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平飼い卵をスーパーで購入する時代へ – アニマルウェルフェアが変える食の選択肢

平飼い卵 スーパー

 

 

はじめに

 

近年、スーパーマーケットの卵売り場で「平飼い卵」という文字を目にする機会が格段に増えました。従来のケージ飼いの卵と並んで、より自然な環境で育てられた鶏から生まれた卵が手軽に購入できるようになったのです。この変化の背景には、消費者の意識の変化と、アニマルウェルフェア(動物の福祉)への関心の高まりがあります。

本記事では、平飼い卵をスーパーで購入できるようになった背景、消費者の声がもたらした変化、そしてアニマルウェルフェアの重要性について詳しく解説します。

 

 

平飼い卵とは?基本知識を押さえよう

 

平飼いの定義

 

平飼い卵とは、鶏舎内で鶏が自由に動き回れる環境で飼育された鶏から生まれた卵のことです。従来のケージ飼いでは、鶏は狭いかご(ケージ)の中に閉じ込められていましたが、平飼いでは鶏が自然な行動を取ることができます。

 

平飼いのメリット

 

鶏 平飼い

 

平飼いで育てられた鶏は以下のような自然な行動を取ることができます:

  • 地面を歩き回る
  • 羽ばたきをする
  • 砂浴びをする
  • 止まり木にとまる
  • 営巣行動を行う

これらの行動は鶏の本来の習性であり、ストレスの軽減と健康状態の向上につながります。

 

 

スーパーマーケットでの平飼い卵の普及状況

 

大手スーパーチェーンでの取り扱い増加

 

ここ数年で、多くの大手スーパーマーケットチェーンが平飼い卵の販売を開始しています。

 

イオングループでは、2020年頃から「トップバリュ」ブランドで平飼い卵の販売を本格化。全国の店舗で購入可能になりました。

イオン 平飼い卵

https://www.topvalu.net/items/detail/4549414668681/ より引用

 

イトーヨーカドーでも、セブン&アイのプライベートブランドとして平飼い卵を展開しており、消費者の選択肢を広げています。

 

西友ライフマルエツなどの地域密着型スーパーでも、地元の養鶏場と連携した平飼い卵の販売が増えています。

 

価格の変化

 

平飼い卵の普及に伴い、価格も徐々に消費者に手が届きやすくなってきています。以前は1パック500円以上することも珍しくありませんでしたが、現在では:

  • 一般的な平飼い卵:300円~400円程度
  • プレミアム平飼い卵:450円~600円程度
  • 通常のケージ飼い卵:150円~250円程度

この価格差は縮まりつつあり、より多くの消費者が平飼い卵を選択できる環境が整ってきています。

 

 

消費者の声が変えた現実 – お客様の声用紙の力

 

実際の成功事例

 

私の知人が体験した印象的な出来事をご紹介します。普段利用しているスーパーで、レジ近くに設置されている「お客様の声」用紙に「平飼い卵を取り扱ってほしい」と書いて投函したところ、約2ヶ月後にその商品が実際に店頭に並んだのです。

この事例は、消費者の声が確実に小売業界に届いており、需要があることを示せば供給が生まれることを証明しています。

 

スーパーマーケットが消費者の声を重視する理由

 

現代のスーパーマーケット業界は競争が激しく、顧客満足度の向上が重要な差別化要因となっています。そのため、多くのスーパーでは

  1. お客様の声システムの活用

    • 定期的な声の集計と分析
    • 実現可能な要望への対応検討
    • 顧客ロイヤルティの向上策として活用
  2. 市場トレンドへの敏感な対応

    • 健康志向の高まり
    • エシカル消費への関心
    • 差別化商品への需要
  3. 利益率の向上

    • 付加価値商品の導入
    • 競合との差別化
    • 新たな顧客層の開拓

ということでお客様のニーズに応えて応援されるスーパーであろうという企業努力をしています。

 

 

消費者ができること

 

スーパーで平飼い卵の取り扱いを増やすために、消費者ができることは以下の通りです:

 

お客様の声用紙の活用

  • 具体的な商品名やブランドを記載
  • なぜその商品が必要なのかの理由を明記
  • 継続的に購入する意思を示す

直接的なコミュニケーション

  • 店員や店長への直接相談
  • SNSでの要望発信(公式アカウントへのリプライなど)

実際の購入行動

  • 取り扱いが始まったら積極的に購入
  • 周囲への推薦と口コミ拡散

商品を仕入れてもらったものの、全然売れなければ次回の発注がなくなります。声を届けるだけでなく、実際に購買という行動をしなければいけませんね。

 

 

アニマルウェルフェアの重要性と普及の必要性

 

アニマルウェルフェアとは

 

アニマルウェルフェア(Animal Welfare)とは、動物が生涯にわたって健康で自然な行動ができ、苦痛を受けることなく生活できる状態を指します。この概念は1960年代にイギリスで提唱され、現在では世界的な潮流となっています。

 

5つの自由

アニマルウェルフェアの基本理念として「5つの自由」があります:

  1. 飢えと渇きからの自由

    • 適切な栄養と新鮮な水の提供
  2. 不快からの自由

    • 適切な環境の提供(温度、湿度、清潔さなど)
  3. 痛み、外傷、疾病からの自由

    • 予防対策と迅速な治療
  4. 正常行動発現の自由

    • 自然な行動ができる十分なスペースと環境
  5. 恐怖、苦悩からの自由

    • ストレスを避ける飼育管理

 

日本でのアニマルウェルフェア普及状況

 

日本でのアニマルウェルフェアの認知度は、欧米と比較するとまだ低い状況ですが、着実に広がりを見せています。

 

