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ブリーダーの選び方|健康な犬を迎えるチェックポイント【保護犬という選択も】

ブリーダーの選び方

 

この記事を読んでほしい方

  • 初めて犬を迎える予定がある方
  • ブリーダーとペットショップの違いを知りたい方
  • 保護犬という選択肢に興味があるけど、一歩踏み出せない方
  • 動物福祉を意識したペットの迎え方を探している方

はじめに|「良いブリーダー」を見極めることが、命を守ることにつながる

 

「犬を迎えたい」と思ったとき、多くの人がまずペットショップやインターネットの犬販売サイトを開きます。

でも少し立ち止まって考えてみてください。

その犬はどこで生まれ、どんな環境で育ったのでしょうか。 親犬は今、幸せに暮らしているのでしょうか。

犬を迎えるという選択は、単なる買い物ではありません。 一頭の命と、その背景にある繁殖環境すべてに関わる行為です。

 

この記事では、ブリーダーの選び方として押さえるべき5つのチェックポイントを、データと専門知識にもとづいて解説します。

そして同時に、もう一つの選択肢として「保護犬を迎えること」の意味と、その具体的な方法についても、正直にお伝えします。


現状の問題|知られていない「犬の流通」の実態

 

毎年、何万頭もの犬が殺処分されている

環境省の統計によると、2022年度に全国の自治体で引き取られた犬の数は約2万1千頭。そのうち殺処分された犬は約3,700頭にのぼります(環境省「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」2022年度)。

ピーク時(2000年代前半)と比べると大幅に減少していますが、それでも1日に約10頭の犬が命を失っている計算になります。

 

ペットショップの「裏側」にあるもの

日本ではペットショップで犬を購入することが一般的ですが、その裏側には見えにくい問題があります。

  • 繁殖犬の過酷な環境:狭いケージで何年も繁殖のために使われる母犬
  • 早期離乳:本来8週齢以降でなければならない離乳が、流通の都合で早まるケース
  • 遺伝疾患のリスク:健康チェックが不十分な繁殖により、遺伝病を持って生まれる犬が増える

2022年6月に改正された動物愛護法では、犬の販売は生後56日(8週齢)以降とする規制が完全施行されましたが、すべての問題が解決されたわけではありません。

 

「良いブリーダー」と「悪いブリーダー」は何が違うのか

ブリーダーを選ぶ際、外見上の違いはわかりにくいものです。 しかし、根本にある「犬への向き合い方」は大きく異なります。

この章で挙げた問題は、ブリーダー選びを慎重に行うことで、確実に避けられるリスクです。


よくある疑問にお答えします(Q&A)

 

Q1. ブリーダーから買う場合、ペットショップと何が違うの?

 

A. 最大の違いは「犬の生育環境を直接確認できること」です。

優良なブリーダーは、見学を歓迎し、親犬の様子や繁殖環境を包み隠さず見せてくれます。 一方で、見学を断るブリーダーや、「子犬の写真だけ」で売ろうとするブリーダーは注意が必要です。


Q2. ブリーダーは高いイメージがあるけど、実際は?

 

A. 価格だけで比較しないことが大切です。

優良ブリーダーは、遺伝子検査・ワクチン・健康診断などのコストをしっかりかけているため、ペットショップより高くなることもあります。 しかし、のちの医療費リスクを考えると、長期的には安くなるケースが多いです。


Q3. 保護犬って、問題があるから捨てられたんじゃないの?

 

A. これは大きな誤解です。

保護犬の多くは、飼い主の病気・引越し・経済的理由など、犬自身には何の落ち度もない理由で手放されています。 性格や健康状態は、保護団体が丁寧にアセスメントしており、適切なマッチングが行われています。


Q4. 子犬じゃないと、なつかないよね?

 

A. そんなことはありません。

成犬の保護犬でも、愛情ある環境に置かれれば十分になつきます。 むしろ成犬はしつけが済んでいる場合が多く、生活リズムも安定しやすいというメリットがあります。


実践パート|ブリーダーを選ぶ5つのチェックポイント

 

チェックポイント① 見学を歓迎しているか

良いブリーダーは必ず見学させてくれます。

 

訪問時に確認すべきポイントは以下の通りです。

  • 犬舎の清潔さ・においの状態
  • 親犬の健康状態と性格
  • 子犬がのびのびと過ごしているか
  • スタッフが犬に愛情を持って接しているか

「見学はできません」「写真だけ送ります」という対応は、絶対に避けるべき警戒サインです。


チェックポイント② 遺伝子検査・健康診断を実施しているか

犬種によって注意すべき遺伝疾患は異なります。

 

