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保護猫を飼うメリット、デメリットは?雑種のほうが長生きする?

保護猫という言葉が一般的になった今ですが、数年前までは本当に考えられなかったことです。

ペットショップから買うことが当たり前。

目を向けてくれる人は少数派だったのが、じわじわと広がりついにテレビでもしょっちゅう聞くような言葉になりました。

 

汚れている猫

保護猫は汚い、保護猫は病気が多い。

保護猫は安っぽいから飼いたくない。

保護猫よりも血統書付きの猫のほうがかわいい。

昔はそう言われたものです。

本当に腹が立ちましたが、世の中の考え方がこの10年で大きく変わったことは活動しながら経験したことです。

 

 

はたして本当に保護猫は病気が多いのか。

汚いのか。

メリット、デメリットをまとめていきます。

 

 

保護猫を飼うデメリット

 

保護した猫は汚いし病気を持っている。

たしかに外で暮らしてきた猫、最初は野性的なニオイがするし汚れていたりもします。

けれど、一度洗って人間とともに暮らしていくと栄養のある食べ物も不自由なくもらえるのでとってもきれいな毛並みになります。

 

毛並みが良くなった保護猫

 

 

病気に関してはたしかにデメリットが浮き彫りになることがあります。

まず、なかなかの高い確率でお腹の中に寄生虫がいます。

住んでいた環境によりますが、まったく人に世話をされておらず自分で狩りをしていたような猫はカエルや虫などを食べていることもあり、それによって寄生虫がお腹に宿ります。

また、ノミが多い地域では毛づくろいをしている時にノミの死骸を飲み込むことで寄生虫がお腹に宿ります。

寄生虫は最近は簡単に駆除することができ、ブロードラインという首元につける液体の薬はノミダニの駆除とお腹の寄生虫の駆除を同時にやってくれるので保護猫活動家は重宝しています。

2,000円前後でできるので手間も負担もそこまでないのですが、他の猫が糞などから感染する恐れがあるので必ず一定期間隔離を忘れずに。

 

猫のお腹にいる寄生虫

こういう紐状のものがうんちの中に入っていたら寄生していることが確定です。

 

 

あと、多いのはコクシジウム。

こちらも昔は厄介な寄生虫でしたが、最近は高確率で駆除できる飲み薬が動物病院で出回っていて(先生曰く犬用だそうですが猫にも効果あります)、昔は2週間粉薬を飲ましても取れなかったことがあり、その間に下痢が進行して脱水症状になって命の危機を感じたりと本当に嫌な原虫です。

 

 

保護した猫を家に連れて変える場合、必ず検便をしましょう。

検便して異常がなくても、時間差でお腹の中の卵が産まれて宿るときもあるのでうんちは要チェックです。

そして、先住猫がいる場合は必ず接触させずに隔離してください。

 

 

大きなデメリットはエイズ白血病いずれか、もしくはどちらも陽性だった場合。

猫エイズはまだ他の猫に感染しにくく、発症しないまま一生を終える猫も多いので最近は一緒にしているという人も多いですが、正解は自分で勉強してからよく考えて決めてください。

私の場合、猫の入れ替わりが激しくて同じ環境にいることがデメリットのほうが大きすぎるので隔離します。

白血病の場合、多くは2~3年が寿命だと言われています。

そして、結構感染しやすいのが厄介です。

どちらも基本的に動物愛護センターや動物愛護団体から引き取る場合、事前にウィルスチェックをしているところが大半なので譲渡会などでエイズ白血病陰性など表記があると思います。

 

 

最恐のデメリットは猫パルボウィルスを保有していた時。

致死率、感染率ともに高く、そしてなかなか消えない強烈なウィルスで、動物病院に連れて行ったら基本的に病院がパニックになるので普通の病院の先生では対応してくれない可能性もあり、電話で対応できるか聞いてみてください。

強烈な嘔吐と下痢が主な症状です。

ただし、こちらは発生したという話をほとんど聞いたことがなく、相当低い確率です。

知り合いの獣医に聞いたらペットショップから買った猫が感染していて大変なことになったと言っていましたが、ブリーダーやペットショップから買うのも対して変わらないかなと。

猫カフェモカのようにパルボが発生しているのに営業を続けた猫カフェもあり、普段触らない他の猫に触った後は必ず消毒することをおすすめします。

 

 

保護猫を飼うメリット

 

