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野犬と動物愛護法。野犬をTNR(去勢不妊手術をし、元の場所に戻す)することは違法か

野犬と動物愛護法の関係

 

日本ではそもそも野犬は今は外で生きていくということが実質的に禁止されています。

詳しく書いた記事がこちらの狂犬病予防法の記事なのですが、よかったらこちらを読んでからこの記事を見てください。

 

野犬と狂犬病予防法。日本の野犬は外では生きてはいけないのか。

 

自治体は繋がれていない犬を見かけたら捕獲しないといけない義務がありますが、基本的に通報がなければ動物愛護センターや保健所は捕獲しに行かないと私は職員さんから聞いています。

千葉県船橋市のホームページには

 

野犬など(つながれていない犬)は、人への危害防止のため捕獲します。 捕獲した犬は2日間公示し、公示期間中に飼い主が現れなかった場合には処分します。

 

とはっきり処分すると書かれているのですが、本当に難しいこの問題。

野犬を減らしていくためにTNR(去勢不妊手術をし元も場所にリリースする活動)は法律としてはアウトなのか。

調べてみました。

 

 

野犬のTNRはできる?

 

そもそも猫がTNRが認められるのは世界がそうしているのを取り入れたということもあるのと、日本では政令で定められない限りは狂犬病予防法の対象ではないから。

もし猫の狂犬病感染が確認されたらかなり状況が変わると思います。

環境省のホームページにもしっかりとTNRという言葉が掲載されています。

TNRの条件は元の場所に返すということですが、全く知らない土地にリリースすることは破棄とみなされて動物愛護法違反になります。

よく「うるさいからここに戻すな」と言われますが、言われた時は「そんなことをしたら私が動物愛護法違反になって捕まる」と動物愛護センターの説明をしてください。

感情論よりも伝わりやすい理由があります。

 

 

犬のTNRは日本で認められているのか。

『犬 TNR』でGoogleで調べても猫のことしか出てきません(汗)

そもそも野犬の多い地域は限られているのと前例がないのと狂犬病予防法のために暗黙の了解になっているのか全く情報がありません。

海外でいうとタイのプーケットは元々野良犬がたくさんいた地域で5万頭以上が島内を徘徊していたそうです。

やばすぎる数ですよね。

ソイドッグファンデーションが設立され、8割の野良犬のTNRを行うことで野良犬が減っていったそうです。

 

 

日本の法律を見ていても犬のTNRの禁止を定めているものはないものの、狂犬病予防法で繋がれていない犬がいれば捕獲しないといけないという決まりがあるため犬のTNRの推奨も国や環境省としてはできないでしょう。

とはいえ、私自身は野犬のTNRは数さえこなせば確実に効果が出て数が減っていくと思っています。

ハードルとして高いのが猫の手術をする獣医はたくさんいるものの、野犬の去勢不妊手術を対応できる獣医師がどれだけいるのかと場所の確保と世論ですね。

大々的に犬のTNRの病院をつくってしまうと下手したら「あの病院は犬を逃している」と通報される可能性があります。

なので、実際に野犬のTNRをしている団体もあると聞いていますが誰にも分からないようにこっそりやっているのでしょう。

 

 

このままでは動物愛護団体が潰れてしまう

 

猫の保護の団体もなかなか過酷ですが、私が犬の保護団体を見てきた結果、犬のほうが違った部分でキツいことが分かりました。

力は強いし吠えるしほとんどが大人のガチンコ野良犬なので懐くのに専門のトレーナーが訓練してもとっても時間がかかります。

猫であれば懐いていない猫は地域猫にするという選択肢が取れますが、犬はそうはいかず殺処分されるか動物愛護団体が引き出すの二択しか今はありません。

動物愛護センターに収容されてしまって攻撃性があり人に懐かないと認められれば殺処分になります。

 

 

各地の動物愛護センターの考え方は違って、徳島県の動物愛護センターは訪問した時に大きな野犬が多かったのですがしっかりと人馴れトレーニングがされていて尻尾を振って迎えてくれました。

 

 

 
 
 
 
 
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以前よりも数が減ったから訓練に充てる時間も増えたということもあるでしょうが、動物愛護センターが全頭ここまでやってくれるならば動物愛護団体も負担がないです。

山口県はそもそもの野犬の数が多く、一匹一匹丁寧にトレーニングをしていたらすぐにキャパオーバーになってしまい溢れた犬が殺処分になってしまいます。

だから必死に動物愛護団体が引き出しているわけですが、100匹を超える犬がシェルターにいて、ほとんどが懐いていない状態で里親募集もできず、運営していくだけでも毎月たくさんのお金がかかりこのままだといつか潰れてしまうだろうなという団体が多いです。

ピースワンコ・ジャパンなんかは数年前に週刊誌にすっぱ抜かれて大問題になっていましたが、引受先が地獄のような環境で犬の殺し合いもあったり不衛生であったり。

なんでもかんでも引き出すことが正解ではないし殺処分0にこだわると別の弊害も出てきます。

 

 

私自身、その現実を知っているから殺処分0にはこだわっておらず、とにかく目の前の命を幸せにするということを積み重ねていますが、本当に殺処分は悪なのか、色んな動物愛護センターや動物愛護団体を見てすごく難しい問題で簡単に殺処分廃止とか言えないなと考えています。

 

 

結果を出して認めさせる

 

犬のTNRに話を戻しますが、やってみないとわからないことばかり。

やってみて結果を出さないと机上の空論であり政府がそのやり方を認めるわけがありませんし、狂犬病予防法を改正するなんてことも野犬の数が減らないと難しいだろうなと。

狂犬病予防法に関しては賛成する人よりも反対する人のほうが圧倒的に多いでしょうし、1件発生したら確実に賛成した政治家が叩かれるのが目に見えているので誰もそのリスクを取りたくないです。

 

 

結果を出すためにまずは行動を。

記事を書きながら、山口県に始めていった時に犬のTNR専門病院をつくってやろうかと本気で考えたことを思い出しましたが、力があればやりたいではなくもう現実にしてしまっても良いかもしれません。

もし、賛同して支援してくださる人が多ければ現実にできますのでよろしければ引き続き記事をアップしますのでご覧ください。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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