猫がトイレ以外でうんち!突然始まった粗相の原因と今すぐできる対策
「今まできちんとトイレでしていたのに、突然うちの猫がトイレ以外でうんちをするようになった」そんな悩みを抱えている飼い主さんは少なくありません。猫のトイレ問題は飼い主にとって大きなストレスになりますし、何より猫自身が何かのサインを出している可能性もあります。
この記事では、猫が突然トイレ以外でうんちをするようになる原因から、具体的な対策方法まで、実体験を交えながら詳しく解説していきます。
実は多い!猫のトイレの使い分け問題
我が家には複数の猫がいますが、実はおしっこはトイレでするのにうんちだけはトイレ以外でしてしまう猫がいます。逆に、うんちはきちんとトイレでするのに、おしっこだけはトイレ以外でする猫もいます。
このように、猫によっては排泄物の種類によってトイレを使い分けたり、片方だけトイレ以外でしてしまうというケースは意外と多いのです。猫の行動には必ず理由があり、飼い主がその理由を理解することが解決の第一歩となります。
なぜ突然?猫がトイレ以外でうんちをする主な原因
1. トイレ環境への不満
猫は非常に清潔好きな動物です。トイレが少しでも汚れていたり、気に入らない状態だと使用を拒否することがあります。
具体的なトイレ環境の問題:
- トイレの清潔度が保たれていない: 猫は汚れたトイレを嫌います。特にうんちは臭いが強いため、1回使用しただけでも次に使うのを嫌がる猫もいます
- 猫砂の種類や量: 猫砂の素材や粒の大きさ、量が気に入らない場合、排泄時の感触が不快で避けることがあります
- トイレのサイズが小さすぎる: 猫が成長してトイレが窮屈になると、特に踏ん張る必要があるうんちの際に使いづらく感じます
- トイレの数が足りない: 多頭飼いの場合、トイレの数が不足していると、使いたいときに使えないストレスが生じます。理想は「猫の頭数+1個」と言われています
- トイレの設置場所: 騒がしい場所や人通りの多い場所にトイレがあると、落ち着いて排泄できません
2. ストレスや環境の変化
猫は環境の変化に敏感な動物です。些細な変化でもストレスを感じ、それが排泄行動に影響を与えることがあります。
ストレスの原因となる環境変化:
- 引っ越しや模様替え: 生活空間の変化は猫にとって大きなストレスです
- 新しい家族やペットの追加: 縄張り意識が強い猫は、新参者の存在に不安を感じます
- 飼い主の生活リズムの変化: 在宅勤務から出社に変わった、家族が増えたなどの変化
- 工事などの騒音: 近隣の工事音や突然の大きな音
- 来客の増加: 知らない人の出入りが増えること
ストレスを感じた猫は、うんちを使ってマーキング行動をすることがあります。これは縄張りを主張したり、不安な気持ちを表現する手段の一つです。
3. 健康上の問題
突然トイレ以外でうんちをするようになった場合、健康上の問題が隠れている可能性があります。
考えられる健康問題:
- 消化器系のトラブル: 下痢や軟便、便秘など、うんちの状態が変化すると、トイレまで我慢できないことがあります
- 肛門周囲の痛みや不快感: 肛門腺の炎症や痔など、排泄時に痛みがあるとトイレと痛みを関連付けてしまい、トイレを避けるようになります
- 認知機能の低下: 高齢猫の場合、認知症によってトイレの場所を忘れたり、排泄のタイミングがわからなくなることがあります
- 関節炎や筋力低下: トイレの縁をまたぐのが困難になったり、適切な姿勢を保てなくなることがあります
- 寄生虫感染: 腸内寄生虫による下痢や不快感
- 膀胱炎や尿路結石: おしっこをトイレ以外でする場合の主な原因です
特に高齢猫や急激な体重変化があった猫、食欲不振などの他の症状が見られる場合は、すぐに獣医師に相談することが重要です。
4. トイレへの負の条件づけ
猫がトイレで排泄中に怖い体験や嫌な体験をすると、トイレそのものを避けるようになることがあります。
負の条件づけの例:
- トイレ中に大きな音がした: 洗濯機や掃除機の音、物が落ちる音など
- トイレ中に他の猫に襲われた: 多頭飼いの場合、トイレを使用中に他の猫に追われたり攻撃されたりした経験
- 排泄時の痛み: 便秘や下痢による痛みをトイレと関連付けてしまう
- 子供やペットに邪魔された: トイレ中に驚かされたり追いかけられたりした経験
一度負の条件づけが起こると、その恐怖心を取り除くには時間と根気が必要です。
5. おしっことうんちで好みが違う
我が家の猫のように、おしっこはトイレでするのにうんちだけは外でする、またはその逆のパターンは実は珍しくありません。
この現象の理由として考えられるのは:
- 排泄時の姿勢の違い: うんちの方が踏ん張る必要があり、より広いスペースや安定した場所を好む猫もいます
- 猫砂の感触の好み: おしっこは素早く済むため猫砂の感触をあまり気にしないが、うんちの際はじっくり座るため感触が気になる
