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動物愛護団体で働いて給料はもらえるのか。活動の問題点が浮き彫りに。

動物が大好きで、働くのであれば動物のために仕事をしたい!

動物愛護団体で働きたいけれど、給料はもらえるのか?

そう思ってたどり着いた人は多いはず。

 

 

例えば公務員になり、動物愛護センターの職員として働くという手もあります。

動物愛護団体で働くことよりももっと過酷な現実が待ち受ける場合もありますが…。

動物愛護団体で働きたい場合、熱心に求人情報を見ておく必要があります。

滅多に募集はしていないので。

なぜか。

愛護団体の資金の現実を書いていきます。

 

 

募集していても薄給

 

大きな団体が募集していることもあります。

ピースワンコさんとか、ハッピーハウスさんとか。

月給15万円とかで。

年収200万円。

バイトでも稼げる給料です。

結構過酷な労働環境です。

本当に好きでないと続きません。

 

 

なぜそんなに給料が安いのか。

お金がたくさん集まってそれなりの給料を支払えるならば最高なのですが、どんなに大きい団体でも資金繰りには苦労しています。

あと、それなりの給料を渡してしまうと世間から批判されるという一面も。

「私達は動物に寄付をしていて、人件費のために寄付をしているわけではない!」みたいな。

こちらからしたら、動物のために人を雇っている必要経費でもあるわけですが、寄付している人からしたらフードや医療費に全額を使ってほしいという声も。

団体として運営するということ、寄付をいただくということは本当に難しい側面があり、税金の使い道に似ていますね。

自分が意図しない使われ方をしたらめちゃくちゃ批判されるというのは予算組をする人たちも苦労していることです。

 

 

そんな業界に未来はあるか

 

動物のために働きたいけれど、そんな場所がない。

ボランティアなら山ほど募集はあるけれど、全力で動物のために生きたい。

そんな声に応えられないのが今の動物愛護業界。

それどころか、活動者自身が自腹を切って活動しているような資金繰りだけを見ればとても不健全な業界です。

そんな活動、本当に猫が好きでなんとしてでも命を守りたいというような強い意志がないとできないですよね。

寄付を集めると「自腹を切る覚悟がないならやるな!」と活動者から批判される。

昭和の体育会系なのかなと思うようなこの業界が次世代に引き継げるかと言われると私の答えはノーです。

私の世代でやり方を変えていかなければ、若い層がついてきません。

 

 

社会全体が変わる必要があります。

先程書いたように、全額を動物のために寄付しているのだから人件費に使うなというような理解であれば変わりません。

企業のようになにか物を売ったりサービスを提供して収益を上げるモデルでないのが非営利活動。

サービスは提供していないかもしれないですが、その活動に価値を感じてくれる方がどれだけ増えるかが勝負です。

ボランティアで成り立つ活動は長続きしません。

いいことをやっていてもお金がなければ長続きしません。

 

 

お金の話をすると、保護猫ビジネスとか猫のためにやってるんでしょとか言う人がいますが、自分のためにやっていて自分が生活できないと猫は救えませんからね。

精神論やガッツや気合や根性で救えるなんて短期的な考えすぎます。

まだまだまだまだこの先は長いですよ。

外の猫は地域猫活動などでどんどん減っています。

東京では野良猫がいなくて保護猫を求めて埼玉や神奈川まで譲渡会に行くというような話も聞きます。

たとえそのような状況になっても多頭飼育崩壊は必ず一定の確率で起こります。

保護猫活動は本当は一刻も早く終わらせたいことですが、人がペットを飼っている限り終わらない問題です。

細く長く続ける必要があります。

 

 

ティアハイムベルリンの場合

 

2019年にドイツの動物保護施設に行きました。

 

ティアハイムベルリンの入り口ティアハイムベルリンの猫舎

 

驚くほどの広さと充実した環境。

収益の9割は一般市民からの寄付で成り立っているそうです。

そして当たり前のように職員さんの給料は出ます。(ボランティアとして働いている人もいます)

 

 

ドイツが正解、ヨーロッパは進んでいるというような単純な話をしたいわけではありません。

ただ、日本に比べて寄付が集まりやすく、寄付で成り立つ事業なので従業員も雇えてもし代表の方が引退して次の方に引き継げます。

日本はというと団体の代表や個人が引退したら引き継ぐ人はまあなかなかいません。

メリットがありませんし、資金的、時間的なことを考えるとデメリットしかありません。

 

 

寄付をもっと集めやすい空気にすること一つの鍵です。

私自身、寄付を集めていますが、必ず言われるのは「ドイツに行ったのは寄付からお金を出しましたか?」とか、嫌味な声。

自腹で行くしな、そんなんと返しますが特に支援者以外の人からこういう事言われるのが多いです。

あと、動物愛護活動者からも言われます。

寄付で生活する=違法でもなんでもありません。

というかこれが成り立たないと長い目で見たら猫は救えません。

誰かが苦労して負担が大きい活動に終止符を。

もっというならば、税金からこれを出してくださいという方向にも進めなければ。

 

 

資格を活かしながら活動するという選択肢も

 

動物愛護活動では生活していけない。

けれど、関連するような仕事に就きながらやれる範囲でやるというのも一つの選択肢です。

私がまだ20代なら勉強しまくって獣医師になって、保護猫活動者が医療費で負担にならないような病院をつくります。

卒業までに6年かかるし今から合格するまでの勉強する時間もないし、なので自分の事業を伸ばすことに注力していますが。

 

ほかにも動物看護師もありですよね。

動物愛護団体の中には収益事業としてトリマーやペットシッターの事業をされていることも。

そういうやり方で収益を上げながら動物を救うというのが今は一番現実的なことかもと思っています。

ただ、動物取扱業を取得するまでフルタイムでも半年の実務経験が必要だったりでなかなか狭き門になってしまいましたが…。

ボランティア団体に所属して1年間動物の世話をすることでも要件を満たせます。

 

 

まとめ

 

 

動物愛護活動で給料をもらったり、自分の生活ができるなんてことは今はまだ夢のまた夢。

けれど、私のように他の事業と組み合わせることで成り立つこともあったり、工夫をすればいくらでもやり方が見えてくるかもしれません。

私が今一番可能性を感じているのは家にある不用品を回収して買取査定に出し、その金額を活動費に使わせてもらっている「古着で猫助け」という企画をしています。

こちらの企画、同じように動物愛護活動者が集めてくれたら広報してくれたお礼として報酬を渡すこともできるようにします。

こんなことをしなくても、世間のもっと理解が深まって寄付が業界全体に集まりやすくなるその日まで、私は変えるために動き続けます。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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