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犬種別・かかりやすい病気一覧|飼う前に知っておきたい健康リスク

犬種別・かかりやすい病気一覧|飼う前に知っておきたい健康リスク

 

はじめに|愛犬を迎える前に「病気リスク」を知っておくべき理由

 

「この子、かわいい。飼いたい」

そう思った瞬間から、あなたはすでに”飼い主候補”です。

でも、少しだけ立ち止まってください。

犬は種類によって、遺伝的にかかりやすい病気が大きく異なります。

 

たとえば、人気犬種のトイ・プードルは白内障や進行性網膜萎縮症のリスクが高く、フレンチ・ブルドッグは呼吸器疾患と皮膚病のリスクを生まれながらに抱えています。

知っていれば「備えられる」。知らなければ「驚かされる」。

 

この記事では、犬種別のかかりやすい病気一覧を、動物福祉の観点から丁寧に解説します。データや公的機関の情報もあわせて紹介しながら、「飼う前に知っておきたいリスク」を網羅的にまとめました。

この記事を読み終えたとき、あなたはその犬種との暮らしを、より責任感を持って、より豊かにイメージできるようになっているはずです。

 

現状の問題|犬の病気リスクを知らないまま飼う人が多い

 

飼育放棄の背景に「想定外の医療費」がある

環境省の調査によると、2022年度に全国の動物愛護センターに引き取られた犬の数は約1万4,000頭以上にのぼります。

その理由の一つに挙げられるのが、「思っていたより医療費がかかった」「病気が多く、世話が大変だった」という声です。

ペット保険会社の調査では、犬の生涯医療費は平均で80〜150万円にのぼるという試算もあります。犬種によっては、特定の病気の治療費だけで数十万円に達するケースも珍しくありません。

 

純血種は遺伝的リスクが高い傾向がある

純血種(ピュアブレッド)の犬は、特定の外見や性質を固定するために近親交配が繰り返されてきた歴史があります。その結果、遺伝的な疾患が特定の犬種に集中しやすくなっています。

世界小動物獣医師会(WSAVA)や日本獣医師会も、犬種ごとの遺伝性疾患スクリーニングの重要性を提唱しており、ブリーダー選びや飼育前の健康チェックを強く推奨しています。

 

知識があれば「早期発見・早期治療」が可能になる

犬種のリスクを知っておくことは、単なる「心構え」ではありません。

定期検診の種類、獣医師への相談内容、日常生活での注意点——これらすべてが変わります。「知っている飼い主」は、愛犬の命を守る最前線に立てるのです。


よくある疑問に答えるQ&A|犬種別の病気リスクについて

 

Q1. 犬種によって病気のなりやすさは本当に違うのですか?

 

A. はい、はっきりと異なります。

犬種ごとに骨格、臓器の形状、代謝の特性が異なるため、発症しやすい疾患のパターンが存在します。たとえば、鼻が短い「短頭種」は気道が狭く呼吸器疾患が多い。大型犬は関節や心臓への負担が大きい。これは遺伝的・身体的構造から来るものであり、科学的な根拠があります。


Q2. 雑種(ミックス犬)は病気が少ないって本当ですか?

 

A. 一般的に「雑種強健」の傾向はあります。

遺伝的多様性が高い雑種は、特定の遺伝性疾患を引き継ぐリスクが低い傾向があります。ただし、「まったく病気にならない」というわけではなく、環境・食事・ストレスなどの要因は雑種にも共通して影響します。


Q3. ペット保険に入れば安心ですか?

 

A. 入っておくべきですが、過信は禁物です。

ペット保険は一定の医療費をカバーしますが、保険の対象外になる既往症や遺伝性疾患もあります。また、保険料は犬種・年齢によって異なります。補償内容の確認と、犬種ごとのリスク把握をセットで行うことが大切です。


Q4. ブリーダーから買えば健康な犬が手に入りますか?

