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猫が咳き込むけど吐かない、元気な時は大丈夫?獣医師に聞いた原因と対処法

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はじめに:うちのメイくんの咳き込みエピソード

 

ある日、いつものようにくつろいでいた愛猫のメイくん。突然「ケホッ、ケホッ」と咳き込み始めました。最初は何かが喉に詰まったのかと思いましたが、吐くこともなく、その後はケロッとして元気に遊んでいます。

 

でもその日から、メイくんは一日に数回、同じように咳き込むようになりました。食欲もあるし、走り回るし、元気そのもの。「これって病院に連れて行くべき?」と悩む日々が続きました。

 

結論から言うと、動物病院で診察を受けた結果、メイくんは気管支炎と診断されました。約一週間薬を飲ませたところ、咳はピタリと止まり、完治しました。

 

この記事では、猫が咳き込むけど吐かない、そして元気な場合に考えられる原因や、私たち飼い主が知っておくべき対処法について、獣医師から聞いた情報を含めて詳しく解説します。

 

猫の咳ってどんな症状?吐き気との違い

 

猫の咳の特徴

猫が咳をする時、多くの飼い主さんは「吐こうとしているのかな?」と勘違いします。実際、猫の咳と吐き気の動作は似ているため、区別が難しいことがあります。

 

咳の特徴:

  • 首を前に伸ばし、低い姿勢になる
  • 「ケホッケホッ」「ゲホゲホ」という乾いた音
  • 数秒で終わることが多い
  • 咳き込んだ後、何も出ない(または少量の透明な液体)
  • 咳の後はすぐに普段通りに戻る

吐き気(嘔吐)の特徴:

  • お腹を大きく動かす
  • 「オエッオエッ」という湿った音
  • 実際に食べ物や毛玉、液体を吐き出す
  • 吐いた後、しばらくぐったりすることもある

メイくんの場合は明らかに咳で、吐き出すものは何もありませんでした。時々少量の透明な泡のようなものが出ることはあ りましたが、食べ物や毛玉ではありませんでした。

 

猫が咳き込む主な原因

 

猫が咳をする原因は様々です。元気そうに見えても、体の中では何かが起きている可能性があります。

 

1. 気管支炎

メイくんが診断されたのがこれです。気管支炎は気管支に炎症が起きる病気で、猫では比較的よく見られます。

 

症状:

  • 乾いた咳が続く
  • 一日に数回から数十回咳き込む
  • 初期段階では元気で食欲もある
  • 進行すると呼吸が荒くなることも

原因:

  • ウイルスや細菌感染
  • アレルギー
  • 刺激物の吸入(タバコの煙、香水、芳香剤など)
  • ストレス

メイくんの場合、獣医師の診察では「おそらく軽い感染症が原因」とのことでした。処方された抗生物質と咳止めを一週間飲ませたところ、すぐに症状が改善しました。

 

2. 猫喘息(猫アレルギー性気管支炎)

人間の喘息と似た病気で、アレルギー反応によって気道が狭くなります。

 

症状:

  • 突然の激しい咳
  • ゼーゼーという呼吸音
  • 呼吸困難(重症の場合)
  • 季節や環境によって悪化

原因:

  • ハウスダスト
  • 花粉
  • カビ
  • タバコの煙
  • 猫砂の粉塵

 

3. 心臓病

心臓に問題があると、肺に水が溜まり、咳が出ることがあります。

 

症状:

  • 咳(特に夜間や安静時)
  • 呼吸が速い、荒い
  • 疲れやすい
  • 元気がなくなる(進行すると)

高齢猫や品種によっては心臓病のリスクが高いため、定期的な健康診断が重要です。

 

4. 感染症

猫風邪などのウイルス感染や細菌感染によって咳が出ることがあります。

 

主な感染症:

  • 猫カリシウイルス
  • 猫ヘルペスウイルス
  • マイコプラズマ感染症
  • クラミジア感染症

 

5. 寄生虫(肺虫症)

まれですが、肺に寄生虫が感染することで咳が出る場合があります。

 

特徴:

  • 外に出る猫に多い
  • 慢性的な咳
  • 体重減少(進行すると)

 

6. 異物や刺激物

一時的な咳の原因として、以下のようなものがあります。

  • 芳香剤や香水
  • タバコの煙
  • 猫砂の粉塵
  • スプレー類
  • 食べ物のカケラ(一時的)

 

元気なのに咳き込む:いつ病院に行くべき?

