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動物愛護団体は行政から補助金をもらえるか。使えそうな助成金も紹介。

「動物愛護団体は補助金をもらって運営しているんでしょ!?だから無料で引き取りなさいよ」

何度言われたことか。

そんなん、もらえるんやったらもっと活動が楽になってるよ、おーん。(岡田監督風)

猫を保護して里親さんを見つける活動に対して、行政からもらえる補助金は基本的にありません。

しかし、小さな変化が見られてきました。

 

 

地域猫活動に対する補助金

 

近年、当たり前になってきた【所有者のいない猫の手術費用】に対する補助金。

それまではというと、動物愛護活動者がその辺の猫を捕まえて病院に連れていき、自腹で手術をするということが当たり前だったし、今もこういう補助金がない自治体は自腹でしないといけませんよね。

私が住む宝塚市には車で30分圏内に野良猫の手術専門の動物病院が3つと、格安で手術してくれる動物病院が1つあります。

予定外に捕獲器に入ってしまっても4つのうち1つくらいは当日、もしくは次の日に手術ができることが多い。

しかも、費用は大体オスで4,000円、メスで8,000円という恵まれた環境。

自腹でもなんとかなる金額だったのですが、私がこの活動を始めた頃は野良猫の手術をする専門の病院もなく一般の病院に連れて行ってました。

それでも安くしてくれて、オスで15000円、メスで25000円という金額だったのですがなかなかキツい…。

野良猫を見かけても費用が負担になるのでわざわざ捕獲して病院に連れていきたいと思う人なんてほとんどいませんよね。

 

 

近所に猫がたくさんいて困る。

そういう問題を解決するために、これ以上増やさないために地域猫活動(手術をしたあとは地域の方々でご飯や水の管理、糞尿の片付けをしながら見守っていきましょうという活動)に対する補助金が予算を組む自治体が増えたおかげもあり、活動者も負担が少なく地域猫活動を推進することができるようになりました。

 

また、地域で見守る人がいないという場合でもTNR活動というとにかく手術をしてこれ以上増やさないようにする活動に対しても補助金が出る自治体も少しずつ増えてきました。

TNR活動もどうぶつ基金さんのチケットを申請することによって無料で手術ができる方法もあります。

 

ちなみに私が訪問した自治体でTNRに補助金を出すところは、名古屋市(ふるさと納税が財源)、福岡市がこれからふるさと納税の財源を使って予算を取ると計画しているという話を聞きました。

 

 

地域猫活動は地域の合意が必要で、その合意が取れなければTNR活動しかできず活動者の自腹になってしまうパターンが多いのですが、TNRに関しても補助金を出してもらいたいです。

地域猫活動で皆で見守っていくことのほうが確実に良いですが今はとにかく手術をして数を減らすことを優先すべき場合もあるので。

地域住民同士がコミュニケーションを取れていない地域はとても厄介で、餌をやっていると思われたくないから地域猫活動に合意できないとか言われたりもします。

それを周辺の住民の方に理解を求めに動物愛護活動者が動いていたりもするのですが、苦労が多いです。

 

 

動物愛護センターのボランティアという選択肢も

 

動物愛護センターのボランティア登録をし、例えばミルクボランティアとして預かりその子が大きくなるまで授乳して育て、8週齢の里親さんが募集できるようになる頃に動物愛護センターに戻して動物愛護センター主催の譲渡会で里親さんを見つける。

その流れができているのが兵庫県西宮市や愛知県豊田市、奈良県奈良市などで、こちらもふるさと納税の財源を使ってミルク代、医療費などかかる費用はすべて出してくれます

ボランティアが時間的な負担はあるけれど、金銭的な負担がないという今のところ理想的なスタイル。

ただし、これは中核市で動物愛護センターがあるところにしかできないことだなと。

里親さんを行政が見つけてくれると気持ちとしてとっても楽だし見つからなかった時に一生面倒を見ないといけないという動物愛護活動車あるあるのプレッシャーを感じなくていいし。

 

 

画期的なのが奈良県奈良市。

ふるさと納税の財源を使って令和2年に預かりボランティア協力者謝礼制度開始

登録されたボランティアに1頭につき1日200円(最大30日)の協力者謝礼を支給されます。

ちょっとした小遣い稼ぎにもなるわけです。

もちろんお金目的だと普通にアルバイトしたほうが稼げますが、今まで自腹でミルク代やら医療費やら出していた活動が謝礼金をもらえるようになるなんて。

令和3年4月にTNR活動支援ボランティア協力者謝礼制度、譲渡ボランティア医療費補助金制度の開始され、奈良市内の動物愛護が進む進む。

 