- 臭いへの敏感さの違い: うんちの方が臭いが強いため、自分の臭いが残っている場所を避けたい心理が働く
- 本能的な理由: 野生下では、臭いの強いうんちは天敵に居場所を知られるリスクがあるため、寝床(安全な場所)から離れた場所でする習性があります
6. 高齢化による変化
猫も年を取ると、様々な身体的・精神的変化が起こります。
高齢猫特有の問題:
- 筋力の低下: トイレの縁をまたぐのが困難になる
- 関節の痛み: 排泄時の姿勢を保つのがつらい
- 視力の低下: トイレの場所がわかりにくくなる
- 認知機能の低下: トイレの場所や排泄のタイミングを忘れる
- 内臓機能の低下: 便意のコントロールが難しくなる
高齢猫の場合は、病気ではなく加齢による自然な変化の可能性もあるため、環境を猫に合わせて調整することが重要です。
うんちをトイレ以外でしてしまったときの対処法
実際に猫がトイレ以外でうんちをしてしまった場合、適切な対処が必要です。間違った対応をすると、問題が悪化することもあります。
即座にやるべきこと
1. 叱らない、騒がない
猫がトイレ以外でうんちをしても、絶対に叱ってはいけません。猫は叱られても「トイレ以外で排泄してはいけない」とは理解せず、「この人の前で排泄すると怒られる」と学習してしまいます。結果として、隠れた場所でさらに粗相をするようになる可能性があります。
2. すぐに片付ける
うんちを見つけたら、猫が見ていないときに静かに片付けます。大騒ぎすると、猫が飼い主の注意を引くためにわざと粗相をするようになることがあります。
3. 徹底的に消臭する
猫は嗅覚が非常に優れているため、人間には感じられないレベルの臭いも残っていると、同じ場所で再び排泄してしまいます。
- 固形物を取り除いた後、ペット用の酵素系消臭剤を使用する
- 布製品の場合は洗濯だけでなく、日光消毒も効果的
- 床の場合は、消臭後にアルコールで拭き上げる
- 木製の床は臭いが染み込みやすいため、特に念入りに
4. 場所をチェックする
どこでうんちをしたのか記録します。特定の場所で繰り返す場合、その場所に理由があるかもしれません(静かで落ち着く、床材の感触が好き、など)。
今すぐ試せる!トイレ問題の解決策
トイレ環境の改善
1. トイレの数を増やす
基本的に「猫の頭数+1個」が理想です。我が家では3匹の猫に対して4個のトイレを設置しています。トイレが複数あることで、猫が選択肢を持てるようになり、ストレスが減ります。
2. トイレのサイズを見直す
猫の体長の1.5倍以上の長さのトイレが理想です。大きめのトイレに変えただけで問題が解決することもあります。屋根付きトイレを使っている場合は、オープンタイプに変えてみるのも一つの方法です。閉鎖的な空間が苦手な猫もいます。
3. 猫砂を変える
猫砂の種類を変えてみましょう。鉱物系、紙系、木系、おから系など、様々なタイプがあります。複数のトイレに異なる種類の猫砂を入れて、猫に選ばせるのも効果的です。
我が家では、うんちをトイレ外でしていた猫のために、細かい粒の鉱物系猫砂に変更したところ改善しました。また、猫砂の深さも重要で、最低でも5cm以上、できれば7〜10cmの深さが理想です。
4. 清掃頻度を上げる
理想は排泄のたびに掃除することです。最低でも1日2回、できれば3回以上の清掃を心がけましょう。自動トイレの導入も検討する価値があります。
5. トイレの設置場所を見直す
静かで人通りが少なく、猫が落ち着ける場所に設置します。ただし、あまりに遠い場所だと、特に高齢猫や体調不良の猫は間に合わないことがあります。家の中の複数の場所にトイレを分散配置するのがおすすめです。
粗相した場所への工夫
1. その場所をトイレにしてしまう
猫が頑固に同じ場所でうんちをする場合、いっそその場所にトイレを設置してしまうのも一つの方法です。猫がそこをトイレと認識するようになったら、少しずつ望ましい場所へ移動させていきます。
2. 場所の性質を変える
- アルミホイルを敷く(猫が嫌がる音と感触)
- 両面テープを貼る(足裏がベタベタする感触を嫌がる)
- 柑橘系の香りのスプレーを使う(猫が嫌う臭い)
- その場所に食器や水を置く(猫は食事場所では排泄しない習性がある)
ストレス軽減の取り組み
1. 生活環境を豊かにする
- キャットタワーや棚を設置して上下運動ができる空間を作る
- 隠れられる場所(段ボール箱、猫用ベッドなど)を用意する
- 窓辺に座れるスペースを作り、外を眺められるようにする
- 定期的に遊んであげる時間を確保する
2. フェロモン製品の活用
猫のフェイシャルフェロモンを含む製品(フェリウェイなど)を使用すると、猫の不安を和らげる効果があります。コンセントに差すディフューザータイプなら、部屋全体に効果が広がります。
3. ルーティンを守る
