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保護した猫が高額医療が必要に。どうする?どこまで出すべき?

保護した猫の高額医療費、どうする?

保護猫活動者にとって永遠の悩みとも思える、保護した猫に対してどこまでお金を出せるか問題。
一時期FIP(ネココロナウイルス)という病気の治療に薬代で100万円を超えるというのが当たり前で、クラウドファンディングで「FIPになった猫の命を助けたい!」というような案件が多数ありました。

 

無限に資金があるのであれば全く悩まない問題ですが、際限なく使える予算もなくやればやるほど自分を追い込んでしまいます。
どこまで出すべきか。
私の線引きです。

 

トロッコ問題

 

トロッコ問題の正解

 

線路の上で人が作業しています。
左側には1人。
右側には5人。

 

 

トロッコが猛スピードでやってきます。
レバーを引けば右側の5人は助かる。
何もしなければ左側の1人は助かる。

「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」という問題です。

 

正解なんてないですよね。
人それぞれ考え方も違うし、もし仮にこの場合はこうしなさいと法律で正解が決められていたらある意味楽です。

保護猫活動というのは独特で、常に命と向き合う活動になります。
本当はどちらも助けたい。
それがみんなの思いですが選ばないといけない時もある。
多分、その答えを準備せずにその場面がやってきた場合、目の前の1匹の命を優先すると思います。
活動歴が浅い人ほどそうしますし、私も高額医療でかなりの費用が一晩でなくなってしまったこともあります。

 

命が助かるのは本当にありがたいし、何事にも変え難いことです。
お金で命が救えるならば、、、
普通はそう思いますよね。
自分が飼っているペットなら尚更。
けれど、保護活動者が譲渡対象として預かっている保護猫の場合どうしたらいいのか。

私の場合、保護猫活動においてトロッコ問題の答えは5人の命を救うということに決めています。

 

先に答えを準備しておく

活動が長くなればなるほど継続するための大切さ、資金繰りを考えるようになります。
この先まだまだ向かい合っていかないといけない活動です。
都市部では野良猫が見かけなくなったと聞きますが、田舎に行けば行くほどこの問題は解決しておらず、都心部でも田舎でも全国どこでも多頭飼育崩壊は発生しています。
人間が猫を飼うという行為がなくならない以上は多頭飼育崩壊は必ず起こるものですし、野良猫がいなくなったとしても保護猫の活動は続きます。

 

毎回100万円出せるのか。
一回目はSNSで寄付を呼びかけてなんとか集まったけれど、二回目は全然集まらないということも多々あります。
自腹で出すにしてもしんどいですよ。
自分が貧乏になって苦労するほど辞めたくなります。

 

私の出した答えは目の前の命よりも未来に救える命を優先します。
リアルな答えは保護した猫の高額医療は30万円まで。
感情よりも予算をどう使っていくかを重視します。

 

どちらの答えにしても自分自身が後悔すると思います。
人生トータルで考えた時に何匹の猫を幸せにできているか。
それを考えると資金繰りに致命的なダメージになる行為は避けないとやってられません。

 

とはいえ、100万円の治療をする人の選択を批判しているわけではありません。
それがその人の答えで尊重してます。
資金が集まらなくて活動を辞めざるを得ないという状況にならないことを祈るばかりです。

 

動物愛護センターの考え方

 

以前、多頭飼育崩壊のことで動物愛護センターに相談したことがあります。
自分には数匹しか保護できないけれど、数十匹いる場合はどうしたらいいのか。
返ってきた答えは「元気な子から保護する」ということ。
え、逆じゃないのと思いましたが、冷静に考えると年間の予算が限られている動物愛護センターでその考え方は当たり前かなと。
年間何百件も問い合わせがある中で予算が上限があるとどうしても生かせる子を優先します。
1匹1匹に高額な治療をする予算はありません。
乳飲子が即日殺処分になる場合も、ボランティアがいなければ生かすことはできないし、中途半端に延命しても苦しませるだけということで、生かせられる状況ではないという判断です。

 

この考え方がみんなの正解だとも思いませんが、私はかなり参考にしています。
瀕死の猫が元気になることはとても嬉しいですが、命の選別をする場面に必ずぶち当たります。
重い選択になりますが準備は必要です。
考えが合わない人には批判されそうだと思ってますが、それぞれが出した答えを尊重することです。

 

高額医療を必要とする猫を私が保護して治療しないという選択をした場合、他の人に保護されていれば生きたかもしれないという批判も必ずあります。

見殺しにしたいわけでも手抜きをしたいわけでもありません、優先順位は長く続けることだと思っています。
できれば元気な猫だけを育てたいのですがそうもいかず。
シビアな話になりますが、活動が継続できる範囲での医療費の使い方を。
目の前の命を救うことも大事、これから先長く続けていくことも大事。
あなたなりの答えを大切にしてください。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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