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犬の嘔吐・下痢が続くときに疑う病気と受診の目安|獣医師監修レベルの完全ガイド

犬の嘔吐・下痢が続くときに疑う病気と受診の目安

 

 

愛犬が吐いた。

そのとき、あなたは何を思いましたか?

「また食べすぎたのかな」と思えるときもあれば、「これ、大丈夫なのだろうか」と胸が締め付けられる感覚になることもあるはずです。

 

犬の嘔吐や下痢は、犬を飼っているとほぼ必ず直面する症状です。しかし、その原因は「ちょっとした胃の不調」から「命にかかわる重篤な疾患」まで、実に幅広い。

 

この記事では、犬の嘔吐・下痢が続くときに疑うべき病気、そしていつ病院に連れていくべきかの受診の目安を、できる限り具体的にお伝えします。

「もう少し様子を見よう」と思ってしまったことで、手遅れになってしまう——。そんなケースを一つでも減らしたいという思いで書いています。


犬の嘔吐・下痢はなぜ起こるのか?基本のメカニズムを知ろう

 

まず大前提として、犬という動物は人間よりも嘔吐しやすい体の構造を持っています。

犬の嘔吐反射は非常に敏感で、消化管の刺激に対して素早く反応できるよう進化してきました。これは野生時代に腐敗した食べ物などを素早く排出するための生存戦略だと考えられています。

だからこそ、1〜2回の嘔吐だけで「病気だ」と断定する必要はありません。

 

しかし、問題は「続く」ときです。

嘔吐や下痢が24時間以上続く、または繰り返す場合、それは体が「何か深刻なことが起きている」とサインを送っている可能性があります。

 

嘔吐と嘔気(むかつき)の違いを知る

嘔吐には大きく分けて2種類あります。

  • 胃性嘔吐:胃や消化管に問題があって起こる嘔吐
  • 中枢性嘔吐:脳や内耳など、消化管以外の問題が引き金になる嘔吐

中枢性嘔吐の場合、食欲があるのに吐く、食後すぐでなくても吐くといった特徴が見られます。

この違いを把握しておくと、動物病院での問診がよりスムーズになります。


犬の嘔吐・下痢が続くときに疑うべき主な病気

 

ここからが本記事のコアです。

症状が続くとき、どんな病気が考えられるのかを具体的に解説します。

 

胃腸炎(急性胃腸炎・慢性胃腸炎)

最も多い原因のひとつが胃腸炎です。

 

急性胃腸炎は、食べすぎ・食べ物の変化・拾い食いなどによって突然発症します。多くの場合、1〜3日で改善しますが、症状が強い場合や改善しない場合は獣医師の診察が必要です。

 

慢性胃腸炎は、数週間〜数ヶ月にわたって断続的に嘔吐・下痢が続く状態です。この場合、食物アレルギーや炎症性腸疾患(IBD)が背景にある可能性があります。

 

具体例: シバイヌの8歳メス・小麦を含むドッグフードを長年食べていたところ、毎朝のように黄色い液体を吐くようになった。食物アレルギーと診断され、グレインフリーフードに切り替えたところ症状が改善した。

 

膵炎(すい炎)

膵臓は消化酵素を分泌する重要な臓器ですが、脂肪分の多い食事が引き金となって炎症を起こすことがあります。

膵炎は急性と慢性があり、急性膵炎は非常に深刻な状態になりえます。

 

膵炎を疑うサイン:

  • 嘔吐と下痢が同時に起きる
  • おなかを触ると痛がる
  • 背中を丸めてじっとしている「祈りのポーズ」をとる
  • 食欲が著しく低下している
  • 発熱している

肥満犬や、人間の食べ物(特に揚げ物・脂身)を与えられている犬は発症リスクが高いとされています。

 

腸閉塞(腸の詰まり)

これは命にかかわる緊急状態です。

おもちゃ・靴下・石・骨などの異物を飲み込んだことで腸が詰まると、嘔吐と下痢(または便が出ない)が繰り返されます。

 

腸閉塞の特徴的なサイン:

