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動物嫌いな人の割合はどのくらい?データで見る日本の実態と動物福祉への影響

動物嫌いな人の割合はどのくらい?

 

「動物が苦手」と口にするとき、少し肩身の狭さを感じたことはありませんか。

あるいは逆に、「なんでそんなに動物が嫌いなの?」と不思議に思ったことがある方もいるかもしれません。

日本では動物好きのイメージが広まりがちですが、実際には約3人に1人が動物を苦手・嫌いと感じているというデータがあります。

 

この記事では、動物嫌いな人の割合について公的機関のデータをもとに解説しながら、その背景・原因・動物福祉との関係性まで深く掘り下げていきます。

「動物が好きな人」も「苦手な人」も、どちらにとっても読む価値のある内容を目指しました。


動物嫌いな人の割合——公的データで見る実態

 

内閣府調査では約25〜29%が「嫌い」と回答

内閣府が実施した「動物愛護に関する世論調査」によると、ペットを飼うことについて「嫌いなほう」または「大嫌い」と答えた人の割合は、平成12年(2000年)調査で29.0%にのぼりました。

その後、平成22年(2010年)調査では25.1%へとやや低下したものの、依然として4人に1人以上が動物に対して否定的な感情を持っているという結果が出ています。

この数字は決して小さくありません。

 

日本の成人人口に換算すると、数千万人規模が動物を苦手・嫌いと感じているということになります。

また、複数の民間調査や自治体アンケートでも、動物が苦手と答える人の割合は20〜30%程度という一貫した傾向が見られます。

たとえば滋賀県が実施した「動物愛護に関するアンケート」(平成18年・県政モニター300人対象)では、動物について「嫌いなほう」と答えた人が53名、「大嫌い」が1名という結果でした。


年齢・性別による差異

内閣府の調査では、以下のような傾向も見られました。

  • 動物が「好き」と答えた割合は20歳代・40歳代で高い
  • 動物が「嫌い」と答えた割合は60歳代・70歳以上で高い
  • 性別では、女性のほうが「嫌い」と答えた割合がやや高い傾向がある

高齢者に動物嫌いが多い背景には、かつての野良犬・野良猫による被害経験や、衛生観念の違いなどが影響していると考えられます。

一方で若い世代でも、アレルギーや生活環境の変化によって動物を苦手と感じる人は一定数存在します。


「ペット飼育率」と「嫌い割合」の対比

興味深いのは、ペットを飼っている世帯の割合と、動物が嫌いな人の割合が同時に一定数存在するという点です。

内閣府の同調査では、ペットを飼っている世帯は全体の約34〜37%程度。

つまり、飼育率よりも「嫌い・苦手」な人の割合のほうが実は近い数字を示しており、日本社会の中では動物好きと動物嫌いが常に隣り合わせで生活していることがわかります。

これは動物福祉を考えるうえで、非常に重要な視点です。


動物が嫌いになる理由5選

 

動物嫌いな人の割合がこれだけ存在するのには、それぞれの事情があります。

単なる「好き嫌い」で片付けるのではなく、その背景を理解することが、より良い社会づくりにつながります。


① 幼少期のトラウマ体験

「子どものころ、散歩中の大型犬に突然飛びかかられた」 「野良猫に引っかかれて血が出た」

こうした体験は、その後の動物への感情に大きな影響を与えます。

特に幼少期の恐怖体験は記憶に深く刻まれやすく、成人してからも「犬が近づいてくると体がこわばる」「猫が視界に入るだけで不安になる」といった形で残ることがあります。

これは性格や意志の問題ではなく、心理的な条件づけによるものであり、本人の努力だけで簡単に変えられるものではありません。


② アレルギーや体質的な問題

動物の毛やフケ、唾液などに反応するアレルギーを持つ人は、日本国内でも少なくありません。

くしゃみ・鼻水・目のかゆみ・喘息症状などが出るため、動物に近づくこと自体が身体的な苦痛を伴います。

「嫌いというわけではないが、体が受け付けない」という方も多く、これはれっきとした医学的な理由です。

アレルギーを持つ人にとって、公共の場や交通機関でのペット同伴は、想像以上のストレスになっていることを理解する必要があります。


③ 不衛生・においへの嫌悪感

動物特有のにおいや、毛の落下、排泄物への嫌悪感も、動物嫌いの大きな要因のひとつです。

「どれほど清潔にしていても、動物特有のにおいは完全には消えない」という事実があり、嗅覚が敏感な人や潔癖傾向のある人にとっては、生理的な不快感につながります。

これは動物を飼っている人には理解しにくい感覚かもしれませんが、否定するべき感情ではありません。


④ 飼い主のマナーへの不満

「動物自体は嫌いじゃないけれど、飼い主の態度が許せない」

このパターンも非常に多く見られます。

  • リードをつけずに犬を散歩させる
  • 糞の片付けをしない
  • 「噛まないから大丈夫」と言いながら他人に犬を近づける
  • 集合住宅での鳴き声問題を放置する

