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殺処分しない動物愛護センターへ!全国の動物愛護センターを見学して感じたこと

殺処分しない動物愛護センターへ!

 
動物愛護センターへ行ったことはありますか?
多くの人が行ったことのない施設だと思います。
少し動物愛護の話を聞いたことのある人であればイメージとしては殺処分する場所。

 
私はおそらく日本で一番各地の動物愛護センターを見学しています。
施設を見て、職員さんと話して感じたことを共有します。

 

 
やる気があるのか分からない職員

 
一番最初に動物愛護センターへ行ったのは2013年のこと。
当時はまだ日本で殺処分が年間20万頭されていた時代。
私の地元、兵庫県もたくさんの殺処分がされていました。

 

 
第一種動物取扱業の登録をしに行った時に動物愛護センターの現状などを聞いたのですが、具体的な話は隠すしセンターにどのくらい収容されているのかなど教えてくれず。
そして話をするその目に希望が見えない。

それもそのはず。
職員さんも殺処分はしたくないのですが、毎日たくさんの殺処分するなというクレームと、毎日たくさんの収容。
飼えなくなったから引き取ってと持ってこられたら説得はできるけれど拒否ができなかった当時の法律。
外で生まれた猫を持ち込まれても拒否ができませんでした。
ある地域ではペットショップの売れ残りが持ち込まれ、殺処分されていました。
(今は引き取り屋という業者が変わりに売れ残った命を殺しています)

 

 
その職場環境を想像してください。
やってられませんよね。
もはや心を無にしてひたすら殺処分するしか方法がない。
動物愛護センターがやる気がなかったというよりも法律に欠陥がありそれでも従わないといけない公務員の辛さと、モラルのない飼い主の無責任さが原因ではないでしょうか。

 

 
大きな転機は動物愛護管理法が改正され、引き取り拒否ができるようになったこと。
それはそれでまた違う問題を抱えてしまいましたが、収容数が大きく減ったことによって殺処分も減りました。

 

 
理由なき殺処分0

 

大阪市 犬猫の理由なき殺処分ゼロ

 

大阪市がなにやら動物愛護センターの前に理由なき殺処分0というスローガンを展示し始めたぞ。
その話を聞いて実際のところどうなのかを聞きに行きました。

 

 
収容された迷子犬のトリミングをする職員さん。
施設内で散歩トレーニングをしている職員さん。
猫の世話をする職員さん。
法律が変わり、行政のやり方も変わり、動物を生かそうという姿勢が見られ、職員さんからも熱意を感じました。

 

 
その後、選挙の立候補者が殺処分を減らすという公約を掲げたり、政治の部分で大きく変わったこの10年。
なぜ変わったかというと多くの人が関心を持ちこのままではいけないと声をあげたからというのが一番大きいでしょう。
政治家も票にならないとそんなこと言わないですし、世の中の関心に反応した結果です。

 

 
各地の動物愛護センターを回るように

 
大阪市の動物愛護センターを見学してから、各地の動物愛護センターがどんな運営をしているのか知りたくなって、全国各地を回りました。
京都動物愛護センターでは職員さんの本音を教えてくれて、この人たちが殺処分しなくていい仕事にするために私も頑張らねばと思いました。

 

 
地域によって行った時の対応は様々です。
内情を話したがらないところもあれば、どんどん遊びに来てくださいというようなところも。
やはり収容数や外で生きる犬猫の数に地域差があるので収容が少ないセンターは目の前の命が生きられるように業務できますし、多すぎるセンターは常にキャパギリギリの状態でいつ殺処分されてもおかしくない状況で必死に業務をされています。

 

 
命を生かす動物愛護センターへ。
簡単に言うけれど、様々な要因が重ならないとできないことで、今日明日いきなりそうなるかと言われると地域差があります。
単純に、収容数よりも里親希望の人の方が多ければある程度人馴れ訓練して譲渡するだけなので予算さえしっかりあればそこまで難しくありません。
京都動物愛護センターは里親希望の方が順番待ちしているくらい、府民の方がここの存在を知っていて良い運営ができています。
しかし、多くの地域ではなかなか里親さんが決まらず収容数の方が多くて地域の保護猫活動者に助けられながら運営している状況です。

 

 
全国回って分かったことは

・地域猫活動の盛んな地域は収容数も少なく、瀕死の状態で収容されたなどよっぽどの事情がない限りほぼ殺処分する必要がない。

・四国は全体的に譲渡数よりも収容数の方が多く、特に犬の収容が多く四国だけでは解決できず県外譲渡も必要な数。
それでも香川県に新しい動物愛護センターができたりと昔に比べて前進している。

・動物愛護センターの職員さんは誰も殺処分したくないし、命を救いたいと思っているけれど、収容数が増えれば殺処分しないといけない。

 

 
殺処分を減らすためには3つの蛇口を閉めるとよく言いますが、ペットショップから買う前に保護猫保護犬にも目を向けること、地域猫活動の普及、生涯飼育の約束をコツコツと進めていくことですね。

 

動物愛護の3つの蛇口を閉める
https://human-animal.jp/about/tap-model より引用

 
東京、神奈川あたりは本当にその辺りが進んでいて、ほぼ殺処分しなくてもいい状態に。
やはりこの地域は活動者も熱心でたくさんの人が動いていますし、行政でも地域猫補助金などは当たり前のようにどこでも予算が組まれていたり、地方と比べたら全然違うなという点がたくさん。
結局は行政を動かさないと変わらない問題で、私たちの思い描く未来に近い人に選挙の時に投票に行くという当たり前の行動をする人が増えるかどうかも一つの鍵です。
未来を変える行動をしていきましょう。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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