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猫は久しぶりに会っても覚えてる?長期記憶と再会の感動体験

猫 久しぶり 覚えてる

 

 

「久しぶりに会った猫は、私のことを覚えているだろうか」――そんな不安を抱えながら再会の日を迎える飼い主さんは少なくありません。引っ越しや長期の出張、やむを得ない事情での譲渡など、愛猫と離れ離れになった経験のある方なら、誰もがこの疑問を持つでしょう。

 

この記事では、猫の記憶力の秘密と、久しぶりの再会で猫が飼い主を覚えているかどうかについて、科学的な知見と実際の体験談を交えながら詳しく解説していきます。

 

 

猫の記憶力はどのくらい?科学的に解明された驚きの能力

 

まず知っておきたいのは、猫には想像以上に優れた記憶力があるという事実です。

 

 

短期記憶と長期記憶の違い

猫の記憶は大きく分けて「短期記憶」と「長期記憶」の2種類があります。

 

短期記憶は、数秒から数分程度保持される一時的な記憶です。例えば、おもちゃがソファの下に転がったことを覚えているのは短期記憶の働きです。研究によると、猫の短期記憶は約16時間程度持続すると言われており、これは犬の短期記憶(約5分)よりもはるかに長いことが分かっています。

 

一方、長期記憶は数週間、数ヶ月、場合によっては数年間保持される記憶です。特に感情を伴う出来事や、生存に関わる重要な情報は長期記憶として脳に刻まれます。

 

 

エピソード記憶:猫は「いつ、どこで、何が」を覚えている

近年の研究で注目されているのが、猫の「エピソード記憶」です。これは「いつ、どこで、何があったか」という具体的な出来事を記憶する能力のことです。

 

2017年に京都大学で行われた研究では、猫が特定の場所で特定の出来事(どの器にフードが入っていたか)を記憶できることが確認されました。この能力は、猫が飼い主との個々の体験を記憶している可能性を示唆しています。

 

 

猫は飼い主を「覚えている」のか?

 

では、実際に猫は久しぶりに会った飼い主のことを覚えているのでしょうか。

 

 

記憶のカギは「関係性の深さ」と「共に過ごした時間」

猫が飼い主を覚えているかどうかは、いくつかの要因に左右されます。

最も重要なのは共に過ごした時間の長さです。数日間だけ一緒にいた人よりも、何年も一緒に暮らした飼い主の方が、より強く猫の記憶に残ります。これは人間の記憶と同じメカニズムです。

 

また、その人との間にどのような感情的な結びつきがあったかも重要です。毎日世話をしてくれた人、一緒に遊んでくれた人、優しく撫でてくれた人――こうしたポジティブな感情を伴う記憶は、猫の脳により深く刻まれます。

 

 

視覚、聴覚、嗅覚:猫は多角的に人を認識する

猫が飼い主を認識する方法は一つではありません。

は猫にとって重要な識別要素です。2013年の東京大学の研究では、猫が飼い主の声を他人の声から区別できることが証明されています。久しぶりの再会でも、飼い主が名前を呼ぶ声を聞けば、記憶が蘇る可能性があります。

 

匂いも同様に強力な記憶の引き金となります。猫の嗅覚は人間の数万倍とも言われ、飼い主特有の匂いを長期間記憶することができます。

 

外見や動き方も認識の手がかりとなります。飼い主の歩き方や仕草、シルエットなど、視覚的な情報も記憶されています。

 

 

「久しぶり」の期間によって反応は変わる?