保護猫を飼う最大のメリットは、保護猫を選ぶことでその団体さんや保護主が新たな猫を受け入れることができ、命を救うことができることではないでしょうか。

最近の動物愛護センターは基本的に引き取らない方針なので殺処分することも少なくなりましたが、その分動物愛護団体に引き取ってほしいという依頼がたくさんあります。

動物愛護団体もキャパがあり、限界を超えるとそれ以上受け入れることができません。

保護→譲渡→保護→譲渡と、譲渡が決まるから保護できるので、里親さんが決まった時は本当に嬉しくなります。

 

 

保護猫の寿命はどうなのか。

これも結局はその子その子の個体差があります。

長寿の日本人でも50歳で亡くなる人もいれば110歳まで生きる人もいます。

自分の寿命がいつなのかも分からないのに保護猫の寿命がわかるわけでもないのですが、全体的に見たら保護猫のほうが純血種特有の病気がない分健康な子が多いと聞きます。

 

 

例えばスコティッシュフォールド。

スコ座りという座り方がかわいいと話題になりましたが、スコティッシュフォールドは耳が折れている個体同士をかけあわせると段々と体全体の骨格が本来の猫とは違ってこういう座り方しかできなくなるとか。

この記事で詳しく書かれています。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/e9b2a8042e221f3e982bdb62572fff7aff2b58d9

 

猫全体の平均寿命が14.4歳でマンチカンが13.7歳というデータも出てますが、ブリーディングの時にどんな掛け合わせをしているかも寿命と関係があります。

人間が近親相姦を禁止しているように猫も血が似ている猫同士の掛け合わせは本来しません。

けれど、ブリーダー業界も闇が深いのでそこまで管理していない業者もいます。

同じように、多頭飼育崩壊出身の猫も奇形が多いのは事実です。

2匹の猫から始まって、血の繋がっている者同士がどんどん繁殖していくのでそうなってしまうようです。

そういう意味では雑種は環境にもよりますがその点の問題もほとんどないでしょう。

 

 

話は変わりますが、ブルドックが問題になっています。

ブルドッグのうち、 73.9%が股関節形成不全に罹患し、全犬種の中で最も高い数値を示しています。

ブルドックやフレンチ・ブルドックには遺伝的素因により健康状態の悪化があるのは明らかです。

 

と紹介しているこの記事の中にスコティッシュフォールドも書かれているのでよかったら読んでみてください。

https://media.eduone.jp/detail/11490/1/

 

 

まとめ

 

ペットショップから買った猫のほうが病気がなくて安心、というわけでもなくむしろブリーディング次第では遺伝子的な問題がある可能性も。

雑種は汚いという意見は論外ですね。

 

 

ペットショップから買うのか、保護猫を譲り受けるのか。

ペットショップから買うとその日に連れて帰れますし動物愛護団体のようにあれこれ聞かれることもないです。

審査や条件が厳しくて動物愛護団体から引き受けることはできなかったのでペットショップから買ったという声もありますが、いろんな団体の話を聞いてみてください。

小学生がいる家庭は…とかは正直厳しいとも感じますが、私自身は子供の年齢よりもその子自身(子供だけでなく大人もですね)の性質を見ながら考えます。

 

 

動物愛護団体の譲渡の基準は法律で定められているわけでもなく、その人が本当に猫を幸せにしてくれるかどうかが大事なことなので団体によって基準はバラバラです。

断られた人も他の団体をあたってみたりして、保護猫を飼いたいけれど飼えないと諦めないで色々話を聞いてみてください。

 

 

どれが正解なんてなく、足が短いマンチガンが好きな人、ベンガルのような柄が好きな人、色んな考えがあってそれでいいと思っています。

そんな中でも保護猫に目を向ける人がもっともっと増えてくれればなと願っています。

さて、私は令和5年8月28日の執筆時点で6匹の保護した子猫全部がキジトラ。

なかなか貰われにくい柄ですが粘り強く里親さんを待とうと思います。

 

 

 
 
 
 
 
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この記事を書いた人

阪本 一郎

1985年兵庫県宝塚市生まれ。
新卒で広告代理店に入社し、文章で魅せるということの大事さを学ぶ。
その後、学習塾を運営しながらアフィリエイトなどインターネットビジネスで生計を立て、SNSの発信力を磨く。
ある日公園で捨てられていた猫を拾ってから、自分の能力を動物のために使いたいと思うようになり、猫カフェを開業。
ヴィーガン食品、平飼い卵を使った商品を開発。
今よりもっと動物が自由に生きられる世の中にしたいと思い、行動しています。

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