人懐こい保護猫の探し方と迎え入れるときのポイント
「保護猫」と聞くと、警戒心が強く人に馴れにくいイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?
しかし実際には、保護猫の中にもとても人懐こい性格を持つ子がたくさんいます。
本記事では、保護猫でもなぜ人懐こい子が多いのか、その背景や理由、そして保護猫を迎える際に気を付けたいポイントを詳しく解説していきます。
これから猫を家族に迎えたい方や、保護猫に興味のある方に読んでいただきたい内容となっています。
保護猫とは?
最近、テレビなどでよく保護犬、保護猫というキーワードを耳にすることが多くなりましたよね。
まずは「保護猫」という言葉の意味を整理しておきましょう。
保護猫とは、
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野良猫として外で暮らしていた猫
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引っ越しや入院など飼い主の事情で手放された猫
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ブリーダーや飼い主による多頭飼育崩壊などで行き場を失った猫を保護団体や行政が保護し、新しい里親を探している猫のことを指します。
保護猫の中には、過酷な環境で生き抜いてきた子もいれば、人間と一緒に暮らしていた経験がある子もいます。
そのため性格もさまざまで、臆病な子もいれば、驚くほど人懐こい保護猫も存在します。
そして、保護猫=雑種というイメージもありますが、血統書付きの猫を飼い主が手放す場合もあります。
本当に様々な背景がありますが、一匹一匹大切な命であり、人間の勝手な理由で不幸にさせるわけにはいきません。
保護猫を減らしていかなければ、殺処分数も減らないのが現実で、各地域の活動者さんはTNR活動という外で暮らす猫の避妊去勢手術を行い元の場所に戻す活動をしていて、全国的に野良猫が子どもを産むケースはゆっくりと確実に減っています。
しかし、特に老人が多いのですが飼い猫が避妊去勢をせずに、雌猫を放し飼いして戻ってきたら妊娠していたというケースや、庭の猫に餌をあげていたら他の猫もどんどん増えてきて、繁殖してしまったというケースが増えており、人間が引き起こす問題には全国の活動者が頭を抱えています。
保護猫に人懐こい子が多い理由
前述の通り、保護猫といっても様々な猫がいます。
人懐こい猫がいる理由を挙げていきます。
1. 元飼い猫であった可能性
人懐こい保護猫の多くは、もともと人間と一緒に暮らしていた経験がある「元飼い猫」であるケースが多いです。
飼い主の事情(引っ越し、病気、経済的理由など)で手放された場合、人と暮らした記憶が残っているため、初対面でも警戒心が薄く甘えてくれる子がいます。
ただし、人間と暮らしていた猫でも環境の変化で最初は怯えてしまう子が多いです。
うちのメイくんは今でこそ人が大好きですが、元飼い主の家からうちに来た当初は触ろうとしたら噛むわ引っかくわで私の腕は傷だらけ。
1か月もすると本来の性格に戻りましたが、大人の猫を迎えるとこういうケースもあるので長い目で見てやってください。
2. 子猫の頃から人に接していた
保護された時期が子猫のころで、人間にミルクをあげてもらったり遊んでもらった経験があると、自然に人懐こい性格になります。社会化期(生後2週~7週)の体験が大きく影響するため、この時期に人と接した猫は成長しても人慣れしやすいのです。
生後3ヶ月を超えると人慣れするかしないかが子の性格によって分かれます。
保護活動者の目線で見ると、4ヶ月を超えて人慣れしていない猫は基本的にTNR優先で無理に保護はしません。
すべての猫を保護してしまうとこちらが資金面もキャパも圧迫されてしまうので。
3. 団体や預かりボランティアのケア
保護団体や預かりボランティアさんが保護猫を育てる時、猫の社会化を意識してスキンシップを取る方が多くいます。
そのため、譲渡会に出てくる頃には「抱っこ好き」「膝乗り猫」など、すでに人懐こい保護猫に育っているケースも少なくありません。
個人的に、保護をする頭数はとても重要で、スキンシップを取れない頭数を常に抱えてしまうと人慣れせずに成長していき、結果としてもらわれにくくなり、キャパが常にいっぱいで譲渡ができないから保護もできないという悪循環に陥るので頭数よりも向き合える数を意識することが大事だと考えています。
4. 元々の性格
猫にも人間と同じように個性があります。
警戒心が強い猫もいれば、生まれつき人懐こい性格の猫もいます。兄弟猫で育っても、片方は臆病で、もう片方は甘えん坊、ということはよくあります。
まさに今保護しているビビちゃんとカルちゃんは、元々生後2ヶ月位で保護し、どちらもビビリだったのですがカルちゃん大人部屋に移動して他の猫と戯れているうちに人間にも心を許すようになりました。
