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デグーは懐く?懐かない?慣らし方を動物福祉の視点から徹底解説

デグーは懐く?懐かない?

 


「デグーって本当に懐くの?」

この疑問を持って、この記事にたどり着いたあなたは、きっとデグーに興味があるか、すでにお迎えしたものの「なかなか懐いてくれない……」と悩んでいるのではないでしょうか。

デグーは「懐く小動物」として人気を集めています。しかし実際には、すべてのデグーがすぐに懐くわけではありません。 個体差・環境・接し方によって、その子の「懐き度」は大きく変わります。

 

この記事では、デグーが懐く理由・懐かない理由、そして科学的・動物福祉的な視点に基づいた慣らし方を徹底的に解説します。この記事を読み終えたとき、あなたとあなたのデグーの関係は、きっと一歩前進しているはずです。


デグーとはどんな動物?懐くと言われる理由

 

社会性が高い群れの生き物

デグーは南米チリ原産のげっ歯類で、学名を Octodon degus といいます。野生では5〜10頭の群れを形成して生活し、高度なコミュニケーション能力を持つことが知られています。

その社会性の高さこそが、「デグーは懐く」と言われる最大の理由です。

  • 鳴き声でコミュニケーションを取る(15種類以上の鳴き声があるとされる)
  • 仲間と毛づくろいをし合う(アログルーミング)
  • 親子間・兄弟間で強い絆を形成する

このような特性から、人間を「群れの仲間」と認識するようになると、非常によく懐くという行動が生まれます。

 

環境省も認める「飼いやすさ」の注意点

環境省が定める「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」では、動物の習性・行動欲求を満たすことが飼い主に求められています。デグーのような社会性動物は、孤独なケージ飼いだけではストレスが蓄積しやすく、懐かない原因にもなります。

つまり、「懐かせること」は単なるペットの調教ではなく、動物福祉そのものと深く関わっているのです。


デグーが懐かない?よくある原因と現状

 

なぜ懐かないのか:3つの主な理由

デグーが懐かないと感じるとき、多くの場合は以下のいずれかが原因です。

 

① お迎えしたばかりで環境に慣れていない

新しい環境は、デグーにとって非常に大きなストレスです。においが違う、音が違う、人間が近くにいる——これらすべてが「脅威」に映る可能性があります。

お迎え直後の1〜2週間は、特に慣らしに時間がかかる時期です。「全然なついてくれない」と感じても、まず最低2週間は様子を見ることが大切です。

 

② 接し方が怖がらせている

上から手を差し伸べる、突然つかむ、大きな声を出す——こうした行為は、天敵(猛禽類など)からの攻撃と似ており、デグーを恐怖に追い込みます。

 

③ 個体差・トラウマがある

ペットショップでの扱われ方や、前の飼育環境によっては、人間に対して強い恐怖心を抱いているデグーもいます。こうした個体は、慣らしに数ヶ月かかることも珍しくありません。

 

データで見る:小動物の飼育実態

一般社団法人ペットフード協会が発表した「全国犬猫飼育実態調査」(2023年)では、小動物(ハムスター・うさぎ・モルモット等)の飼育率は全体の約7.4%とされています。デグーはその中でも近年急速に人気が高まっており、ブリーダーや専門ショップの数も増加傾向にあります。

 

一方で、飼育者の多くが「思ったより懐かない」「接し方がわからない」という悩みをSNSやコミュニティで吐露しているのも事実です。正しい情報不足が、飼育放棄や不幸な飼育環境につながるケースも少なくありません。


Q&A:デグーの「懐く・懐かない」についてよくある質問

 

Q1. デグーはどのくらいで懐きますか?

 

個体差がありますが、早い子で1〜2ヶ月、平均的には3〜6ヶ月でよく懐くようになります。中には1年以上かかる子もいますが、焦らず関係を築くことが大切です。

 

Q2. 1匹飼いと複数飼い、どちらが懐きやすいですか?

