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保護猫譲渡の年齢制限について。飼う前に考えておきたい猫との暮らしの知識

保護猫譲渡の年齢制限について

 
「私は80歳なんですが、子猫を育てたいんです。」
そんな方が譲渡会に来られました。
動物愛護団体の多くは年齢制限を設けていて、60〜65歳に設定しているところが多いのではないでしょうか?
その理由と猫との生活について。

 

 
猫と人間の寿命

 
私は今、38歳です。
ありがたいことに持病はまだなく、歳をとったなと感じることは慢性的な肩こりくらいでしょうか。
新卒で入った会社の仲間と会ってもまだこの歳で大病をしたとか持病があるという話は滅多に聞きません。
けれど、父親が定年した60歳の頃は同い年で集まると病気自慢が始まり何かしら皆悩んでいると言ってました。

 

 
そうなんです、人間どこかのタイミングで病気になりやすいし、刻一刻と寿命は短くなっているし、若い時よりも健康でいられる確率が低くなります。
人それぞれ健康状態が違うので65歳以上と決めるのもどうなんだという意見もありますが、10年後、20年後は誰にもどうなってるか分からないし私が20年後生きているかどうかも分かりません。
分からないなりに確率の高いところを選んで猫にとって最後まで幸せに暮らせる家を探すというのが私たちの使命です。

 

 
猫は20歳まで生きる子もいて、15歳くらいは大体の子が生きると思っていてください。
冒頭で話した80歳の方は、猫がそんなにも長生きするものだと思っていなかったのと、自分が死んだ後のことは特に何も考えていなかったです。
無責任というか知識が足りないというかは捉え方次第ですが、現実的に子猫から飼い始めるのは難しく、死後に面倒見てくれる人がいるかどうかが判断材料になります。

 

 
シニアの方が猫を飼いたい場合

 
現実的に飼い始める最後の年齢は成猫でも70歳くらいがギリギリだと思われます。
あまりないケースですが、ペット可の老人ホームに入りそこで一緒に暮らして自分が先に死んでしまったときにそのホームで最後まで見てもらえるような契約をするとか、互助会を利用して後見人に託すとか。

 

 
自分の人生の最後に愛する猫と一緒に暮らしたいという願いはこちらとしても叶えてもらいたい気持ちもありますが、飼い主が先に逝ってしまうと猫が悲しみます。
シニア猫の看取りとして預かりボランティアをするという手もありますが、最後を看取るのは辛いという方にはおすすめできません。
本当に難しい問題です。

 

 
寂しさから増えている問題

 
社会との繋がりが途切れ老人の孤立化により、庭に遊びにきていた猫に餌をやっていたらどんどん集まってきてその子たちが交尾して妊娠して出産して、あれよあれよと増えてしまうケースが全国で後を断ちません。
私もそういう現場に数件出会ったことがありますが、その方は悪気があってしたわけではなく寂しいのと猫と遊びたい一心でごはんをあげ続けました。
まさかこんなに増えるとは思ってなかったと。

 

 
孤立している老人の中には年金暮らして増えた猫の引取り料も手術代も支払えないということで動物愛護団体に丸投げ案件になることがあり、私も一つの現場で50万円ほど使ったことがあります。
正直腹が立ちますし、その方は93歳だったので自分が何をしているか、私が何を言っているのかも理解できておらずただその現場の手術をやるしかない状況だったので自腹でやりました。

 

 
飼いたいけれど飼えないからその辺にいる猫に餌やりをする。
不妊去勢手術をしているならば、糞尿の苦情が出ないようにやってくれるのは素敵なことだと思います。
しかし、手術してないでやると上のようなケースになります。
一番伝えたい老人に伝わらないこのもどかしさ。
これからもっと増えてくると思いますが、地域のつながりで何とか増える前に対処していきたいものです。

 

 
まとめ

 

老人を悪く言いたい訳ではなく、猫の幸せを思って私たちは年齢制限を設けています。
どうしても飼いたいという気持ちも分かるのですが、いつまで健康かわからない。
健康には自信があるという方でも数年後どうなってるかは誰にも予想できません。

 

 
飼いたいという気持ちだけではいけません。
飼うことで自分が幸せになるという自分を満たすためだけに飼ってほしくないんです。
最後まで猫と暮らして猫も人も幸せに暮らせるような条件の合うところに譲渡しています。
動物を飼うということは命と向き合う覚悟が必要です。
ご理解ください。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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