捨て猫を保護してあげたいけど飼えない。そんな時の対処法
公園に行くと、段ボールの中に猫がいた。
庭で猫が出産したようで、数匹の子猫が鳴いている。
保護依頼の相談で多いシチュエーションなのですが、動物愛護団体にもキャパシティがあり、余裕のない時は簡単に受けられません。
捨て猫を保護したいけれど家に連れて帰れない、そんな人ができることをあげていきます。
できることリスト
まずは緊急性の見極めを。
ぐったりしていて死にかけているのであれば緊急度は高いです。
そばに母猫がいて子育てしているようであれば子猫は生きられる確率が高いので今すぐ病院に連れていかなければならないという状況でもありませんが、大きくなると人馴れしなくなる可能性があるのでそれなりに緊急度は高いです。
明らかにペットショップで売られているようなきれいな毛並みの猫であれば高い確率で脱走した猫です。
それぞれに対してやることも変わってきます。
まず、明らかに飼い猫っぽい猫に関して。
自分から近寄ってきたり、傍に行っても逃げなくて捕まえられそうな猫はおそらく飼い猫です。
野良猫でも人馴れしている猫がいるので絶対とは言い切れませんが、いわゆる雑種猫っぽい柄の猫であれば外で暮らしている地域猫かもしれません。
耳にV字のカットがあれば地域猫でそこで育てられている猫です。
首輪をしていたり飼い猫っぽい場合はまずは警察と、地域の管轄の動物愛護センターにお電話を。
届け出があるかもしれません。
マイクロチップが入っていれば検査して飼い主が分かるので保護して連れて行くことも一つの手なのですが…。
飼い主が現れない場合、殺処分の可能性があります。
他に飼い主が見つかったり、動物愛護団体が引き出したりすることで殺処分を間逃れることはありますが、絶対とは言い切れません。
まずは電話して届け出があるかどうかを確認しましょう。
連れて行ってマイクロチップが入っているかどうか確認して、入っていなければ元の場所に戻すのも一つの手です。(見つかるのであれば動物愛護団体や友人に相談して家や施設で預かってもらうことがベストです)
飼い猫じゃなさそうでも、人馴れしている外で暮らす猫は虐待の恐れがありできれば保護してあげたいところです。
埼玉県では連続して猫の不審死があったあと、学校に男が襲撃して先生が刺される事件がありましたが世の中には異常な人が一定数おり、そういう人の標的になりやすいのが人馴れしている猫です。
できれば人の姿を見ると逃げるほうが安全なのですが、時々誰にでも懐いてくる猫がいるのでなんとか里親さんを見つけていきたいです。
しかし、大人猫はなかなか里親さんが見つかりにくく、そして大人猫をたくさん保護して里親さんが見つからなければ団体としてそれ異常保護ができなくなるというジレンマに悩まされています。
余裕のある冬のシーズンにできるだけ大人猫の里親さんを見つけてお家を決めていきたいものです。
外で弱っている猫に関して
こちらは緊急度が高く、外にいる猫で素手で捕まえられるような猫は相当弱っているか人馴れしているかのどちらかです。
前者であれば放っておくと死んでしまいます。
そして、そういう猫を動物愛護センターに連れて行くと安楽死を選択される場合があります。(職員さんも殺したくて殺処分しているわけではありません)
自分がこういう場合にできることはとにかく引き取れる動物愛護団体を探すこと。
見つかったら、すぐその団体に引き渡すのではなくできれば病院に連れて行ってから獣医師の診断を受けて何がどう悪いのか、治療法などを聞いてから引き渡してほしいです。
一刻を争う場合はその数時間が命取りになります。
特に子猫の場合、体力がないのであっという間に弱っていきます。
動物愛護団体も時期によってはキャパシティが常にパンパンで引き取れない場合があります。
むしろそういう状態がほとんどで、里親さんが決まれば次の猫を引き受けられるのに里親さんもそう簡単には決まらないのが現実です。
なので、1件断られたからと諦めずに地域名と動物愛護団体というキーワードで検索して探してみましょう。
もしくは、誰か数日引き取って面倒を見てくれるような知り合いを探しましょう。
先住猫がいる家庭は、新しく迎える猫がなにか感染する病気や菌を持っているとその猫にまで感染する恐れがあるので病院でノミ・ダニ、お腹の中の寄生虫の駆虫などすぐできる対処はしてもらってから面倒を見てもらうのがベストです。
