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デグーが鳴き続ける理由とは?原因と正しい対処法を動物福祉の視点で徹底解説

デグーが鳴き続ける理由

 


はじめに|「うちのデグー、なぜずっと鳴いているの?」と思ったあなたへ

 

デグーを飼い始めてしばらく経ったころ、こんな経験をしたことはありませんか?

「夜中も朝も、ずっと鳴き続けている」 「鳴き声がうるさくて、近所に迷惑をかけていないか不安」 「何かを訴えているのかもしれないけど、何なのかわからない」

デグーが鳴き続ける理由は、単なる「クセ」や「性格」ではありません。

デグーは非常に高度なコミュニケーション能力を持つ動物であり、鳴き声はすべて何らかのメッセージです。 その声を正しく理解することは、デグーの健康と幸福を守る第一歩になります。

 

この記事では、デグーが鳴き続ける理由を科学的・動物福祉的な視点から徹底的に解説します。 鳴き声の種類から具体的な対処法まで、この記事だけで完結できるよう丁寧にまとめました。


デグーはなぜ鳴くのか?──高度なコミュニケーション能力を持つ動物

 

デグーの鳴き声研究が示す驚くべき事実

デグー(学名:Octodon degus)は、チリのアンデス山脈に生息するげっ歯類です。

野生では群れで生活し、外敵から身を守るために仲間と常に連絡を取り合います。 その手段として、15種類以上の異なる鳴き声を使い分けることが研究によって明らかになっています。

チリ大学をはじめとする複数の研究機関の報告によれば、デグーは

  • 仲間への呼びかけ
  • 警戒・危険の知らせ
  • 繁殖期のコミュニケーション
  • 母子間の絆を確認する声

…など、多彩な音声コミュニケーションを行うことが確認されています。

これは、単純な鳴き声しか持たない多くのげっ歯類とは一線を画す特徴です。

デグーが鳴き続けるのは「うるさい動物だから」ではなく、「それだけ豊かな感情と知性を持っているから」なのです。


デグーが鳴き続ける理由|7つの主なパターン

 

デグーが鳴き続ける原因は多岐にわたります。 以下に、特に頻繁に見られる7つのパターンをまとめました。

 

① 孤独・仲間を求めている(最多原因)

デグーは本来、群れで暮らす高度な社会性動物です。

1頭だけで飼育されている場合、強い孤独感とストレスを感じ、鳴き続けることがあります。

これは単なる「さみしがりや」ではなく、動物福祉の観点から見ると深刻な問題です。 群れの中で生きるべき動物が孤立した状態に置かれることで、慢性的なストレス状態(慢性ストレス症候群)に陥るリスクがあります。

具体例: ある飼育者の事例では、デグーを1頭飼いで半年間育てていたところ、毎夜2〜3時間鳴き続ける状態が続きました。 もう1頭を迎えたところ、鳴き続ける行動が大幅に減少したと報告されています。


② 空腹・水分不足

「キューキュー」「チューチュー」という短い鳴き声が続く場合、まず食事や水の状態を確認してください。

 

特に

  • えさ入れが空になっている
  • 給水ボトルが詰まっていて水が出ない
  • 食事の時間が大幅に遅れている

…といった状況で、デグーは声で訴えます。 これは生存本能に直結した鳴き声であり、放置してはなりません。


③ 体調不良・痛み

デグーが普段と違う鳴き声を出して鳴き続ける場合、病気や怪我のサインかもしれません。

 

特に注意が必要な状況

  • 「クークー」という低い、苦しそうな声
  • 動きが鈍くなっている
  • 食欲が落ちている
  • 体を縮めて丸まっている

デグーは痛みを隠す傾向があるため、声で異変を訴えているときはすでに症状が進んでいる可能性があります。 このような場合は、速やかにエキゾチック動物専門の獣医師に相談することが重要です。