 

1匹飼いの方が、人間に懐きやすい傾向があります。 2匹以上飼育すると、デグー同士の絆が深まり、人間への依存度が下がることがあります。ただし、デグーは社会性動物であるため、1匹飼いは孤独ストレスのリスクがあります。

動物福祉の観点から言えば、可能な限り複数飼育が推奨されます。 ただし、多頭飼いでも丁寧に人との関係を築けば、十分に懐かせることは可能です。

 

Q3. オスとメス、どちらが懐きやすいですか?

 

一般的にオスの方が人懐っこい傾向があると言われていますが、これは個体差の方が大きく、一概には言えません。ブリーダーや専門店に相談しながら選ぶことをおすすめします。

 

Q4. 噛まれてしまいます。どうすれば?

 

デグーが噛む理由は主に「恐怖」か「好奇心(探索行動)」です。 恐怖による噛みつきの場合は、接し方の見直しが必要です。好奇心による甘噛みの場合は、関係が深まっているサインでもあります。

 

Q5. 手に乗ってくれません。問題ですか?

 

手に乗ることだけが「懐いた」証拠ではありません。近くに来てくれる、声に反応する、目が合っても逃げない——こうした行動も、立派な信頼のサインです。


デグーの慣らし方:ステップ別・実践的な手順

 

ステップ1:最初の1〜2週間は「見守り期間」

お迎えしたばかりのデグーには、まず環境に慣れてもらうことを最優先にしましょう。

  • ケージを静かな場所に設置する
  • 無理に触ろうとしない
  • 話しかける程度にとどめる
  • 決まった時間に世話をして、生活リズムを覚えさせる

「かわいくて触りたい!」という気持ちはよくわかりますが、ここでの焦りが後の信頼関係を壊す大きな原因になります。

 

ステップ2:声に慣れさせる(1〜3週目)

デグーは耳がよく、声のトーンや種類を識別する能力があります。

  • 毎日同じトーン・テンポで話しかける
  • 名前を繰り返し呼ぶ
  • 高すぎない、穏やかな声で接する

この段階で、デグーがあなたの声に反応してこちらを向いたり、鳴いて返事をするようになったら、確実に関係が前進しています。

 

ステップ3:手のにおいを覚えさせる(2〜4週目)

次に、ケージの外から手を差し入れて、においを嗅がせる練習を始めます。

  • 石鹸や香水のにおいが強い手は避ける
  • 手を突然動かさない
  • デグーが自分から近づいてくるまで待つ

この「待つ」という行為が、デグーとの関係構築において最も重要です。人間側が主導権を持たず、デグーに選択肢を与えることが、信頼形成の核心です。

 

ステップ4:手からおやつを与える(3〜5週目)

デグーが手に近づくようになったら、手のひらにおやつを乗せて食べてもらう練習を始めましょう。

おすすめのおやつ:

  • 乾燥チンゲンサイ・乾燥野菜(市販のデグー用おやつ)
  • 無糖のカボチャの種(少量)
  • ローズヒップ(ビタミンC補給にもなる)

⚠️ デグーは糖分に非常に弱く、糖尿病になりやすい動物です。フルーツや砂糖を含むおやつは厳禁です。これはデグーの最も重要な食事上の注意点であり、動物福祉上も見逃せないポイントです。

 

ステップ5:手に乗せる練習(1〜3ヶ月目)

おやつを食べながら手の上に乗ってくれるようになったら、少しずつ手を持ち上げてみましょう。

  • 最初は数センチだけ
  • デグーが緊張したらすぐに元に戻す
  • 無理に追いかけない

デグーが「自分の意志で手に乗る」体験を積み重ねることが、真の懐きへとつながります。


デグーを懐かせることのメリット・デメリット

 

メリット

 

項目 内容
健康管理のしやすさ 体のチェックや爪切りがスムーズになる
精神的豊かさ デグーも人間も、コミュニケーションによりストレスが軽減される
観察の深まり 個体の体調変化に気づきやすくなる
長期的な絆 デグーの平均寿命は5〜8年。長い時間を共に過ごせる

 

デメリット・注意点

  • 懐かせることへの過度な期待はストレスの元(人間側にとっても、デグー側にとっても)
  • 手に乗ることに慣れすぎると、放し飼い中の事故リスクが上がる
  • 複数いる場合、1頭だけ懐いて他が懐かないというケースもある