ビビちゃんは今もビビリでなかなか触らせてくれませんが(汗)
人懐こい保護猫の魅力
すぐに懐いてくれる安心感
初めて猫を飼う人にとって、人懐こい保護猫は大きな安心材料です。
抱っこを嫌がらなかったり、すぐにゴロゴロ喉を鳴らして甘えてくれる姿に癒やされるでしょう。
初心者は人懐こい猫を飼うことをオススメします。
もちろんビビリの子にも魅力はありますが、病院に連れて行くときにどうしたらよいかなどハードルも高いので飼いやすい性格の猫を保護活動している方と相談しながら選ぶことをオススメします。
留守番が得意な子も多い
人懐こい子は人と触れ合うのが好きですが、その一方で環境への順応性も高いことが多いです。新しい家でも落ち着くまでの時間が早く、比較的スムーズに留守番にも慣れてくれる傾向があります。
逆に人懐こくない猫は環境に慣れるのにしばらく時間がかかり、怖がって押し入れの中から出てこないなど心配事が増えます。
コミュニケーションの楽しみ
膝に乗ってきたり、寝るときに一緒に布団に入ってきたりと、濃密なコミュニケーションを楽しめるのも人懐こい保護猫の魅力です。
特に一人暮らしの方にとっては、大切な家族でありパートナーとなってくれるでしょう。
休みの日はベッドの上で本を読みながら猫とべったり過ごす、なんていう選択肢が増えると人生がとても充実します♪
人懐こい保護猫を迎える際のポイント
1. 性格をよく確認する
譲渡会や保護団体のサイトでは、それぞれの猫の性格が紹介されています。「抱っこが好き」「人懐こい」「遊び好き」などの記載がある子は、人慣れしている可能性が高いです。
また、実際に会ってみることで相性を確かめるのも大切です。
写真だけで決めずに、譲渡会に参加したり保護活動者さんに問い合わせてみて実際に面談してみることをオススメします。
人見知りが激しい猫もいるので、もしかしたら知らない人には本来の姿を見せてくれないかもしれませんがそれも時間が解決してくれることがほとんどです。
2. 先住猫や家族との相性
人懐こい猫であっても、先住猫がいる場合は相性が重要です。
人に懐いていても、猫同士の関係でストレスを感じることがあります。
長めにトライアル期間を設けて、慎重に慣らすことが推奨されます。
別の記事で先住猫と仲良くなる方法を書いておりますが、とにかく初対面はケージ越しにしてしばらく直接接触させないようにしましょう。
取っ組み合いの喧嘩をしてしまったら基本的に仲が悪いままです。
3. 環境を整えてあげる
人懐こい猫でも、最初は新しい環境に不安を感じるものです。
安全な隠れ場所やトイレ、爪とぎなどの基本アイテムをしっかり用意しましょう。慣れるまで静かに見守ることも大切です。
家に来た初日は家族全員が猫に触りたくて仕方ないかもしれません。
けれど、猫にとってはパニックの連続です。
そっと見守ってあげましょう。
4. 健康チェックを忘れずに
保護猫を迎える際は、必ずワクチン接種や不妊手術、ウイルス検査などの健康管理が行われているか確認しましょう。
人懐こいからといって健康面で安心というわけではありません。
自分で保護した時は、まず病院に連れて行き、エイズ白血病の検査、くしゃみや熱、目やになど体に異常がないか診てもらいましょう。
高確率でお腹に寄生虫がいたりノミ・ダニがいるので駆除しましょう。
ネクスガードという背中に垂らす液体の薬はこれらをすべて駆除できるのでおすすめです。
コクシジウムがお腹にいる時は、プロコックスという液体の飲み薬を2回飲ませると高確率で駆除できます。
コクシジウムなど他の猫に感染する寄生虫や病気には気をつけましょう。
よくある疑問Q&A
Q1: 保護猫は本当に人懐こいの?
A: 個体によります。元飼い猫や子猫の頃から人に育てられた猫はとても人懐こいことが多いです。
Q2: 人懐こい保護猫は人気がある?
A: とても人気があります。そのため譲渡が早く決まるケースも多く、早めの問い合わせがおすすめです。
逆に人懐こくない猫は決まりづらく、保護活動者からすると本譲渡できた時はとても気が楽になります。
Q3: 初めて猫を飼う人でも大丈夫?
A: むしろ人懐こい保護猫は初心者にぴったりです。猫との生活に慣れるステップとして最適です。
まとめ
「保護猫=警戒心が強い」というイメージは誤解で、実際には人懐こい子がたくさんいます。
その理由は、元飼い猫であったこと・子猫のときから人に慣れていたこと・預かりボランティアのケア・生まれ持った性格などさまざまです。
人懐こい保護猫を迎えることは、猫にとっても人にとっても大きな幸せをもたらしてくれます。
事前に面談しておくことである程度性格は把握できます。
これから猫を家族に迎えようと考えている方は、ぜひ保護猫を選択肢に入れてみてください。
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