④ 恐怖・ストレス

突然の大きな音、見知らぬ人の来訪、近くに猫や犬がいる環境など、外部からの脅威を感じたときにも鳴き続けます。

デグーが感じるストレス源は、飼育者が思っている以上に多岐にわたります

  • テレビや音楽の音量が大きい
  • ケージを頻繁に移動させる
  • 生活リズムが不規則
  • 日光が当たりすぎる、または当たらない

慢性的なストレスはデグーの免疫機能を低下させ、糖尿病や歯の病気など様々な健康問題の引き金になることが報告されています。


⑤ 飼育環境への不満

ケージが狭すぎる、運動不足、刺激が少ない環境でも、デグーは鳴き続けます。

デグーは知能が高く、退屈や欲求不満をストレスとして強く感じる動物です。

環境省が策定した「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(平成14年告示)でも、飼育動物の行動ニーズ(本来行動の発現)を満たすことが飼育者の責務として明記されています。 デグーにとっての「本来行動」とは、走り回る、穴を掘る、仲間と遊ぶ、物を齧るといった行動です。これらが満たされていないと、鳴き続けることで不満を表現します。


⑥ 発情・繁殖行動

発情期のデグーは、繁殖相手を求めて鳴き続けることがあります。

特にオスのデグーは発情期に鳴き声の頻度と音量が増す傾向があります。 この場合は生理的な行動であり、無理に止めることはできませんが、不必要な繁殖を防ぐためにも性別を確認したうえでの適切な飼育管理が求められます。


⑦ 飼育者への甘え・コミュニケーション要求

デグーは飼育者との絆を深く求める動物です。

「ピッピッ」「チッチッ」という軽快な鳴き声は、「遊んで」「かまって」というポジティブなサインであることが多いです。

この声を「うるさい」と無視し続けると、デグーはより強く鳴くようになり、最終的に人間不信につながるケースもあります。 コミュニケーションの要求には、できる限り応えてあげることが、信頼関係の構築に大きく貢献します。


デグーの鳴き声図鑑|種類別・意味別まとめ

 

デグーが鳴き続ける理由をより深く理解するために、鳴き声の種類と意味を整理しておきましょう。

 

鳴き声の特徴 意味・状態 対応方法
ピッピッ(高く軽快) 嬉しい・遊びたい 積極的にかまってあげる
キューキュー(短く繰り返し) 空腹・不満 食事・水の確認
チュチュチュ(連続) 仲間を呼んでいる 孤独の解消を検討
クークー(低く苦しそう) 痛み・体調不良 獣医師に相談
ギーギー(高くかん高い) 恐怖・威嚇 脅威を取り除く
歯ぎしり音 満足・リラックス 良好なサイン
ジリジリ(長く続く) 強いストレス・警戒 環境の見直し

 

この表はあくまで目安です。 同じ鳴き声でも状況や個体によって意味が異なることがあります。日頃から観察を重ね、あなたのデグー固有のパターンを把握することが大切です。


よくある疑問に答えます|Q&A形式

 

Q1. デグーが夜中に鳴き続けるのはなぜ?

 

A. デグーは基本的に昼行性の動物です。夜中に鳴き続ける場合は、昼間の刺激が不足している、あるいは寝床環境に問題があることが考えられます。

また、1頭飼いの場合は夜間に孤独感が強まることもあります。 昼間に十分な運動と社会的刺激を与え、夜間は静かで暗い環境を整えることが有効です。


Q2. 鳴き続けることで病気になることはある?

 

A. デグー自身が鳴きすぎで病気になることは稀ですが、鳴き続ける原因となっているストレスや孤独感が、長期的に健康を害する可能性は十分にあります。

慢性的ストレスはコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌増加を引き起こし、免疫機能の低下、糖尿病リスクの上昇、毛並みの悪化などにつながることが動物医学の分野でも報告されています。


Q3. 鳴き声をやめさせる方法はある?

 

A. 「鳴かせない」ことを目標にするのではなく、「鳴く必要がない環境を整える」ことが本質的な解決策です。

デグーの鳴き声はメッセージです。 それを無理に封じることは、動物福祉的に問題があり、デグーの心身に悪影響を及ぼす可能性があります。


Q4. デグーを複数飼いにすれば解決する?

