デグーを飼って後悔する理由7選|飼う前に知っておくべき現実と正しい飼い方

はじめに|「デグーを飼って後悔した」という声が増えている理由
「デグーを飼って後悔した」
SNSやペット系の掲示板で、こんな言葉を目にすることが増えています。
かわいらしい外見、賢さ、社交性——。デグーはたしかに魅力的な動物です。しかし、衝動的に迎え入れた後に「こんなはずじゃなかった」と感じる飼い主が後を絶たないのも現実です。
この記事では、デグーを飼って後悔する理由を具体的に7つ挙げながら、後悔しない飼い方・迎え方についても丁寧に解説します。
「飼いたいけど不安」「すでに後悔しかけている」——そのどちらの方にも、この記事が役立つことを願っています。
本記事で分かること
- デグーを飼って後悔しやすい理由(具体的なエピソード付き)
- 後悔しないための事前チェックリスト
- 飼い始めてからのよくある疑問と解決策
- 動物福祉の観点からみたデグーとの正しい付き合い方
デグーとはどんな動物か?基本情報を整理する
後悔の話に入る前に、まずデグーの基本を押さえておきましょう。
デグー(Octodon degus)は、南米チリ原産のげっ歯類です。野生では群れを作って生活し、高い社会性と知能を持つことで知られています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分類 | 齧歯目・テンジクネズミ亜目・タコマネズミ科 |
| 原産地 | チリ(アンデス山脈の西側) |
| 体長 | 約15〜18cm(尾を除く) |
| 寿命 | 平均6〜8年(飼育下) |
| 特徴 | 高い知能・社会性・昼行性・糖尿病になりやすい |
環境省の統計によると、小動物全体のペット放棄・遺棄件数は増加傾向にあり、中でも「飼育の難しさを事前に知らなかった」というケースが多数を占めています(※環境省「動物の適正な飼養及び管理に関する普及啓発」参照)。
デグーもその例外ではありません。「かわいいから」という理由だけで迎えてしまい、後悔するケースが増えているのです。
デグーを飼って後悔する理由7選
理由①|声が大きく、鳴き声がうるさいと感じる
デグーは非常によく鳴く動物です。野生では仲間と複雑なコミュニケーションをとるため、多彩な鳴き声を持っています。
研究では15種類以上の鳴き声が確認されており、これは小動物の中でもトップクラスの多さです。
問題になりやすいのは、要求鳴きと呼ばれる行動です。
- 食事をねだるとき
- 遊んでほしいとき
- 仲間(飼い主や他のデグー)を求めるとき
これらのタイミングで大きな声で鳴き続けることがあります。特に朝や夕方、活動が活発になる時間帯は要注意です。
集合住宅や壁の薄い環境では、苦情の原因になることも。「こんなに鳴くとは思わなかった」という声は、後悔の理由として非常によく聞かれます。
理由②|複数飼育が基本で、費用・手間が2倍以上になる
デグーは群れで生活する動物です。
1匹だけで飼うことは、動物福祉の観点から強く推奨されていません。孤独なデグーはストレスから毛を噛む(自咬症)、食欲不振、うつ状態のような行動を見せることがあります。
日本の動物園・水族館が加盟する日本動物園水族館協会(JAZA)も、社会性の高い動物については「同種間のコミュニケーション確保」を飼育指針に掲げています。
つまり、最低でも2匹以上での飼育が推奨されます。
これが意味することは:
- ケージのサイズが大きくなる
- 食費・医療費が倍になる
- 相性問題が発生することがある
- 繁殖に注意が必要(オス・メスを一緒にすると繁殖してしまう)
「1匹飼うつもりだったのに、結果的に5匹になってしまった」という話も珍しくありません。
理由③|医療費が高く、対応できる動物病院が少ない
デグーはエキゾチックアニマルに分類されます。
犬や猫に対応した動物病院は多くありますが、デグーを診られる獣医師はまだ限られているのが現状です。
さらに、デグーは糖尿病になりやすいという体質的な特徴を持っています。インスリン分泌の仕組みが他の動物と異なり、果物や炭水化物を与えると高血糖になりやすいのです。
よく発症しやすい病気:
- 糖尿病(白内障の合併症も多い)
- 歯の不正咬合
- 腫瘍
- 呼吸器疾患
エキゾチック動物専門のクリニックでは、1回の診察で5,000〜15,000円かかることも珍しくありません。
「突然具合が悪くなったのに、近くに診られる病院がなかった」——これもデグーを飼って後悔する大きな理由のひとつです。
理由④|寿命が長く、長期的なコミットメントが必要
デグーの平均寿命は6〜8年、長ければ10年以上生きることもあります。
ハムスターの2〜3年と比べると、はるかに長い付き合いになります。
これは一見メリットに思えますが、現実には
- 大学進学・就職・引越しなど生活の変化に対応しにくい
- 長期旅行に行けなくなる