 

A. 信頼できるブリーダーを選ぶことが重要です。

優良なブリーダーは、遺伝性疾患の検査(OFAやPennHIPなどの股関節評価など)を行い、健康証明書を提示します。一方で、見た目だけを重視した繁殖が行われているケースもあります。環境省も、販売業者の適正化を進める取り組みを強化しています。


 

犬種別・かかりやすい病気一覧|実践的なリスク解説

 

ここからが本記事の核心部分です。代表的な犬種ごとに、かかりやすい病気と症状、そして飼い主ができる予防・対策を解説します。

 

🐾 トイ・プードル

人気ランキング上位の定番犬種ですが、遺伝性疾患には注意が必要です。

 

かかりやすい病気一覧

 

病気名 症状 対策
進行性網膜萎縮症(PRA) 夜盲症→視力喪失 遺伝子検査で確認
白内障 目が白く濁る、視力低下 定期眼科検診
膝蓋骨脱臼(パテラ) 足をあげる、びっこ 体重管理・段差回避
外耳炎 耳を掻く、臭い 耳の定期ケア
アジソン病(副腎皮質機能低下症) 食欲不振・嘔吐・倦怠感 早期血液検査
  • 膝蓋骨脱臼(パテラ)は小型犬全般に多く、トイ・プードルでも頻度が高い疾患です。
  • PRAは早期に遺伝子検査を実施することで、発症リスクを把握できます。

 

🐾 チワワ

 

世界最小の犬種として知られますが、骨格の弱さや心臓系のリスクがあります。

 

かかりやすい病気一覧

病気名 症状 対策
僧帽弁閉鎖不全症(心臓病) 咳・息切れ・運動不耐性 定期心臓検診(年1回以上)
水頭症 ぼーっとしている・歩行障害 早期MRI検査
低血糖症 ぐったり・けいれん 小分けに食事・おやつ携帯
膝蓋骨脱臼(パテラ) 足をあげる 体重管理・床材の工夫
気管虚脱 乾いた咳・ゼーゼー音 首輪ではなくハーネス使用
  • チワワは特に小柄なため、落下事故による骨折リスクも高く、生活環境の整備が重要です。

 

🐾 フレンチ・ブルドッグ

 

近年人気急上昇中ですが、動物福祉の観点から最も注意が必要な犬種の一つです。

 

かかりやすい病気一覧

病気名 症状 対策
短頭種気道症候群(BOAS) 呼吸困難・いびき・運動制限 外科手術・涼しい環境
椎間板ヘルニア 痛がる・後ろ足の麻痺 段差をなくす・体重管理
アレルギー性皮膚炎 かゆみ・赤み・脱毛 低アレルゲンフード・皮膚科受診
熱中症 過呼吸・ぐったり 室温管理・散歩時間の工夫
眼球突出 目が飛び出る 眼科検診・外傷注意

 

重要な動物福祉上の注意点:

フレンチ・ブルドッグをはじめとする短頭種は、その容姿そのものが「改良の副作用」として呼吸器系への負担を生んでいます。英国ケネルクラブや欧州各国では短頭種の繁殖規制に向けた議論が進んでおり、日本でも動物福祉の観点からの啓発が広まっています。

 

🐾 柴犬

 

日本を代表する犬種。比較的丈夫ですが、アレルギー疾患や関節の問題に注意が必要です。

 

かかりやすい病気一覧

病気名 症状 対策
アトピー性皮膚炎 かゆみ・皮膚の赤み・掻き傷 定期的なシャンプー・食事管理
股関節形成不全 後ろ足の跛行・起き上がりにくい 体重管理・適切な運動
甲状腺機能低下症 元気がない・太る・毛が抜ける 血液検査で甲状腺ホルモン確認
緑内障 眼圧上昇・目の充血・失明 眼圧測定・早期治療
癲癇(てんかん) けいれん発作 発作記録・神経科受診

 

🐾 ゴールデン・レトリーバー

 

家族犬として人気の高い大型犬ですが、がん発症率の高さが特徴的です。

 

かかりやすい病気一覧

病気名 症状 対策
がん(悪性腫瘍) しこり・急激な体重減少 年2回以上の健康診断
股関節形成不全 動きたがらない・後ろ足の弱り PennHIP評価・体重管理
僧帽弁閉鎖不全症 咳・息切れ 心臓エコー検査
皮膚病(膿皮症・アレルギー) かゆみ・脱毛・炎症 定期トリミング・食事管理
白内障・進行性網膜萎縮症 視力低下・夜間に障害物をぶつかる 眼科検診

 

米国の研究では、ゴールデン・レトリーバーの死亡原因の約60%ながんであるというデータがあります(Golden Retriever Lifetime Study, Morris Animal Foundation)。日本でも同様の傾向が報告されており、特に血管肉腫・リンパ腫の発症が多く見られます。

