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動物愛護に自己犠牲はいらない!持続可能な保護猫活動を。

動物愛護活動と自己犠牲

 

動物愛護の精神とはなんぞや。動物愛護に限らず良いことをしようと思ったら自己犠牲は美徳なのか。

猫の幸せを第一に優先し、自分の幸せは後回し。

私が猫の保護活動を始めた10年前はこういう考え方が当たり前で、なにかと文句を言われたものです。

それは違うよと10年間言い続けてようやく共感してくれる人が増えてきました。

 

 

猫の幸せのためなら自分はどうだっていい

 

仁川駅前で営業していた時の猫カフェきぶん屋

 

私が初めて猫を保護して、殺処分という問題がこの国にあることを知って当時の有り金を全部つぎ込んで宝塚で保護猫カフェをし始めました。

当時年間20万頭の犬猫が殺処分されていたわけです。

子猫が収容されてキャパオーバーになると殺処分される順番が回ってくる。

それを想像すると足を止めてられないし、自分が寝不足になろうが金欠になろうがとにかく猫のことを頑張る。

そう思って始めました。

 

 

猫カフェ自体は最初はありがたいことに利益が出ていたので、そこまで苦にならずに続けられていましたが猫カフェという存在自体が珍しくなくなった頃から赤字続き。

それでも自分が始めたのだから猫のためにやり通す。

その時は本当にお金がなかったし、新しい服を買うことも躊躇するような日々を過ごしていました。

猫の幸せが第一。

そう思ってたら段々疲れてきたんですよね。

 

 

ぶっちゃけ辛いのはお金がないこと。

普通に結婚することも考えられなかったし、とにかく将来が不安だし、継続できなくなったらはたして猫の行き先をどうするのかと色々抱えていて朝に目が覚めても布団から出たくないような現実逃避の日々。

そんなことなんとでもなると考えられるような鋼のメンタルを持っていないとこの活動を続けられないようでは問題です。

人生で初めてここまでお金に追い込まれたから分かるのですが、このまま誰かがしんどい思いをしながらやっていく活動では一時的に殺処分数は減らせても土台が脆すぎて崩れた時に解決しそうだった問題が逆戻りになります。

 

 

自分は正しい

 

苦しい日々が続いて私の考え方はどうなったか。

「なぜ私はこんなに頑張っているのに世の中の人は分かってくれないのか」という思考になりました。

私は正しいことをしている、ペットショップは正しくないことをしている、動物愛護センターは正しくないことをしている、となぜか自分を基準にして白か黒か、0か100かみたいな思考になるんですよね。

うまくいかなくてイライラしてましたし、SNSで誰かを悪にした私は正義というような立場から物を言う投稿をしている。

視野が狭くなりますね。

 

 

こういう投稿をすると一部の人から絶大な指示を得るんです。

その問題についてよく知っている人からですね。

けれど、私が伝えたい対象はすでに問題を知っている人ではなく、全くペット産業のこと、殺処分のことを知らない人に。

そういう人に私の声が届かないのは視野が狭かったからであり、いろんな立場の人の意見を理解しようとせずに自分の正しさを主張したから。

セカイノオワリというグループの歌の歌詞に『人はそれぞれ「正義」があって、 争い合うのは仕方ないのかも知れないだけど僕の「正義」がきっと彼を傷付けていたんだね』とあるのですが、まさにそれ。

 

 

 

今ならすごく分かるのですが、苦しんでいるなと思う人の投稿は反対側の立場の意見を聞こうとしていないこと。

私自身、ペットショップや動物愛護センターの人の声を聞きたいとも思いませんでしたが反対側の立場の意見の中にこそヒントがあると思って、嫌だったけれど動物愛護センターに訪問して話を聞きに行きました。

相手のことを理解して初めてわかったこともたくさんありますし、解決策は相手を論破したり言葉の暴力で打ち負かすことではないのだなと気づけたのは自分の中では大きかったです。

 

 

自分の幸せを第一に

 

今一番大事にしていることは、自分が幸せに活動すること。

元々休みなく働くことはサラリーマンの時は仕事が嫌すぎて無理でしたけど、この活動と通販事業を始めてからは全く苦になりません。

もちろん体調が悪い時はしんどいので休みますが、基本的に毎日の歯磨きくらいの当たり前のルーティンで休みなくやっています。

楽しいからでしょうね。

 

 

猫がかわいいから保護していて、人馴れしていない子が心を開くととても嬉しくなりますし、里親さんが決まって幸せに暮らしている報告を聞くと満たされた気持ちになります。

昔はとにかくがむしゃらに必死にやってましたが今は肩の力がある程度抜けて気張らずにできています。

結果として、猫カフェをしていたときよりも譲渡件数は増えて資金繰りも苦しくない程度にうまく回っています。

 

 

自分の幸せを第一にとか言っちゃうと、なんか日本では利他の心みたいなものを求められるよくわからない美徳があるので自己中心的な考え方だと思われることもあります。

けれど、誰も私のことを気にしていませんし、他人の評価ばかり気にして生きていると疲れます。

やりたいようにやりましょう、もちろん猫を幸せにしながら。

自己犠牲の精神では続きません。

しんどいことを続けるのはそれなりの精神力が必要ですし、そんなモノを求められたら次の世代がこの活動をしたいと思いません。

自腹でやる活動にも終止符を。

皆ができることをする。

保護できる人は保護をして、支援を送れる人は送る。

カネは出さない、口は出すという人は論外なのでスルー。

SNSで有名な会ったことのない人に支援をするよりも、近くで活動していていつでも見にいける距離の人に支援を。

 

 

猫の保護活動をしている人が不幸になってはいけない。

社会全体で支えながら負担なくやっていける活動へ。

私は次の世代にバトンタッチするために色々作戦を考えていますが、まずはスタッフを雇用することから。

もう少し売上が伸びればスタッフを増やしつつ、それぞれが自分でできる範囲で活動をするチームを組みたいと思っています。

ぜひぜひ色々と協力してもらえると助かります。

 

 

スマホでポチポチポイ活、古着買取、ヴィーガン食品やペットフードの買い物で支援など皆様にしてもらいたいことをまとめています。
参加しやすいものにぜひ協力してください!

 

猫スペースきぶん屋が皆様に協力していただきたいこと一覧

この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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