こうした飼い主のマナーの悪さによって、動物そのものへの嫌悪感が形成されてしまうケースは少なくありません。

飼い主の行動が、動物嫌いな人の割合を増やす一因になっているという視点は、動物福祉の観点からも非常に重要です。


⑤ 動物との接触経験がない・少ない

幼少期から動物と関わる機会がなかった場合、動物に対して「何をするかわからない」「怖い」という漠然とした不安を持つことがあります。

ペットのいる家庭で育っていない人、動物園や牧場などの体験が乏しかった人は、動物に対して単純に「よくわからないもの」として距離を置く傾向があります。

これは好奇心の問題ではなく、経験値の差からくるものです。


「動物嫌い」は性格が悪い?誤解を解く

 

「動物が嫌いな人は冷たい人間だ」

こういった偏見が、動物嫌いな人を追い詰めていることがあります。

しかし、これは明らかに誤りです。

動物への感情は、その人の人格とは無関係です。

困っている人に手を差し伸べる優しさや、他者への共感能力は、動物が好きかどうかとはまったく別の問題です。

 

むしろ、動物嫌いな人が肩身の狭い思いをしている現状こそ、動物好きサイドが見直すべき問題ではないでしょうか。

動物福祉を推進する立場にある人間であれば、「すべての人が動物を好きであるべき」という前提を疑うことが大切です。


「動物が嫌い=福祉に無関心」ではない

実は、動物嫌いな人の中にも「動物の命は大切にされるべき」と考えている人は多くいます。

「自分は苦手だけれど、殺処分はなくすべきだと思う」 「触れないけれど、虐待はひどいことだと感じる」

こういった感覚を持つ人は珍しくありません。

動物福祉は、動物を愛する人だけが支えるものではありません。

動物が嫌いな人の理解と協力も得られる社会設計こそが、真の動物共生社会への道です。


動物嫌いな人と飼い主のトラブル事例

 

動物嫌いな人の割合が一定数存在する社会では、生活上のトラブルも避けられません。

以下に、よくある事例を紹介します。


集合住宅でのトラブル

  • 「ペット不可物件なのに、隣の部屋から鳴き声がする」
  • 「廊下で突然大型犬に遭遇し、恐怖で外出できなくなった」
  • 「エレベーターにペットの毛が大量に落ちていて不快」

集合住宅における動物関連トラブルは、自治体への相談件数としても一定数を占めています。


公共の場でのトラブル

  • 「公園のベンチに犬の糞が放置されていた」
  • 「カフェやショッピングモールへのペット同伴が増え、居場所がなくなった」
  • 「電車でのペット持ち込みにより、アレルギー反応が出た」

ペットフレンドリーな社会が進む一方で、動物が苦手な人への配慮が追いついていない場面も多く見受けられます。


職場・人間関係でのトラブル

  • 「同僚のペット話に共感できず、職場に馴染めない」
  • 「SNSで動物嫌いな意見を投稿したら炎上した」
  • 「友人の家に行くたびにアレルギーが出てつらい」

「動物が嫌い」と言いにくい空気感は、人間関係にも影響を与えることがあります。


動物福祉の視点から見た「動物嫌いな人」の存在意義

 

ここで少し視点を変えてみましょう。

動物嫌いな人の存在は、動物福祉にとって「敵」でしょうか?

答えは、「NO」です。

むしろ、動物嫌いな人が存在するという事実は、動物福祉の推進において非常に重要な示唆を与えてくれます。


「動物好き」だけに閉じた問題にしない

現在、日本では殺処分数が年々減少しています。

環境省の統計によれば、2023年度(令和5年度)の犬・猫の殺処分数は9,017頭となり、過去最少を更新しました。

2004年には15万頭以上が殺処分されていたことと比較すると、70分の1以下という劇的な減少です。

 

