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猫の給水器をやめた理由とデメリット|実体験から語る本音レビュー

猫 給水器 やめた デメリット

 

 

はじめに:給水器を導入したきっかけ

 

猫を飼っている方なら一度は耳にしたことがあるでしょう。「猫は動く水に興味を示す」「給水器を使うと水をたくさん飲むようになる」という話。私もそんな情報を信じて、愛猫のために自動給水器を購入しました。

 

確かに理論上は納得できる話です。野生の猫は流れる水の方が新鮮で安全だと本能的に理解しているため、動く水を好む傾向があるとされています。また、腎臓病のリスクが高い猫にとって、水分摂取量を増やすことは健康管理の重要なポイントです。

 

しかし、実際に給水器を使い続けた結果、私は最終的に給水器の使用をやめることにしました。この記事では、給水器をやめた理由とそのデメリット、そして現在使っている代替方法について、実体験をもとに詳しくお伝えします。

 

注意:この記事は私が使用していた特定の給水器についての感想です。他の商品では異なる可能性がありますので、あくまで参考程度にお読みください。

 

 

給水器をやめた理由①:洗いにくさという致命的な問題

 

給水器を使い始めて最初に感じた大きな問題点は、洗いにくさでした。

 

手の届かない部分のヌメリ

給水器は構造が複雑で、いくつものパーツで構成されています。水を循環させるポンプ部分、水を貯めるタンク、フィルター、そして水が流れ出る噴水部分など、細かいパーツが多数あります。

 

毎日使っていると、これらのパーツの隙間や手の届きにくい部分にヌメヌメとしたバイオフィルムが発生してしまうのです。このヌメリは細菌の温床となり、猫の健康を守るために導入した給水器が、かえって衛生面でのリスクになってしまう可能性があります。

 

 

分解と組み立ての手間

徹底的に洗浄しようとすると、給水器を完全に分解する必要があります。しかし、毎日これを行うのは現実的ではありません。仕事や家事で忙しい日々の中で、給水器の細かいパーツを全て分解して洗い、また組み立てるという作業は想像以上に時間と労力を要します。

 

結果として、「今日は簡単に済ませよう」という日が増え、十分な洗浄ができない日が出てきてしまいました。これでは本末転倒です。

 

 

見えない汚れの蓄積

特に問題だったのは、見た目には綺麗に見えても、内部に汚れが蓄積しているという点です。ポンプの内部やホースの中など、目視で確認できない部分に汚れが溜まっていることに気づいたとき、本当にゾッとしました。

 

猫に清潔な水を提供したいという思いで導入した給水器が、知らず知らずのうちに不衛生な水を提供していた可能性があるのです。

 

 

給水器をやめた理由②:コードをかじる危険性

 

給水器をやめる決定打となったのは、猫がモーターの電源コードをかじってしまったことです。

 

 

電気コードは猫にとって魅力的なおもちゃ

猫、特に若い猫や好奇心旺盛な性格の猫は、電気コードに興味を示すことがあります。ゆらゆらと動くコードは、猫にとって格好の遊び道具に見えるのでしょう。

 

私の猫も例外ではありませんでした。給水器の電源コードが床を這っている様子が気になったようで、ある日、コードをかじっているところを発見したのです。

 

 

感電と火災のリスク

コードをかじる行為は、単なるいたずらでは済まされません。最悪の場合、以下のような深刻な事態を招く可能性があります。

  • 感電による猫の怪我や死亡
  • ショートによる火災の発生
  • 飼い主自身の感電事故

幸い、私が早期に発見できたため大事には至りませんでしたが、もし外出中や就寝中に同じことが起きていたらと思うとゾッとします。猫の命、そして家族全員の安全を考えると、給水器の使用を続けることはできませんでした。

 

 

コードカバーでは解決しなかった

コードカバーやコードを隠す工夫をしてみましたが、賢い猫はそれでもコードを見つけ出してしまいます。また、コンセント近くは完全に隠すことが難しく、根本的な解決にはなりませんでした。

 

 

給水器をやめた後の代替案

 