 

🐾 ダックスフンド

 

胴が長く脚が短い体型ゆえ、背骨への負担が非常に大きい犬種です。

 

かかりやすい病気一覧

病気名 症状 対策
椎間板ヘルニア 突然の痛み・後ろ足の麻痺 段差ゼロの環境・肥満防止
進行性網膜萎縮症(PRA) 夜盲症→失明 遺伝子検査
クッシング症候群 お腹が膨らむ・多飲多尿 血液・尿検査
耳の病気(外耳炎) 耳を掻く・悪臭 垂れ耳のケア
皮膚病 脱毛・皮膚の肥厚 定期皮膚科受診

 

ダックスフンドの椎間板ヘルニアは、軽症であれば内科治療、重症では外科手術が必要になります。手術費用は30〜60万円に達することもあり、ペット保険加入の重要性が特に高い犬種です。

 

🐾 シー・ズー

 

フラットな顔と被毛が魅力ですが、眼科・呼吸器・皮膚トラブルが多い犬種です。

 

かかりやすい病気一覧

病気名 症状 対策
角膜潰瘍 目をこする・涙目・充血 眼科検診・角膜傷防止
短頭種気道症候群 いびき・呼吸困難 涼しい環境・手術も検討
アレルギー性皮膚炎 かゆみ・赤み 低アレルゲンフード
尿路結石 血尿・排尿困難 水分補給促進
歯周病 口臭・歯茎の腫れ 日常的な歯磨き

 

🐾 マルチーズ

 

白い被毛が美しい小型犬ですが、皮膚・消化器・泌尿器の問題が生じやすいです。

 

かかりやすい病気一覧

病気名 症状 対策
涙やけ・目の周りの炎症 赤褐色の涙染み 目周りのケア
膝蓋骨脱臼 足をあげる 体重管理
気管虚脱 乾いた咳 ハーネス使用
慢性腸炎 軟便・嘔吐 食事内容の見直し
タンパク漏出性腸症 腹水・浮腫・体重減少 定期血液検査

 

🐾 ラブラドール・レトリーバー

 

盲導犬・補助犬としても活躍する賢い犬種。肥満傾向と関節疾患に注意が必要です。

 

かかりやすい病気一覧

病気名 症状 対策
肥満 体重増加・動きが遅くなる 食事管理・定期体重測定
股関節形成不全 後ろ足の跛行・痛み 体重管理・適切な運動量
肘関節形成不全 前足の跛行 定期整形外科検診
悪性腫瘍(がん) しこり・食欲不振 定期健診
外耳炎 耳を掻く・耳の臭い 定期的な耳清掃

 

ラブラドールは食欲旺盛で「肥満になりやすい犬種」として知られており、肥満は関節疾患・糖尿病・心疾患のリスクを一気に高めます。体重管理は生涯を通じての課題です。

 

犬種別リスク管理のメリット・デメリット

 

✅ 知っておくメリット

  • 早期発見・早期治療につながる:リスクを知っていれば、定期検診の項目を絞り込めます
  • ペット保険の選択が賢くなる:犬種ごとの疾患リスクに合った補償内容を選べます
  • 生活環境の整備ができる:椎間板ヘルニアリスクが高い犬種なら、最初から段差を排除した部屋づくりが可能です
  • ブリーダー選びの基準が明確になる:遺伝性疾患の検査をしているブリーダーを選べます
  • 精神的な準備ができる:「万が一」に備えて資金や心構えを整えられます

⚠️ 注意しておくべき点(デメリット・誤解)

  • リスクがあるからといって必ず発症するわけではない:環境・食事・運動で大きく変わります
  • 犬種だけで判断しすぎない:個体差があるため、一頭一頭と向き合うことが大切です
  • 過剰な不安は逆効果:知識は「備え」のためであって、「恐れ」のためではありません

 

実体験エピソード|フレンチ・ブルドッグを迎えた家族の話

 

東京都在住のAさん(40代・女性)は、3年前にフレンチ・ブルドッグの「モコ」を迎えました。

「可愛さに一目惚れして、病気のことはあまり深く考えていませんでした」

モコが1歳を過ぎた頃から、夏になるとゼーゼーという呼吸音が気になりはじめます。獣医師の診断は「短頭種気道症候群(BOAS)」。鼻腔が狭く、呼吸が十分にできていない状態でした。

