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保護猫の警戒心を解く方法。やってはいけないことを避けて懐いてもらうには。

保護猫の警戒心を解く方法

 

2023年10月29日の執筆時点で、1年間ストーカーし続けた地域猫の三毛猫がようやくフェンス越しだと甘えてきてくれて、ゴロゴロ喉を鳴らすように。

しかし、フェンスがない場所では近寄ってくれずもう少しの距離感。

どうやってここまで懐いてくれたのか、他の猫との経験も触れながら書いていきます。

 

 

保護した猫の警戒心を解くには?焦りは禁物

 

保護猫と言っても誰かが保護して手懐けた猫なのか、自分で外にいた猫を拾って家に連れて帰ったのかでいろいろ対処法が変わります。

まずは公園や道で出会った猫を拾った場合。

こちらは素手で捕まえているというパターンを想定して、すんなり捕まえられるような猫でしたら警戒心はそこまでなく、家に連れて帰っても一週間もすれば甘えん坊になる場合が多いです。

 

 

子猫がいて、逃げ回るので素手では捕まえられず、捕獲器や網で捕まえたりどこか端っこに追い詰めてなんとか捕まえた場合。

こちらはなかなか時間がかかる場合があります。

私の場合、生後3ヶ月が懐くか懐かないかの境界線だと判断していて、捕獲器に中猫が入った場合はその猫が攻撃性があるかどうかで保護するか、手術して元の場所に戻すかを判断します。

絶対に懐かないわけではないのですが、警戒心が強い猫は人の家にいることでずっと怯えて生活することも考えられるのと、外で暮らしていても人が近づくと逃げるため、虐待に合う可能性は低いと考えられます。

ニュースでよくあるような公園の猫が殺されているような件は、おそらく多くの場合が人にベタベタの猫が被害にあっています。

保護しないのであれば下手に人馴れさせないほうが猫の命を守れます。

 

 

暴れる猫を捕まえて家に連れて帰った場合、その後の数日はなかなか大変です。

触ろうとしたらパンチしてくる猫だと、傷だらけになってしまいますし心が折れそうになります。

そういう猫を懐かせたくてこの記事にたどり着いた方は今から手順を書いていきますのでお付き合いください。

 

 

・まずはケージを用意すること。

大きめのケージよりも逃げ場のない1段ケージをおすすめします。

後々人馴れトレーニングをするのに都合が良いからです。

 

 

・焦らないこと

いきなり自分が巨人に捕まえられて檻に入れられたらビビりますよね。

私ならその状況に絶望します。

まさに猫が今その状況です。

いきなり信頼されるはずもないのでゆっくりと焦らず構えましょう。

 

 

・構いすぎないこと

とりあえず最初にすることは放っておくことです。

ご飯を食べてうんちをしてぐっすり寝れるようになればその環境に慣れてきます。

その後から人馴れトレーニングを始めていきましょう。

最初に焦ってよしよししすぎると余計に懐かなくなる場合があります。

 

 

・ちゅーるを有効活用

ちゅーるを食べさせようとしたら猫パンチで払われる場合があります。

そのくらい懐いていない猫でも、無理やり口の中につっこむとペロペロし始めます。

やがておいしいと認識したら、最初はシャーと威嚇してくるものの、匂いにつられて顔を前に出します。

普通にペロペロするようになったら、自分の手の甲に付けて舐めさせてその次は自分の指の先につけて舐めさせてこれがクリアできれば警戒心が解けてきている証拠です。

 

 

・おもちゃを有効活用

ちゅーるを舐めるようになれば次はおもちゃで遊んで反応するかを見てみましょう。

威嚇してしまう場合はちょっと時間がかかるかもしれませんが、遊ぶようになればほぼ警戒心もなくなり触っても逃げなくなるまでもう一歩です。

 

 

警戒心が強くなるのでやってはいけないこと

 

逆にやってはいけないことは

 

 

・大声を出すこと

特に男性の声や子供の声は猫が驚きます。

黒目が開いているときは動揺しているときなので、もし大きい音が出て警戒してしまったら落ち着いて黒目が閉じるまでそっとしておきましょう。

 

 

・じっと見つめる

警戒心が強い猫は見つめられるのが嫌です。

逆の立場だったら信用していない大きな動物にジロジロ見られるのは嫌ですよね。

警戒しているときほどそんなに相手をせず、この場所がごはんももらえて温かい居心地の良い場所だと認識してもらうまでは焦らないようにしましょう。

 

 

・見下さない

大きな相手に上から見られると怖いです。

動物は威嚇する時、自分を大きく見せようと立ったりしますが相手が大きいと怖いからそうするのですが、見下ろすということは警戒される行動になります。

目線を合わせてゆっくり近づきましょう。

 

 

・手を上にあげない

よしよししようとしたらファーストタッチにめちゃくちゃ警戒する子が時々います。

もしかしたら人間に暴力を振るわれたり、何かを振りかざして追いかけられたりとトラウマがあるのかもしれません。

そういう猫は無理に触らずちゅーるから始めましょう。

 

 

子猫でも個体差で懐くのが遅い場合もある

 

今回、多頭飼育崩壊でたくさんの子猫がいる現場が合ったのですが、ほとんどの猫を素手で捕まえることができました。

ある程度人馴れしていて、人の家を自由に出入りしていたような猫たちなのでできたことなのですが、それでも簡単に保護できた子と逃げ回って手こずった子がいました。

 

同じような離乳期の大きさのこの子たち。

 

離乳期の猫でも正確に違いがある

 

三毛猫は抵抗もせずに連れて帰ってと言わんばかりの警戒心のなさ。

茶トラはビビリで端っこに追い詰めてなんとか捕まえられました。

成長してからもやはり茶トラはビビリで知らない人が近づくと逃げてしまいますが、ようやく私には自分から近づいてくるようになりました。

親猫の性格が子猫にも影響しやすいと言われますが、多分この茶トラの猫はまだ捕まえられていないあの子が母猫だろうなあと予想しています。

 

