は色々ありますが、一番は金儲けではないでしょうか。
イルカは水族館に高値で売れます。
2015年発売の週刊ポストによると180万円が相場だそうです。
調教されているイルカは600万円。
ちなみにキングペンギンは800万円。
ケープペンギンで80万円。
カバ600万円。

 

 
見た目、推定年齢、調教への適性などの基準をクリアしたイルカは水族館に売られ、それ以外は食肉として捌かれます。
食肉としては大した値段が付かず、捨てるよりは売ったほうが良いというような売上であり、生体販売が売上の8割を占めます。

 

 
この問題に関しては動物愛護の目線から見ると反対でしかないのですが、太地町の漁師の目線で物事を見ることも大切かなと思ってます。
私はこの人たちの話を聞いてみないと片側からの偏った意見にしかならないので現状は反対ですが漁師の立場の意見は知らないから分からないことばかり。
2019年には998頭のイルカが捕獲、屠殺されています。

 

 
和歌山県の言い分としては、鯨やイルカは和歌山県の食文化になくてはならない存在であり、地域経済に欠かせない産業でもあるということ。
外の人間からするとそんな文化なんかこの時代に必要ないと簡単な言えますが、仕事として漁をしている人からしたら明日からどうやって生活していけばいいのだという言い分も。

元々農作物が育ちにくい土地柄で地域の人が生きていくために漁という仕事を選んだという歴史があります。
原子力発電所の反対の声をあげると同じように発電所で働いている人の仕事はどうなるのだという意見がありますが、この文化を無くそうと思ったら補償という角度からも解決策を考えていかねばなりません。

 

 
ザ・コーヴという映画により世界中に知られることになった和歌山県太地町ではありますが、実はイルカ、鯨の捕獲数に関しては和歌山県よりも岩手県の方が多いです。
1996〜2013年の間の捕獲数は和歌山県で29202頭、岩手県で185341頭と6倍以上の差が。
それでも太地町が批判されるのは追い込んで残酷な殺し方をしているからだと言われています。

正直映像を観たら吐き気がします。

なぜこんな殺し方をしなければならないのか。
ザ・コーヴの上映後、世界中から批判された後は漁の仕方を改善したと和歌山県のホームページでは書かれていますが真実が見えてこないところが多いので判断が難しいです。

 

 
ネットフリックスで放送されている【Seaspiracy: 偽りのサステイナブル漁業】にも太地町は登場するのですが、正直そこまでやり方は変わっていない印象を受けました。

 

Seaspiracy: 偽りのサステイナブル漁業

ネットフリックスは忖度せずに真実を追求していく映画を独自で制作するのですが、それができるのはスポンサーが企業ではなく入会している会員だから。
なのでスポンサーの圧力もない切り込んだ内容でつくれます。
Seaspiracy: 偽りのサステイナブル漁業ではここまで真実を報道すると死人が出るのではと思うくらいすごい内容です。

太地町のイルカにも映画の中で触れていましたが、もっと残酷なイルカの真実も描かれていました。

 

 
大量に死んでいる

 
現在、世界の主流の量の方法はトロール漁業という海底に巨大な網を沈めて船でごっそり獲物をすくっていく方法。
大量に魚が獲れます。
欠点は狙っていない海の生き物も大量に捕獲されること。

 

中層トロール網漁イメージ図
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/2140.html より引用

 
その中にはウミガメや鯨、鮫、そしてイルカなども含まれます。
映画の中で紹介されていた数は
アイスランドの漁で1ヶ月で269頭のネズミイルカ
900頭の4種のアザラシ
5000羽の海鳥が混獲されています。
世界中の漁で考えると混獲の量は計り知れず、そしてなぜかこのような漁業が持続可能な漁業だと認定されています。

 

 
ニュースでこのような報道がされていることを見たことがありますか?
私はありません。
海洋資源が減っているというニュースは多々ありますが、その原因がこのような漁業であるとは言いません。
なぜなら理由の一つが大企業スポンサーが絡んでいるからです。

 

 
水産資源の減少でいつか魚が食べられなくなる日が来るし、そう遠くはないと言われています。
トロール漁業のメリットは効率よく獲れるので魚の値段が安いということですが、このままの方法を続けているといつか獲れる量も減り続け、魚の値段が高騰するのは目に見えています。

 

 
問題解決の糸口は?

 
イルカにしてもトロール漁業にしても話がデカすぎて何をどうすれば解決するのか見えてきません。
この問題を知り、魚を食べる人が減ることで解決するのか。
そんな悠長なことを言っていられないくらい実は海の魚は減り続けています。
例えば日本でのトロール漁業や底びき網漁などを反対したところで世界が続けていると現実は変わらない。
こうすれば解決するという明確なものがあれば希望も見えてくるのですが、ないです。

 

 
養殖は養殖でまた別の問題を抱えています。
天然の魚を食べることをやめて養殖だけでというのも別の問題を引き起こします。
養殖による水質汚染はすでに問題になっていて、鶏と同じく感染症が蔓延すると世界中の海にどんな影響が出るか予想できない部分もあります。

 

 
一つ希望をあげるとすると、海の生態系の回復は早いです。
例えば1年漁業をしないだけでもたくさんの命が生まれて海が回復し豊かになります。
ではその1年の漁師や水産加工会社などの仕事はどうするのだと結局お金の話に行き着いてしまいますが、お金でがんじがらめになった世の中を見直さない限りは海の問題も他の社会の問題も解決しないんだろうなと。
壮大な話に広がってしまいましたが、まずは知ること、そして何ができるかを考えること。そんな大人が増えていくことがより良い社会をつくります。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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