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猫の背骨がゴツゴツ触れる!痩せすぎのサインと今すぐやるべき対処法

猫 痩せすぎ 背骨

 

 

愛猫の体を撫でているとき、背骨がゴツゴツと手に当たって驚いたことはありませんか?以前はふっくらしていた体が、いつの間にか痩せて骨が目立つようになっていたら、それは重大な健康トラブルのサインかもしれません。

猫の痩せすぎは、単なる食欲不振だけでなく、歯のトラブルや腎臓病など深刻な病気が隠れている可能性があります。この記事では、実際に私が飼っている3匹の猫たちの体験談を交えながら、猫が痩せる原因と具体的な対処法について詳しく解説します。

 

 

猫の背骨が触れるのは異常?正常な体型との違い

 

健康な猫の場合、背骨は触れても脂肪と筋肉に覆われているため、ゴツゴツとした骨の感触は強くありません。優しく撫でたときに、かすかに背骨の存在を感じる程度が理想的です。

しかし、背骨が指に当たって骨の一つ一つがはっきりと分かる、あるいは横から見たときに背骨が盛り上がって見えるような状態は、明らかに痩せすぎのサインです。特に飼い猫の場合、急激な体重減少は何かしらの病気が原因である可能性が高いため、早急な対応が必要になります。

猫の理想体重は品種や体格によって異なりますが、成猫の場合、肋骨が軽く触れる程度で、上から見たときに緩やかなくびれがあるのが健康的な体型とされています。もし愛猫の体型に不安を感じたら、まずは動物病院で適正体重を確認することをおすすめします。

 

 

猫が痩せる主な原因:見逃せない病気のサイン

  

1. 歯のトラブルによる食事困難

猫が痩せる原因として非常に多いのが、歯周病や口内炎などの口腔内トラブルです。人間と同じように、猫も歯が痛いと食事を十分に取れなくなり、結果として体重が減少していきます。

特に注意したいのは、以下のようなサインです。

・食べようとするが途中でやめてしまう ・食後に口の周りを前足でひっかく仕草をする ・よだれが増える ・口臭が強くなる ・フードを口からこぼす

 

プリンちゃん(8歳メス)の事例

 

我が家のプリンちゃんは、ある日突然食べた後に口をひっかくような仕草を繰り返すようになりました。明らかに様子がおかしかったため、すぐに動物病院へ連れて行ったところ、重度の歯周病と診断されました。

痛みで十分に食べられなくなっていたプリンちゃんは、体重も減少し、背骨が触れるほど痩せていました。獣医師の判断で抜歯手術を行うことになり、痛みの原因となっていた歯を除去しました。

手術後は時々痛がる様子を見せることもありましたが、食欲は徐々に戻り、しっかりと食べられるようになったことで体重も元に戻りました。今では手術前のふっくらとした体型を取り戻し、元気に過ごしています。

 

2. 腎臓病の進行

猫の死因として上位に入る腎臓病も、体重減少の大きな原因です。特に高齢猫では腎臓病の発症率が高く、7歳以上の猫の約30%が何らかの腎臓疾患を抱えているといわれています。

腎臓病が進行すると、以下のような症状が現れます。

・水をたくさん飲むようになる ・おしっこの量が増える ・食欲不振 ・嘔吐 ・口臭(アンモニア臭) ・毛艶が悪くなる

 

ゴメくん(11歳オス)の事例

 

ゴメくんは9歳のときに歯が抜けたため、念のため動物病院で検査を受けました。すると口内炎が見つかり、前臼歯の抜歯手術を行うことになりました。

しかし、手術前の詳しい血液検査で、なんと腎臓病のステージ4という深刻な状態が判明したのです。ステージ4は末期に近い状態で、すぐに手術を行うのは危険だと判断されました。

まずは腎臓の数値を下げることを優先し、定期的な皮下点滴治療を続けました。数週間の点滴治療により数値が安定してきたタイミングで、ようやく抜歯手術を実施することができました。

現在も腎臓病の進行を遅らせるために、週に数回の点滴と毎日の投薬を続けています。ゴメくんは少し痩せ型の体型ではありますが、食欲もあり、まだまだ元気に過ごしています。定期的な治療と管理により、病気と上手に付き合いながら生活の質を保つことができています。

 

3. 消化器系のトラブル

 

下痢や嘔吐が続くことで、栄養が十分に吸収できずに痩せてしまうケースもあります。特に子猫の場合、消化器系のトラブルは命に関わることもあるため注意が必要です。

 

リリちゃん(生後3ヶ月メス)の事例

 

生後3ヶ月のリリちゃんは、突然下痢を起こし、まったく食べなくなってしまいました。子猫の場合、数日食べないだけでも命に関わるため、すぐにミルクをスポイトで与えながら、かかりつけの動物病院で診察を受けました。

病院で処方された下痢止めを服用させましたが、2、3日経っても症状は改善しませんでした。小さな体で下痢が続き、みるみる痩せていくリリちゃんを見て、このままではいけないと判断し、設備の整った大きな病院へ連れて行きました。

そこで詳しい血液検査を行った結果、肝臓の数値が異常に高いことが判明しました。獣医師の判断で1日入院し、集中的に点滴治療を受けることになりました。

翌日、お迎えに行くとリリちゃんは見違えるように元気になっていました。退院後は驚くほどの回復力を見せ、わずか1週間で体重が200グラムも増加しました。現在は元気いっぱいに走り回り、すくすくと成長しています。

 

