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保護した猫が妊娠していたらどうする?かわいそうだけでは決められない現実

保護した猫が妊娠していたらどうする?

 
「人にべったりな猫がおそらく妊娠しているんです。」
そう連絡があって保護に向かったことがあります。
確かにお腹はパンパン。
そして私が着いた時にはすでにケージに入れられて人にヨシヨシされて喜んでいる状態。
さあ、どうする?

 

 
妊娠中の猫が助けを呼んでいる場合

 
こういう投稿をしたら、SNSで同じように妊娠中の母猫が助けを求めてるのかやたらと家に入りたがろうとしていたり、玄関前で待っていたり、今まで触らなかったのに急に触れたりといろんな体験談をいただきました。
不思議なのですが妊娠中や病気の猫は人間に助けを求めてきます。

 

 
こうしてお家の中に入れた猫がお腹が膨らんでいるのでおそらく妊娠しているかも。
そんな時、どうするか正解があれば気が楽なのですが個人の判断に委ねられます。
選択肢は産ませるか堕胎するか。
せっかく自分に助けを求めてきた猫の赤ちゃんを堕胎させるわけにはいかない。
感情だけで考えるとそう思うのが普通です。
しかし、現実を考えればどうやってこの子たちの面倒を見たらいいのか。
平均3〜4匹で多いと6匹くらい生みます。
基本的に母猫が面倒を見てくれますが、育児拒否をしたりミルクが出ない母親は時々います。

 

 
ちなみに私は冒頭で書いた猫に関しては産ませました。
4匹生まれて皆無事に育ち里親さんのお家で元気に暮らしています。
私の場合、育てられる環境があるのと、母猫が人慣れしていること、そしてもう堕胎するには時期が遅すぎて母猫の負担が大きく命に関わる可能性があることなど条件が重なったため出産しました。

 

 
基本的にTNR活動(野良猫を不妊去勢手術を行うことでその地域でこれ以上繁殖しないようにする活動)で妊娠している場合は堕胎します。
本当はこういう活動されてる全員が生ませて生まれてくることを祝いたいのですがまだその時期ではありません。
全部生ませるとその分救えない命があるほどどの動物愛護団体もキャパがいっぱいです。

 

 
生ませるか生ませないか

 
ある日突然家にやってきた野良猫が妊娠しているなんて思いもしない出来事が起こったら頭が混乱しますよね。
生ませたい、けれど生まれた後に面倒は見れないし里親探しもできない。

※ちなみに今はペットのおうちという里親募集投稿サイトやジモティーなどで見つけることができます

 

里親詐欺に合わないための心得はこちらに書いています

 

犬猫の里親詐欺防止のために。見分け方とジモティーで特に気をつけてほしいこと

 

 
相当な覚悟がないと生ませることは難しいし、生ませても死んでしまうかもしれないという精神的なプレッシャーがあります。
しかし、生ませないという選択をしても一生後悔するかもしれません。
法律で、妊娠している猫は堕胎してはいけないと決められていたらこんなに迷うことはないのですが、判断はものすごく時間がかかります。
【保護猫 妊娠していた】と検索すれば出産させてハッピーな記事も出てきます。
そんな記事を見たら堕胎させたことを後悔してしまうかも。

 

 
けれど、やはり感情論だけでは判断できないこの問題。
実際私がTNR活動をしていて妊娠していた猫がいましたと手術後に聞かされると悲しい気持ちになるし、お腹にいる猫の命を奪うことは殺処分と同じなのではないのかとみんなモヤモヤしながら活動しています。

 

 
生ませるのであれば条件を整えましょう。
自分では無理だと判断したら、知り合いや動物愛護団体や動物病院に問い合わせて手伝ってくれるところを見つけるしかありません。
自分でやると決めたなら、基本的に授乳はお母さん猫がしてくれますが時々ミルクが出ない母猫もいます。
その時は粉ミルクで人の手で育てないといけません。
3時間おきに様子を見ながら授乳させます。
離乳までの1か月は地獄のような日々が続きます。
それでも生ませる覚悟があれば生ませる、できないのであれば堕胎する方が良い選択なのではないかと思います。

 

 
どちらも正解

 
今、保護猫が妊娠していたらという検索ワードを見ると1位は結果的に生ませたブログ記事が出てきます。
皆お家が決まりハッピーエンド。
そりゃ素晴らしいことです、最高。
その人にとっての正解はその選択であり、できる人がその選択をしたからベストな結果が出ました。

 

 
けれど、堕胎することも人によっては正解なんです。
動物愛護団体がそんなことを書くと一般の方はおかしいと言って炎上するかもしれませんが、私たちの立場で書くと全ての命を令和5年の時点で救うことはできません。
明らかに生まれてくる猫の数の方が里親になりたい人の数の方が多く、特に田舎は里親探しに苦戦していて全ての妊娠猫を出産させていたら確実にキャパオーバーになり、結果として殺処分数が増えます。

 

 
出産させてハッピーだったねという綺麗事だけの世界ではありません。
はっきり言うと堕胎を選択するその後しばらくとても憂鬱でできればTNR活動なんてしたくないですが、しないと解決しないこの問題。結論としては、生ませられる環境であるならば生ませてほしいし、世話もできないし里親探しをする余裕もないというのであれば堕胎する方がいいですし、自分で決めたことを後悔せずに正解はどちらかではなく自分のその時やれることをやりましょう。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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