「先生から『手術した方が楽になります』と言われ、最初はびっくりしました。でも、術後のモコは明らかに呼吸が楽そうで、表情も穏やかになって……知っていればもっと早く対応できたと思います」

Aさんはいま、フレンチ・ブルドッグのオーナーコミュニティで「飼う前に呼吸器のリスクを必ず調べてほしい」と伝え続けています。

知識は愛情の一部です。

 

注意点|犬種別リスク情報を活用するうえで気をつけること

 

① 情報の出典を確認する

インターネット上には不正確な情報も混在しています。信頼できる情報源として以下を参考にしてください。

  • 環境省 動物愛護管理室www.env.go.jp
  • 日本獣医師会(JVMA)
  • 各犬種クラブ(JKC認定)
  • Morris Animal Foundation / PennHIP(国際機関)

 

② 遺伝子検査は万能ではない

遺伝子検査でわかるリスクは、現時点で解析可能な特定の遺伝子変異に限られます。すべての病気を事前に予測できるわけではありません。

 

③ 犬種だけでなく「個体」を見る

同じ犬種でも、親犬の健康状態・ブリーダーの管理環境・幼少期の栄養状態によって大きく変わります。「犬種リスク」はあくまでも統計的な傾向です。

 

④ 定期健診を怠らない

犬の病気の多くは「沈黙の進行」をします。見た目が元気でも、内部で病気が進んでいることがあります。少なくとも年1回(シニア犬は年2回)の健康診断を習慣にしましょう。

 

今後の社会的視点|動物福祉と犬種の未来

 

短頭種ブームへの問い直し

近年、フレンチ・ブルドッグ・パグ・ブルドッグなどの短頭種は世界的な人気を集めています。しかしその一方で、「かわいさのために苦しむ犬を生み出している」という動物福祉上の批判が強まっています。

オランダでは2023年から、一定の基準を満たさない短頭種犬の繁殖・販売を禁止する法規制が施行されました。英国でも「犬の外見ではなく健康を優先する」ための繁殖ガイドラインが強化されています。

日本でも、動物愛護管理法の改正(2019年・2022年)により、ブリーダーや販売業者への規制が強化されつつあります。しかし、消費者である私たちの意識が変わることが、最も大きな変革を生みます。

 

「選ばれる犬種」ではなく「生きやすい犬」へ

動物福祉の先進国では、「犬を見た目で選ぶ時代」から「犬の健康と生涯品質(QOL)で選ぶ時代」への転換が始まっています。

日本でも、犬種別のかかりやすい病気に関する情報が広まることで、

  • 遺伝性疾患に配慮したブリーディングが増える
  • 飼い主が正確な情報を持って飼育判断をする
  • 結果として動物の福祉水準が上がる

という好循環が生まれます。

あなたが今この記事を読んでいること自体が、その流れの一部です。

 

まとめ|犬種別・かかりやすい病気を知ることが「愛の第一歩」

 

この記事でお伝えしてきたことを振り返ります。

 

本記事のポイント

  • 犬種によってかかりやすい病気は明確に異なり、遺伝・体型・骨格が大きく関係している
  • フレンチ・ブルドッグやパグなどの短頭種は呼吸器疾患のリスクが特に高い
  • ダックスフンドは椎間板ヘルニア、ゴールデン・レトリーバーはがんリスクに注意が必要
  • 定期健診・体重管理・環境整備が「知っている飼い主」にできる最大の予防策
  • ペット保険は犬種のリスクを考慮して選ぶべき
  • 日本・世界ともに動物福祉の観点から犬種の繁殖・販売への規制が強化されている

犬との暮らしは、知識があるほど豊かになります。

「かわいいから飼いたい」という気持ちは尊いものです。でも、その気持ちに「責任ある知識」が加わったとき、はじめてその犬は本当に幸せになれます。


📌 今すぐできること:

気になる犬種が決まったら、まずかかりつけ獣医師に「この犬種でチェックすべき病気は何ですか?」と聞いてみてください。その一言が、愛犬との長く健やかな暮らしの始まりになります。


この記事が「犬を迎える前の準備」として役に立ったなら、ぜひ同じ気持ちを持つ友人・家族とシェアしてください。一人でも多くの飼い主が正しい知識を持つことが、犬たちの福祉向上につながります。


 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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