 

離れていた期間の長さによって、猫の反応は異なることがあります。

 

 

数日から数週間の場合

数日から2週間程度の分離であれば、ほとんどの猫は飼い主をすぐに認識します。この期間は猫にとっては「ちょっと長い留守番」程度の感覚です。帰宅した飼い主に対して、いつも通り甘えてきたり、逆にそっけない態度を取ったり(これは「放っておかれた不満」の表現)することが多いでしょう。

 

 

数ヶ月から半年の場合

この期間になると、猫の反応は個体差が大きくなります。

数ヶ月ぶりの再会で、最初は警戒しつつも、飼い主の声や匂いを確認した後、すぐに甘えてくる猫もいます。一方で、最初の数分から数時間は距離を置き、徐々に思い出していくような様子を見せる猫もいます。

 

ここで重要なのは、猫が飼い主を「忘れた」のではなく、「確認している」ということです。久しぶりの再会では、猫は慎重に相手が本当に知っている人かどうかを見極めようとします。

 

 

1年以上の場合

1年以上の長期間離れていた場合でも、猫が飼い主を覚えていたという報告は数多くあります。

特に、子猫の時期ではなくある程度成長してから長期間(数年)一緒に暮らした猫は、1年、2年、場合によっては5年以上経っても飼い主を覚えていることがあります。これは、その期間に形成された深い絆と、繰り返された日常の記憶が強固に脳に刻まれているためです。

 

 

私の体験:譲渡した子猫たちとの再会

 

私自身、保護猫活動を通じて多くの猫たちと関わってきました。その中で、久しぶりに再会した時の猫の反応には、驚きと同時に少し切なさを感じることもあります。

 

子猫の時期に2〜3ヶ月ほど保護し、その後新しい家族の元へ譲渡した猫たちに、1ヶ月後に様子を見に伺うことがあります。正直なところ、ほとんどの場合、私のことを覚えている様子はありません。家のどこかに隠れてしまい、姿を見せてくれないことも珍しくありません。再会することなく、そのまま帰るということも多々あります。

 

この経験から学んだのは、子猫の時期の2〜3ヶ月という期間は、猫の一生においては非常に短く、その後の新しい環境と家族との絆の方がはるかに強く形成されるということです。

 

新しい飼い主さんと毎日を共にする中で、子猫たちは新しい記憶を上書きしていきます。そして、数週間もすれば、私は「昔会ったことがある人」程度の薄い記憶になってしまうのでしょう。

 

 

それでも信じている:年数を重ねた猫なら覚えているはず

 

一方で、私は今でも信じています。何年も一緒に暮らしたうちの猫たちなら、きっと久しぶりに会っても覚えていてくれるはず、と。

 

譲渡した子猫たちと私の関係と、長年共に生活してきた猫との関係は、まったく異なります。毎日のご飯、毎晩の添い寝、何気ない日常の積み重ね――こうした時間が作り出す絆は、数ヶ月の分離くらいでは消えないと信じています。

 

実際、保護猫活動仲間の中には、やむを得ない事情で一時的に猫を預け、数ヶ月後に再会した際、猫が覚えていて大喜びで迎えてくれたという話をよく聞きます。

 

 

他の人の感動的な再会体験談

 

インターネット上では、久しぶりに再会した猫が飼い主を覚えていたという感動的なエピソードが数多く共有されています。

 

 

1年ぶりの再会で号泣した猫

ある飼い主さんは、仕事の都合で1年間海外に行く間、実家に猫を預けていました。帰国後、実家を訪ねると、玄関で待っていた猫は飼い主の姿を見た瞬間、普段は聞いたことのないような大きな鳴き声を上げて走り寄ってきたそうです。

 

「まるで『どこに行ってたの!』と叱られているようで、同時に『会いたかった』と言ってくれているようで、私も猫も涙が止まりませんでした」と語っています。

 

 

3年ぶりでも覚えていた保護猫

別の方は、保護した野良猫を3ヶ月間世話した後、適切な飼い主さんに譲渡しました。3年後、偶然その猫の近況を聞く機会があり、飼い主さんの許可を得て訪問したところ、最初は警戒していた猫が、声を聞いた途端に態度を軟化させ、膝に乗ってきたそうです。

 

「3ヶ月しか一緒にいなかったのに、3年も経って覚えていてくれるなんて」と、この方は猫の記憶力に驚いたと話しています。

 