  • 嘔吐を何度も繰り返しているのに食欲はある(または食べようとする)
  • 便がまったく出ない、またはごく少量しか出ない
  • おなかが張っている・触ると痛がる
  • みるみる元気がなくなっていく

腸閉塞は発症から数時間〜数日で致死的になりえます。 「もしかして何か飲み込んだかも…」という心当たりがあれば、迷わず今すぐ動物病院へ向かってください。

 

パルボウイルス感染症

ワクチン未接種や免疫力の低い子犬・老犬に多く見られる、非常に死亡率の高いウイルス性疾患です。

血液が混じった激しい下痢と嘔吐、急激な脱水が特徴で、適切な治療を受けても死亡するケースがあります。

環境省が推奨する「犬の混合ワクチン」の中に、このパルボウイルスワクチンが含まれています。定期的なワクチン接種が最大の予防策です。

 

注意: パルボウイルスは環境中に長期間生存できる非常に感染力の強いウイルスです。感染が疑われる場合は他の犬との接触を避け、速やかに受診してください。

 

腎臓病・肝臓病

慢性的な嘔吐の背景に、内臓疾患が潜んでいることがあります。

腎臓や肝臓の機能が低下すると、体内に老廃物や毒素が蓄積され、それが嘔吐中枢を刺激します。

 

腎臓病・肝臓病で見られる嘔吐の特徴:

  • 朝方(空腹時)に黄色い液体を吐くことが多い
  • 水をよく飲むようになった
  • 尿の量・色が変わった
  • 体重が落ちてきた
  • 元気がない・だるそうにしている

特に7歳以上のシニア犬では、定期的な血液検査による内臓チェックが重要です。

 

胃拡張・胃捻転(GDV)

これは時間との勝負となる超緊急疾患です。

大型犬・深胸型の犬種(ジャーマン・シェパード、グレート・デン、ラブラドールなど)に多く見られる疾患で、胃がガスで膨張し、さらにねじれてしまう病態です。

 

典型的なサイン:

  • 何度も吐こうとするのに何も出てこない(空嘔吐)
  • おなかが急に膨らんでいる
  • よだれが大量に出る
  • 突然ぐったりする

GDVは発症から数時間で死亡することがあります。 少しでも疑ったら、30分以内に動物病院に連絡することが求められます。

 

中毒・誤飲(食べてはいけないものを摂取した)

犬が嘔吐・下痢をするとき、誤飲・中毒を忘れてはなりません。

 

犬に有毒な主なもの:

  • ぶどう・レーズン(腎臓障害)
  • チョコレート(テオブロミン中毒)
  • キシリトール含有食品(低血糖・肝不全)
  • タマネギ・ニラ(溶血性貧血)
  • 除草剤・殺虫剤
  • 人用医薬品(特にNSAIDs・アセトアミノフェン)

農林水産省や環境省の動物愛護関連資料でも、ペットへの有害物質について啓発が進められています。「何を食べたかわからない」状況でも、可能性を念頭に置いて受診することが重要です。


犬の嘔吐・下痢「受診の目安」を具体的に解説

 

「様子を見ていい場合」と「すぐに病院に行くべき場合」を明確に分けて解説します。

 

自宅で様子を見てもよいケース

以下のすべてに当てはまる場合は、半日〜1日様子を見ることができます。

  • 嘔吐・下痢が1〜2回程度
  • 元気がある・歩ける・反応がある
  • 水を自分で飲める
  • 血が混じっていない
  • おなかを触っても痛がらない
  • ワクチン接種済み
  • 何かを誤飲した可能性がない

この場合でも、絶食(12〜24時間)と水分補給を行いながら経過を観察してください。

 

今すぐ動物病院へ行くべきサイン

以下のひとつでも当てはまれば、その日のうちに受診してください。

  • 嘔吐・下痢が1日に3回以上
  • 血が混じっている(鮮血・タール状の黒い便)
  • ぐったりしている・立ち上がれない
  • 何度も吐こうとするのに出てこない(空嘔吐)
  • おなかが張っている・触ると強く痛がる
  • ひどく脱水している(皮膚をつまんで戻りが遅い、歯茎が乾いて白い)
  • 意識が朦朧としている
  • 2歳以下の子犬、または10歳以上の老犬
  • ワクチン未接種
  • 誤飲・中毒の可能性がある