 

A. 孤独が原因の場合は、複数飼いが非常に有効です。 ただし、相性や性別の組み合わせによってはトラブルが起きることもあるため、慎重な導入が必要です。


デグーが鳴き続けるときの具体的な対処法・手順

 

STEP 1:まず「今すぐ確認すること」をチェック

鳴き続けているデグーを見たとき、まず以下を確認してください。

  • 水は出ているか(給水ボトルの詰まり確認)
  • 食事は十分にあるか
  • ケージ内に危険なものや脅威はないか
  • 体を触って痛がる場所はないか
  • 呼吸は正常か

これらに問題があれば、すぐに対応しましょう。


STEP 2:環境を見直す

次に、中長期的な環境改善を行います。

 

ケージの広さ: デグーに必要なケージの目安は、1頭あたり幅60cm×奥行45cm×高さ60cm以上が推奨されています。 こ れ以下の環境は運動不足やストレスの原因になります。

 

置き場所:

  • 直射日光が当たらない
  • エアコンの風が直接当たらない
  • テレビや大きな音源から離れている
  • 家族の気配が感じられる(完全に孤立させない)

温度・湿度管理: デグーに適した温度は18〜24℃、湿度は40〜60%程度です。 夏場の高温・高湿は特に注意が必要で、熱中症リスクが高まります。


STEP 3:刺激と運動の機会を増やす

知能の高いデグーには、精神的な刺激(エンリッチメント)が不可欠です。

 

具体的な方法:

  • 回し車(直径28cm以上推奨)の設置
  • かじり木・牧草の提供
  • 迷路おもちゃや食物を使ったパズルフィーダー
  • 毎日30分以上の部屋んぽ(部屋での自由遊び)
  • 飼育者との積極的なスキンシップ

STEP 4:社会的ニーズを満たす

1頭飼いでデグーが孤独による鳴き声を出している場合、もう1頭を迎えることを真剣に検討してください。

デグーの5つの自由(動物福祉の国際指針)のひとつに「本来の行動を表現できる自由」があります。 群れで生きる動物が群れで生きられる環境を整えることは、飼育者の重要な責務です。


STEP 5:それでも改善しない場合は獣医師へ

上記のすべてを試しても鳴き続ける場合や、以下の症状が見られる場合は、必ず専門家に相談してください。

  • 食欲がない・体重が減少している
  • 毛並みが悪くなっている
  • 動きが鈍い・反応が薄い
  • 眼脂(目やに)や鼻水が出ている

エキゾチック動物を専門とする獣医師は、一般の動物病院とは異なる知識と設備が必要です。 日本小動物獣医師会(JSVRA)や各都道府県の獣医師会のウェブサイトから、近隣のエキゾチック動物対応の病院を検索することができます。


デグーを複数飼いにするメリット・デメリット

 

メリット

  • 孤独によるストレスが大幅に軽減される
  • 自然な社会行動(毛づくろい、じゃれ合い)が見られる
  • 鳴き続ける行動が減ることが多い
  • デグー同士が遊び相手になり、飼育者の負担が軽減する場合もある
  • 精神的に安定し、長寿につながるケースもある

デメリット

  • 相性が悪い場合、喧嘩・怪我のリスクがある
  • 飼育コスト(えさ代・医療費など)が増加する
  • 繁殖を望まない場合、性別管理が必要になる
  • 導入時に隔離期間が必要など、手間がかかる

実体験エピソード|デグーの鳴き声に向き合った飼育者の話

 

ある飼育者Aさんは、デグーの「レモン」を1歳のときに迎えました。

最初の数ヶ月は特に問題なく過ごしていましたが、生後1年半を過ぎたころから、朝と夕方に30分以上鳴き続けるようになったといいます。

「最初はただ甘えているだけだと思っていました。でも、鳴き声のトーンが変わってきて、何か訴えているような気がして」

Aさんはエキゾチック動物専門の獣医師に相談。 獣医師からは「デグーは社会性動物。1頭での長期飼育は精神的ストレスになりうる」とアドバイスを受けました。

その後、相性確認を慎重に行いながら同性のデグーを1頭追加したところ、 鳴き続ける時間が著しく短くなり、2頭でじゃれ合う姿が毎日見られるようになったそうです。

「あの鳴き声は確かに、”仲間がいない”というSOSだったんだと思います」とAさんは振り返ります。


デグーの鳴き続けに関する注意点

 

無理に鳴き声を止めようとしない

スプレーで水をかける、ケージを叩くなどの行為は、デグーの恐怖を増大させ、さらに状況を悪化させます。 また、飼育者への不信感につながり、せっかく築いた関係が壊れてしまうことがあります。