 

10年ぶりの再会

最も印象的なのは、10年ぶりに再会したというケースです。子供の頃に飼っていた猫を、大学進学で実家を離れる際に家族に託した方が、10年後に帰省した時のこと。すでに高齢猫となっていた愛猫は、最初は誰だか分からない様子でしたが、名前を呼びながら近づくと、急に目を見開き、若い頃のように喉を鳴らして甘えてきたそうです。

 

「10年という時間を越えて、まだ私のことを覚えていてくれた。この瞬間のために、ずっと会いたかった」と、この再会を振り返っています。

 

 

なぜ覚えていないこともあるのか?

 

一方で、残念ながら猫が飼い主を覚えていないように見えるケースもあります。その理由はいくつか考えられます。

 

 

一緒に過ごした期間が短かった

前述の通り、私が経験したように、子猫時代の2〜3ヶ月という短い期間では、その後の環境の変化によって記憶が上書きされやすくなります。特に社会化期(生後2週間〜7週間)を過ぎてからの出会いで、かつ期間が短い場合、長期記憶として定着しにくいのです。

 

 

新しい環境に完全に適応した

猫は変化を嫌う動物ですが、同時に適応力も高い動物です。新しい家族、新しい環境に完全に適応した猫は、過去の記憶よりも「今の生活」に重点を置くようになります。これは猫の生存戦略として自然なことです。

 

 

実は覚えているが警戒している

猫が飼い主を覚えていないように見えても、実は覚えているが、「なぜ今ごろ現れたのか」という警戒心から距離を置いている可能性もあります。猫は一度裏切られたと感じると(例えば「置いていかれた」と感じた場合)、警戒心を解くまでに時間がかかることがあります。

 

 

加齢による記憶力の低下

高齢猫の場合、認知機能の低下により記憶力が衰えることがあります。15歳以上の高齢猫では、人間の認知症に似た症状が現れることもあり、以前は覚えていた人やことを忘れてしまうこともあります。

 

 

愛情を込めると返ってくる:猫との絆を深める秘訣

 

猫に覚えていてもらうために、そして猫との絆を深めるために最も重要なのは、日々の愛情です。

 

 

一貫したケアと優しさ

猫は一貫性を好みます。毎日決まった時間にご飯をあげる、毎晩寝る前に撫でてあげる、遊んであげる――こうした日々のルーティンが、猫との信頼関係を築きます。

 

そして何より、優しさと愛情です。猫は飼い主の感情を敏感に察知します。愛情を込めて接すれば、猫もそれに応えてくれます。この感情的な絆こそが、長期記憶として猫の心に刻まれるのです。

 

 

質の高い時間を過ごす

長時間一緒にいることも大切ですが、それ以上に質の高い時間を過ごすことが重要です。

猫と遊ぶ時は、スマホを見ながらではなく、しっかりと猫に集中する。撫でる時は、猫が気持ちいいと感じる場所(顎の下、耳の後ろなど)を優しく撫でる。こうした「猫のための時間」を意識的に作ることで、より深い絆が生まれます。

 

 

猫の個性を尊重する

すべての猫が甘えん坊で、抱っこが好きなわけではありません。距離を保ちたいタイプの猫もいます。

猫の個性を理解し、尊重することが、真の信頼関係につながります。無理に抱っこせず、猫が望むコミュニケーションの形を見つけることが大切です。

 

 

ポジティブな体験を増やす

猫との日々の中で、できるだけポジティブな体験を増やしましょう。

おやつを与える、お気に入りのおもちゃで遊ぶ、マッサージをする――こうした楽しい経験が積み重なることで、「この人といると良いことがある」という記憶が強化されます。

 

逆に、無理やり爪切りをする、嫌がるのにシャンプーするといったネガティブな体験ばかりだと、猫は飼い主との時間を避けるようになってしまいます。(もちろん、健康管理上必要なケアは行う必要がありますが、できるだけストレスを減らす工夫をしましょう。)