「念のため受診する」という選択を、どうか恥じないでください。

動物病院の獣医師は、「これくらいで来なくていいのに」とは思いません。むしろ、早期に相談してくれる飼い主を「信頼できるパートナー」として歓迎しています。


受診前に準備しておくと役立つこと

 

動物病院を受診する際、以下の情報を用意しておくとスムーズです。

いつから症状があるか できるだけ正確に。「昨日の夜から」「3日前から」など。

嘔吐・下痢の回数と内容 色・臭い・血が混じっているか。写真や動画があれば非常に役立ちます。

直近の食事内容 いつもと違うものを食べていないか、量は適切だったか。

行動の変化 散歩を嫌がるようになった、飲水量が増えたなど、些細な変化も伝えてください。

誤飲の可能性 部屋で何かなくなっているものがないか確認しておくとよいでしょう。


犬の嘔吐・下痢を予防するために日常でできること

 

病気は予防できるものと、そうでないものがあります。しかし、日常のケアでリスクを大幅に下げられるのも事実です。

 

食事管理を見直す

  • フードの切り替えは7〜10日かけて段階的に行う
  • 食後すぐの激しい運動は避ける
  • 人間の食べ物を与えない(特に脂肪分の多いもの、有毒なもの)
  • 食器は毎日清潔に保つ

誤飲・誤食を防ぐ環境づくり

  • 床に小さなものを放置しない
  • ゴミ箱には蓋をする
  • 観葉植物の中には犬に有毒なものもある(ポトス・ユリ科など)
  • 薬・洗剤は必ず手の届かない場所に

環境省の「人と動物の共生推進」の観点からも、ペットが安全に暮らせる住環境の整備は飼い主の責務のひとつとされています。

 

定期的な健康診断とワクチン接種

日本では、狂犬病予防法により年1回の狂犬病ワクチン接種が義務付けられています。 さらに、混合ワクチン(ジステンパー・パルボウイルス・コロナウイルスなど)の定期接種が多くの感染症予防につながります。

7歳以上のシニア犬は、半年に1回の血液検査・尿検査を推奨している動物病院が増えています。早期発見・早期治療が、愛犬の寿命と生活の質(QOL)を守る最大の武器です。


動物病院の選び方と「かかりつけ医」を持つことの重要性

 

犬の嘔吐・下痢が続くときにスムーズに対応するためには、日頃からかかりつけの動物病院を持っていることが非常に大切です。

かかりつけ医がいると、

  • 愛犬の普段の状態を把握してもらえる
  • 緊急時に「いつもと違う」変化を素早く共有できる
  • 投薬歴・アレルギー情報がすでに記録されている

といったメリットがあります。

また、夜間や休日に対応できる救急動物病院の場所も、日頃から調べておくことをおすすめします。いざというとき、パニックの中で調べる時間は貴重です。


まとめ:愛犬の「サイン」を見逃さないために

 

犬の嘔吐・下痢が続くとき、それは体からのSOSサインです。

この記事でお伝えしたことを整理します。

  • 嘔吐・下痢の原因は「軽い胃腸炎」から「命にかかわる緊急疾患」まで幅広い
  • パルボウイルス感染症・腸閉塞・胃捻転は特に速やかな対応が必要
  • 血が混じる・ぐったりする・空嘔吐が出たら「今すぐ受診」
  • ワクチン接種・定期健診・誤飲防止が最大の予防策
  • かかりつけ動物病院と夜間救急の情報を事前に把握しておく

愛犬はあなたに言葉で伝えることができません。だからこそ、飼い主が「気づく力」と「動ける準備」を持っていることが、命を守る第一歩になります。

「なんか変だな」と感じたら、その直感を大切にしてください。迷ったら、電話一本でも構いません——動物病院に相談することが、愛犬への最善のアクションです。


本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療の代わりになるものではありません。症状が心配な場合は、必ず獣医師にご相談ください。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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