給水器をやめた後、私は二つの方法を併用しています。

 

①普通の陶器の水入れ

シンプルな陶器製の水入れを複数箇所に設置しています。陶器製を選んだ理由は以下の通りです。

  • 洗いやすく衛生的:食器用洗剤で簡単に洗え、食洗機も使用可能
  • 重量があり倒れにくい:プラスチック製に比べて安定感がある
  • 細菌が繁殖しにくい:プラスチックに比べて傷がつきにくく、雑菌が繁殖しにくい
  • デザインが豊富:インテリアに合わせて選べる

毎日新鮮な水に交換するだけの簡単なケアで、清潔な水を提供できます。

 

 

②ホットウォーターボウル(冬季限定)

冬場はホットウォーターボウルも併用しています。これは水を適温に保つことができる給水器で、以下のメリットがあります。

  • 冷たすぎない水を提供:冬場の冷たい水を嫌がる猫に最適
  • 構造がシンプル:循環式給水器ほど複雑ではなく、洗いやすい
  • 消費電力が少ない:保温機能のみなので経済的

ただし、こちらも電気を使用するため、コードの管理には注意が必要です。我が家では、コードの周りを補強されて噛んでも問題ない太いコードの商品をアマゾンで購入しました。

 

 

給水器のメリット:公平な視点で

 

給水器をやめた私ですが、給水器にメリットがないわけではありません。公平な視点で、給水器の利点も紹介しましょう。

 

水分摂取量の増加

動く水に興味を示す猫の場合、給水器を使うことで水分摂取量が増えることがあります。これは腎臓病予防や尿路結石の予防に役立つ可能性があります。

 

水の新鮮さを保つ

循環とフィルターにより、水が新鮮に保たれます。静水よりも酸素が含まれ、味が良くなるという意見もあります。

 

複数飼いに便利

猫を複数飼っている場合、大容量の給水器は頻繁に水を足す手間を省けます。

 

外出時も安心

旅行や長時間の外出時でも、一定量の水を確保できるため安心感があります。

 

 

給水器のデメリット:見落としがちな問題点

 

一方で、給水器には以下のようなデメリットがあることも事実です。

 

①メンテナンスの手間とコスト

  • 定期的な分解洗浄が必須:週に1〜2回は徹底的な洗浄が必要
  • フィルター交換のコスト:月に1回程度の交換で、年間数千円のランニングコスト
  • ポンプの寿命:1〜2年で交換が必要になることも

②騒音問題

  • モーター音が気になる:静かな夜間は特に音が気になる場合がある
  • 水音:水が流れる音を嫌がる猫もいる
  • 振動音:設置場所によっては振動音が響くことも

③電気代と安全性

  • 24時間稼働の電気代:微々たるものですが、長期的にはコストになる
  • 停電時に使えない:災害時には役に立たない
  • 感電や火災のリスク:前述の通り、コードをかじる猫には危険

④すべての猫に効果があるわけではない

これが最も重要なポイントです。猫の好みは個体差が大きいのです。

我が家の猫たちを観察していると、給水器の動く水を好む猫もいれば、普通の器の静水を好む猫もいます。中には、給水器を怖がって近づかない猫もいました。

 

「給水器を使えば必ず水をたくさん飲むようになる」という保証はなく、猫によっては全く興味を示さない可能性もあります。その場合、高価な給水器が無駄になってしまいます。

 

⑤衛生管理の難しさ

前述の通り、完璧な衛生状態を保つことは想像以上に困難です。バイオフィルムの発生、見えない部分の汚れ、カビの発生など、衛生面でのリスクは決して小さくありません。

 

 

猫の水分摂取を増やす他の方法

 

給水器なしでも、猫の水分摂取量を増やす方法はいくつもあります。

 

①水入れを複数箇所に設置

猫が頻繁に通る場所や休憩する場所の近くに、水入れを複数設置します。トイレの近くは避け、食事場所からも少し離した場所が理想的です。

 