この成果は、動物愛護の意識を持つ人たちの尽力によるものです。

しかし、殺処分ゼロを実現するためには、動物に関心が薄い人や苦手な人も含めた社会全体の理解が必要です。

動物福祉は、動物好きだけが支えるニッチな活動ではなく、生命倫理・公衆衛生・地域コミュニティといった広い文脈で語られるべき社会課題です。


動物嫌いな人が「迷惑を受けている」現状を直視する

動物嫌いな人や動物アレルギーのある人が、日常的に不快・不便・不安を感じている場面があることは事実です。

これを「動物好きのわがまま」として看過するのではなく、共生社会における課題として認識することが、動物福祉の推進者にも求められます。

飼い主のマナー向上や、公共空間の適切な設計は、動物の福祉を守ることと、動物が苦手な人の権利を守ることの両立につながります。


「動物が苦手な人の声」が制度改善につながる

実は、動物嫌いな人や動物に無関心な人からの苦情・意見が、ペット関連法規の改善や自治体のルール整備につながることがあります。

「迷惑だ」という声は、飼い主側に責任ある飼育を促す社会的圧力として機能します。

これは回り巡って、動物が適切に扱われる環境整備につながり、結果として動物の福祉向上に貢献している側面もあります。


動物と人が共生する社会をつくるために

 

動物嫌いな人の割合が約25〜30%存在する日本社会で、動物と人が本当に共生していくためには何が必要でしょうか。


飼い主側に求められること

  • リードや首輪の適切な使用:他者が恐怖を感じないよう管理する
  • 糞の始末の徹底:公共マナーとして当然の義務
  • 鳴き声・においへの配慮:近隣住民への影響を最小化する
  • アレルギーへの理解:「大丈夫?」ではなく「近づけても問題ない?」と確認する姿勢

行政・社会に求められること

  • ペットフリーゾーンの整備:動物が苦手な人も安心できる公共空間をつくる
  • 動物アレルギーへの配慮:交通機関・商業施設でのルール明確化
  • 動物愛護教育の推進:子どもの頃からの適切な動物との関わり方教育
  • マナー違反への対応強化:野放し散歩・糞放置への罰則周知

動物が苦手な人にできること

動物が苦手であることは、何も恥ずかしいことではありません。

ただ、以下のような姿勢を持つことは、社会全体にとってプラスになります。

  • 動物虐待・遺棄に対してNOと言う:好き嫌いに関わらず、命への尊重は共有できる
  • 殺処分問題を「他人事」にしない:社会課題として関心を持つ
  • 飼い主のマナー違反を見かけたら声を上げる:動物嫌いな人の声が制度改善を後押しする

動物好きと苦手な人がわかり合うために

動物好きの人が「なんで動物を嫌いになれるの?」と感じるのと同じように、動物嫌いな人は「なんでそこまで動物に入れ込めるの?」と感じることがあります。

この温度差は、おそらく永遠に完全には埋まらないものです。

 

しかし、お互いの感情を尊重し、共存のルールを作る努力をすることは、誰にでもできます。

動物福祉の本質は、「動物を好きな人だけが幸せになる社会」を目指すことではありません。

動物も人間も、どちらも不必要に苦しまない社会を目指すことです。

その実現には、動物嫌いな人の声も、動物好きな人の声も、同じように必要とされています。


まとめ

 

この記事では、動物嫌いな人の割合について以下の内容をお伝えしました。

  • 内閣府の世論調査では、約25〜29%が動物(ペット飼育)を「嫌い」と回答
  • 動物嫌いの主な理由はトラウマ・アレルギー・においへの嫌悪・飼い主のマナー不足・経験不足など多岐にわたる
  • 動物嫌いな人は「冷たい人間」ではなく、様々な事情を抱えている
  • 動物が好きではない人も含めた社会全体の理解と協力が、動物福祉の推進には不可欠
  • 飼い主のマナー向上・行政の制度整備・双方の相互理解が共生社会への道

日本の犬猫の殺処分数は着実に減少し、2023年度には9,000頭台という過去最少を更新しました。しかし、「動物と人の共生」という課題は、数字だけでは語れない複雑さを持っています。

動物を愛する人も、苦手な人も、それぞれの立場から「命を大切にする社会」をどう作るか——そのことを考えるきっかけに、この記事がなれたなら幸いです。


まず一歩、動物嫌いな人の気持ちを理解することから、共生社会は始まります。

あなたの周囲に動物が苦手な人がいたら、その気持ちを否定せず、ただ「そういう人もいるんだ」と受け入れてみてください。 それだけで、社会はほんの少し、やさしくなれるはずです。


本記事は内閣府世論調査・環境省統計データ・滋賀県県政モニターアンケートなどの公的資料をもとに作成しています。

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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