- ペット可物件への引越しが必須になる
- 高齢になってからの介護が必要になることも
「気軽に飼えると思っていた」という認識のズレが、後悔の根本にある場合が多いのです。
環境省が定める「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」でも、飼い主には「最後まで責任を持って飼育する」ことが明記されています。
理由⑤|臭いの管理が難しく、部屋が臭う
デグー自体の体臭はそれほど強くありませんが、排泄物の臭いは無視できません。
特にオスのデグーは、縄張りを主張するためのマーキング行動をとることがあります。ケージ外を自由に歩かせると、あちこちにマーキングすることも。
また、砂浴び用の砂が床に散乱したり、チモシー(牧草)が部屋中に飛び散ったりすることも日常的です。
掃除の頻度の目安:
- ケージ内のトイレ:毎日
- 底材(床材)の交換:週1〜2回
- ケージ全体の洗浄:月1〜2回
「想像以上に掃除が大変だった」という声は多く、特に忙しいライフスタイルの方には負担になりやすいポイントです。
理由⑥|噛む・暴れるなど、慣れるまでに時間がかかる
デグーは賢い分、警戒心も強い動物です。
生まれて間もない頃から人間と接していたデグーであっても、新しい環境に移ると数週間〜数ヶ月かけて慣れていきます。
慣れる前は:
- 触ろうとすると噛む
- ケージを開けると逃げる
- ハンドリング(手に乗せる)をひどく嫌がる
この「慣れ待ち期間」に嫌気がさして後悔する方も少なくありません。
ただしこれは、デグー側の問題ではありません。適切な接し方をすれば、多くのデグーは人懐っこくなります。問題は「慣れるまでの正しいアプローチを知らなかった」ことにあります。
理由⑦|脱走・事故のリスクが高い
デグーは非常に素早く、隙間に入り込む能力が高い動物です。
ケージの扉を少し開けただけで脱走することがあり、部屋の中での事故(踏んでしまう、電気コードをかじるなど)も起こりやすいです。
実際の事故例:
- 電気コードをかじって感電
- 家具の隙間に入り込んで出られなくなる
- 飼い主が気づかず踏んでしまう
- 他のペット(猫・犬)に襲われる
ケージ選びや部屋の安全対策を怠ると、取り返しのつかない事故につながります。
よくある疑問にQ&A形式で答えます
Q1. デグーは1匹でも飼えますか?
A:可能ですが、推奨されません。
1匹飼育はデグーに大きなストレスを与えます。もし1匹しか飼えない環境であれば、1日に複数回の濃密なコミュニケーションが必要です。それでも、同種間の社会的欲求を完全に満たすことはできません。
Q2. デグーはどのくらいの費用がかかりますか?
A:初期費用+月々の維持費を合わせると、年間で10〜20万円程度見ておく必要があります。
| 費目 | 概算 |
|---|---|
| デグー(1匹) | 5,000〜20,000円 |
| ケージ・用品(初期) | 20,000〜50,000円 |
| 食費(月) | 3,000〜5,000円 |
| 医療費(年) | 20,000〜50,000円以上 |
Q3. デグーを飼って後悔した場合、どうすればいい?
A:まず里親募集や専門団体への相談を検討してください。
「飼えなくなった」と感じたとき、野外への遺棄は絶対にしてはいけません。デグーは外来種であり、生態系への影響も懸念されます。環境省も外来種の遺棄を法律で禁じています(外来生物法)。
信頼できる里親を探すか、エキゾチックアニマルを専門とする動物保護団体に相談しましょう。
後悔しないためのデグーの正しい迎え方・飼い方
STEP 1:迎える前に「飼育の現実」を理解する
- 10年間、毎日世話ができるか自問する
- 対応できる動物病院を事前にリサーチする
- 同居家族全員の同意を得る
STEP 2:適切な環境を整える
- ケージは広めのもの(幅60cm以上を推奨)
- 砂浴び用容器・回し車・かじり木を用意する
- 温度管理(18〜26℃)と湿度管理ができる環境
STEP 3:2匹以上を迎える場合の準備
- 同性同士(特にメス同士)が相性が良いことが多い
- 最初は別ケージで慣らしてから同居させる
- 繁殖を望まない場合は、避妊・去勢を検討する
STEP 4:信頼できるブリーダーやショップを選ぶ
- 動物の状態をきちんと説明してくれる
- 飼育方法についてアドバイスをくれる
- 生体の健康状態が明らかな場所から迎える
メリットとデメリット|正直に比較する
デグーを飼うメリット
- 非常に賢く、芸を覚えることができる(名前を呼ぶと来る、手に乗るなど)
- 表情や鳴き声が豊かで感情がわかりやすい
- 昼行性なので、飼い主の生活リズムに合いやすい
- 長寿で長期的な絆が築ける
- 毛並みが美しく、見ているだけで癒される
デグーを飼うデメリット
- 鳴き声が大きく、近隣トラブルになる可能性がある
