猫スペースきぶん屋 猫スペースきぶん屋

猫カフェ開業と経営の成功、失敗談

このページを検索して見つけた方は、夢に向かっている途中の方が多いはず。

夢を追うことはとても素晴らしいことです。

失敗することも大切な経験。

だけれども、失敗してしまったら自分だけではなく猫にまで大変な思いをさせてしまうのが猫カフェの経営です。

 

 

よく聞かれます。

「どうやったら猫カフェを開業できるのですか?」

答えは簡単。動物取扱責任者になるために、資格を取り半年なり1年間実務経験(ボランティアでもOK)を積めば要件は満たせます。

あとは動物飼育可能なテナントを見つけて改装工事をすればできます。

サラッと書きましたが、実務経験とテナント探しがものすごく困難。

しかし、それ以上に継続していくことがもっと困難。

しっかりと腹を決めてもらいたいので、私の経験を書いていきます。

 

猫カフェ 内観
兵庫県宝塚市、仁川駅前で運営していた猫カフェきぶん屋の内観です。

 

そもそも猫カフェは儲かるのか

 

猫カフェ 外観
兵庫県宝塚市、仁川駅前で2014年から2023年まで営業していた猫カフェきぶん屋の外からの様子です。

 

2014年5月に兵庫県宝塚市で猫カフェきぶん屋という保護猫カフェをオープンしました。

なぜ開業に至ったかという理由は2つあります。

 

 

一つは、その前の年に公園で捨てられていた猫とたまたま出会い、連れて帰っているうちにとてもかわいくなって同じような境遇の子も幸せにしたいという思いから。

 

 

もう一つは単純に儲かりそうだからという発想。

当時、宝塚市にも近隣の西宮市、伊丹市にも猫カフェはなく、珍しいものでした。

一番手でやるというのはメリットが多く、競合がいないのでお客様の取り合いにもならず、他にないので良くも悪くも注目されやすく、そして猫ブームの始まりの兆し。

知り合いがある街でパンケーキ屋を始めました。

当時、パンケーキブームでみんなが食べたがり、どの店も行列。

その地域にパンケーキ屋がなかったので、第一人者として始めた知り合いは猛烈なスタートダッシュを切り事業を上向きにしました。

その様子を見ていて、誰もしないことをするという大切さを知ったのです。

(ブームが過ぎ去ったときにどうするかは後ほど) 

 

 

果たして開業した結果は

 

計算通り利益は出せました。

ただし、儲かるというほどではありません。

最初の2年間は広告も出さずに口コミだけで広がり、毎月500人以上のお客様が来てくださいました。

リアルな数字を出すと、売上が50万円に対して家賃と光熱費で20万円、人件費が10万円、猫のフードや医療費が5万円くらいで手元に残ったのが15万円ほど。

私の人件費を考えたらほぼプラスマイナスゼロ。
それでも、猫の里親さんを見つけるためにという目的で続けていきました。

 

やっててよかったことは、自己紹介したときに人に覚えてもらいやすいこと。

後々この事業をやっていたからこの人と繋がれて、仕事にも繋がったというご縁がたくさんありました。

猫カフェ単体で見たら事業として微妙でしたが、自分の会社を知ってもらうという意味では効果がありました。

 

 

2年が過ぎると

 

基本的に商売は最初が肝心で、初月から赤字だとほぼ高確率でそのまま黒字になることはとても難易度が高いです。

昔テレビ番組であった、「愛の貧乏脱出大作戦」のようなテレビ番組にでも取り上げられない限り、挽回するチャンスはなかなかないのがリアルです。

(ちなみに、あの番組も放送後は反響があるようですが、またすぐにお客さんがいなくなり閉店になるケースが多かったそうです。)

 

スタートダッシュでなんとか黒字を出した猫カフェでしたが、その後は開店のときのような話題性もなくなり、近隣でも猫カフェができ始めたりでかなり苦戦しました。

猫カフェだけでは食っていけないと痛感し、なんとか続けていこうと寄付を集めたり、ネット通販を始めたり、いろいろなことに手を付けました。

 

結果的にこの苦労した体験が、今の事業の軸となる通販を始めたきっかけになったので、私の場合は振り返ってみればよかったですが普通はそうはなりません。

他の店のオーナーさんが店を手放していくのをたくさん見てきました。

 

3年目からは毎月赤字。

マジで地獄。地獄アンド地獄。

事業が赤字の時って自◯を考えたくなるくらい追い込まれるんですよね。

もう、200万円くらいの古民家を買って猫と一緒に引っ越しするしかないのかなと思うくらい追い込まれました。

この状況になっても続けられますか?

その覚悟があるのであれば、やってみてください。

生半可な気持ちではできません(汗)

 

 

どうすれば継続して儲かることができるのか

 

地域密着型の猫カフェをつくり、近くの方に里親さんになってもらえるような場所にしたい。

そういう思い、とても大事です。

ただし、現実はとても厳しい。

ほとんど来てくれません。

来ても1回の人がほとんど。

 

 

儲かっている店の特長は

・観光地にあり常に新規顧客の獲得のチャンスがある場所

・イベント出店などで売れるグッズを持っているところ

・SNSをうまく活用しているところ

などでしょうか。

 

 

東京の新宿駅に出したり、沖縄県の国際通りに出したり、観光客が多い場所は賑わいます。

その分家賃も高いですが。

地域密着で成功させようと思ったら、家賃がほぼ0に近いような物件、もしくは自宅を改装してしまって家賃を0にする方法で、且つ人件費もボランティアさんに手伝ってもらってできるだけかからないような方法を取らないとなかなか継続できません。

 

 

結論

 

猫カフェ一本ではほぼ利益を出して生活していくことはできず、よほど良い立地条件以外はそれだけで事業継続は不可能だと思ってください。

夢のない話ですが、失敗してやーめたと簡単に放り投げられるものではありません。

お店の猫たちはどうするの?

それが一番の問題です。

 

今の時代に猫カフェをしようと思ったら、それ以外の収入の軸を持っていること、もしくは作り出すことが必要不可欠です。

本業で100万円稼いでいるから半分くらいは猫のために使いたいから猫カフェでもしようか、くらいのレベルでないと本気で地獄を見ます。

寄付も想像している以上に集まりません。

 

もし検索エンジンからこの記事にたどり着いた方が読んだら夢を壊すような話かもしれませんが、小さく自分でできることをコツコツと。

そして同じような思いの仲間を増やすこと。

場所を借りて猫の居場所を作ったりすることよりもできるだけリスクを低くし、各自の自宅で2匹ずつ預かれる人を10人集めるというやり方のほうが個人的におすすめです。

 

あなたの運営の仕方が下手だっただけでしょ?

そう思われるかもしれませんが、世の中の9割の保護猫カフェは赤字です。

私はSNSの総フォロワーが20万人いるので今も継続できていますが、普通そんなSNSの活用はできません。

 

始めるのであれば、できるだけ猫を抱え込まないで、レギュラー猫は2,3匹くらいであとは常に里親さん募集をしていくような、自分で手に負える範囲の猫の数にすることをおすすめします。

 

 

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参加しやすいものにぜひ協力してください!

 

猫スペースきぶん屋が皆様に協力していただきたいこと一覧

この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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