奈良市は4年連続殺処分0を達成

4年連続殺処分0を達成したのはボランティアの皆様の頑張りももちろんですが、制度の変革も大きいですね。

財源があるとここまでできます。

 

 

革新的な補助金をつくった群馬県安中市

 

上で紹介した補助金は、動物愛護センター(奈良市は保健所ですが)があって、市として動物に対しての予算が取れるからだと思いこんでいました。

私が住む宝塚市は中核市ではないので動物愛護センターを市としては持てず、兵庫県の管轄になります。

兵庫県が動いてこういう制度を作ってくれないといつまで経っても自腹で活動しないといけないんだなと。

 

そんなイメージをぶち壊してくれたのが群馬県安中市。

市のホームページから引用させてもらいますと

 

動物愛護団体支援補助金制度について

 

動物愛護団体支援補助金の目的

市の動物愛護管理事業を推進するため、市内で活動する動物愛護団体を支援することを目的とします。また、地元の動物愛護団体の力を生かしてペットの飼い主の皆様に、動物愛護に関する知識の普及と、近隣に迷惑とならない飼い方、しつけ方などの普及活動に対し支援補助します。

 

補助対象者

 3戸以上の構成員で組織され、過半数が市内に住所を有している。
(補助金の交付決定を受けた他の団体に所属していないこと)

 

補助対象経費

市内の動物愛護団体が、動物愛護活動を行う時、普及啓発活動に要する経費に補助を行います。詳しくは、以下の経費となります。
※不妊又は去勢にかかる手術費用は、補助対象経費に含まれません。

 
経費区分 内容
捕獲費 捕獲用具購入費用
管理費 一時的な保護施設費用(申請者の居住用に供する建築物を兼ねる場合は除く)
飼育費 一時的に保護した犬猫の餌及び給餌具購入費用
衛生費 トイレ資材、清掃用具購入費
保護活動費 保護・救護活動に係る経費と病院搬送費
保護活動啓発費 動物愛護に係る啓発チラシの作成費用等
健康診断費 健康診断に係る費用
治療費 治療に係る費用(2回目以降の治療費は除く。)
個体識別費 マイクロチップの埋込みに係る費用
その他経費 市長が必要と認める費用

 

補助限度額

補助対象経費の1/2以内 限度額10万円
令和5年度 予算額50万円
※申請書等の審査後に交付決定となります。

 

 

こちらの補助金、どんな経緯でできたのかお友達の群馬県前橋市の入沢まゆ子市議会議員に聞いてみると、安中市長が独自で予算組をしていて議会でも反対は特になかったのですんなり通ったとのことです。

市長権限ってすごいなあと思った次第です。

この記事を読んでくれているみんな、市長になろう!と呼びかけたいくらいです。

 

 

金額はまだまだ一瞬でなくなるであろうようなものですが、この存在自体がすごいんです。

全国に前例として紹介できるような事例になりました。

 

 

投稿すると理解できていない方がいらっしゃったので説明させてもらうと

地域猫活動の補助金=外で暮らし、これからも外で暮らしていく猫のための補助金で、保護する猫は対象外

安中市の補助金=里親募集を前提として保護をする猫の医療費などを補助するためのもの。

 

全然違うんです。

今まで一切こういうことにお金が出ずに、自腹でやっていた皆さん!

希望の光です。

そもそもこういうこと、なぜネコ好きで猫のために人生をかけるような活動者のみなさんが自腹でやらないといけないのか。

本当は税金を出すべきでしょう。

猫のために貴重な税金を使うなと猫嫌いな人から言われそうですが、猫の活動者がいなくなるとあなたの嫌いな猫が街中にもっと増えますよ。

現状をもっと良くして、こういう補助金が必要なくなるまで出したほうがダラダラとやるよりもいいんです。

 

 

どうやったら動物愛護団体に対しての補助金がつくれるのか。

一つは思いのある市長を選出することですね。

市長ではありませんが、神奈川県知事の黒岩さんも相当の動物好きで、巨大な動物愛護センターをつくりました。

評判は色々ですが、トップの意向でここまで変わります。

選挙は積極的に関わって、たとえ自分が思っていた人が落選してしまっても、当選した人にアプローチ!

ということで、私も宝塚市でこういう補助金ができないかトップアプローチしていきます。

みんなで情報共有しましょう。

もうしんどい活動に終止符を打って、次の世代にバトンタッチがスムーズにできるように動いていきましょ!

 

 

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参加しやすいものにぜひ協力してください!

 

猫スペースきぶん屋が皆様に協力していただきたいこと一覧

この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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