 

 

野良猫の警戒心を解くには

 

野良猫はただただ仲良くなりたいからと言う理由で警戒心を解くのはおすすめしません。

なぜなら、前述の通り人に懐くことで虐待に合う可能性が高まるからです。

適度に警戒しつつごはんをねだりに来るくらいがちょうどいいかなと個人的に思っています。

 

 

私の場合、2023年1月に道を歩いていた大人猫が急に甘えてきて、保護して連れて帰ったものの腎臓が限界で1週間で亡くなってしまった出来事がありました。

今はその地域の亡くなった三毛猫の姉妹だと思われる猫を手懐けようとしています。

多分人に甘えるセンスがあることと、姉妹の三毛猫の思いを引き継いで幸せなお家を探してやりたいという私のただのエゴでもあるのですが、保護目的で懐かせようとしています。

毎晩7時になると現れてごはんをねだってきます。

しかし、触ることはできなかったのですが、最近フェンス越しだと甘えん坊になってくれるという条件を見つけました。

そこまで距離が近づけた要因としては、やはり接触回数かなと思います。

明らかに人の顔を覚えているのと、足音を聞いただけで判断しているのか私が通るとにゃーと呼びかけてきます。

保護できたときはまたお知らせしますが今は9匹の保護猫の里親募集をしておりキャパオーバーなのでもっと仲良くなれてタイミングを見計らってからになりますが。

 

 

地域猫の面倒を見ていると徐々に距離が縮まってきます。

私自身は、その子達がとてもかわいくて外で寒い思いをしてもらいたくないけれど、猫としては家で飼われる方が怯えて苦しい思いをする場合もあります。

外の猫にもお家を作るということで、廃棄されるスーツケースを利用して外猫ハウスを作成しています。

今は予約待ちの状況ですが良かったら参加してください。

 

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そもそも猫が警戒心が強いのはなぜ?一生懐かない?

 

動物が他の動物と仲良くしている姿を見るととても癒やされますが、それは主に幼少期に他の動物と触れ合った経験が大きいでしょう。

猫では生後2週齢~9週齢頃が最も社会化に適した時期といわれており、その時期に人間と一緒に生活したことのある猫は警戒心がほとんどなく、逆に9週齢を超えたあたりから野良猫の保護は難しくなります。

警戒して捕まえるのが難しいことと、捕まえても人馴れするかどうかが怪しいという点で難しいです。

 

 

猫に限らず普通は外で暮らす動物が人間に懐くことは少ないです。

公園の鳩は異様に近づいてくることもありますが笑

あれもおそらく幼少期から人間にごはんをもらっているからでしょうね。

 

 

ほとんどの猫は常に警戒していて、野生の猫は寝ていても熟睡していることは少ないですし、何かが襲ってきた時にすぐに起きられるように常に警戒しています。

なので外で暮らす猫と家で暮らす猫の顔つきが全然違うのかなと個人的に思いますが、外で暮らすということは過酷な環境です。

家で暮らす猫が全く警戒せずにヘソ天で寝ている姿を見ると、やはり猫は人間のパートナーとして生きるほうが幸せなのではないかといつも思います。

警戒している猫を無理やり保護して家に入れることは私は何かしらの条件がない限りしませんが、子猫は人馴れするチャンスがあるのでなんとか幸せなお家を見つけたいと思いこの活動を10年続けています。

 

 

警戒心が強い猫には一生懐かない猫もいれば、3年かけて懐く猫もいます。

そこまで時間をかけて懐かせる余裕は動物愛護団体にはなかなかないのでこれ以上増えないように地域猫活動、TNR活動を進めています。

本当はすべての猫が幸せに暮らせる世の中にしていきたいわけですが、今日明日でいきなり変えられるわけではありません。

外で暮らす猫の繁殖制限をしつつ、いつかくる未来へ向かって皆が歩んでいます。

 

 

警戒心が解けなくて心が折れそうなときは

 

この記事を見ていて、もうすでに保護していて警戒心が解けないからしんどい思いをしている人もいるかもしれません。

私くらいのベテランになると、警戒しているところから心を開く瞬間がとっても嬉しくてそれを楽しみに日々面倒を見ているのですが、シャーされたり引っ掻かれて怪我をしたら心が折れそうになりますよね。

 

 

不思議なもので、猫はある日突然心を開きます。

今まで何だったの?と思うくらいにその日がやってきます。

一生懐かないのであれば、それはそれで仕方ありません。

部屋の中で自由に暮らさせてあげて、かわいがれなくて思い描いてた猫との共同生活とは違うかもしれませんが、小さな変化に喜びを感じるのもまた面白いものです。

 

 

心を開くコツは、ちゅーるまでクリアできて、触ろうとしたらパンチが飛んでくるような段階であれば、おすすめのアイテムは孫の手やペットボトルの中を洗うスポンジでよしよしを。

パンチが飛んできてもノーダメージですし、段々と猫が触られることに抵抗を覚えないようになります。

首元なのか、頭のてっぺんなのか、おしりの尻尾の付け根なのか、各猫によって触られて嬉しいポイントは様々ですが、それを見つけ出して集中的によしよしするとある日突然その日がやってきます。

焦らず粘り強く。

それにつきます。

ちなみに、二匹目の猫を飼うことでその子と猫同士仲良くなることで人に甘えても大丈夫なんだよと教えてくれる場合もあります。

トライアル期間に相性を確かめながらお互いが仲良くできそうであれば良い選択肢になるかもしれません。

がんばります、がんばりましょうね。

 

 

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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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