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臆病な猫が慣れるまでの完全ガイド:愛猫との信頼関係を築く方法

臆病な猫 慣れるまで

 

 

新しい家族として迎えた猫が臆病で、なかなか慣れてくれない…そんな悩みを抱える飼い主さんは少なくありません。臆病な猫が慣れるまでには時間がかかりますが、正しいアプローチと十分な愛情があれば、必ず心を開いてくれるはずです。

この記事では、臆病な猫の心理から具体的な慣らし方まで、経験豊富な獣医師や動物行動学専門家の知見をもとに詳しく解説します。

 

 

臆病な猫の心理を理解する

 

なぜ猫は臆病になるのか

 

臆病な猫が慣れるまでの過程を理解するためには、まず猫が臆病になる理由を知ることが大切です。猫の臆病さには以下のような原因があります。

 

生来の性格

 

猫には個体差があり、生まれつき警戒心が強い子もいます。これは猫の祖先が野生動物として生きてきた本能的な行動の名残りでもあります。

 

過去のトラウマ

 

保護猫や野良猫出身の場合、人間に対して恐怖心を抱いている可能性があります。虐待や放置などの辛い経験が、人間不信の原因となることがあります。

 

環境の変化

新しい家に来たばかりの猫は、見知らぬ環境に戸惑い、ストレスを感じています。匂い、音、人の存在など、すべてが未知のものとして警戒の対象となります。

 

社会化不足

子猫の時期に十分な社会化を経験していない猫は、人間や他の動物との接し方がわからず、臆病になりがちです。

 

 

猫に限らず、人間に幼少期から接していない動物は人間を怖がるのは当たり前のことです。

元々家で飼われていた時は飼い主に懐いていたのか、それともずっと外で暮らしていて人に触れ合ったことがない猫とは慣れるまでの時間が全然違いますので後者の場合は根気良く向き合う必要があります。

 

 

臆病な猫の行動パターン

 

臆病な猫が慣れるまでの期間中、以下のような行動を示すことがあります。

  • 物陰に隠れて出てこない
  • 人が近づくと逃げる
  • 食事を人前で取りたがらない
  • トイレを使うのを躊躇する
  • 鳴き声を出さない、または威嚇のような声を出す
  • 体を小さく丸めている
  • 目を合わせたがらない

これらの行動は猫なりの防御メカニズムであり、決して飼い主を拒絶しているわけではありません。

とにかく怖がっているのでそれをどう落ち着かせるかが大切なときです。決して無理に触ろうとせずに一旦は何もしないことが実は一番の近道でもあります。

 

 

臆病な猫が慣れるまでの段階的アプローチ

 

第1段階:安全な環境作り(1週間~1ヶ月)

 

臆病な猫が慣れるまでの最初のステップは、安全で落ち着ける環境を整えることです。

静かな専用スペースを用意する 猫が隠れられる場所を複数作り、一つの部屋を猫専用にすることから始めましょう。この部屋には以下のものを置きます。

  • 隠れられるキャリーケースやダンボール
  • 食器と水入れ
  • トイレ
  • 柔らかいタオルやブランケット

 

騒音を最小限に抑える

テレビの音量を下げ、大きな音を立てないよう注意します。急激な音は猫を驚かせ、慣れるまでの時間を延ばしてしまいます。

 

ルーティンを確立する

食事や掃除の時間を一定にし、猫が予測できるような生活リズムを作ります。予測可能な環境は猫の不安を和らげます。

 

特にお気に入りの場所を作ってあげることは距離を縮めるコツになります。私が今保護しているビビちゃんというビビリ猫は普段は近づいたらすぐに逃げますが、ケージの中のバリバリボウルで過ごしている時は甘えん坊モードになります。こういう猫を何度も保護してきましたが、落ち着く場所さえ見つけられれば飼い主さんも触れるのでそこを理解してくださる里親さんに巡り会えてなんとか幸せな御縁を見つけることができました。

 

  

第2段階:間接的な交流(1ヶ月~3ヶ月)

 

臆病な猫が慣れるまでの次の段階では、直接的な接触は避け、猫のペースに合わせた関わり方を心がけます。

 