- 医療費がかさむ・対応病院が少ない
- 複数飼育が基本で費用・手間が増える
- 脱走・事故のリスクがある
- 旅行など長期不在が難しくなる
実体験エピソード|後悔から学んだこと
ここで、実際にデグー飼育を経験した方の声をご紹介します。
Aさん(30代・一人暮らし)
「ペットショップで一目惚れして衝動買いしました。ケージやエサ代はなんとかなると思っていたのですが、最初の半年で歯の不正咬合が見つかり、治療費だけで8万円以上かかりました。
それよりつらかったのは、1匹で飼っていたデグーが明らかに寂しそうだったこと。調べてみると群れで生活する動物だと知って、すごく後悔しました。今は2匹で飼育していますが、最初から正しい情報を知りたかったです」
Bさん(20代・学生)
「大学の寮に持ち込んで飼い始めましたが、鳴き声が予想以上で、隣の部屋から苦情が来ました。泣く泣く実家に預けることになりましたが、環境が変わったデグーは体調を崩してしまって……。もっと事前に調べればよかったと思います」
これらのエピソードは、多くのデグー飼育者が経験する「あるある」です。
後悔の根本にあるのは「事前情報の不足」と「衝動的な判断」です。
この記事を読んでいる時点で、あなたはすでに正しい選択の入り口に立っています。
注意点|絶対に知っておくべきこと
1. 果物・甘いものは与えてはいけない
デグーは膵臓がインスリンをほとんど分泌しないという特異な体質を持っています。
果物や糖分の多い食べ物を与えると糖尿病を引き起こす可能性があります。チモシー(牧草)とペレットを主食にすることが基本です。
2. 砂浴びは毎日必要
デグーは砂浴びで体の脂分を調整します。入浴(水)は厳禁です。デグー専用の砂を用意し、毎日10〜15分程度砂浴びさせましょう。
3. 尾を引っ張ってはいけない
デグーは敵に捕まったとき、尾の皮膚が脱落するという防御反応を持っています。尾を強く引くと皮膚が剥けてしまい、二度と元には戻りません。
4. ストレスサインを見逃さない
以下のような行動はストレスのサインです
- 毛を自分でかじる(自咬症)
- 同じ場所をぐるぐる回る
- 食欲が著しく落ちる
- ケージの壁を噛み続ける
今後の社会的視点|動物福祉とデグー飼育の未来
近年、日本の動物福祉をめぐる法整備は急速に進んでいます。
2019年の動物愛護管理法の改正では、虐待の罰則強化・ブリーダー規制の厳格化が盛り込まれました。さらに2023年以降は、ペットショップでの生体展示に関する議論も活発化しています。
こうした流れの中で、「衝動的なペット購入を減らし、命を責任を持って迎える文化」への転換が求められています。
欧州では、一部の国でペットショップでの小動物の生体販売が禁止されており、動物の「ファイブ・フリーダムズ(五つの自由)」を守ることが飼育の基準とされています。
動物の五つの自由(英国農場動物福祉審議会 FAWC が提唱):
- 飢えと渇きからの自由
- 不快からの自由
- 痛み・傷害・病気からの自由
- 正常な行動を発現する自由
- 恐怖と苦悩からの自由
デグーはこの「五つの自由」が守られてはじめて、健康で幸せな一生を過ごすことができます。
飼い主としての私たちに求められているのは、かわいさを楽しむことだけでなく、動物の福祉を守るパートナーになることです。
デグーを飼って後悔しないためには、こうした視点を持つことが大切です。
まとめ|デグーを飼って後悔しないために
この記事では、デグーを飼って後悔する理由として以下の7つを挙げました。
- 鳴き声が予想以上に大きい
- 複数飼育が基本で費用・手間が増える
- 医療費が高く、対応病院が少ない
- 寿命が長く、長期コミットが必要
- 臭いと掃除の手間がかかる
- 慣れるまでに時間がかかる
- 脱走・事故のリスクが高い
しかし、これらは事前に知っていれば対処できることばかりです。
デグーは確かに手のかかる動物です。でも、その分だけ深い絆を結ぶことができます。正しい知識と覚悟を持って迎えれば、彼らは最高のパートナーになってくれるはずです。
「かわいい」という気持ちを大切にしながら、「責任を持って最後まで」という覚悟を重ねてください。
それができる人だけが、デグーとの暮らしを本当に楽しめます。
迎える前に、今一度自分に問いかけてみてください。
「10年後も、このデグーと一緒にいられますか?」
その問いに「はい」と答えられるなら、あなたはきっと素晴らしいデグーの飼い主になれます。
本記事は動物福祉の普及を目的として作成されています。医療的な判断については、必ず専門の獣医師にご相談ください。
参考:環境省「動物の愛護及び管理に関する法律」、日本動物園水族館協会(JAZA)飼育指針、英国農場動物福祉審議会(FAWC)「Five Freedoms」
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