 

「元気だから様子を見よう」と思いがちですが、猫は体調不良を隠す動物です。メイくんも最初は本当に元気そうで、「これくらいなら大丈夫かな」と思いました。

でも獣医師に相談して正解でした。「気管支炎は早期治療すればすぐ治りますが、放置すると肺炎に進行することがあります。肺炎になると治療が長期化し、猫への負担も大きくなります」と教えてもらいました。

 

すぐに病院に行くべきサイン

以下の症状がある場合は、すぐに動物病院を受診してください。

  • 呼吸困難: 口を開けて呼吸している、肩で息をしている
  • チアノーゼ: 舌や歯茎が青紫色になっている
  • ぐったりしている: 動かない、反応が鈍い
  • 食欲がない: 24時間以上食べない
  • 発熱: 耳や体が普段より熱い
  • 血を吐く: 咳と一緒に血が出る

早めの受診を検討すべきケース

  • 咳が2〜3日以上続く
  • 一日に何度も咳き込む
  • 咳の頻度や強さが増している
  • くしゃみや鼻水も出ている
  • 元気だが咳が気になる

メイくんは「元気だが一日数回咳き込む」状態が3日続いた時点で受診しました。早めに診てもらって本当に良かったです。

 

動物病院での診察:何を調べる?

 

メイくんを動物病院に連れて行った時の流れを紹介します。

 

問診

獣医師から以下のような質問をされました。

  • いつから咳をしていますか?
  • 咳の頻度は?(一日に何回くらい?)
  • 咳はどんな音ですか?(乾いた咳?湿った咳?)
  • 他に症状はありますか?(くしゃみ、鼻水、食欲不振など)
  • 生活環境に変化はありましたか?
  • ワクチン接種は済んでいますか?

身体検査

  • 体温測定
  • 聴診器で心臓と肺の音を確認
  • 口の中や喉のチェック
  • リンパ節の触診
  • 全身状態の確認

メイくんの場合、聴診で気管支に軽い炎症の音が確認されました。

 

必要に応じた検査

症状や身体検査の結果によって、以下の検査が行われることがあります。

  • 血液検査: 感染症や炎症の有無を確認
  • レントゲン検査: 肺や心臓の状態を確認
  • 気管支鏡検査: 気管支の内部を直接観察(重症例)
  • PCR検査: ウイルス感染の特定

メイくんは血液検査で軽い炎症反応が出ていましたが、レントゲンでは特に問題は見られませんでした。

 

気管支炎の治療:メイくんの回復記録

 

処方された薬

メイくんには以下の薬が処方されました。

  1. 抗生物質: 細菌感染を抑えるため(一日2回、7日間)
  2. 咳止め: 咳を和らげるため(一日2回、症状が落ち着くまで)

 

投薬方法のコツ

猫に薬を飲ませるのは一苦労ですよね。私が実践した方法を紹介します。

 

錠剤の場合:

  • ちゅーるなどの好きなおやつに混ぜる
  • 錠剤を砕いて少量のウェットフードに混ぜる
  • ピルガン(投薬器)を使う

液体の場合:

  • シリンジで少しずつ口の横から入れる
  • 食事に混ぜる(獣医師に確認してから)

メイくんはちゅーるが大好きだったので、ちゅーるに混ぜることで比較的スムーズに飲ませられました。

 

回復の経過

  • 1日目: 薬を飲み始めるが、咳はまだ続く
  • 2〜3日目: 咳の回数が明らかに減る
  • 4〜5日目: ほとんど咳をしなくなる
  • 7日目: 薬を飲み終わる頃には完全に咳が止まる

約一週間で完治しました。獣医師の「気管支炎はすぐ治る」という言葉通りでした。

 