②ウェットフードの活用

ドライフードだけでなく、ウェットフードを取り入れることで、食事から水分を摂取できます。ウェットフードは約70〜80%が水分で構成されています。

 

③水に風味をつける

  • 鶏肉の茹で汁(味付けなし、冷ましたもの)を少量加える
  • 猫用ミルクを水で薄める
  • マタタビ水を数滴垂らす

ただし、これらは猫によって好みが分かれますし、衛生面でも注意が必要です。

 

④水の温度を変えてみる

冷たい水、常温の水、ぬるま湯など、猫によって好みの温度が違います。季節によって好みが変わることもあるので、いろいろ試してみましょう。

 

⑤水入れの素材を変える

プラスチック、陶器、ステンレス、ガラスなど、素材によって好みが分かれます。また、浅い器を好む猫、深い器を好む猫もいます。

 

 

給水器が向いている猫・向いていない猫

 

経験から、給水器が向いている猫と向いていない猫の特徴をまとめてみました。

 

給水器が向いている猫

  • 動く水に強い興味を示す
  • 静水をあまり飲まない
  • 腎臓病などで水分摂取量を増やす必要がある
  • コードをかじる癖がない
  • 新しいものを怖がらない性格
  • モーター音を気にしない

給水器が向いていない猫

  • 静水を好んで飲む
  • 新しいものに警戒心が強い
  • 音に敏感
  • コードをかじる癖がある
  • すでに十分な水分を摂取している
  • 高齢で環境の変化にストレスを感じやすい

 

給水器選びで失敗しないポイント

 

もし給水器を試してみたいという方のために、選び方のポイントをお伝えします。

 

①洗いやすさを最優先

複雑な構造ではなく、分解が簡単で全てのパーツが洗いやすい製品を選びましょう。食洗機対応かどうかも重要なポイントです。

 

②静音性の確認

レビューで「音が静か」と評価されている製品を選びましょう。可能であれば店頭で実際の音を確認するのがベストです。

 

③容量は飼育頭数に合わせて

猫1〜2匹なら1.5〜2リットル、それ以上なら大容量タイプを選びます。ただし、大きすぎると水の交換頻度が減り、衛生面で問題が出る可能性もあります。

 

④フィルター交換コストの確認

ランニングコストとして、フィルターの価格と交換頻度を事前に確認しましょう。

 

⑤安全性の確認

  • 電源コードの太さと丈夫さ
  • コードの長さ(短すぎると配置に困る)
  • 転倒防止機能
  • 漏電防止機能

⑥素材の質

BPAフリーのプラスチックか、ステンレス製、陶器製がおすすめです。安価な製品は素材の質が低いこともあるので注意が必要です。

 

 

まとめ:猫それぞれに合った水分補給方法を

 

給水器は確かに便利なアイテムですが、万能ではありません。私の経験では、洗浄の手間とコードの安全性の問題から、給水器をやめるという選択をしました。

 

現在は普通の陶器の器とホットウォーターボウルを使用していますが、猫たちは変わらず健康で、水分摂取量にも問題はありません。むしろ、シンプルな器の方が衛生管理が楽で、安心して使えています。

 

最も重要なのは、あなたの猫の個性と好みを理解することです。給水器を使って水をたくさん飲む猫もいれば、普通の器で十分な猫もいます。SNSや広告の情報に惑わされず、自分の猫をよく観察して、その子に合った方法を見つけることが大切です。

 

もし給水器を試してみたいなら、まずは小型で安価なモデルから始めて、猫の反応を見てから高価なものに投資するのが賢明でしょう。そして、どんな方法を選ぶにしても、清潔な水を常に提供すること、これが最も基本的で重要なポイントです。

 

給水器をやめた私の選択が正解だったかどうかは、それぞれの猫と飼い主さんの状況によって異なります。この記事が、あなたと愛猫にとって最適な水分補給方法を見つけるための参考になれば幸いです。

 

大切なのは、猫が毎日快適に、安全に、清潔な水を飲める環境を整えること。その方法は一つではありません。あなたの愛猫に合った、ベストな方法を見つけてください。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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