乳飲み子がいる場合
こちらは判断をミスすると死に直結します。
基本的に乳飲み子がいるということは、母猫が周りにいることが多いです。
しかし、人間にびっくりして逃げてしまい戻ってこなかったり育児放棄をすることもあります。
保護できない人が乳飲み子を保護しようとすると、逆に命を落とす可能性があります。
まずは、母猫が周りにいないか目安として1時間、遠くから様子を見ましょう。
近くに人間がいると母猫が帰ってこれません。
母猫が帰ってきた場合、自分が保護できない場合や、保護できる人がいない場合は一旦母猫に子育てを任せるほうが生存確率は高いです。
保護できないのに乳飲み子をとりあえず保護したら、ちょっとミルクを飲まなかったり体温が下がったりするだけで元気がなくなり保護してくれる人が見つかったときにはもうぐったりしているということもあります。
なので、そっとしておくことも生かすための選択肢としてはありだと私は思っています。
ただし、母猫が帰ってこないようでしたら急いでペットショップで猫用のミルクと哺乳瓶を買って一時的でもいいので家で面倒を見てください。
3時間おきにミルクを飲ませ、温かい環境で低体温症にならないように気をつけましょう。
面倒を見ている間にとにかく引き取れる人を探しましょう、としかアドバイスできないです。
それなりに大きな子猫がいる場合
時々電話で相談があるのですが、「家の周りに見たことのない子猫がうろついてます」と。
正直イラッとします。
どうしてほしいのか、保護を依頼するのであれば捕獲器を貸すので入るまで自分で管理できるのかなど全く協力しようとせずにそういう通報だけしてくる電話、本当に腹が立ちます。
一体私達動物愛護団体はどんな扱いなのか。
便利屋じゃないんだから、通報して簡単に連れて行ってもらえると思わないでください。
こちらもお金がかかるし、保護したい猫はいっぱいいるし、そんな毎日を過ごしている中で猫がいますという電話がかかってきたらイラッとします。
丸投げせずに自分は何ができるのか、どうしてほしいのかを具体的に伝えましょう。
動物愛護団体の保護頭数によっては、その猫を外で生きていかせるという選択をしないといけないときもあります。
こればかりはタイミングです。
緊急性が高い順に保護をしています。
本当は全部の猫を保護したいのですが、それができないくらいたくさんの猫が外で暮らしています。
ということで、丸投げせずにやれることを。
動物愛護団体の置かれる状況
さて、後半愚痴っぽく書いてしまいましたが、保護依頼のお電話がたくさんあって、里親希望の連絡はそれよりも少ないです。
ばんばん里親さんが決まるのであればどんどん保護できるのですがそう簡単にいくわけでもありません。
捨て猫を保護してあげたいというお気持ちはとても素晴らしいのですが、気持ちだけではどうにもならない現実があります。
動物愛護団体も必死で活動しているので常にたくさんの猫を抱えています。
そんな中で自分ができることはなんだろう。
具体的に考えてくれる人が増えるほどこの活動が進みます。
1人が100匹の猫を保護するのではなく、100人で100匹の猫を保護する。
それができるようになるとこの業界がもっと健全な活動になります。
保護できなくてもその団体を支援することで活動を継続することができ、救える命の数が増えます。
資金で支援する、物資で支援する、SNSで拡散するなどできることはいろいろあります。
捨て猫を保護したいけれど飼えないから何もできないという人ほど普段から動物愛護団体と関わって、もしそのシチュエーションに遭遇した時に手伝ってもらえるような関係性を築くことがベストなのですが、この記事を検索して見つけた人は緊急度が高いですよね。
本当に幸せにしたいと思うのであればなんとかして動物愛護団体を見つけましょう。
丸投げせずに医療費などの支援を。
預けたら終わりではなく、自分でも里親になれる人を探してみたり、できることはあるはずです。
スマホでポチポチポイ活、古着買取、買い物で支援など皆様にしてもらいたいことをまとめています。
参加しやすいものにぜひ協力してください!
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