自宅でのケア

薬以外に、自宅で以下のケアを行いました。

  • 加湿器の使用: 湿度を50〜60%に保つ
  • 刺激物の除去: 芳香剤やスプレーの使用を控える
  • ストレス軽減: 静かで落ち着ける環境を作る
  • 十分な水分: いつでも新鮮な水を飲めるようにする
  • 観察記録: 咳の回数や時間帯をメモ

 

肺炎への進行を防ぐ:獣医師からの警告

 

メイくんの診察時、獣医師から重要なことを教えてもらいました。

「気管支炎は早期に治療すれば一週間程度で治りますが、放置すると肺炎に進行する可能性があります。肺炎になると治療期間が数週間から数ヶ月に及ぶこともあり、猫への負担が大きくなります。場合によっては入院が必要になることも」

 

肺炎の症状

気管支炎から肺炎に進行すると、以下のような症状が現れます。

  • 激しい咳
  • 呼吸困難
  • 発熱
  • 食欲不振
  • ぐったりして動かない
  • 体重減少

肺炎になると…

  • 治療期間: 数週間から数ヶ月
  • 治療費: 入院や長期治療で高額になる可能性
  • 猫への負担: 体力が低下し、QOL(生活の質)が下がる
  • 予後: 重症化すると命に関わることも

だからこそ、咳が続いたら早めに受診することが大切です。「元気だから大丈夫」と油断せず、異変に気づいたら早めに行動することで、猫の健康を守ることができます。

 

猫の咳を予防するために:日常生活でできること

 

メイくんの気管支炎を経験して、予防の大切さを実感しました。

 

1. 定期的な健康診断

年に1〜2回の健康診断で、早期に異常を発見できます。特に7歳以上のシニア猫は年2回が推奨されています。

 

2. ワクチン接種

猫風邪などの感染症を予防するため、定期的なワクチン接種を忘れずに。

 

3. 室内環境の整備

  • 禁煙: タバコの煙は猫の呼吸器に悪影響
  • 適切な湿度: 乾燥しすぎないよう加湿器を使用
  • 粉塵の少ない猫砂: 粉が立たないタイプを選ぶ
  • 芳香剤の見直し: 強い香りのものは避ける
  • こまめな掃除: ハウスダストやカビを減らす

4. ストレス管理

ストレスは免疫力を下げ、病気になりやすくします。

  • 安心できる隠れ場所を用意
  • 急激な環境変化を避ける
  • 十分な遊び時間を確保
  • 複数猫飼いの場合は相性を考慮

5. 適切な栄養と水分

  • 良質なキャットフードを与える
  • 新鮮な水をいつでも飲めるようにする
  • 適正体重を維持する

6. 観察の習慣

毎日の観察で、小さな変化に気づくことができます。

  • 呼吸の様子
  • 食欲や飲水量
  • 活動レベル
  • 排泄の状態
  • 被毛の状態

 

まとめ:猫が咳き込んだら、元気でも早めの受診を

 

メイくんの気管支炎の経験を通して学んだことをまとめます。

 

重要なポイント

  1. 猫の咳は見逃さない: 元気そうでも何かのサインかもしれません
  2. 早期受診が鍵: 気管支炎は早期治療で約一週間で完治します
  3. 肺炎への進行を防ぐ: 放置すると治療が長期化し、猫への負担が大きくなります
  4. 日常の予防が大切: 環境整備と定期健診で呼吸器疾患を予防しましょう
  5. 観察と記録: 咳の頻度や様子を記録しておくと診察時に役立ちます

最後に

「元気だから大丈夫」という思い込みが、病気の進行を招くことがあります。猫は体調不良を隠す動物なので、飼い主が異変に気づいてあげることが何より大切です。

 

メイくんは早めに受診したおかげで、約一週間の治療で完治しました。もし放置していたら、肺炎に進行して長期治療が必要になっていたかもしれません。

 

あなたの愛猫が咳き込んでいたら、たとえ元気そうでも、一度動物病院を受診してみてください。早期発見、早期治療が、猫の健康と飼い主の安心につながります。


この記事が、咳をする愛猫を心配する飼い主さんの参考になれば幸いです。猫ちゃんの早期回復を願っています。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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