4. その他の病気

上記以外にも、猫が痩せる原因となる病気はたくさんあります。

・甲状腺機能亢進症(特に高齢猫に多い) ・糖尿病 ・癌 ・寄生虫 ・猫伝染性腹膜炎(FIP) ・炎症性腸疾患

これらの病気は、いずれも早期発見・早期治療が重要です。

 

 

痩せすぎた猫への対処法:飼い主ができること

 

まずは動物病院で検査を受ける

愛猫の背骨がゴツゴツと触れるほど痩せていたら、自己判断せずにまず動物病院で診察を受けることが最優先です。

特に血液検査は、痩せている原因を調べるのに非常に有効です。血液検査により、腎臓や肝臓の機能、貧血の有無、炎症反応、甲状腺ホルモンの値などを詳しく調べることができます。

確かに血液検査には1万円から2万円程度の費用がかかりますが、原因が分からないまま対症療法を続けるよりも、適切なアプローチができるため結果的に治療期間も短く、費用も抑えられることが多いのです。

私自身、3匹の猫たちの経験から、早めの血液検査がいかに重要かを痛感しています。ゴメくんの場合も、抜歯手術前の検査で腎臓病が見つかったからこそ、適切な治療を行うことができました。もし検査をせずに手術を行っていたら、最悪の事態になっていたかもしれません。

 

 

早期発見が寿命を伸ばす

動物は人間のように「ここが痛い」「こんな症状がある」と言葉で伝えることができません。だからこそ、日頃から愛猫の様子をよく観察し、少しでも異変を感じたら早めに病院へ連れて行くことが重要です。

猫は痛みや不調を隠す習性があります。野生では弱っている姿を見せると天敵に狙われやすくなるため、具合が悪くても平気なふりをするのです。飼い主が「まだ大丈夫かな」と思っているうちに、実は病気がかなり進行していたというケースは珍しくありません。

 

特に以下のような変化があったら、すぐに受診を検討しましょう。

・食欲が落ちた ・水を飲む量が変わった ・嘔吐や下痢が続く ・毛艶が悪くなった ・元気がない ・隠れることが多くなった ・呼吸が荒い ・よだれが出る

プリンちゃんは食後に口をひっかく仕草という明確なサインを出していたため、すぐに気づいて対処できました。リリちゃんの場合も、子猫という年齢を考慮して早めに大きな病院で検査を受けたことが、回復につながりました。

 

定期的な健康診断を受ける

病気の早期発見には、年に1〜2回の定期健康診断が効果的です。特に7歳以上のシニア猫では、年2回の健康診断が推奨されています。

健康診断では、体重測定、触診、聴診に加えて、血液検査や尿検査を行うことで、症状が出る前の段階で病気を発見できる可能性が高まります。

 

適切な治療とケアを続ける

病気が見つかった場合は、獣医師の指示に従って適切な治療を続けることが大切です。通院や投薬は飼い主にとっても猫にとっても負担になることがありますが、愛猫の健康と長生きのためには欠かせません。

ゴメくんの場合、週に数回の通院と毎日の投薬は確かに大変ですが、それにより腎臓病の進行を遅らせ、今も元気に過ごせています。最初は点滴を嫌がることもありましたが、今では通院にも慣れ、病院でも比較的落ち着いて過ごせるようになりました。

 

食事の工夫

病気の治療と並行して、食事の工夫も重要です。

・病気に合わせた療法食を与える ・食べやすい形状(パテ状、スープ状など)にする ・温めて香りを立たせる ・少量を複数回に分けて与える ・食器の高さを調整する

歯のトラブルがある猫には、硬いドライフードではなく、柔らかいウェットフードや水でふやかしたフードが適しています。腎臓病の猫には、タンパク質やリンを調整した腎臓病用の療法食が必要です。

プリンちゃんは抜歯後は柔らかいウェットフードを中心に食べています。最初は食べる量が少なかったのですが、温めて香りを立たせることで食欲が増し、徐々に食べる量が増えていき今はドライフードも食べています。

 

 

体重管理の重要性

 

愛猫の体重を定期的に測定し、記録しておくことも大切です。体重の変化は健康状態を知る重要なバロメーターになります。

成猫の場合、1ヶ月で体重が10%以上減少していたら要注意です。例えば、4kgの猫が3.6kg以下になっていたら、すぐに受診を検討しましょう。

子猫の場合は、本来なら週に50〜100グラムずつ増えていくのが正常です。体重が増えない、あるいは減っている場合は、何かしらの問題がある可能性が高いといえます。

リリちゃんのケースでは、退院後1週間で200グラム体重が増えたことで、回復していることが数値でも確認できました。

 

 

まとめ:愛猫の命を守るために今すぐできること

 

猫の背骨がゴツゴツと触れるほど痩せているのは、何かしらの健康トラブルのサインです。特に飼い猫の場合、急激な体重減少は病気が隠れている可能性が高く、放置すると命に関わることもあります。

私自身、今まで保護してきた猫たちを通じて、早期発見と適切な治療がいかに重要かを身をもって経験しました。血液検査は多少費用がかかりますが、原因を特定して適切な治療を行うことができるため、結果的に愛猫の苦痛を減らし、寿命を伸ばすことにつながります。

猫は言葉で不調を訴えることができません。だからこそ、飼い主が日頃から注意深く観察し、少しでも異変を感じたら早めに動物病院へ連れて行くことが、愛猫の命を守ることにつながるのです。

愛猫の背骨が気になったら、「様子を見よう」と先延ばしにせず、今すぐ動物病院へ相談することをおすすめします。早めの対処が、愛猫との幸せな時間を長く保つ鍵となります。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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