たとえば:

  • ゴールデンレトリバー:股関節形成不全、眼疾患
  • フレンチブルドッグ:椎間板ヘルニア、短頭種気道症候群
  • トイプードル:膝蓋骨脱臼、進行性網膜萎縮症

優良ブリーダーは、これらの遺伝子検査を繁殖前に実施しており、検査結果の書類を提示できます。

「うちは健康な子しかいません」という口頭の保証は、根拠にはなりません。書類で確認しましょう。


チェックポイント③ 繁殖頭数・頻度が過剰でないか

一頭の母犬に対して、年に何度も出産させることは、母犬の健康を著しく損ないます。

 

チェック方法:

  • 同時に何頭の子犬を販売しているか
  • 同じ親犬から頻繁に産まれていないか
  • 引退した繁殖犬の行き先を明確にしているか

犬を「商品」としてではなく「命」として扱っているかどうかが、ここで見えてきます。


チェックポイント④ アフターサポートが充実しているか

良いブリーダーは、犬を渡した後も関係が続きます。

 

確認すべき内容:

  • 困ったときに相談できる体制があるか
  • 万が一飼育困難になった場合の引き取り保証があるか
  • 定期的な近況確認を行っているか

「売ったら終わり」ではなく、一緒に犬の人生を見守るスタンスのブリーダーを選びましょう。


チェックポイント⑤ 動物取扱業の登録・実績を確認する

日本では、ブリーダーとして営業するには第一種動物取扱業(繁殖)の登録が義務づけられています(動物愛護法第12条)。

登録番号を持っているかどうかは、問い合わせれば必ず確認できます。 登録番号を提示しないブリーダーは、違法業者である可能性があります

 

また、実績として以下も確認すると良いでしょう:

  • ブリーダー歴の年数
  • 過去の購入者のレビュー・口コミ
  • ブリーダー協会への加盟状況

保護犬という選択|これは「妥協」ではなく「もう一つの本道」

 

ここで、強くお伝えしたいことがあります。

犬を迎えるとき、保護犬という選択肢は「かわいそうだから助けてあげる」ものではありません。

それは、一頭の命と真剣に向き合い、動物福祉の未来に参加するという、誇り高い選択です。


保護犬を迎えるメリット

 

① 命を救うことができる

日本全国には、今この瞬間も保護施設で暮らしながら里親を待っている犬が何万頭もいます。 あなたが一頭を迎えることで、一つの命が救われ、次の保護犬を受け入れるスペースが生まれます。

 

② アセスメントされた性格・健康状態を確認できる

保護団体は、引き取った犬の性格・健康状態・他の犬や子どもとの相性などを丁寧に評価します。 「どんな性格の犬か」がある程度わかった状態で迎えられるのは、むしろ安心です。

 

③ 迎えるまでのサポートが充実している

多くの保護団体では、トライアル制度(一定期間試験的に一緒に暮らす)や、迎えた後の相談サポートも行っています。


保護犬を迎える際の注意点(デメリットも正直に)

保護犬の迎え方にも、知っておくべきことがあります。

  • 過去のトラウアを持つ場合がある:虐待や放浪経験から、特定の状況を怖がることがあります
  • 審査がある:住環境・家族構成・飼育経験などの審査があり、時間がかかることも
  • 成犬が多い:子犬を希望している場合、選択肢が限られることがあります

ただし、これらは「デメリット」というより、保護犬を迎えることへの誠実な準備のためのプロセスです。


保護犬を迎える方法|具体的な手順

 

STEP 1:保護団体・シェルターを探す

  • 環境省「ペットのおうち探し」ポータルサイト
  • 各都道府県の動物愛護センター
  • 民間の保護犬団体(NPO・ボランティア)

 

STEP 2:見学・面会の申し込み

実際に犬に会うことが大切です。 性格や雰囲気を確認し、自分の生活スタイルに合うかを確認しましょう。

 

STEP 3:譲渡審査・トライアル

保護団体の審査を受け、承認されればトライアル期間へ。 この期間に犬との相性を確認できます。

 

STEP 4:正式譲渡

トライアルが成功すれば、正式に家族として迎えられます。 多くの場合、譲渡費用(ワクチン・避妊去勢手術費用など)は実費程度です。


実体験エピソード|保護犬「ムギ」との生活が教えてくれたこと

 