政府の取り組み

  • 農林水産省による「アニマルウェルフェアに配慮した家畜の飼養管理指針」の策定
  • 2020年東京オリンピック・パラリンピックでの調達基準にアニマルウェルフェアを導入
  • 持続可能な農業推進の一環として位置づけ

企業の取り組み

  • 大手食品メーカーの調達方針変更
  • 外食チェーンでの平飼い卵使用拡大
  • 小売業界での商品ラインナップ充実

消費者意識の変化

  • エシカル消費への関心の高まり
  • SNSを通じた情報拡散
  • 若い世代を中心とした意識の変化

 

なぜアニマルウェルフェアを広めるべきなのか

 

倫理的観点

動物も感情を持つ生き物として、不必要な苦痛を与えない飼育方法を選択することは、人間の倫理的責任です。

 

食品安全の観点

ストレスを受けた動物から生産される食品よりも、健康で自然な環境で育てられた動物からの食品の方が、一般的に安全性が高いとされています。

 

持続可能性の観点

アニマルウェルフェアに配慮した飼育方法は、長期的な持続可能な農業システムの構築につながります。

 

国際競争力の観点

欧米では既にアニマルウェルフェアが標準となっており、日本の農産物輸出や食品産業の国際競争力向上のためにも重要です。

 

 

平飼い卵をスーパーで選ぶ際のポイント

 

表示の見方

 

スーパーで平飼い卵を選ぶ際は、以下の表示を確認しましょう:

平飼い表示

  • 「平飼い」という文字が明記されているか
  • 「放し飼い」「フリーレンジ」なども平飼いの表現

認証マーク

  • アニマルウェルフェア認証
  • 有機JAS認証
  • その他の第三者認証

生産者情報

  • 農場名や所在地の記載
  • 飼育方法の詳細説明

 

品質の見極め方

 

卵の外観

  • 殻にツヤがあり、ひび割れがない
  • 大きさが比較的均一

黄身の特徴

  • 濃いオレンジ色
  • 盛り上がりが良い
  • 味が濃厚

賞味期限

  • 新鮮なものを選ぶ
  • 適切な温度管理がされているかチェック

 

スーパー別平飼い卵取り扱い状況

 

全国チェーン

 

イオン系列

  • トップバリュブランドで全国展開
  • 価格帯:350円~400円程度
  • 定期的なセールも実施

セブン&アイ系列

  • セブンプレミアムで展開
  • 品質管理が徹底されている
  • 価格帯:380円~450円程度

ライフ

  • 地域の養鶏場と連携
  • 地産地消を重視
  • 価格帯:300円~400円程度

 

地方スーパー

地方のスーパーマーケットでも、地元の養鶏場と連携した平飼い卵の販売が増えています。これらの商品は

  • 新鮮で品質が高い
  • 地域経済の活性化に貢献
  • 生産者の顔が見える安心感

大型スーパーマーケットでは販売していないような地産地消の地域の養鶏場から直接仕入れているようなスーパーマーケットもあります。地産地消を進めることであなたの住む街で平飼い卵が広がり、ケージ飼いを廃止する養鶏場も増えていくかもしれませんね。

 

 

平飼い卵の活用レシピとメリット

 

栄養面でのメリット

平飼い卵は一般的なケージ飼い卵と比較して

  • ビタミンEが約2倍
  • オメガ3脂肪酸が豊富
  • カロテノイド(黄身の色素成分)が多い
  • ビタミンAの含有量が高い

と言われています。

 

 

おすすめの調理法

 

卵かけご飯

平飼い卵の濃厚な味わいを最も感じられる食べ方です。

 

だし巻き卵

ふわふわの食感と深い味わいが楽しめます。

 

茶碗蒸し

なめらかで上品な仕上がりになります。

 

スイーツ作り

ケーキやプリンなどの洋菓子作りにも最適です。

 

 

今後の展望と課題

 

普及拡大の見通し

平飼い卵のスーパーでの取り扱いは、今後さらに拡大すると予想されます。その要因として

 

消費者意識の高まり

  • 健康志向の継続的な拡大
  • エシカル消費への関心増大
  • 情報アクセスの向上

供給体制の整備

  • 平飼い養鶏場の増加
  • 流通システムの効率化
  • コスト削減による価格の適正化

政策的支援

  • 農業政策でのアニマルウェルフェア重視
  • 補助金制度の充実
  • 国際標準への対応

があげられます。

個人的に動物福祉の向上が予想できる未来に少し希望を抱いています。

 

 

課題と対応策

 

価格差の問題

まだケージ飼い卵との価格差があるため、より多くの消費者に手が届く価格設定が課題です。

 

認知度の向上

アニマルウェルフェアの概念や平飼い卵のメリットについて、より多くの消費者に知ってもらう必要があります。

 

品質管理

平飼いという飼育方法の性質上、品質管理により注意を払う必要があります。

 

 

まとめ – 私たちができること

 

平飼い卵がスーパーマーケットで手軽に購入できるようになったことは、日本の食文化とアニマルウェルフェアの発展にとって大きな進歩です。消費者の声がもたらしたこの変化を、さらに拡大していくために私たちができることは:

  1. 積極的な購入:平飼い卵を実際に購入し、需要があることを示す
  2. 声を上げる:お客様の声用紙やSNSを通じて要望を伝える
  3. 情報を共有:アニマルウェルフェアの重要性を周囲に伝える
  4. 継続的な関心:一時的なブームではなく、持続的な関心を持つ

アニマルウェルフェアに配慮した食品選択は、動物の福祉向上だけでなく、食の安全性や持続可能な社会の実現にもつながります。スーパーマーケットで平飼い卵を手に取るという小さな行動が、大きな変化をもたらす第一歩となるのです。

私たち消費者一人ひとりの選択が、より良い食の未来を創造していく力となることを忘れずに、今日からでも平飼い卵を選択してみませんか。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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