猫は規則正しい生活を好みます。食事の時間、遊ぶ時間、寝る時間などをできるだけ一定に保つことで、猫の安心感が増します。
多頭飼いの場合の特別な配慮
多頭飼いでトイレ問題が発生している場合、猫同士の関係性にも注意を払う必要があります。
- トイレは家の様々な場所に分散配置する
- 一つの場所にトイレを固めない
- 猫それぞれに専用のトイレを用意する意識を持つ
- 弱い立場の猫が安心して使える場所にトイレを設置する
- 猫同士の相性に問題がある場合は、生活空間を分ける検討も
おしっことうんちで場所を分ける猫への対応
我が家の「おしっこはトイレ、うんちは外」タイプの猫への対応として効果があった方法を紹介します。
1. うんち専用トイレの設置
猫がよくうんちをする場所に、トイレとは明確に異なる排泄場所を設置しました。大きめの浅いトレーに猫砂を薄く敷き、カバーもつけません。これが「うんち専用」として認識されるように工夫しました。
2. 猫砂の種類を変える
おしっこ用とうんち用で異なる種類の猫砂を使用しました。うんち用には砂浜の砂に近い細かい鉱物系、おしっこ用には固まりやすい別のタイプを使用しています。
3. タイミングを見計らう
猫は食事の後30分〜1時間程度でうんちをすることが多いです。そのタイミングで猫がうんちをしやすい場所の近くで見守り、うんち専用トイレに誘導することを繰り返しました。
逆に、「うんちはトイレ、おしっこは外」タイプの猫の場合は、膀胱炎などの泌尿器系の病気の可能性が高いため、まず獣医師の診察を受けることが最優先です。
病院に連れて行くべきサイン
以下の症状が見られる場合は、すぐに動物病院を受診してください。
- 突然トイレ以外で排泄するようになり、環境改善しても数日で改善しない
- うんちが下痢、血便、粘液便である
- うんちが極端に硬い、または出ない(便秘)
- 排泄時に鳴いたり、痛がる様子がある
- 食欲不振、嘔吐、体重減少などの他の症状がある
- お尻を床に擦り付ける、舐め続けるなどの行動
- 高齢猫で急に始まった場合
- 何度もトイレに行くが少量しか出ない
特におしっこをトイレ以外でする場合は、尿路結石や膀胱炎などの緊急性の高い病気の可能性があります。オス猫の場合、尿道閉塞は命に関わるため、24時間以上おしっこが出ていない場合は緊急受診が必要です。
長期的な視点での取り組み
トイレ問題の解決には、時に数週間から数ヶ月かかることもあります。焦らず、以下のポイントを意識して取り組みましょう。
記録をつける
- いつ、どこで粗相したか
- うんちの状態(硬さ、色、臭い)
- その日の猫の様子や環境の変化
- 試した対策とその結果
記録をつけることで、パターンが見えてくることがあります。また、獣医師に相談する際にも役立ちます。
小さな改善を喜ぶ
完全にトイレで排泄できなくても、回数が減った、トイレでできる日が増えた、などの小さな改善を見逃さず、前向きに評価しましょう。猫も飼い主のポジティブなエネルギーを感じ取ります。
複数の対策を同時に試さない
問題を早く解決したい気持ちはわかりますが、複数の対策を一度に試すと、何が効果的だったのかわからなくなります。一つの対策を1〜2週間試して効果を見極めてから、次の対策に移りましょう。
専門家に相談する
自力での解決が難しい場合は、獣医師だけでなく、猫の行動学に詳しい専門家(動物行動学者、認定キャットビヘイビアリストなど)に相談することも検討しましょう。
予防のための日常的な心がけ
トイレ問題を予防するために、日頃から以下のことを心がけましょう。
- トイレは常に清潔に保つ
- 猫の様子を毎日観察する(排泄の回数、うんちの状態など)
- ストレスのない環境づくりを心がける
- 定期的な健康診断を受ける
- 猫の好みや性格を理解する努力をする
- 生活環境に変化を加える場合は、徐々に慣らしていく
まとめ:猫の気持ちを理解することが解決への近道
猫が突然トイレ以外でうんちをするようになる原因は、トイレ環境への不満、ストレス、健康問題、負の条件づけ、加齢など様々です。我が家のように、おしっことうんちで使い分ける猫もいれば、逆のパターンの猫もいます。
重要なのは、猫を叱らず、原因を冷静に分析し、適切な対策を根気強く続けることです。トイレの数やサイズ、猫砂の種類、設置場所などの環境改善から始め、それでも改善しない場合は健康面のチェックも忘れずに行いましょう。
猫のトイレ問題は、猫からの大切なメッセージです。その声に耳を傾け、猫が快適に暮らせる環境を整えることで、多くの場合は改善に向かいます。焦らず、猫のペースに合わせて、愛情を持って向き合っていきましょう。
それでも解決しない場合や、健康上の懸念がある場合は、遠慮なく獣医師や猫の行動専門家に相談してください。あなたと猫が快適に暮らせる日々が戻ってくることを願っています。
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