声かけから始める

部屋の外から優しく話しかけましょう。「おはよう」「ごはんだよ」など、日常的な声かけを続けることで、飼い主の声に慣れてもらいます。

 

食事を通じた信頼関係構築

食事の時間に部屋にいることで、飼い主が食べ物を持ってくる存在だと認識してもらいます。最初は食器を置いてすぐに離れ、徐々に在室時間を延ばしていきます。

 

匂いの交換

猫が使っているタオルを飼い主が少し触り、飼い主の匂いを付けます。また、飼い主が使ったタオルを猫の近くに置くことで、お互いの匂いに慣れてもらいます。

 

案外猫は人間を観察していて、声掛けは意外と理解しているのかなと思います。高すぎる声よりも普段通りの声のほうが猫にとっては心地よいです。

 

 

第3段階:直接的な交流(3ヶ月~6ヶ月)

 

臆病な猫が慣れるまでのこの段階では、猫の方から興味を示すサインを待つことが重要です。

 

猫からのアプローチを待つ

猫が食事中に逃げなくなったり、飼い主がいても隠れなくなったりしたら、慣れてきた証拠です。この時点でも、急に手を伸ばしたりせず、猫のペースを尊重します。

 

おもちゃを使った遊び

猫じゃらしなど、距離を保てるおもちゃを使って遊びに誘います。遊びは猫にとってストレス発散になり、飼い主との楽しい時間として記憶されます。

 

低い位置での接触

床に座り、猫と同じ目線の高さになることで威圧感を減らします。手のひらを猫に向けて差し出し、猫が匂いを嗅ぎに来るのを待ちます。

 

触れなくてもおもちゃで遊べるというパターンの猫は結構多いです。飼い主的にはよしよししたくもなりますが、元気な姿を見られるだけでも幸せな気持ちになれます。臆病な猫を保護したら、できるだけハードルを低くしてできるようになったことが増えた喜びを日々楽しむくらいの気持ちでいてください。

 

 

臆病な猫が慣れるまでに避けるべきNG行動

 

強制的な接触は絶対禁止

 

臆病な猫が慣れるまでの過程で最もやってはいけないのは、無理やり抱っこしたり触ったりすることです。これは猫の恐怖心を増大させ、信頼関係の構築を著しく困難にします。

 

大きな音や急な動き

 

掃除機の音、大声での会話、急に立ち上がるなどの行動は避けましょう。臆病な猫が慣れるまでは、ゆっくりとした動作を心がけることが大切です。

 

しつこい追跡

 

猫が隠れているときに無理に引っ張り出そうとしたり、隠れ場所を塞いだりしてはいけません。猫には逃げ場が必要です。

 

とにかく放っておくこと。猫から興味を示すようになったらおもちゃやおやつの時に近づいてくるようになります。近づいても無害だと思われるようになることで徐々に距離を詰められますので焦らずゆっくり!

 

 

臆病な猫の種類別対策

 

子猫の場合

 

臆病な子猫が慣れるまでは、成猫よりも時間がかからない場合が多いです。ただし、社会化期(生後2~7週間)を過ぎている場合は、より慎重なアプローチが必要です。

 

遊びを中心とした関係構築

 

子猫は好奇心が強いため、おもちゃを使った遊びを通じて関係を築きやすいです。

頻繁な食事 子猫は食事回数が多いため、食事のたびに良い印象を与えるチャンスがあります。

 

生後2ヶ月までの猫は高い確率で慣れます。生後3ヶ月を超えたあたりから臆病な猫はずっと懐かないし懐く猫は懐きます。

  

成猫の場合

 

臆病な成猫が慣れるまでには、より長期間の忍耐が必要です。特に野良猫出身の場合は、人間に対する警戒心が根深い可能性があります。

 

一定の距離を保つ

成猫は縄張り意識が強いため、適切な距離感を保ちながら関係を築くことが重要です。

 

予測可能な行動

毎日同じ時間に同じことをすることで、猫に安心感を与えます。

 

そろそろごはんの時間だなと思ったらお腹空いたアピールをしてきたり、触れはしないものの近づいてくるようになるには嫌がることをしないことと、同じ時間にご飯をあげることです。

