保護猫のワクチンの時期はいつが適切?急がずじっくり体調と向き合って!
猫を保護した時、猫を保護団体から譲渡される時。
ワクチンは接種すべきなのか、どの種類のワクチンがいいのか、どの時期にすることがおすすめか。
早ければいいというものでもありませんし、リスクがないわけでもありません。
メリット・デメリットをしっかり把握しましょう。
ワクチンの時期と種類
私は動物愛護団体として、保護猫の譲渡を10年しています。
いろいろな猫が過去にいました。
いろいろな動物病院の先生もいます。
医療的な正解は一つではないし、セカンドオピニオンの大切さも知っています。
まず、ワクチンの時期について。
子猫であれば生後2ヶ月前後の時期からでいいと言われています。
親猫の初乳を飲んでいるかどうかで免疫があるかどうかも変わってくるようですが、なかなか初乳を飲んでいるかどうかは人間が野良猫の状況を把握することは難しいです。
ただ、へその緒がついている生まれたての時期に保護したのであれば分からないですが、目が開いているような子猫はほぼ親猫が育ててきたので生き残っています。
保護したあと、どのくらいの期間でワクチンを接種したらいいかは最低2週間は様子を見たほうがいいです。
ワクチンを接種するときは必ず体調が良いときにして、下痢をしていないか、お腹の寄生虫は落としきれているか、風邪を引いていないかなどの健康面を重視しましょう。
ワクチンは菌やウィルスの弱体化したものを体の中に入れて抗体を作るものなので、体が弱っていると負担になります。
無理をして早く接種する必要もほぼありませんし、体調を整えてからが一番適切な時期です。
一度目から二度目の期間は1ヶ月。
その後三度目からは一年に一回でいいのですが、これも絶対に必要かと言われれば他の猫に接触することがないようであればあまり感染リスクもないので人それぞれの考え方で良いと思います。
猫のワクチンには3,4,5種とあります。
3種が一般的なワクチンでほとんどの人がこれを選択します。
「猫伝染性鼻気管炎」「猫カリシウイルス感染症」「猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症)」を予防、もしくは重症化の予防をします。
前2つはいわゆる猫風邪で、他にもやまほど風邪の原因になる菌やウィルスがいるので、三種ワクチンを接種したら風邪を引かないわけではありません。
最大のメリットは猫パルボウィルスの重症化の予防です。
こちらはほとんど聞いたことのないウィルスですが、感染すると嘔吐と下痢が続き子猫の場合かなりの高確率で死んでしまいます。
地域によってはまだ発生しているところもあるようですが、滅多に聞く話ではありません。
しかし、感染力が強いことと致死率の高いことをふまえれば特に私のようなたくさんの猫がいる環境の場合は接種することをおすすめしています。
他に4種ワクチンは3種に加えて猫白血病ウイルス感染症の予防をします。
こちらもほぼ聞くことのない病気ではありますが、それなりの感染力と感染したら2~3年で発症し死んでしまうというデータが多く、キャリアを持つ猫がいる場合はワクチンを接種することをおすすめします。
しかし、そういうことがない限りは3種でいいと思います。
動物愛護団体から譲渡される場合はあらかじめキャリアを持っているかどうか調べていることが多いです。
しかし、野良猫を保護した場合、確率は低いですがエイズや白血病の陽性が出る場合があります。
いきなり一緒にさせるのではなく、必ず動物病院でウィルスチェックをすることと、検便とノミダニ寄生虫の駆虫をしましょう。
5種は4種に加えて猫クラミジア感染症の予防をします。
こちらもいわゆる猫風邪です。
エイズのワクチンは混合されておらず別で接種となります。
ワクチンは接種すべきか
人間の新型コロナウイルスに対してのワクチンは接種を努力義務とされました。
8割位の方が接種していますが、中にはワクチンに疑問を持つ人も。
私自身は、副作用で1日ぶっ倒れると猫の世話がおろそかになるので一度も接種しませんでした。
医学をどっぷり勉強してきた医者の多くは接種を推奨しました。
なぜなら、医者の正解は接種することで予防し、集団免疫を持つことで感染拡大を落ち着かせるために。
しかし、副作用で苦しんでいる人もたくさん出ました。
話を猫に戻しますと、やはりワクチンには副作用があります。
私がワクチン接種の投稿をSNSですると、狂犬病ワクチンを接種して具合が悪くなってアナフィラキシーショックで死亡したという話をちょくちょくメッセージで頂きます。
狂犬病ワクチンは年1回義務付けられていますが、なかなか大変です。
狂犬病ワクチンに関しては、私個人の考えですがこのワクチン自体は予防効果があり、日本で狂犬病が発生しなくなって清浄国になっているのはワクチンも一つの大きな鍵になっていると思います。
しかし、猫伝染性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症を狂犬病と同じように感染拡大を防止し、日本からこの病気を発症しなくなるとは思えないので、ワクチンを過信するのは良くないかなと思っています。
「社会全体の健康のためにワクチン接種を推奨する」というのは人間の新型コロナウイルスのワクチンでも分かるように、そんなに万能なわけでもないし社会全体のことを考えずに目の前の大事な命のことを第一に考えて判断して良いのではないかと思います。
動物愛護団体からトライアルする場合のワクチン接種のタイミング
動物愛護団体は春から秋にかけては多くが子猫の譲渡です。
大体生後1~2ヶ月の間に1回目を接種しています。
8週齢の時期から里親募集、トライアルを行っていくことが一般的です。
トライアル期間中に2回目のワクチン接種をする時期が来た場合、どうするか。
これは先方と要相談であり、事前にワクチン代は誰が負担するかも決めておきましょう。
私の場合、2回目のタイミングはトライアル期間終了後にお願いしています。
例えばトライアル期間が1週間の場合、猫の性格にもよりますが最初は環境の変化でストレスを感じていてトライアル開始時はお腹がゆるくなって下痢をしたり尿が赤くなったりすることがあります。
そういう時期を終えて環境に慣れてからのワクチン接種をおすすめしていますので焦らず猫の体調と相談しましょう。
3種ワクチン接種の相場は5000円前後です。
余談 気をつけたい感染経路
猫パルボの感染を知り合いの動物病院の先生が経験したことがあるので共有します。
ペットショップから購入した猫が体調が悪いと入院依頼があったそうです。
症状は下痢と嘔吐。
全然回復せずにぐったりしているので検査したらパルボだったと。
ちなみに、大手ペットショップのクーアンドリクで購入した猫がパルボ感染していたとか、繁殖場でパルボが感染していると週刊新潮が報道していましたが、ペットショップだから安全とは限りません。
その後、院内の患者猫にも感染してしまい、数匹が亡くなってしまったそうです。
飼い主さんからしたら最悪ですよね。
そうなんです、いつもの動物病院が何かしらの病気が蔓延していることもあり得ますし、そもそも病気だから病院に行っているわけであり感染リスクがないわけではありません。
多頭飼育をしていなかったり、他の猫と触れ合うことがなくても動物病院に行くことが多い猫は気をつけてと言っても目に見えないものなので本当に恐ろしいことなのですが3種ワクチンは病院通いの頻度の多い子はしておいたほうがいいこともあります。
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