実体験エピソード:懐かなかったデグーが変わった日

 

ある飼い主さんの話をご紹介します(本人の許可を得た再現エピソードです)。

チョコという名前のデグーをお迎えしたAさんは、3ヶ月経っても一切手に近づかないチョコに「懐かない子なのかも」と半ばあきらめていました。

ある日、仕事の疲れから声をかける元気もなく、ただケージの前にぼんやり座っていたAさん。するとチョコが、ゆっくりと近づいてきて、柵越しにAさんの指をそっと嗅いだのです。

「何もしなかった日が、一番近づいてくれた日だった」——Aさんはそう振り返ります。

デグーの慣らし方の本質は、テクニックや手順ではなく、「待てる人間になること」かもしれません。


慣らし方の注意点:やってはいけないNG行動

 

NG1:いきなりつかむ

デグーを上から突然つかむ行為は、天敵からの捕食行動に酷似しています。信頼関係が壊れるどころか、トラウマになることも。

 

NG2:大きな音・急な動き

デグーは聴覚・視覚ともに優れており、刺激に非常に敏感です。テレビの音量、ドアをバタンと閉める音なども、慣らし期間中はできるだけ避けましょう。

 

NG3:飽きて放置する

「懐かないから」とケージを見なくなると、デグーは孤独ストレスを受け、さらに人間を怖がるようになります。毎日少しでも声をかける習慣を続けることが大切です。

 

NG4:ケージが不衛生・狭すぎる

ストレスの少ない環境が、懐きやすさにも直結します。環境省が推奨するように、動物の自然な行動欲求(走る、登る、掘るなど)が満たされるケージサイズと環境整備が必要です。


動物福祉の観点から見る:デグーと人間の関係の未来

 

「懐く」ことの先にあるもの

近年、日本でも動物福祉(アニマルウェルフェア)への意識が高まっています。農林水産省をはじめ、国際獣疫事務局(WOAH)が提唱する「5つの自由」(飢え・渇きからの自由、苦痛・傷病からの自由、恐怖・苦悩からの自由、正常な行動を表現する自由、不快からの自由)は、デグーの飼育においてもそのまま当てはまります。

つまり、「デグーを懐かせること」とは、デグーに恐怖のない生活を提供することと同義なのです。

 

ペット文化の変化と小動物の立ち位置

コロナ禍以降、在宅時間の増加とともにデグーをはじめとする小動物の需要が急増しました。一方で、飼育放棄や動物取扱業者の問題も浮上し、2021年の改正動物愛護管理法施行により規制が強化されています。

責任ある飼い主として、デグーの習性を正しく理解し、長期的な関係を築く覚悟を持つことが、今の時代に求められています。

 

デグーの「懐く」行動は、信頼の証

デグーが手に乗る、名前に反応する、そばでくつろぐ——これらはすべて、「あなたのことを信頼している」というデグーからのメッセージです。

その信頼は、押しつけや強制では絶対に得られません。時間をかけて、デグーのペースを尊重しながら積み上げた関係だからこそ、深く長く続くのです。


まとめ:デグーは懐く。ただし、時間と信頼が必要

 

この記事でお伝えしてきた内容を整理します。

  • デグーは社会性が高く、正しい接し方をすれば十分に懐く動物です
  • 懐かない原因の多くは、接し方・環境・焦りにあります
  • 慣らし方は「段階的に、デグーのペースで」が鉄則
  • 動物福祉の観点から見ると、懐かせることはデグーの精神的健康と直結しています
  • 個体差があるため、焦らず・あきらめずが最も大切な姿勢です

デグーとの関係は、一日にして成らず。でも、確実に深まっていきます。


✅ 今日からできる一歩:ケージの前に座って、ただ穏やかに声をかけてみてください。それだけで、あなたとデグーの信頼関係は始まっています。


参考資料・出典

  • 環境省「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」
  • 農林水産省「アニマルウェルフェアについて」
  • 国際獣疫事務局(WOAH)「動物の福祉に関する基準」
  • 一般社団法人ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査 2023年版」
  • 改正動物愛護管理法(2021年施行)

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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