※以下は、保護犬を迎えた飼い主さんの体験を参考にした構成エピソードです。


東京都内に住むAさん(40代・女性)は、長年「犬を飼うなら子犬から」と考えていました。

しかし、友人から保護犬の話を聞き、一度だけ保護施設を見学することに。

そこで出会ったのが、4歳のミックス犬「ムギ」。 人見知りで最初は距離を置いていたムギでしたが、3週間のトライアルが終わる頃には、毎朝Aさんの布団に潜り込んでくるようになっていました。

「子犬じゃないからなつかないと思っていたけど、全然違いました。むしろ成犬だからこそ、信頼関係ができたときの喜びが深い気がします」

ムギは今、Aさんの生活に欠かせない存在になっています。


このエピソードは特別なケースではありません。 保護犬を迎えた多くの人が、「最初の不安が嘘だった」と話します。


注意点|これだけは避けてほしい「危険なブリーダー・販売者」のサイン

 

絶対に避けるべき6つのサイン

  1. 見学を断る・写真だけでの販売
  2. 動物取扱業の登録番号を提示しない
  3. 遺伝子検査・健康診断の書類がない
  4. 「今すぐ決めないと売れます」と急かしてくる
  5. 価格が相場より極端に安い
  6. ネットオークション・フリマアプリでの販売(動物の販売は規制あり)

 

「かわいい写真」に流されないために

SNSやWebサイトにあふれる「かわいい子犬の写真」は、悪質業者も多用しています。

写真だけで判断せず、必ず実際に会いに行くこと。 これが、健康な犬を迎えるための最低限のルールです。


社会的視点|動物福祉は今、大きな転換期を迎えている

 

法律と社会意識の変化

2022年に施行された改正動物愛護法では、以下の点が強化されました。

  • 犬・猫の販売は生後56日以降に限定
  • マイクロチップの装着・登録が義務化(2022年6月~)
  • 動物取扱業者への規制強化

また、環境省は「人と動物の共生する社会」の実現に向けて、保護動物の譲渡促進や適正飼養の普及に継続的に取り組んでいます。

 

世界の動向と日本の現在地

欧米では、ペットショップでの犬・猫の販売を禁止する国・地域が増えています。

  • イギリス:2020年に「ルーシーの法律」施行。ペットショップでの子犬・子猫販売を禁止
  • カリフォルニア州(アメリカ):ペットショップでの販売を保護動物のみに限定

日本はまだこれらの基準に達していませんが、消費者一人ひとりの「どこから迎えるか」という選択が、業界の在り方を変える力を持っています。

 

あなたの選択が、未来をつくる

1人の消費者が「見学できないブリーダーからは買わない」と決めるだけで、悪質業者は成り立たなくなります。

1人の里親希望者が保護施設の扉を開くだけで、1頭の命が救われ、次の保護犬のスペースが生まれます。

動物福祉は、遠い問題ではありません。 あなたの選択の中に、すでに答えがあります。


まとめ|ブリーダー選びの5つのチェックポイントと「もう一つの道」

 

この記事でお伝えしたことを、最後に整理します。

 

ブリーダーを選ぶ5つのチェックポイント

 

# チェック項目 確認ポイント
見学を歓迎しているか 犬舎・親犬・環境を直接確認
遺伝子検査・健康診断の書類があるか 犬種別の遺伝疾患リスク確認
繁殖頭数・頻度が過剰でないか 母犬への負担・引退後の扱い
アフターサポートがあるか 相談体制・引き取り保証
動物取扱業の登録があるか 登録番号の確認(動物愛護法)

 

そして、忘れないでほしいこと

ブリーダーから健康な犬を迎えることも、保護犬と新しい生活を始めることも、どちらも尊い選択です。

しかし今この瞬間、何万頭もの犬が保護施設で里親を待っています。

まだ保護犬という選択肢を真剣に考えたことがなかったなら、ぜひ一度、近くの動物愛護センターや保護団体のウェブサイトを開いてみてください。

そこに、あなたを待っている「縁の犬」がいるかもしれません。


一頭の命と向き合う選択が、あなたと犬、そして社会の未来を変えます。 今日、最初の一歩を踏み出してみましょう。


参考情報

  • 環境省「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」[環境省公式サイト]
  • 環境省「動物の適正な飼養及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針」
  • 動物愛護法(動物の愛護及び管理に関する法律)
  • 各都道府県動物愛護センター(※自治体ごとに検索してください)

この記事は動物福祉の普及を目的として作成されています。特定のブリーダー・団体を推薦・批判するものではありません。


 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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