 

 

久しぶりの再会で猫が覚えていてもらうためのヒント

 

やむを得ず猫と離れ離れになる場合、少しでも覚えていてもらうためにできることがあります。

 

 

離れる前に十分な時間を過ごす

突然いなくなるのではなく、離れる前にできるだけ多くの時間を一緒に過ごしましょう。猫との絆を強化する時間を意識的に作ることで、より強い記憶として残ります。

 

飼い主の匂いがついたものを残す

猫が普段使っているブランケットに飼い主の匂いをつけておく、着古したTシャツを残しておくなど、匂いによる記憶の定着を助けることができます。

 

定期的に声を聞かせる

可能であれば、電話やビデオ通話で定期的に猫に話しかけましょう。猫は飼い主の声を記憶していますので、声を聞き続けることで記憶が薄れにくくなります。

 

再会時は焦らない

久しぶりの再会では、猫が警戒することもあります。無理に近づかず、猫のペースを尊重しましょう。

まずは声をかけて、猫が自分から近づいてくるのを待ちます。飼い主の匂いを確認させ、徐々に思い出してもらうようにします。いきなり抱きしめたりせず、猫が安心できる環境を作ることが大切です。

 

 

科学的研究が示す猫の記憶力の可能性

 

最後に、猫の記憶力に関する最新の科学的知見をご紹介します。

 

猫は「誰が」「何をした」を覚えている

2020年に発表された研究では、猫が「誰が何をしたか」という社会的記憶を持つことが示されました。つまり、特定の人が自分に良いことをしてくれたか、嫌なことをしたかを記憶し、その人への態度を変えるのです。

これは、猫が飼い主との個別の体験を記憶し、それに基づいて関係性を築いていることを意味します。

 

感情的な記憶は特に強い

人間と同様、猫も感情を伴う記憶は特に強く残ります。恐怖体験はもちろん、嬉しかった体験、楽しかった体験も長期記憶として保存されやすいのです。

飼い主との日々の中で、たくさんの嬉しい思い出を作ることが、長期的な絆につながります。

 

個体差が大きい

ただし、猫の記憶力や社交性には大きな個体差があることも忘れてはいけません。

ある猫は数年経っても飼い主を覚えている一方で、別の猫は数ヶ月で忘れてしまうこともあります。これは記憶力の問題だけでなく、その猫の性格や過去の経験、現在の生活環境など、多くの要因が関係しています。

 

 

まとめ:猫は覚えている、そして絆は続いていく

 

「猫は久しぶりに会っても覚えているのか」という問いに対する答えは、「多くの場合、覚えている可能性が高い」です。

特に、長期間(数年)一緒に暮らし、深い絆を築いた猫であれば、数ヶ月から数年の分離を経ても、飼い主を覚えていることが多いでしょう。ただし、一緒に過ごした期間が短い場合(数週間から数ヶ月)、特に子猫時代だけの関係では、新しい環境と家族の記憶に上書きされる可能性が高くなります。

 

私自身の経験では、譲渡した子猫たちが私を覚えていないことに切なさを感じながらも、それは彼らが新しい家族と幸せに暮らしている証拠だと理解しています。そして同時に、長年一緒に暮らしてきた猫たちとの絆は、たとえ一時的に離れることがあっても続いていくと信じています。

 

最も重要なのは、今この瞬間、猫と過ごす時間に愛情を込めることです。毎日の優しさ、ケア、遊び、触れ合い――こうした積み重ねが、猫の記憶に刻まれ、消えることのない絆となります。

愛情を込めて接すれば、猫もそれに応えてくれます。そして、たとえ久しぶりの再会であっても、その絆は猫の心のどこかに必ず残っているはずです。

 

あなたと愛猫の絆が、時間や距離を越えて続いていくことを願っています。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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