 

市販の「超音波グッズ」に頼らない

インターネットには「動物の鳴き声を止める超音波グッズ」が販売されていますが、これらはデグーの鳴き声の根本的な原因を解決しません。 むしろ、超音波によるストレスを与える可能性があり、動物福祉的に問題のある製品も存在します。

 

「うるさいから」という理由で飼育をやめない

デグーが鳴き続けることを理由に飼育を放棄するケースが、残念ながら存在します。 しかし、鳴き続ける原因のほとんどは飼育環境や管理に起因するものです。

環境省の統計によれば、小動物を含む飼育動物の遺棄・放棄は動物の愛護及び管理に関する法律(動愛法)第44条により、1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象となります。

問題の原因を探り、解決する努力をすることが、飼育者の責任です。


動物福祉の視点から考える|デグーと私たちの関係の未来

 

「5つの自由」から見るデグー飼育の課題

国際的な動物福祉の基準として広く知られる「5つの自由(Five Freedoms)」は、1979年にイギリスの農場動物福祉委員会(FAWC)が提唱した考え方で、現在では世界中のペット飼育にも応用されています。

  1. 飢えと渇きからの自由(適切な食事・水の供給)
  2. 不快からの自由(適切な環境・住処の提供)
  3. 痛み・傷・病気からの自由(予防・治療)
  4. 本来の行動を表現できる自由(社会的ニーズの充足)
  5. 恐怖と苦悩からの自由(精神的ストレスの排除)

デグーが鳴き続けるとき、この5つのうちどれかが満たされていないサインである可能性が高いです。


日本の小動物福祉の現状と課題

日本では近年、犬や猫だけでなく、小動物を含む多様なペットへの関心が高まっています。 ペットフード協会の調査によれば、エキゾチックアニマルを含む小動物の飼育世帯数は年々増加傾向にあります。

一方で、小動物の福祉に関する正確な情報は、犬猫に比べてまだ広く普及しているとは言えません。

デグーに限らず、モルモット、チンチラ、フェレットなどの小動物に対しても、「かわいいから飼う」という段階から「正しく理解して飼う」という段階への意識変革が求められています。


デグー飼育コミュニティの力

近年、SNSやオンラインコミュニティを通じて、デグー飼育者同士が情報を共有し合う文化が育まれています。

鳴き声の動画を投稿して意見を求めたり、体験談を共有することで、多くの飼育者が問題を乗り越えています。

飼育の悩みを一人で抱え込まず、コミュニティを活用することも、動物福祉の向上につながる大切な行動です。


まとめ|デグーの声を「うるさい」で終わらせないために

 

この記事で紹介してきたように、デグーが鳴き続ける理由は多岐にわたります。

  • 仲間を求めている(社会的孤独)
  • 空腹・水分不足
  • 体調不良・痛み
  • 恐怖・慢性的なストレス
  • 環境への不満・退屈
  • 発情・繁殖行動
  • 飼育者へのコミュニケーション要求

これらのひとつひとつは、デグーからあなたへの大切なメッセージです。

デグーは鳴き声を通じて、「今、自分はこういう状態にある」と一生懸命伝えようとしています。 その声に耳を傾け、原因を探り、環境を改善していくことが、飼育者にできる最高のケアです。

動物福祉の世界では、「動物の声を聞くこと」が最も基本的な姿勢とされています。 デグーとの暮らしをより豊かにするために、今日からできることをひとつずつ始めてみてください。


あなたのデグーが今日も安心して鳴ける環境を、ぜひ一緒につくっていきましょう。

まず今すぐ、ケージの前に座ってデグーの声に耳を澄ませることから始めてみてください。 その一歩が、あなたとデグーの信頼関係を大きく変えるかもしれません。


この記事が役に立ったと思ったら、ぜひシェアをお願いします。 デグーの飼育に悩む飼育者の方々へ、正しい情報が届くことが動物福祉の向上につながります。


参考情報

  • 環境省「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(環境省告示)
  • 動物の愛護及び管理に関する法律(動愛法)
  • 日本小動物獣医師会(JSVRA)公式サイト
  • ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」

本記事は動物福祉の普及を目的として作成されています。個々の健康状態については、必ず専門の獣医師にご相談ください。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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