 

 

老猫の場合

 

臆病な老猫が慣れるまでには、健康面での配慮も必要です。視力や聴力の衰えが警戒心を高めている場合があります。

 

健康チェック

まずは獣医師に相談し、身体的な不調がないか確認しましょう。

 

静かな環境

老猫はストレスに弱いため、より静かで安定した環境を提供することが大切です。

 

 

臆病な猫が慣れるまでのサイン

 

初期の慣れのサイン

臆病な猫が慣れるまでの過程で、最初に現れるサインには以下があります。

  • 飼い主がいても隠れずに食事をする
  • トイレを普通に使用する
  • 部屋の中で普通に歩き回る
  • 飼い主の存在に慣れて緊張しなくなる

中期の慣れのサイン

  • 飼い主の声に反応する(耳を向ける、振り返るなど)
  • 遊びに興味を示す
  • 飼い主の近くでリラックスした姿勢を取る
  • グルーミングを始める

後期の慣れのサイン

  • 自分から飼い主に近づいてくる
  • 撫でられることを許す
  • 喉を鳴らす(ゴロゴロ音)
  • 飼い主の膝の上で眠る

後期まで進まずに一生を終えることもあります。それはそれで仕方のないことですが、臆病な猫を引き取るということはこういうことも踏まえて一生面倒を見る覚悟が必要です。 

 

 

専門家からのアドバイス

 

獣医師の視点

 

臆病な猫が慣れるまでの期間中、定期的な健康チェックは欠かせません。ストレスが原因で食欲不振や体調不良を起こすことがあるためです。

 

ストレス軽減のサプリメント

必要に応じて、獣医師が推奨するストレス軽減のためのサプリメントを使用することも考えられます。

 

フェロモン製品の活用

猫用のフェロモン製品(ディフューザーやスプレー)を使用することで、猫の不安を和らげることができます。

 

 

動物行動学専門家の視点

 

臆病な猫が慣れるまでの行動学的アプローチとして、以下の方法が推奨されています。

 

段階的脱感作

恐怖の対象に少しずつ慣れさせる方法です。距離や時間を徐々に調整しながら、猫の反応を観察します。

 

正の強化  

猫が望ましい行動(近づく、リラックスするなど)を示したときに、ご褒美(おやつ、優しい声かけなど)を与えます。

 

 

よくある質問と回答

 

Q: 臆病な猫が慣れるまでどのくらいかかりますか?

A: 猫の性格や過去の経験によって大きく異なりますが、一般的には3ヶ月から1年程度かかることが多いです。中には数年かかる場合もありますが、愛情と忍耐があれば必ず慣れてくれます。

 

Q: 全く出てこない猫はどうすればいいですか?

A: 焦らずに環境を整え、定期的な食事と水の補給を続けてください。猫が安全だと感じられる環境作りが最優先です。数日から数週間で少しずつ行動範囲が広がっていきます。

 

Q: 他の猫がいる場合はどうしますか?

A: 先住猫がいる場合は、新しい猫を別の部屋で慣らすことから始めてください。お互いの匂いに慣れさせてから、徐々に対面させます。

 

 

まとめ

 

臆病な猫が慣れるまでの道のりは決して簡単ではありませんが、適切なアプローチと十分な愛情があれば、必ず信頼関係を築くことができます。重要なのは猫のペースを尊重し、焦らずに関係を深めていくことです。

毎日の小さな変化を見逃さず、猫が示すサインに注意深く向き合ってください。臆病な猫が慣れるまでの期間は、飼い主にとっても猫について学び、より深い絆を築く貴重な時間でもあります。

時には挫折感を感じることもあるかもしれませんが、猫が心を開いてくれた瞬間の喜びは、それまでの苦労を忘れさせてくれるほど特別なものです。愛猫との素晴らしい関係を築くため、ぜひこの記事で紹介した方法を参考にしてください。

最後に、もし猫の行動に急激な変化があったり、長期間食事を取らないなどの症状が見られる場合は、迷わず獣医師に相談することをお勧めします。臆病な猫が慣れるまでの過程で、専門家のサポートを受けることも大切な選択肢の一つです。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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